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ミッション10 子ども達の成長
389 どうするだろうね
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ヒクリと息を呑むクーレルト。
「っ!?」
驚くのも無理はないが、バルトーラが普通なので、何とか声を出すのは抑えたようだ。そんなクーレルトを円な瞳で一瞥した隠密ウサギだが、すぐにバルトーラへと視線を戻した。
《それで?》
「あ、うん。あのクロコ君が居る所で、できればついでに、隣領のアンダート子爵領への嫌がらせの証拠を見つけて欲しくて」
《なるほど。ですが、嫌がらせというのはどの程度です? 感じ方は人それぞれありますからね》
「ああ、確かに……クーレ、具体的に言えることある?」
「え、ああ……」
クーレルトは動揺を無理やり抑えながら、努めて落ち着いた声で告げた。
「幾つかあって……領民の若い子達を仕事を紹介できるからと連れて行く。領境近くの森の木を勝手に伐採する。そこにまた勝手にゴミの捨て場を作る。冒険者を使って商店を荒らす……孤児や浮浪者達をこちらの領に追い立てる……あと……」
「え……まだあるの?」
挙げたら切りがないというくらいありそうな顔をしていた。指折り数えていたが、本数が足りなくなりそうだ。
これを聞いて、隠密ウサギが呟いた。
《……それ、他の領でも聞いたことがありますね……》
「どういうこと?」
《こういった迷惑行為を教えている、示唆している者が居る可能性がありそうです》
「ん~、こうしたら隣に嫌がらせできるよ~って教えてるやつが居るかもってこと?」
《そういうことです。それも含めて調べましょう》
「お願いするよ」
《いいでしょう。では》
次の瞬間には、もう隠密ウサギは姿を消していた。
「っ、ど、どこにっ……」
「うん? こっちから視認なんてできないよ。そういうものだって思っておくといい」
「……はあ……」
目を凝らしても、もうどこにもそれらしい影さえなかった。
「壁とか天井にも張り付ける子達だからさ」
「壁……天井……」
「あ、それより、なんか話してる間に、何人か顔色が変わってるみたいだ」
「……本当だ……確か、あの本のようなものを見て顔色を変えていた人たち……」
「なら、王が対処を決めたのかな。リゼンに、アレを持っていたらどうなるかって聞いていたみたいだし」
「ありそうですね」
洗脳や思考誘導され、本人の意識ではなくても、それが国に不利益をもたらすものならば、処罰対象になる可能性は高い。救済措置が多少はあるかもしれないが、そうした行動や考えになったのは本人に責任があるという判断だ。ファスター王もリゼンフィアも、甘い人ではない。
「あとは、教会からどれだけ減刑の声をもらえるかだね」
「……かなりの人数だよね……」
金の腕輪をされた者は、ほぼ半数近い数だった。その大半に心当たりがあるようだ。
バルトーラは、頬杖を突いてそんな人たちを見下ろす。
「まあ、あの金の腕輪をされた時点で、色々マズいことやらかしてるってことなんだろうし、覚悟はしていかないとね~」
「覚悟……処罰を受ける?」
「そう。最悪、全部を失う覚悟をね。彼らの家族もどうなるか……」
「……身分の剥奪もある……と?」
「あるだろうね。今頃、ホールの方も騒いでるんじゃない? あっちは、周りの人と話もしやすいだろうしね」
「……ああ……騒がしそう……」
こちらでも阿鼻叫喚となってから、ホールの様子は映し出されなくなっている。きっと、ここよりも酷いことになっているんだろうなと、バルトーラは思っていた。クーレルトも察したようだ。
リゼンフィアがマイクを口元に持って行くのが見えたので、揃ってそちらを向く。
『資料も配り終わったようですので、確認していきます。広場の方の映像も見ながらどうぞ』
広場の映像は映したままだ。形式として、資料は読み上げなくてはならない。だが、あくまでも形式なので、好きにしてくれということだ。
堅苦しいばかりでは息も吐けない。何より、衝撃があり過ぎて、自分本位で生きて来た貴族達には刺激が強過ぎた。他人に振り回されることもほぼなく、振り回す方。仕掛けるのは自分たち。それが常だった彼らには、対応しきれないのだろう。
「打たれ弱いって本当だったね~」
「何が?」
「うん? うちの甥っ子がねえ、偉そうにしてる貴族ほど、実は打たれ弱いと思うよって言ってたんだよ。本当だったなあって」
「ああ……」
「失うことを想像してなかったんだろうね。大抵のものは手に入る。ダメでも奪えば良い。で、奪われた事がないから、失ったことがないから、衝撃は大きいだろうね」
「今回のは、奪い返せるものでもないし?」
「そういうこと。だから、対処の仕方がわからない。あの辺、もうリゼンの声も、広場の様子も聞こえないし見えなくなってる。さて、どうするだろうね」
多少は、騙すことはできても、嘘が吐けないから、尋問されたら色々とマズいことは理解しただろう。
「逃げるんじゃ?」
「その対策をしてないはずがない。この資料……相当気合い入ってる。逃す気はないね。思うに、先代や夫人達をも招集したのにも意味があるんだ……今回ので、一気にカタをつける気なんだろうね」
バルトーラは、ペラペラと資料をめくり、確信した。そこには、どのようなことをしていた者がいるのか、どのような罪になるのかというのが大半を占めている。予想される賠償金の金額も出ていた。
「領地持ちも多い。これだけの人数が、一時とはいえ、政務ができなくなるとなれば、領民への影響も出るだろう」
「捕まるというか、取り調べもあるだろうし?」
「その時間を短縮するためにも用意されたのが、この腕輪だろうな。自白させて、罪を早くに確定させる。牢に入れなくても良いのを、早く帰らせて仕事させたいんだ」
賠償金だけでいい、比較的軽微な罪の者を早く選別し、早めに領地に返すつもりなのだ。
「で、もし牢に入ったとしても、関係のない夫人達は先に返して、政務の対応をさせる。家令への伝言だけでも助かるものがあるからな。後継者への引き継ぎもすぐにさせられるだろう」
王都から離れた領地の場合、当主が捕まったという連絡さえすぐには届かない。いつまで留守対応をするのかというのが分からないのは、領として困るものだ。当主が帰って来ないかもしれないという連絡は、早い方が良い。
「今回、潰されたのは他国でも活動している大きな闇ギルドだ。だから、慎重に、けれど、素早く対応する必要がある。逃したり、証拠隠滅を謀ったりすれば罪は更に重くなる。それで貴族家を簡単に潰してしまっては、国力が下がるだろう。それは隙に繋がる。だから、リゼン達はここまで力を注いだんだろう」
闇ギルドの方に恨まれるのは仕方がない。だが、貴族達の粛清で時間をかけると、どうしても他国への隙に繋がる。それを他国に残る闇ギルドの者達は利用してくるだろう。ここは、素早く国を立て直す必要がある。
「バカなことをさせないように、夫人達や先代達も呼んで監視させるってこともある?」
「だろうな。きっちり言い聞かせて帰らせるだろう。メルナ妃のあんな映像を見せたのも、自分たちで考えさせるためだろう。王妃の実家だからと幅を利かせていたあの家も、あれでは頼りにはできないからな」
目を向けた先で、資料を握りしめて震えているのは、侯爵の一人。メルナの父だ。
「メルナ妃の外面があったから、あの親父も体面を保っていたが、残念ながら、今回のであの顔通りの陰湿なクソ野郎だって証明されたな。実にあの父親の娘らしいクズ女だった」
「ちょっ、バルト……っ」
メルナ妃は儚げで病弱。そんな彼女が父親を悪く言わない、頼りにしているという姿や、そんな娘を心配する彼は、良い父親という印象を与えていた。あんなに良い娘を育てたのだから、いい人なのだというように印象操作されていたのだ。しかし、それが今日、剥がれ落ちた。
「ふん。だから言ったんだ。男を権力で判断してるような女は、いくら見た目が良くてもクズだって。あいつら、その権力を宝石か何かだとしか思ってないからな。あの女はその筆頭じゃないか」
「……バルト……相変わらず女嫌いのままなんだね……」
「頭の悪い、バカが嫌いなだけで、女という生物に嫌悪しているわけではないぞ」
「え? そうなの?」
「そうなのかい?」
「「ん?」」
思わずというように、後ろに座っていた男が声をあげた。その人は、第一王妃メルナの腹違いの兄だった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「っ!?」
驚くのも無理はないが、バルトーラが普通なので、何とか声を出すのは抑えたようだ。そんなクーレルトを円な瞳で一瞥した隠密ウサギだが、すぐにバルトーラへと視線を戻した。
《それで?》
「あ、うん。あのクロコ君が居る所で、できればついでに、隣領のアンダート子爵領への嫌がらせの証拠を見つけて欲しくて」
《なるほど。ですが、嫌がらせというのはどの程度です? 感じ方は人それぞれありますからね》
「ああ、確かに……クーレ、具体的に言えることある?」
「え、ああ……」
クーレルトは動揺を無理やり抑えながら、努めて落ち着いた声で告げた。
「幾つかあって……領民の若い子達を仕事を紹介できるからと連れて行く。領境近くの森の木を勝手に伐採する。そこにまた勝手にゴミの捨て場を作る。冒険者を使って商店を荒らす……孤児や浮浪者達をこちらの領に追い立てる……あと……」
「え……まだあるの?」
挙げたら切りがないというくらいありそうな顔をしていた。指折り数えていたが、本数が足りなくなりそうだ。
これを聞いて、隠密ウサギが呟いた。
《……それ、他の領でも聞いたことがありますね……》
「どういうこと?」
《こういった迷惑行為を教えている、示唆している者が居る可能性がありそうです》
「ん~、こうしたら隣に嫌がらせできるよ~って教えてるやつが居るかもってこと?」
《そういうことです。それも含めて調べましょう》
「お願いするよ」
《いいでしょう。では》
次の瞬間には、もう隠密ウサギは姿を消していた。
「っ、ど、どこにっ……」
「うん? こっちから視認なんてできないよ。そういうものだって思っておくといい」
「……はあ……」
目を凝らしても、もうどこにもそれらしい影さえなかった。
「壁とか天井にも張り付ける子達だからさ」
「壁……天井……」
「あ、それより、なんか話してる間に、何人か顔色が変わってるみたいだ」
「……本当だ……確か、あの本のようなものを見て顔色を変えていた人たち……」
「なら、王が対処を決めたのかな。リゼンに、アレを持っていたらどうなるかって聞いていたみたいだし」
「ありそうですね」
洗脳や思考誘導され、本人の意識ではなくても、それが国に不利益をもたらすものならば、処罰対象になる可能性は高い。救済措置が多少はあるかもしれないが、そうした行動や考えになったのは本人に責任があるという判断だ。ファスター王もリゼンフィアも、甘い人ではない。
「あとは、教会からどれだけ減刑の声をもらえるかだね」
「……かなりの人数だよね……」
金の腕輪をされた者は、ほぼ半数近い数だった。その大半に心当たりがあるようだ。
バルトーラは、頬杖を突いてそんな人たちを見下ろす。
「まあ、あの金の腕輪をされた時点で、色々マズいことやらかしてるってことなんだろうし、覚悟はしていかないとね~」
「覚悟……処罰を受ける?」
「そう。最悪、全部を失う覚悟をね。彼らの家族もどうなるか……」
「……身分の剥奪もある……と?」
「あるだろうね。今頃、ホールの方も騒いでるんじゃない? あっちは、周りの人と話もしやすいだろうしね」
「……ああ……騒がしそう……」
こちらでも阿鼻叫喚となってから、ホールの様子は映し出されなくなっている。きっと、ここよりも酷いことになっているんだろうなと、バルトーラは思っていた。クーレルトも察したようだ。
リゼンフィアがマイクを口元に持って行くのが見えたので、揃ってそちらを向く。
『資料も配り終わったようですので、確認していきます。広場の方の映像も見ながらどうぞ』
広場の映像は映したままだ。形式として、資料は読み上げなくてはならない。だが、あくまでも形式なので、好きにしてくれということだ。
堅苦しいばかりでは息も吐けない。何より、衝撃があり過ぎて、自分本位で生きて来た貴族達には刺激が強過ぎた。他人に振り回されることもほぼなく、振り回す方。仕掛けるのは自分たち。それが常だった彼らには、対応しきれないのだろう。
「打たれ弱いって本当だったね~」
「何が?」
「うん? うちの甥っ子がねえ、偉そうにしてる貴族ほど、実は打たれ弱いと思うよって言ってたんだよ。本当だったなあって」
「ああ……」
「失うことを想像してなかったんだろうね。大抵のものは手に入る。ダメでも奪えば良い。で、奪われた事がないから、失ったことがないから、衝撃は大きいだろうね」
「今回のは、奪い返せるものでもないし?」
「そういうこと。だから、対処の仕方がわからない。あの辺、もうリゼンの声も、広場の様子も聞こえないし見えなくなってる。さて、どうするだろうね」
多少は、騙すことはできても、嘘が吐けないから、尋問されたら色々とマズいことは理解しただろう。
「逃げるんじゃ?」
「その対策をしてないはずがない。この資料……相当気合い入ってる。逃す気はないね。思うに、先代や夫人達をも招集したのにも意味があるんだ……今回ので、一気にカタをつける気なんだろうね」
バルトーラは、ペラペラと資料をめくり、確信した。そこには、どのようなことをしていた者がいるのか、どのような罪になるのかというのが大半を占めている。予想される賠償金の金額も出ていた。
「領地持ちも多い。これだけの人数が、一時とはいえ、政務ができなくなるとなれば、領民への影響も出るだろう」
「捕まるというか、取り調べもあるだろうし?」
「その時間を短縮するためにも用意されたのが、この腕輪だろうな。自白させて、罪を早くに確定させる。牢に入れなくても良いのを、早く帰らせて仕事させたいんだ」
賠償金だけでいい、比較的軽微な罪の者を早く選別し、早めに領地に返すつもりなのだ。
「で、もし牢に入ったとしても、関係のない夫人達は先に返して、政務の対応をさせる。家令への伝言だけでも助かるものがあるからな。後継者への引き継ぎもすぐにさせられるだろう」
王都から離れた領地の場合、当主が捕まったという連絡さえすぐには届かない。いつまで留守対応をするのかというのが分からないのは、領として困るものだ。当主が帰って来ないかもしれないという連絡は、早い方が良い。
「今回、潰されたのは他国でも活動している大きな闇ギルドだ。だから、慎重に、けれど、素早く対応する必要がある。逃したり、証拠隠滅を謀ったりすれば罪は更に重くなる。それで貴族家を簡単に潰してしまっては、国力が下がるだろう。それは隙に繋がる。だから、リゼン達はここまで力を注いだんだろう」
闇ギルドの方に恨まれるのは仕方がない。だが、貴族達の粛清で時間をかけると、どうしても他国への隙に繋がる。それを他国に残る闇ギルドの者達は利用してくるだろう。ここは、素早く国を立て直す必要がある。
「バカなことをさせないように、夫人達や先代達も呼んで監視させるってこともある?」
「だろうな。きっちり言い聞かせて帰らせるだろう。メルナ妃のあんな映像を見せたのも、自分たちで考えさせるためだろう。王妃の実家だからと幅を利かせていたあの家も、あれでは頼りにはできないからな」
目を向けた先で、資料を握りしめて震えているのは、侯爵の一人。メルナの父だ。
「メルナ妃の外面があったから、あの親父も体面を保っていたが、残念ながら、今回のであの顔通りの陰湿なクソ野郎だって証明されたな。実にあの父親の娘らしいクズ女だった」
「ちょっ、バルト……っ」
メルナ妃は儚げで病弱。そんな彼女が父親を悪く言わない、頼りにしているという姿や、そんな娘を心配する彼は、良い父親という印象を与えていた。あんなに良い娘を育てたのだから、いい人なのだというように印象操作されていたのだ。しかし、それが今日、剥がれ落ちた。
「ふん。だから言ったんだ。男を権力で判断してるような女は、いくら見た目が良くてもクズだって。あいつら、その権力を宝石か何かだとしか思ってないからな。あの女はその筆頭じゃないか」
「……バルト……相変わらず女嫌いのままなんだね……」
「頭の悪い、バカが嫌いなだけで、女という生物に嫌悪しているわけではないぞ」
「え? そうなの?」
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