41 / 182
5th ステージ
041 シュラゆうんやけど
しおりを挟む
護送車は、兵舎に入っていたはずだ。兵舎は、町の外壁近く。よって、いち早くこれに気付いたらしい。
「規模はわかるか?」
リンディエールが問い掛ければ、クイントは少し通信相手と会話する。その間に、リンディエールは通信用の手鏡を取り出していた。
「数日前から、スタンピードの兆候があったようです。多くて千ほどではないかと」
コンパクトを開いて繋げておく。
「千か……場所は確か、カリア……オババ、分布と魔素濃度分かるか?」
「ん~、確か、ウルフ系が多いのよ……カリアは……魔素溜まりも出来にくい平野……大繁殖期でも……多くて二十パーセントくらいじゃないかしらぁ」
ファシードは、研究の一環として魔獣や魔物の分布を知っていた。彼女がこの場にいて良かった。本人は幸せそうにデザートのケーキを食べている。お陰で話もいつもよりスムーズだ。
魔素溜まりの濃度は百までのパーセントで示される。魔素が過剰に溜まると、側に居る魔獣達が自我を失くすようになるらしい。本来は溜まる前に散るのだが、大繁殖期などの魔獣や魔物の方の影響で気が淀むことで出来るのだ。
「グラン、千では魔素もそれほど溜まらんよな?」
「はい。特にウルフ系が多いとなれば、ゴブリンの数も抑えられますので、ファシード殿の言われる通り二十パーセントくらいではないかと」
「なら問題なさそうや」
キングやクイーンは、魔素溜まりによって自我を失う魔獣や魔物達を統制するために生まれる。世界がバランスを取るための措置だ。一般的には、キングが出るから濃い魔素溜まりが出来ると思われがちだが、逆なのだとヒストリアが語ったのをリンディエールは覚えている。
リンディエールはクイントを見た。
「伯爵家を案内させたメイドを覚えとるか?」
「はい……的確に証拠の在り処に案内してくれました……彼女が何か……」
「外に出ることを許可しい」
「……」
さすがのクイントもすぐには頷けなかったようだ。メイドはまだ少女。物静かな戦う術も持たないメイドにしか思えないのだから。
だが、リンディエールの目は真剣だ。
「あれでレベルは百越えとるんよ。武器も持たせとる。ウルフの千や二千、わけないわ。ウチの秘蔵の弟子やで?」
「分かりました。許可しなさい」
その言葉を向こうに告げてから、クイントは頷いた。
「シュラ、殲滅せえ」
『承知しました』
「っ!」
コンパクトを閉じて、何事もなかったかのように紅茶を飲むリンディエール。視線が集まるのは仕方がない。
「大丈夫や。終わったら連絡が来るよって、それまで待ちい」
「はあ……分かりました。せっかくのデザートですし、紅茶もグランギリア殿が淹れたものとなれば……」
「最高の紅茶やで」
「恐れ入ります」
グランギリアに淹れてもらうよう、メイド長にリンディエールが頼んだのだ。お陰で最高レベルのものだった。
「せや、宰相さんに一つ頼みがあるんやけど」
「なんですか?」
リンディエールは、ついでだしここで言っておこうと、思いついたことを口にする。
「あのメイドなあ、シュラゆうんやけど、あの伯爵の庶子やねん。最後まで父親やと認めんかったらしいが、血はどうにもならん」
「……あの娘が……」
「見つけた時、酷い状態でなあ。夫人達の方に虐待されとってん。母親はもう居らんくてな。まあ、そんで……あの伯爵と夫人達を恨んどる。正当な理由や。足の一本か、目の一つくらいやってんか」
「「「……」」」
聞いていたクイント以外は意味が分からない。ただ、しばらく考えれば予想はできたらしい。徐々に顔色がなくなってきていた。だが、リンディエールは気付かない。視線は真っ直ぐ、クイントに向いているのだ。
「……いいでしょう。確かに正当な恨み、理由です。どのみち、あの夫妻は処刑です。時期が早いか遅いかの違いだけでしょう。尋問も厳しいものになりますから、足や手の一本や二本、失くしたところで変わりません。殺さないでいただければ」
「そこは分かっとる。尋問官の一人に入れてもらえるか? その代わり、全部吐かせるわ」
「お願いします」
「「「……」」」
もう、周りはついていくことを諦めたらしい。ヘルナやファルビーラも、なんでもないように食事を終えていた。
ファシードと魔法師長も同じ。自分達が口を出すことではないとわかっているのだ。無関心になることにも慣れたものだった。
使用人達も賢く少し伏せがちになって控えている。ちょっとだけ震えている者はいるが、そういう者は、グランギリアが声をかけていた。
「お、終わったみたいや」
リンディエールがコンパクトを開ける。
『殲滅完了いたしました。護衛、護送車への被害、ありません』
「町は、どないや」
『外壁が一部損壊しておりますが、補修、修復には三日ほどもあれば完了する程度かと』
それくらいならばシュラが手を出すほどでもない。
「ほんならまあ、大丈夫やろ。ようやったな」
『ありがとうございます』
「休めるようなら、今日はきちんと休みい」
『はい』
「ほな、また明日にな」
『はい。では、失礼いたします』
コンパクトを閉じて目線を上げると、クイントと目が合った。
「無事で良かったなあ」
「はい……ありがとうございます。リン。彼女はきちんと休ませるように言っておきます」
「ん~、あんま気にせんでええで? 五日くらい、仮眠で凌げる訓練はさせとるでな。好きにさせたってや」
リンディエールはグランギリアから新たに淹れたお茶を受け取りながら答える。
「五日? それは……どんな戦場を想定しているんです?」
「冒険者ならやるんやろ? 最長十日の迷宮攻略の訓練」
これにはヘルナが答えた。
「やらないわよ……どんな極限の状態を想定しているの?」
こっちの疑問も理解できないためのもの。
「そんなもん、最悪と呼ばれた『災禍の大氾濫』で起きた集団暴走に決まっとるわ」
約千年昔、大繁殖の中でも最も酷いと言われた時があった。その時は魔素濃度が六十近い場所が多発し、キングやクイーンがバカみたいに生まれた。これが『災禍の大氾濫』だ。
これにより、いくつもの国が滅んだ。
「おいおい、リン。あれは伝説だぞ」
「なにゆうとん。実際にあったことやで? そんで、そん時と同じ規模の大繁殖期が五年後に来るんよ。あれは約千年に一度の周期やでな」
「……」
「……はい?」
「り、リン、それは……本当に?」
ヘルナは目を見開いて固まり、ファルビーラは思考が停止していた。クイントは頭をフル回転させる。
「まさか、国のお偉方には伝わっとるんとちゃうんか?」
「いえ。そういえば……大繁殖期や魔獣の氾濫の警告は聖皇国が出すはずですが、今回はまだですね……そうです。ここにはゴブリンキングが出たのですよね? 本来ならば兆候ありと警告が来ていてもおかしくなかったはず……」
占いのような形で、どの辺りにと伝える役割を持っているらしい。
これにリンディエールは考え込み、思い出した。
「……そうか……今やったんやね……」
それは忘れていたこと。周りが忙し過ぎて、楽しすぎてすっかり忘れていた。
向き合う時が来たらしい。
「何か思い当たることが?」
クイントの問いかけに、リンディエールは少し迷った。無意識にグランギリアへ目を向ける。視線を外すことなく頷かれた。迷う必要はないと言われたように感じ、視線をクイントへ戻し、口を開いた。
「聖皇国にとってのその役割りは、国の存在意義を主張するために重要なもんや。けど、それを疎かにしてでも、意義を損なわれんほどのものを用意できたとしたら……」
「そんなものが……っ、まさか、勇者……」
まさかそんなと思うクイント。だから、勇者という言葉は小さく掠れていた。だが、それが正解だ。
「勇者の召喚を準備しとるな。ここから聖皇国は遠いが……ヒーちゃんなら何か感じるやろう。召喚ゆうんは、世界の壁を越える力が必要や。そんな普通ありえんことが起きれば、きっと気付く」
召喚術については、ヒストリアと出会った間もない頃に資料を確認していたのだ。その時はまだリンディエールも警戒していた。
これが乙女ゲームによく似ている世界だということも忘れてはいなかったのだ。
************
読んでくださりありがとうございます◎
三日空きます。
よろしくお願いします◎
「規模はわかるか?」
リンディエールが問い掛ければ、クイントは少し通信相手と会話する。その間に、リンディエールは通信用の手鏡を取り出していた。
「数日前から、スタンピードの兆候があったようです。多くて千ほどではないかと」
コンパクトを開いて繋げておく。
「千か……場所は確か、カリア……オババ、分布と魔素濃度分かるか?」
「ん~、確か、ウルフ系が多いのよ……カリアは……魔素溜まりも出来にくい平野……大繁殖期でも……多くて二十パーセントくらいじゃないかしらぁ」
ファシードは、研究の一環として魔獣や魔物の分布を知っていた。彼女がこの場にいて良かった。本人は幸せそうにデザートのケーキを食べている。お陰で話もいつもよりスムーズだ。
魔素溜まりの濃度は百までのパーセントで示される。魔素が過剰に溜まると、側に居る魔獣達が自我を失くすようになるらしい。本来は溜まる前に散るのだが、大繁殖期などの魔獣や魔物の方の影響で気が淀むことで出来るのだ。
「グラン、千では魔素もそれほど溜まらんよな?」
「はい。特にウルフ系が多いとなれば、ゴブリンの数も抑えられますので、ファシード殿の言われる通り二十パーセントくらいではないかと」
「なら問題なさそうや」
キングやクイーンは、魔素溜まりによって自我を失う魔獣や魔物達を統制するために生まれる。世界がバランスを取るための措置だ。一般的には、キングが出るから濃い魔素溜まりが出来ると思われがちだが、逆なのだとヒストリアが語ったのをリンディエールは覚えている。
リンディエールはクイントを見た。
「伯爵家を案内させたメイドを覚えとるか?」
「はい……的確に証拠の在り処に案内してくれました……彼女が何か……」
「外に出ることを許可しい」
「……」
さすがのクイントもすぐには頷けなかったようだ。メイドはまだ少女。物静かな戦う術も持たないメイドにしか思えないのだから。
だが、リンディエールの目は真剣だ。
「あれでレベルは百越えとるんよ。武器も持たせとる。ウルフの千や二千、わけないわ。ウチの秘蔵の弟子やで?」
「分かりました。許可しなさい」
その言葉を向こうに告げてから、クイントは頷いた。
「シュラ、殲滅せえ」
『承知しました』
「っ!」
コンパクトを閉じて、何事もなかったかのように紅茶を飲むリンディエール。視線が集まるのは仕方がない。
「大丈夫や。終わったら連絡が来るよって、それまで待ちい」
「はあ……分かりました。せっかくのデザートですし、紅茶もグランギリア殿が淹れたものとなれば……」
「最高の紅茶やで」
「恐れ入ります」
グランギリアに淹れてもらうよう、メイド長にリンディエールが頼んだのだ。お陰で最高レベルのものだった。
「せや、宰相さんに一つ頼みがあるんやけど」
「なんですか?」
リンディエールは、ついでだしここで言っておこうと、思いついたことを口にする。
「あのメイドなあ、シュラゆうんやけど、あの伯爵の庶子やねん。最後まで父親やと認めんかったらしいが、血はどうにもならん」
「……あの娘が……」
「見つけた時、酷い状態でなあ。夫人達の方に虐待されとってん。母親はもう居らんくてな。まあ、そんで……あの伯爵と夫人達を恨んどる。正当な理由や。足の一本か、目の一つくらいやってんか」
「「「……」」」
聞いていたクイント以外は意味が分からない。ただ、しばらく考えれば予想はできたらしい。徐々に顔色がなくなってきていた。だが、リンディエールは気付かない。視線は真っ直ぐ、クイントに向いているのだ。
「……いいでしょう。確かに正当な恨み、理由です。どのみち、あの夫妻は処刑です。時期が早いか遅いかの違いだけでしょう。尋問も厳しいものになりますから、足や手の一本や二本、失くしたところで変わりません。殺さないでいただければ」
「そこは分かっとる。尋問官の一人に入れてもらえるか? その代わり、全部吐かせるわ」
「お願いします」
「「「……」」」
もう、周りはついていくことを諦めたらしい。ヘルナやファルビーラも、なんでもないように食事を終えていた。
ファシードと魔法師長も同じ。自分達が口を出すことではないとわかっているのだ。無関心になることにも慣れたものだった。
使用人達も賢く少し伏せがちになって控えている。ちょっとだけ震えている者はいるが、そういう者は、グランギリアが声をかけていた。
「お、終わったみたいや」
リンディエールがコンパクトを開ける。
『殲滅完了いたしました。護衛、護送車への被害、ありません』
「町は、どないや」
『外壁が一部損壊しておりますが、補修、修復には三日ほどもあれば完了する程度かと』
それくらいならばシュラが手を出すほどでもない。
「ほんならまあ、大丈夫やろ。ようやったな」
『ありがとうございます』
「休めるようなら、今日はきちんと休みい」
『はい』
「ほな、また明日にな」
『はい。では、失礼いたします』
コンパクトを閉じて目線を上げると、クイントと目が合った。
「無事で良かったなあ」
「はい……ありがとうございます。リン。彼女はきちんと休ませるように言っておきます」
「ん~、あんま気にせんでええで? 五日くらい、仮眠で凌げる訓練はさせとるでな。好きにさせたってや」
リンディエールはグランギリアから新たに淹れたお茶を受け取りながら答える。
「五日? それは……どんな戦場を想定しているんです?」
「冒険者ならやるんやろ? 最長十日の迷宮攻略の訓練」
これにはヘルナが答えた。
「やらないわよ……どんな極限の状態を想定しているの?」
こっちの疑問も理解できないためのもの。
「そんなもん、最悪と呼ばれた『災禍の大氾濫』で起きた集団暴走に決まっとるわ」
約千年昔、大繁殖の中でも最も酷いと言われた時があった。その時は魔素濃度が六十近い場所が多発し、キングやクイーンがバカみたいに生まれた。これが『災禍の大氾濫』だ。
これにより、いくつもの国が滅んだ。
「おいおい、リン。あれは伝説だぞ」
「なにゆうとん。実際にあったことやで? そんで、そん時と同じ規模の大繁殖期が五年後に来るんよ。あれは約千年に一度の周期やでな」
「……」
「……はい?」
「り、リン、それは……本当に?」
ヘルナは目を見開いて固まり、ファルビーラは思考が停止していた。クイントは頭をフル回転させる。
「まさか、国のお偉方には伝わっとるんとちゃうんか?」
「いえ。そういえば……大繁殖期や魔獣の氾濫の警告は聖皇国が出すはずですが、今回はまだですね……そうです。ここにはゴブリンキングが出たのですよね? 本来ならば兆候ありと警告が来ていてもおかしくなかったはず……」
占いのような形で、どの辺りにと伝える役割を持っているらしい。
これにリンディエールは考え込み、思い出した。
「……そうか……今やったんやね……」
それは忘れていたこと。周りが忙し過ぎて、楽しすぎてすっかり忘れていた。
向き合う時が来たらしい。
「何か思い当たることが?」
クイントの問いかけに、リンディエールは少し迷った。無意識にグランギリアへ目を向ける。視線を外すことなく頷かれた。迷う必要はないと言われたように感じ、視線をクイントへ戻し、口を開いた。
「聖皇国にとってのその役割りは、国の存在意義を主張するために重要なもんや。けど、それを疎かにしてでも、意義を損なわれんほどのものを用意できたとしたら……」
「そんなものが……っ、まさか、勇者……」
まさかそんなと思うクイント。だから、勇者という言葉は小さく掠れていた。だが、それが正解だ。
「勇者の召喚を準備しとるな。ここから聖皇国は遠いが……ヒーちゃんなら何か感じるやろう。召喚ゆうんは、世界の壁を越える力が必要や。そんな普通ありえんことが起きれば、きっと気付く」
召喚術については、ヒストリアと出会った間もない頃に資料を確認していたのだ。その時はまだリンディエールも警戒していた。
これが乙女ゲームによく似ている世界だということも忘れてはいなかったのだ。
************
読んでくださりありがとうございます◎
三日空きます。
よろしくお願いします◎
244
お気に入りに追加
2,445
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
モブですが、婚約者は私です。
伊月 慧
恋愛
声高々に私の婚約者であられる王子様が婚約破棄を叫ぶ。隣に震える男爵令嬢を抱き寄せて。
婚約破棄されたのは同年代の令嬢をまとめる、アスラーナ。私の親友でもある。そんな彼女が目を丸めるのと同時に、私も目を丸めた。
待ってください。貴方の婚約者はアスラーナではなく、貴方がモブ認定している私です。
新しい風を吹かせてみたくなりました。
なんかよく有りそうな感じの話で申し訳ございません。
これが普通なら、獣人と結婚したくないわ~王女様は復讐を始める~
黒鴉宙ニ
ファンタジー
「私には心から愛するテレサがいる。君のような偽りの愛とは違う、魂で繋がった番なのだ。君との婚約は破棄させていただこう!」
自身の成人を祝う誕生パーティーで婚約破棄を申し出た王子と婚約者と番と、それを見ていた第三者である他国の姫のお話。
全然関係ない第三者がおこなっていく復讐?
そこまでざまぁ要素は強くないです。
最後まで書いているので更新をお待ちください。6話で完結の短編です。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる