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ミッション10 子ども達の成長
375 力入ってるぞ……
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会議室の奥から、ファスター王とリゼンフィアが姿を現す。その足下には、シャルテとライデンが居るのだが、腰くらいまでの高さの机があるため、貴族達には見えなかったようだ。いつも通り、シャルテはファスター王の椅子の下に入り、ライデンはリゼンフィアの足下で丸くなる。
リゼンフィアは、ファスター王の左側に立ち、拡声のマイクを手に持った。いつもは、拡声の必要はない。会議は領地持ちの当主達と役職持ちの貴族達、その他と用途に分けて集まるのだ。全員が会するのは、夜会などの時くらいで、会議室に全員詰め込まれることはほぼなかった。いつもは、人が少ないため、声を大きくしなくとも聞こえていたのだ。しかし、今回は空間がかなり埋まってしまった。これでは声も上手く響かないと、スクリーンの機材と一緒に、急遽これを取り付けたというわけだった。
いつもとは違う雰囲気、それも、少し緊迫し、どこかソワソワとしている空気の中、リゼンフィアは、違う意味で一人ソワソワしていた。
思わずにやけそうになるのを堪えているが、その原因は、マイクだ。日頃から、セイルブロードでクラルスが使っていた同型のマイクを握っている。使っているというのが、リゼンフィアの心に刺さっていた。
それに気付いたのは、ファスター王だ。フィルズと関わるようになってから、それまで以上に傍でリゼンフィアを見ていた。だから分かる。そういう残念なところがあると。
「……リゼン。そのマイクはこれからも使えるから、落ち着いてくれ……」
「っ……お、落ち着いていますっ」
「そうか……?」
疑いの目を向けられたリゼンフィアは、咳払いをして、表情も取り繕ってからマイクに魔力を流した。
『っ……これより、会議を始めます。まずは出席の確認をします……お願いする』
リュブラン達が素早く動いて、一人一人、名を確認しながら、二種類の腕輪を間違えないように気をつけて渡して行く。
『確認の間、今回の趣旨について説明しましょう。本日、城前広場にて何が行われるか、知っている者もあるでしょう。ここで、それの鑑賞もできるようになっています。あと三十分ほどで開始となるでしょう』
「なんと……っ」
「おお~、見たいと思っていたのですよっ」
「商業ギルドの不正が暴かれたと、私の領地にまで聞こえてきましたよ」
「私の所の領民達も、今日に合わせて王都にきているようでした」
そんな話が聞こえる。どちらかといえば、嬉しそうだった。しかし、次のリゼンフィアの話で、ざわついていた室内が、シンと静まり返ることになる。
『そもそも、今回の商業ギルドからの一連の騒動……決定的となったのは、この王都に巣食っていた闇ギルドの者達が捕えられたためです』
「「「「「……」」」」」
半数程の者達が息を呑んだ。その大半は、闇ギルドと繋がりを持っていた者達だろう。分かりやすく青ざめている者も居た。
その中で、ミリアリアの兄である侯爵家の現当主、バルトーラ・ラト・カールトが手を上げる。
「宰相。その闇ギルドの名は何でしょうか」
『ブラックロードです。この国の支部でした』
「「「「「っ!!」」」」」
「あの、最悪と言われた……っ」
「まさか、その支部が王都にっ……」
その闇ギルドと関わりのなかった者達だろう。縁がないという者達でも、その名を知っていた。
『その闇ギルドから回収した契約書類などは膨大で、半数ほどは、今回捕えられた商業ギルドの役員や商家達の関係するものでした』
「だから、王都の商業ギルドが……」
「それで突然閉店する大店が……」
秘密裏に、国内の商業ギルドで、闇ギルドとの関係があったものはギルドを訪れた時点で別室に案内され、そのまま地下牢に連れて行かれていた。そうして、犯罪に加担した者達は、速やかに退場させられていたのだ。よって、唐突に店が閉まるということが、今日まで多発している。
『そして、残り半数は、ここにいる何人かが関係しているという証拠書類でした』
「「「「「っ!!」」」」」
キョロキョロと目だけ動かしている者。やたらと汗を拭く者。それらはまだ良い。だが、中には関係があっても誤魔化せると思っているのか、悠然としている者も多かった。
さすがに、こんな場所で、発表すると思っていないのだろう。
『このひと月ほど。時間をかけて、密かに裏どりをし、確かな証拠と照らし合わせて、関係のあった者への刑罰も決定しました。その報告をするため、皆に集まってもらったのです』
「「「……」」」
未だに動揺するように見えない者達は、高位貴族が多い。密かにとは言っているが、それが可能だとは思ってはいないのだろう。調べたとは言っても、完璧な証拠まで手に入れられるほどではないとたかを括っている。
それを察したリゼンフィアは丁寧に説明した。
『現在、この国には、有能な諜報要員が不足しています……それを知っている者は多いでしょう』
「「「「「っ……」」」」」
「「「「「……」」」」」
それまで、何の反応も示さなかった者達が、少しばかり表情を強張らせていた。手配した諜報員や暗部の者が帰って来ない場合が頻発していることに、心当たりがある者達は多かったのだ。
一部の者達は、そんなことがあるのかと素直に情報として聞いていた。もちろん中には、そうして他家の手の者達が減っているようだと報告を受けていた者もあり、頷く姿もあった。
『なぜそのような事になったのかと、理由を知る者は少ないでしょう』
リゼンフィアは、どこか誇らしげだ。その理由が分かるファスター王は、相変わらず呆れたような視線を送っている。それには気付かなかった振りで、リゼンフィアは続けた。
『消えた多くの諜報員達が向かったのは、セイスフィア商会です! その商品の作り方や、弱みを握ろうと送り込まれた者達は、ことごとく返り討ちに合っていますっ』
「……リゼン……声……力入ってるぞ……」
『っ……失礼』
リゼンフィアの内心は『うちの息子に手を出すからだ! ざまあみろ!』と興奮状態だった。ファスター王が思わず声をかけるほど、ちょっと力が入っていた。
深呼吸を二度ほどしてから、リゼンフィアは再び口を開く。
『これにより、我が国の諜報員や暗部の者達は、依頼者や契約者の下に帰っていません。結果、それらの人員がこれまでにないほど不足する事態となっているのです』
「「「「「っ……」」」」」
心当たりのある者達は、絶句していた。一つの商会がそれほどの武力を持つのかと驚き、恐れた者も多かったようだ。はっとして正気に戻った者が、搾り出すような声を上げた。
「そ、それは……っ、一商会にそのように返り討ちにする権限などないはずです!」
「そうですっ。少し調べただけかもしれないではありませんかっ。排除する理由としては過剰です!」
「諜報員とは、国を守るための者でもあります! それを一方的に排除など……」
小心者の貴族達は、武力で制圧が出来ない相手にいちゃもんをつけるのが得意だ。
『……では、向かってきた暗殺者かもしれない者を見逃せと?』
「それは……っ」
「暗殺者ではないかもしれないでしょうっ」
『それをどう見た目で判断するのです? あなた方は、一目でその人が暗殺者かそうでないかを見抜けると?』
「「「「「っ……」」」」」
このような自分勝手な意見が出ることは、リゼンフィアも想定していた。だが、実際に聞く事になった戯れ事に、苛立ってしまうのは仕方がないだろう。
「で、ですが! 一般市民における私刑は禁止されております!」
「そうです! それも、あの商会は、教会が後ろ盾となっているはず! 許されて良い事ではない!」
『ああ……ご心配なく。あの商会に返り討ちに合った者達は、殺されていませんよ。なので、私刑ではありません』
「「「へ?」」」
『寧ろ、不法に侵入したことに対して許し、相手もそれをしっかりと謝罪した上で、罪を認めて改心したようです。それを快く受け入れ、新たな生きる道を示していました。実に教会を後ろ盾に持つ商会らしい対応だとは思いませんか?』
リゼンフィアは『うちの息子すごいよね! 慈悲深い上に尊いでしょう!!』と感動気味に説明していた。距離がそれなりにあるので、表情まではっきり見えないのは幸いだ。
「え、でも、帰ってこな……っ」
『その結果、恩を返すためにもと、彼らは精力的に今回の件の調査を引き受けてくれました』
「っ、な、なんで……一商会のためにそんな調査を……」
『噂では聞いたでしょう。闇ギルドの者達がセイスフィア商会に奇襲を仕掛けて来たため、それを返り討ちにして、その根城を逆に強襲したと』
「「「「「あ……」」」」」
そこに繋がるのかと納得し、次いで、本気でマズい事に気付いたようだ。
『お陰様で、少しばかり足りなかった証拠も、みなさんがこの会議の為に留守にした間に、回収できました。我が国に居た諜報員達は、実に優秀であったようです』
「なっ……」
「そんなこと……っ」
呼び出した時点で、足りない所は家探ししようという事に決定しており、数日前にはもう実行されていた。今現在も、それらの情報は隠密ウサギを通して集まっている。
隠密ウサギ達の情報は、全て繋がっているのだ。どれだけ距離が離れていても、問題ない。その情報を精査し、それをファスター王達で選抜した口の固い文官達によって、王城の一画で今まさに書類としてまとめられていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
リゼンフィアは、ファスター王の左側に立ち、拡声のマイクを手に持った。いつもは、拡声の必要はない。会議は領地持ちの当主達と役職持ちの貴族達、その他と用途に分けて集まるのだ。全員が会するのは、夜会などの時くらいで、会議室に全員詰め込まれることはほぼなかった。いつもは、人が少ないため、声を大きくしなくとも聞こえていたのだ。しかし、今回は空間がかなり埋まってしまった。これでは声も上手く響かないと、スクリーンの機材と一緒に、急遽これを取り付けたというわけだった。
いつもとは違う雰囲気、それも、少し緊迫し、どこかソワソワとしている空気の中、リゼンフィアは、違う意味で一人ソワソワしていた。
思わずにやけそうになるのを堪えているが、その原因は、マイクだ。日頃から、セイルブロードでクラルスが使っていた同型のマイクを握っている。使っているというのが、リゼンフィアの心に刺さっていた。
それに気付いたのは、ファスター王だ。フィルズと関わるようになってから、それまで以上に傍でリゼンフィアを見ていた。だから分かる。そういう残念なところがあると。
「……リゼン。そのマイクはこれからも使えるから、落ち着いてくれ……」
「っ……お、落ち着いていますっ」
「そうか……?」
疑いの目を向けられたリゼンフィアは、咳払いをして、表情も取り繕ってからマイクに魔力を流した。
『っ……これより、会議を始めます。まずは出席の確認をします……お願いする』
リュブラン達が素早く動いて、一人一人、名を確認しながら、二種類の腕輪を間違えないように気をつけて渡して行く。
『確認の間、今回の趣旨について説明しましょう。本日、城前広場にて何が行われるか、知っている者もあるでしょう。ここで、それの鑑賞もできるようになっています。あと三十分ほどで開始となるでしょう』
「なんと……っ」
「おお~、見たいと思っていたのですよっ」
「商業ギルドの不正が暴かれたと、私の領地にまで聞こえてきましたよ」
「私の所の領民達も、今日に合わせて王都にきているようでした」
そんな話が聞こえる。どちらかといえば、嬉しそうだった。しかし、次のリゼンフィアの話で、ざわついていた室内が、シンと静まり返ることになる。
『そもそも、今回の商業ギルドからの一連の騒動……決定的となったのは、この王都に巣食っていた闇ギルドの者達が捕えられたためです』
「「「「「……」」」」」
半数程の者達が息を呑んだ。その大半は、闇ギルドと繋がりを持っていた者達だろう。分かりやすく青ざめている者も居た。
その中で、ミリアリアの兄である侯爵家の現当主、バルトーラ・ラト・カールトが手を上げる。
「宰相。その闇ギルドの名は何でしょうか」
『ブラックロードです。この国の支部でした』
「「「「「っ!!」」」」」
「あの、最悪と言われた……っ」
「まさか、その支部が王都にっ……」
その闇ギルドと関わりのなかった者達だろう。縁がないという者達でも、その名を知っていた。
『その闇ギルドから回収した契約書類などは膨大で、半数ほどは、今回捕えられた商業ギルドの役員や商家達の関係するものでした』
「だから、王都の商業ギルドが……」
「それで突然閉店する大店が……」
秘密裏に、国内の商業ギルドで、闇ギルドとの関係があったものはギルドを訪れた時点で別室に案内され、そのまま地下牢に連れて行かれていた。そうして、犯罪に加担した者達は、速やかに退場させられていたのだ。よって、唐突に店が閉まるということが、今日まで多発している。
『そして、残り半数は、ここにいる何人かが関係しているという証拠書類でした』
「「「「「っ!!」」」」」
キョロキョロと目だけ動かしている者。やたらと汗を拭く者。それらはまだ良い。だが、中には関係があっても誤魔化せると思っているのか、悠然としている者も多かった。
さすがに、こんな場所で、発表すると思っていないのだろう。
『このひと月ほど。時間をかけて、密かに裏どりをし、確かな証拠と照らし合わせて、関係のあった者への刑罰も決定しました。その報告をするため、皆に集まってもらったのです』
「「「……」」」
未だに動揺するように見えない者達は、高位貴族が多い。密かにとは言っているが、それが可能だとは思ってはいないのだろう。調べたとは言っても、完璧な証拠まで手に入れられるほどではないとたかを括っている。
それを察したリゼンフィアは丁寧に説明した。
『現在、この国には、有能な諜報要員が不足しています……それを知っている者は多いでしょう』
「「「「「っ……」」」」」
「「「「「……」」」」」
それまで、何の反応も示さなかった者達が、少しばかり表情を強張らせていた。手配した諜報員や暗部の者が帰って来ない場合が頻発していることに、心当たりがある者達は多かったのだ。
一部の者達は、そんなことがあるのかと素直に情報として聞いていた。もちろん中には、そうして他家の手の者達が減っているようだと報告を受けていた者もあり、頷く姿もあった。
『なぜそのような事になったのかと、理由を知る者は少ないでしょう』
リゼンフィアは、どこか誇らしげだ。その理由が分かるファスター王は、相変わらず呆れたような視線を送っている。それには気付かなかった振りで、リゼンフィアは続けた。
『消えた多くの諜報員達が向かったのは、セイスフィア商会です! その商品の作り方や、弱みを握ろうと送り込まれた者達は、ことごとく返り討ちに合っていますっ』
「……リゼン……声……力入ってるぞ……」
『っ……失礼』
リゼンフィアの内心は『うちの息子に手を出すからだ! ざまあみろ!』と興奮状態だった。ファスター王が思わず声をかけるほど、ちょっと力が入っていた。
深呼吸を二度ほどしてから、リゼンフィアは再び口を開く。
『これにより、我が国の諜報員や暗部の者達は、依頼者や契約者の下に帰っていません。結果、それらの人員がこれまでにないほど不足する事態となっているのです』
「「「「「っ……」」」」」
心当たりのある者達は、絶句していた。一つの商会がそれほどの武力を持つのかと驚き、恐れた者も多かったようだ。はっとして正気に戻った者が、搾り出すような声を上げた。
「そ、それは……っ、一商会にそのように返り討ちにする権限などないはずです!」
「そうですっ。少し調べただけかもしれないではありませんかっ。排除する理由としては過剰です!」
「諜報員とは、国を守るための者でもあります! それを一方的に排除など……」
小心者の貴族達は、武力で制圧が出来ない相手にいちゃもんをつけるのが得意だ。
『……では、向かってきた暗殺者かもしれない者を見逃せと?』
「それは……っ」
「暗殺者ではないかもしれないでしょうっ」
『それをどう見た目で判断するのです? あなた方は、一目でその人が暗殺者かそうでないかを見抜けると?』
「「「「「っ……」」」」」
このような自分勝手な意見が出ることは、リゼンフィアも想定していた。だが、実際に聞く事になった戯れ事に、苛立ってしまうのは仕方がないだろう。
「で、ですが! 一般市民における私刑は禁止されております!」
「そうです! それも、あの商会は、教会が後ろ盾となっているはず! 許されて良い事ではない!」
『ああ……ご心配なく。あの商会に返り討ちに合った者達は、殺されていませんよ。なので、私刑ではありません』
「「「へ?」」」
『寧ろ、不法に侵入したことに対して許し、相手もそれをしっかりと謝罪した上で、罪を認めて改心したようです。それを快く受け入れ、新たな生きる道を示していました。実に教会を後ろ盾に持つ商会らしい対応だとは思いませんか?』
リゼンフィアは『うちの息子すごいよね! 慈悲深い上に尊いでしょう!!』と感動気味に説明していた。距離がそれなりにあるので、表情まではっきり見えないのは幸いだ。
「え、でも、帰ってこな……っ」
『その結果、恩を返すためにもと、彼らは精力的に今回の件の調査を引き受けてくれました』
「っ、な、なんで……一商会のためにそんな調査を……」
『噂では聞いたでしょう。闇ギルドの者達がセイスフィア商会に奇襲を仕掛けて来たため、それを返り討ちにして、その根城を逆に強襲したと』
「「「「「あ……」」」」」
そこに繋がるのかと納得し、次いで、本気でマズい事に気付いたようだ。
『お陰様で、少しばかり足りなかった証拠も、みなさんがこの会議の為に留守にした間に、回収できました。我が国に居た諜報員達は、実に優秀であったようです』
「なっ……」
「そんなこと……っ」
呼び出した時点で、足りない所は家探ししようという事に決定しており、数日前にはもう実行されていた。今現在も、それらの情報は隠密ウサギを通して集まっている。
隠密ウサギ達の情報は、全て繋がっているのだ。どれだけ距離が離れていても、問題ない。その情報を精査し、それをファスター王達で選抜した口の固い文官達によって、王城の一画で今まさに書類としてまとめられていた。
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