202 / 457
連載
306 過去編 16 危険な物です
しおりを挟む
2015. 12. 20
********************************************
サティアは探し物に夢中になっていた為、唐突に外が静かになった事に気付いていなかった。
先程探し当てた神具の気配は濃さを増し、その存在を強く主張している。お陰で、他の不穏な気配を探るのが集中しないと難しくなっていたのだ。
「これも違う……あとは……」
ぶつぶつと無意識に呟きながら、次に感じる気配を辿る。そして、ようやくそれを見つけ出す事ができた。
「あった。ナイフ……黒い鞘と柄……ね。うん。あ~、なんか抜かない方が良さそうだから刀身を確認するのはやだなぁ……」
そのナイフを手に取って分かった。かなりの力が込められているが、鞘がしっかりとその力を押さえ込んでいるのだ。
「すごいなぁ。どんな魔術が込められてるんだろう」
一瞬抜いてみたい衝動に駆られるが、サティアにはこれが、とても危険なものだと分かるのだ。
「抜かないぞ。さて、サクヤさんに……っ」
その時、ナイフや未だに主張を続ける神具のせいで、背後まで迫っていた盗賊の男の気配に気付けなかった。
「ぐわぁぁぁぁっ、ぐっ」
「っ……あ……」
撃退してしまったのは、完全に条件反射だ。
サティアは手に持っていたサクヤの呪いのナイフを抜き放ち、今まさにサティアへと向かって振り下ろそうとしていた男のナイフを持った腕を、斬り飛ばしたのだ。
それだけでは終わらず、腕を斬り飛ばした事実を確認するより先に、更に綺麗な流れるような動作で、男を入り口近くまで回し蹴りによって吹き飛ばしていたのだった。
「ぐぅ……」
お陰で、男はそれ程苦しまず、一気に意識を飛ばすことが出来たようだ。
「ほぉ。ふふふっ、さすがは私の娘。だが……腕はどこへいった?」
「へ?母様?」
そこに現れたのは、久方ぶりに見る冒険者姿の母、マティアスだった。
「笑い事ではないよ。でも、確かに……切り口も何かおかしいね……」
マティアスの隣には、カルツォーネが立っており、じっくりと男の切られた腕の切り口を観察していた。
「ふむ……あの黒い粉かな」
「粉だと?」
次に部屋を見回したカルツォーネが、一部の床に短い棒があったように黒い砂が散らばる部分へと歩み寄る。
「水晶の細かい欠片のようにも見えるけれど、サティアが持っているナイフの力を感じるよ」
「あ……」
そこでサティアは、手にしていたナイフを抜き放ったままであった事に気付いた。
その刀身は、思った通り黒く光り、美しかった。見惚れては危ないと、冷静な頭で慌てて鞘へと戻す。
「あら?もしかして、使っちゃった?」
「サクヤ。どうゆう事だ?」
マティアスが、遅れて顔を覗かせたサクヤへ、その綺麗な眉根を寄せて問い掛けた。
「やだ、マティったら怖い顔☆」
「自慢の尻尾を切り落とされたくなれけばシャキッと答えろ」
「うぅっ……久し振りに会ったのに冷たい……っ、ご、ごめんなさぁいっ。言いますっ、言いますからっ」
サクヤとしては、十数年振りの再会であったマティアスとの穏やかな語らいが希望だったのだが、マティアスにその余裕はなかった。
母となったマティアスは、そうは見えなくとも、娘であるサティアを大事に思っている。久方ぶりの友人との語らいより、おかしな力を持ったナイフを使った事で害がないかとの心配が先に立ったのだ。
「え、えっと、使った方に害はないのよ?『呪いの~』なんて言ってるけど、身を護る為の武器でしかないの。ただ、切りつけた所が結晶化しちゃったりするんだけどね。どうゆう理屈か分かんないんだけど、生き物とかだと、切り離した所は、瞬時に結晶化してこうやって粉になって砕けちゃうのよ……」
「……」
怖すぎる。万が一、自身を傷付けたりしたらどうするつもりなのか。
「危険だね」
「良くないな」
「なんかやだぁ」
「ちょっ、ちょっと、今すぐに処分しようっ、みたいな目で見ないでよっ。彼氏からのプレゼントなのよっ⁉︎」
サティアが、もう持ちたくないと摘み持つナイフに、カルツォーネとマティアスが鋭い目を向けるのを慌ててサクヤは遮る。そして、サティアからナイフを取ると、大切な物を抱き締めるように愛しげに胸に抱いた。
その様子をしばらく見つめていたマティアスは、何かを思い付つく。
「おい、サクヤ。ついでにそこの横笛を持ってこい」
「はぁ?ついでって……横笛ってこれ?ちょっ、な、なんか嫌な感じするわよっ?」
サクヤは、違和感を感じながらも、抵抗なくひょいっと神具を持ち上げた。
「心配ない。お前は鈍いからな」
「どうゆう意味よっ⁉︎」
「良いから持って来い。城へ……いや、待て……寄り道をするか……」
「どこにっ?」
マティアスのこの呟きに、サティアが真っ先に食らいついた。
「ふっ、行ってみたいと言っていただろう。ダンジョンだ」
「っダンジョンっ⁉︎ 私も行って良いのっ⁉︎」
「あぁ、見せてやろう」
今のサティアには、転がる男の事などちょっと邪魔な障害物でしかない。それを飛び越え、喜びのあまりマティアスへと満面の笑顔で駆け寄る。
「ちょっと、見せるって、まさかあそこ?」
「サク姐は苦手でしたね。彼女が」
「うっ、仕方ないじゃない。合わないんだもの」
気まずげに顔を歪めるサクヤに、カルツォーネはくすくすと笑う。
「似ているからじゃないのか?お前のは同族嫌悪だろうと、前にシェリーが言っていた」
「……あの変態エルフっ……」
ギリギリと歯を擦るサクヤの様子を目の端に捉え、サティアは不思議そうにマティアスへと尋ねた。
「誰かに会いにいくの?」
「そうだ。私達の創り上げた……というか、改造したダンジョンの主……妖精王にな」
「妖精王っ⁉︎」
得意気に笑いながら口にしたマティアスの言葉に、物語でしか知らない妖精の存在を聞いたサティアは驚愕するのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
騎士A「こ、ここか?」
アリア「そのようです……」
騎士B「ここまで酷いと、盗賊でも同情する……」
アリア「い、一応、全員生きてはいるようですね……」
魔術士A「我々はどうすれば?」
アリア「あ、この奥に宝物庫があるそうですので、そちらにお願いします」
魔術士B「我々が運び出すのですか?」
アリア「いえ、ただ……危険な魔導具や呪いの何とかと言われても、騎士であるこちらには分からない物も多いので、選別をお願いします」
魔術士C「なんか、すっごい奴がありそうだ」
アリア「はいっ。マティアス様が危険と判断していますから」
魔術士達「「「……」」」
騎士達「「「……」」」
アリア「あ……言うべきではありませんでしたね……」
魔術士A「ですね……一気に不安になりました」
魔術士B「帰っても良いですか?」
魔術士C「丸ごと焼き払ってしまいましょう」
アリア「いやいや、ダメですってっ。今回のこれは、王命ですよっ⁉︎」
騎士A「マティアス様がやった事にすれば……」
騎士B「サティア様が、おかしな実験をしたという事にしてもいけるかもな」
騎士C「豪嵐が通ったのだと言えば問題ない」
魔術士達「「「賛成です!」」」
アリア「……」
シル「アリア殿。マティアス様からお預かりいたしました。拝読ください。失礼いたします」
アリア「あ、は、はい……え?マ、マティアス様からっ?…………」
騎士達A「なんと?」
アリア「……『サティの命を軽んじる奴は、全員、赤白の宮殿に連れてこい』……だそうです……」
騎士達「「「さぁ、やるぞ!」」」
魔術士達「「「宝はどこだ!」」」
アリア「え?あれ?皆さん……?」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
俄然ヤル気が出たようです。
後始末……頑張れ。
ようやくこのエピソードが見えました。
晶腐石を取りに行った時でしたか……カル姐さんが、楽しそうに話していたお話です。
マティアス母さんも久し振りな気がします。
冒険者な王妃様です。
ダンジョンにいるのは妖精王だとか。
今も居るのか……?
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
********************************************
サティアは探し物に夢中になっていた為、唐突に外が静かになった事に気付いていなかった。
先程探し当てた神具の気配は濃さを増し、その存在を強く主張している。お陰で、他の不穏な気配を探るのが集中しないと難しくなっていたのだ。
「これも違う……あとは……」
ぶつぶつと無意識に呟きながら、次に感じる気配を辿る。そして、ようやくそれを見つけ出す事ができた。
「あった。ナイフ……黒い鞘と柄……ね。うん。あ~、なんか抜かない方が良さそうだから刀身を確認するのはやだなぁ……」
そのナイフを手に取って分かった。かなりの力が込められているが、鞘がしっかりとその力を押さえ込んでいるのだ。
「すごいなぁ。どんな魔術が込められてるんだろう」
一瞬抜いてみたい衝動に駆られるが、サティアにはこれが、とても危険なものだと分かるのだ。
「抜かないぞ。さて、サクヤさんに……っ」
その時、ナイフや未だに主張を続ける神具のせいで、背後まで迫っていた盗賊の男の気配に気付けなかった。
「ぐわぁぁぁぁっ、ぐっ」
「っ……あ……」
撃退してしまったのは、完全に条件反射だ。
サティアは手に持っていたサクヤの呪いのナイフを抜き放ち、今まさにサティアへと向かって振り下ろそうとしていた男のナイフを持った腕を、斬り飛ばしたのだ。
それだけでは終わらず、腕を斬り飛ばした事実を確認するより先に、更に綺麗な流れるような動作で、男を入り口近くまで回し蹴りによって吹き飛ばしていたのだった。
「ぐぅ……」
お陰で、男はそれ程苦しまず、一気に意識を飛ばすことが出来たようだ。
「ほぉ。ふふふっ、さすがは私の娘。だが……腕はどこへいった?」
「へ?母様?」
そこに現れたのは、久方ぶりに見る冒険者姿の母、マティアスだった。
「笑い事ではないよ。でも、確かに……切り口も何かおかしいね……」
マティアスの隣には、カルツォーネが立っており、じっくりと男の切られた腕の切り口を観察していた。
「ふむ……あの黒い粉かな」
「粉だと?」
次に部屋を見回したカルツォーネが、一部の床に短い棒があったように黒い砂が散らばる部分へと歩み寄る。
「水晶の細かい欠片のようにも見えるけれど、サティアが持っているナイフの力を感じるよ」
「あ……」
そこでサティアは、手にしていたナイフを抜き放ったままであった事に気付いた。
その刀身は、思った通り黒く光り、美しかった。見惚れては危ないと、冷静な頭で慌てて鞘へと戻す。
「あら?もしかして、使っちゃった?」
「サクヤ。どうゆう事だ?」
マティアスが、遅れて顔を覗かせたサクヤへ、その綺麗な眉根を寄せて問い掛けた。
「やだ、マティったら怖い顔☆」
「自慢の尻尾を切り落とされたくなれけばシャキッと答えろ」
「うぅっ……久し振りに会ったのに冷たい……っ、ご、ごめんなさぁいっ。言いますっ、言いますからっ」
サクヤとしては、十数年振りの再会であったマティアスとの穏やかな語らいが希望だったのだが、マティアスにその余裕はなかった。
母となったマティアスは、そうは見えなくとも、娘であるサティアを大事に思っている。久方ぶりの友人との語らいより、おかしな力を持ったナイフを使った事で害がないかとの心配が先に立ったのだ。
「え、えっと、使った方に害はないのよ?『呪いの~』なんて言ってるけど、身を護る為の武器でしかないの。ただ、切りつけた所が結晶化しちゃったりするんだけどね。どうゆう理屈か分かんないんだけど、生き物とかだと、切り離した所は、瞬時に結晶化してこうやって粉になって砕けちゃうのよ……」
「……」
怖すぎる。万が一、自身を傷付けたりしたらどうするつもりなのか。
「危険だね」
「良くないな」
「なんかやだぁ」
「ちょっ、ちょっと、今すぐに処分しようっ、みたいな目で見ないでよっ。彼氏からのプレゼントなのよっ⁉︎」
サティアが、もう持ちたくないと摘み持つナイフに、カルツォーネとマティアスが鋭い目を向けるのを慌ててサクヤは遮る。そして、サティアからナイフを取ると、大切な物を抱き締めるように愛しげに胸に抱いた。
その様子をしばらく見つめていたマティアスは、何かを思い付つく。
「おい、サクヤ。ついでにそこの横笛を持ってこい」
「はぁ?ついでって……横笛ってこれ?ちょっ、な、なんか嫌な感じするわよっ?」
サクヤは、違和感を感じながらも、抵抗なくひょいっと神具を持ち上げた。
「心配ない。お前は鈍いからな」
「どうゆう意味よっ⁉︎」
「良いから持って来い。城へ……いや、待て……寄り道をするか……」
「どこにっ?」
マティアスのこの呟きに、サティアが真っ先に食らいついた。
「ふっ、行ってみたいと言っていただろう。ダンジョンだ」
「っダンジョンっ⁉︎ 私も行って良いのっ⁉︎」
「あぁ、見せてやろう」
今のサティアには、転がる男の事などちょっと邪魔な障害物でしかない。それを飛び越え、喜びのあまりマティアスへと満面の笑顔で駆け寄る。
「ちょっと、見せるって、まさかあそこ?」
「サク姐は苦手でしたね。彼女が」
「うっ、仕方ないじゃない。合わないんだもの」
気まずげに顔を歪めるサクヤに、カルツォーネはくすくすと笑う。
「似ているからじゃないのか?お前のは同族嫌悪だろうと、前にシェリーが言っていた」
「……あの変態エルフっ……」
ギリギリと歯を擦るサクヤの様子を目の端に捉え、サティアは不思議そうにマティアスへと尋ねた。
「誰かに会いにいくの?」
「そうだ。私達の創り上げた……というか、改造したダンジョンの主……妖精王にな」
「妖精王っ⁉︎」
得意気に笑いながら口にしたマティアスの言葉に、物語でしか知らない妖精の存在を聞いたサティアは驚愕するのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
騎士A「こ、ここか?」
アリア「そのようです……」
騎士B「ここまで酷いと、盗賊でも同情する……」
アリア「い、一応、全員生きてはいるようですね……」
魔術士A「我々はどうすれば?」
アリア「あ、この奥に宝物庫があるそうですので、そちらにお願いします」
魔術士B「我々が運び出すのですか?」
アリア「いえ、ただ……危険な魔導具や呪いの何とかと言われても、騎士であるこちらには分からない物も多いので、選別をお願いします」
魔術士C「なんか、すっごい奴がありそうだ」
アリア「はいっ。マティアス様が危険と判断していますから」
魔術士達「「「……」」」
騎士達「「「……」」」
アリア「あ……言うべきではありませんでしたね……」
魔術士A「ですね……一気に不安になりました」
魔術士B「帰っても良いですか?」
魔術士C「丸ごと焼き払ってしまいましょう」
アリア「いやいや、ダメですってっ。今回のこれは、王命ですよっ⁉︎」
騎士A「マティアス様がやった事にすれば……」
騎士B「サティア様が、おかしな実験をしたという事にしてもいけるかもな」
騎士C「豪嵐が通ったのだと言えば問題ない」
魔術士達「「「賛成です!」」」
アリア「……」
シル「アリア殿。マティアス様からお預かりいたしました。拝読ください。失礼いたします」
アリア「あ、は、はい……え?マ、マティアス様からっ?…………」
騎士達A「なんと?」
アリア「……『サティの命を軽んじる奴は、全員、赤白の宮殿に連れてこい』……だそうです……」
騎士達「「「さぁ、やるぞ!」」」
魔術士達「「「宝はどこだ!」」」
アリア「え?あれ?皆さん……?」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
俄然ヤル気が出たようです。
後始末……頑張れ。
ようやくこのエピソードが見えました。
晶腐石を取りに行った時でしたか……カル姐さんが、楽しそうに話していたお話です。
マティアス母さんも久し振りな気がします。
冒険者な王妃様です。
ダンジョンにいるのは妖精王だとか。
今も居るのか……?
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
10
お気に入りに追加
4,560
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
陛下から一年以内に世継ぎが生まれなければ王子と離縁するように言い渡されました
夢見 歩
恋愛
「そなたが1年以内に懐妊しない場合、
そなたとサミュエルは離縁をし
サミュエルは新しい妃を迎えて
世継ぎを作ることとする。」
陛下が夫に出すという条件を
事前に聞かされた事により
わたくしの心は粉々に砕けました。
わたくしを愛していないあなたに対して
わたくしが出来ることは〇〇だけです…
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。