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ミッション10 子ども達の成長
369 可愛いイタズラだろ?
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リュブランが真面目な顔でリサーナへ指摘した。
「姉上、今の姉上が手加減せずに、あんなダンスを二曲も踊れない人にやったら死にますよ?」
これにはフラメラが噴き出す。
「ぷふっ、リュブラン、あなたっ。なぜ、あの女が続けて二曲しか踊れない軟弱者だって知ってるの?」
「え? 有名でしたよ? 陰でそう言ってる女性達が居ました。結構上の世代の方達ですけど。女の人って、ダンスを最低でも続けて三曲は踊れないと、貴族の女としては失格なんでしょう?」
「そうよ。それくらいの体力がないと、夜会ではやっていけないし、子どもを産む体力もないって見られるの。だから普通は結婚もできないわね」
貴族は、子どもでもなければ走り回ったりもしない。だから、ダンスによって基礎体力を付けているようなものだ。
「それで、あの王妃様が貴族の女として失格っていうのが、本当なのか見に行ったことがあって。でも、その時は一曲目でもう、少しふらついていました。顔は涼しげでしたけど。アレは病弱というより、単純に体力ないだけだなって思ったんです」
「ふふふっ。病弱だって誤魔化して見せてるけど、反対派閥の、少し上の世代の女性達は知っていたのかもしれませんわね。わたくしも聞いたことがありましたもの。『あの病弱演技、鼻に付くのよね』って言ってるのを」
「うわ~、けど、あんな顔見ると、病弱にはとても見えませんよね」
セルジュもコロコロと表情を変えるメルナの映像を見て、そう感じたようだ。
「結構、ダンスって体力勝負な所ありますし、病弱設定なら、そもそも踊らなければいいのに」
「そこはほら、見栄よ。夜会で全く踊らない女ってね。魅力のない壁女って証明なの。そっちの方があの女には許せなかったんでしょうね」
「大変なんですね」
リュブランは最近、他人事のように『貴族って大変だね』と言う事が多い。
「あら? そういえばリュブラン……もしかして、ダンスの練習もしたの?」
「はい。クーちゃんが、教えてくれました。女性パートまできっちり」
「っ、なんて羨ましいっ!」
クラルスファンのフラメラにとっては、実の息子を射殺すような視線を向けてしまうほど嫉妬していた。しかし、しばらくして気付く。
「え? 女性パートも?」
「え? はい。女装した時に必要ですし。冒険者の嗜みです」
「……そうでしたわね……冒険者……いえ、それっ、公爵領の冒険者限定の嗜みよね!? むしろ、この商会主導よね!?」
「そうですね。でも、所属は公爵領ですし、ここなので」
「……そうね、そうでしたわ……」
冒険者どころか、公爵領都ではその辺のお母さん達やお姉さん達、おじちゃん達まで踊れると知ったら、貴族達はどんな顔をするだろうか。
「フィル、今のリュブランの話……やり過ぎでは?」
映像が終了し、心を落ち着けながら話を聞いていたファスター王が顔を上げてフィルズを見る。これにフィルズはニヤリと笑った。
「いやあ、俺、いずれは貴族社会に喧嘩売るつもりだし」
「……は?」
「いや、だから、ほら今の貴族達ってさあ、そりゃあ努力する奴らは居なくもないけど、自分達の家を笠に着てるだけなのに自信満々じゃん?」
「……ま、まあ……」
「だからさっ、平民だって馬鹿にしてきた奴らに能力で劣るって知らしめられたら……どうなると思う?」
ニヤニヤと、悪巧みするようにフィルズは笑っていた。真剣にこれを考えるのは子ども達だ。ユゼリアやワンザでさえ考え込む。
「政治の話で鋭い質問されたり、隣国はこうみたいですが、この国ではどうなのです? なんて聞かれてすぐ答えられなくて、逆にこうだと思うんですけど、どうですか? とか言われんの。それも大勢の前で」
「「「「「……」」」」」
大人達は段々とその光景が見え出したのか、ちょっと落ち着かない様子だ。
「中には、貴族でそんな鋭い意見を言い出した平民を第二夫人や養子になんてするだろ? それが夜会に出てくると、礼儀やマナーも完璧で、逆に本来の貴族達の粗を見て指摘したり」
これを聞いて、リュブランが楽しそうに想像を口にした。
「ふふっ。クーちゃんママが夜会に出てたら、一晩で半分以上の人がダメ出しされそうっ」
同意して、更にその想像を広げるのがセルジュだ。
「そうだねっ。それも、ダメ出しされた方は自覚ないだろうな~。それで、周りに白い目で見られて、干されるんだ」
「ありそうっ」
「「「「「……」」」」」
大人達はフラメラも含めて『うわあ』というように口を開けてありそうだと納得した。
「うふふ。それでいつの間にか半数以上の貴族が平民出の方々と入れ替わると……ふふふっ。楽しそうですわっ」
「怖い事考えるねえ。けど、その方が国は浄化されそう。良いと思います」
リサーナは楽しそうだ。その企みが気に入ったというように笑っている。そして、カリュエルは感心しながら大賛成を示す。
「フィ、フィル……本気か?」
リゼンフィアが恐る恐る確認する。これにフィルズは大真面目に胸を張って答えた。
「おうっ。これが俺の理想。いやあ、養子とか平民出の妻とか、抵抗なさそうだしやり易くて良いぜ。もう土台に問題はねえからなっ。後は、ちょっとずつすげ替えるだけ」
「っ、なんてことだ……っ」
リゼンフィアだけでなく、ファスター王も頭を抱えた。
「だから、学園も不正をなくしたかったんだよ。無能が無能だって理解できる最後のチャンスの場で、誤魔化されてたんじゃ、大人になって自分の力量を理解できるはずねえじゃん」
「「っ……」」
ユゼリアとワンザがビクリと反応する。エンリアントはその反応を満足げに見ていた。共に居た二人だ。別に始めから貶めて放り出したいわけではなかった。変われるならばそれに越したことはない。最近までは諦めていたが、大丈夫そうだなと安心したようだ。
「他力本願な生き方ってさあ、覚えちまうと、そっちの方が楽だから、そのまま甘えちまうんだよ。大体、勘違い野郎ばっかになったら、まともに国を回せるはずねえじゃんっ。迷惑過ぎる」
「っ、た、確かに……最近は現実を見る者が増えたから、会議もやり易く……っ、これも見越して!?」
意味もなく怒鳴り、場を掻き乱すことが恥ずかしいものだと、セイスフィア商会に来ることで知り、権力だけではどうにもならないことがあることを知った貴族は多い。自分たちの権力は、大勢の前では無力で、正論には負けるのだと理解した者もいる。そして、平民だからと下に見ることが、いかに愚かであるかを知った者もいた。
「そうだけど? どうよ。今の所、計画通り!」
「「乗っ取られてるっ!?」」
「いや、国とかいらねえし。ちょっと引っ掻き回してるだけじゃん。可愛いイタズラだろ?」
「「どこが!?」」
リゼンフィアとファスター王は、フィルズに本気で戦慄した。
これに、リュブランとセルジュが呆れた様子で父親達を見る。
「父上、少し考えれば分かるでしょう? フィル君は、犯罪者でもあっと言う間に更生させて、敵だと思っていた者達も、仲良くさせるんですよ? 口だけで、考える事さえ他人に任せるだけの貴族に分からせるなんて、簡単ですよ」
「リーリル様を見れば分かるじゃないですか。見た目や表側のものに気を取られている間に、全部掌握済みですよ」
「うっ、確かに……」
「そういえば、フィルはリーリル殿の孫だったな……」
悪人でも、なんでも心を入れ替えさせてしまうのがリーリルだ。吟遊詩人によって国の政変が起きることは、実はこれまでいくつもあった。けれど、彼らは上手く人々に紛れており、結果的に表に出てこないものだ。しかし、見る者が見れば、そこに吟遊詩人達の関与が窺える。
「最近思うんですよね……リーリル様、世が世なら一国の王ですよ? あの人が王でファリマス様が王妃なんて……最強だと思いません?」
「「「「「思うっ」」」」」
「で、王女であるクラルス様や孫のフィル君が暗躍するんです。知らない内に隣国が呑み込まれていく未来しか見えないんだけど?」
「「「「「確かに!」」」」」
「なら、今ちょっと国が引っ掻き回されてるくらい、大したことないですよね? 寧ろ……」
「「「「「お好きにどうぞ」」」」」
「フィルっ。許可出たよ!」
「おう。ありがとな、兄さん」
「えへへ」
「「「「「……」」」」」
こうして、次代の公爵家当主が全面協力を取り付けた。もちろん、王子、王女達も賛成だと頷いている。既に国は掌握間近だと、大人達は諦めと共に次代の子ども達の末恐ろしさを感じていた。
そして、いよいよ公開審判が始まる。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「姉上、今の姉上が手加減せずに、あんなダンスを二曲も踊れない人にやったら死にますよ?」
これにはフラメラが噴き出す。
「ぷふっ、リュブラン、あなたっ。なぜ、あの女が続けて二曲しか踊れない軟弱者だって知ってるの?」
「え? 有名でしたよ? 陰でそう言ってる女性達が居ました。結構上の世代の方達ですけど。女の人って、ダンスを最低でも続けて三曲は踊れないと、貴族の女としては失格なんでしょう?」
「そうよ。それくらいの体力がないと、夜会ではやっていけないし、子どもを産む体力もないって見られるの。だから普通は結婚もできないわね」
貴族は、子どもでもなければ走り回ったりもしない。だから、ダンスによって基礎体力を付けているようなものだ。
「それで、あの王妃様が貴族の女として失格っていうのが、本当なのか見に行ったことがあって。でも、その時は一曲目でもう、少しふらついていました。顔は涼しげでしたけど。アレは病弱というより、単純に体力ないだけだなって思ったんです」
「ふふふっ。病弱だって誤魔化して見せてるけど、反対派閥の、少し上の世代の女性達は知っていたのかもしれませんわね。わたくしも聞いたことがありましたもの。『あの病弱演技、鼻に付くのよね』って言ってるのを」
「うわ~、けど、あんな顔見ると、病弱にはとても見えませんよね」
セルジュもコロコロと表情を変えるメルナの映像を見て、そう感じたようだ。
「結構、ダンスって体力勝負な所ありますし、病弱設定なら、そもそも踊らなければいいのに」
「そこはほら、見栄よ。夜会で全く踊らない女ってね。魅力のない壁女って証明なの。そっちの方があの女には許せなかったんでしょうね」
「大変なんですね」
リュブランは最近、他人事のように『貴族って大変だね』と言う事が多い。
「あら? そういえばリュブラン……もしかして、ダンスの練習もしたの?」
「はい。クーちゃんが、教えてくれました。女性パートまできっちり」
「っ、なんて羨ましいっ!」
クラルスファンのフラメラにとっては、実の息子を射殺すような視線を向けてしまうほど嫉妬していた。しかし、しばらくして気付く。
「え? 女性パートも?」
「え? はい。女装した時に必要ですし。冒険者の嗜みです」
「……そうでしたわね……冒険者……いえ、それっ、公爵領の冒険者限定の嗜みよね!? むしろ、この商会主導よね!?」
「そうですね。でも、所属は公爵領ですし、ここなので」
「……そうね、そうでしたわ……」
冒険者どころか、公爵領都ではその辺のお母さん達やお姉さん達、おじちゃん達まで踊れると知ったら、貴族達はどんな顔をするだろうか。
「フィル、今のリュブランの話……やり過ぎでは?」
映像が終了し、心を落ち着けながら話を聞いていたファスター王が顔を上げてフィルズを見る。これにフィルズはニヤリと笑った。
「いやあ、俺、いずれは貴族社会に喧嘩売るつもりだし」
「……は?」
「いや、だから、ほら今の貴族達ってさあ、そりゃあ努力する奴らは居なくもないけど、自分達の家を笠に着てるだけなのに自信満々じゃん?」
「……ま、まあ……」
「だからさっ、平民だって馬鹿にしてきた奴らに能力で劣るって知らしめられたら……どうなると思う?」
ニヤニヤと、悪巧みするようにフィルズは笑っていた。真剣にこれを考えるのは子ども達だ。ユゼリアやワンザでさえ考え込む。
「政治の話で鋭い質問されたり、隣国はこうみたいですが、この国ではどうなのです? なんて聞かれてすぐ答えられなくて、逆にこうだと思うんですけど、どうですか? とか言われんの。それも大勢の前で」
「「「「「……」」」」」
大人達は段々とその光景が見え出したのか、ちょっと落ち着かない様子だ。
「中には、貴族でそんな鋭い意見を言い出した平民を第二夫人や養子になんてするだろ? それが夜会に出てくると、礼儀やマナーも完璧で、逆に本来の貴族達の粗を見て指摘したり」
これを聞いて、リュブランが楽しそうに想像を口にした。
「ふふっ。クーちゃんママが夜会に出てたら、一晩で半分以上の人がダメ出しされそうっ」
同意して、更にその想像を広げるのがセルジュだ。
「そうだねっ。それも、ダメ出しされた方は自覚ないだろうな~。それで、周りに白い目で見られて、干されるんだ」
「ありそうっ」
「「「「「……」」」」」
大人達はフラメラも含めて『うわあ』というように口を開けてありそうだと納得した。
「うふふ。それでいつの間にか半数以上の貴族が平民出の方々と入れ替わると……ふふふっ。楽しそうですわっ」
「怖い事考えるねえ。けど、その方が国は浄化されそう。良いと思います」
リサーナは楽しそうだ。その企みが気に入ったというように笑っている。そして、カリュエルは感心しながら大賛成を示す。
「フィ、フィル……本気か?」
リゼンフィアが恐る恐る確認する。これにフィルズは大真面目に胸を張って答えた。
「おうっ。これが俺の理想。いやあ、養子とか平民出の妻とか、抵抗なさそうだしやり易くて良いぜ。もう土台に問題はねえからなっ。後は、ちょっとずつすげ替えるだけ」
「っ、なんてことだ……っ」
リゼンフィアだけでなく、ファスター王も頭を抱えた。
「だから、学園も不正をなくしたかったんだよ。無能が無能だって理解できる最後のチャンスの場で、誤魔化されてたんじゃ、大人になって自分の力量を理解できるはずねえじゃん」
「「っ……」」
ユゼリアとワンザがビクリと反応する。エンリアントはその反応を満足げに見ていた。共に居た二人だ。別に始めから貶めて放り出したいわけではなかった。変われるならばそれに越したことはない。最近までは諦めていたが、大丈夫そうだなと安心したようだ。
「他力本願な生き方ってさあ、覚えちまうと、そっちの方が楽だから、そのまま甘えちまうんだよ。大体、勘違い野郎ばっかになったら、まともに国を回せるはずねえじゃんっ。迷惑過ぎる」
「っ、た、確かに……最近は現実を見る者が増えたから、会議もやり易く……っ、これも見越して!?」
意味もなく怒鳴り、場を掻き乱すことが恥ずかしいものだと、セイスフィア商会に来ることで知り、権力だけではどうにもならないことがあることを知った貴族は多い。自分たちの権力は、大勢の前では無力で、正論には負けるのだと理解した者もいる。そして、平民だからと下に見ることが、いかに愚かであるかを知った者もいた。
「そうだけど? どうよ。今の所、計画通り!」
「「乗っ取られてるっ!?」」
「いや、国とかいらねえし。ちょっと引っ掻き回してるだけじゃん。可愛いイタズラだろ?」
「「どこが!?」」
リゼンフィアとファスター王は、フィルズに本気で戦慄した。
これに、リュブランとセルジュが呆れた様子で父親達を見る。
「父上、少し考えれば分かるでしょう? フィル君は、犯罪者でもあっと言う間に更生させて、敵だと思っていた者達も、仲良くさせるんですよ? 口だけで、考える事さえ他人に任せるだけの貴族に分からせるなんて、簡単ですよ」
「リーリル様を見れば分かるじゃないですか。見た目や表側のものに気を取られている間に、全部掌握済みですよ」
「うっ、確かに……」
「そういえば、フィルはリーリル殿の孫だったな……」
悪人でも、なんでも心を入れ替えさせてしまうのがリーリルだ。吟遊詩人によって国の政変が起きることは、実はこれまでいくつもあった。けれど、彼らは上手く人々に紛れており、結果的に表に出てこないものだ。しかし、見る者が見れば、そこに吟遊詩人達の関与が窺える。
「最近思うんですよね……リーリル様、世が世なら一国の王ですよ? あの人が王でファリマス様が王妃なんて……最強だと思いません?」
「「「「「思うっ」」」」」
「で、王女であるクラルス様や孫のフィル君が暗躍するんです。知らない内に隣国が呑み込まれていく未来しか見えないんだけど?」
「「「「「確かに!」」」」」
「なら、今ちょっと国が引っ掻き回されてるくらい、大したことないですよね? 寧ろ……」
「「「「「お好きにどうぞ」」」」」
「フィルっ。許可出たよ!」
「おう。ありがとな、兄さん」
「えへへ」
「「「「「……」」」」」
こうして、次代の公爵家当主が全面協力を取り付けた。もちろん、王子、王女達も賛成だと頷いている。既に国は掌握間近だと、大人達は諦めと共に次代の子ども達の末恐ろしさを感じていた。
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