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第三章
074 新しい兵の生き方
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黄城に住む者を空民と呼ぶ。彼らは、歴史を記した多くの文献を保管、管理し、そこから教訓を読み取る。そうして、最上階層である皇龍界へ到達できるようにと王に進言し、人々の生活を守ることを使命としている。
玉と王という特別な存在が独立しがちな世界で、各領と連携を取り、まとめて行くのも役目だ。
この地が地上にあった頃。それぞれの国の中心部にある黄城だけは全ての国に繋がっており、知識を共有していた。
空民は全てにおいて中立の立場にあり、調停者と呼ばれている。そのため、独自の兵団を持ち、国同士の諍いがあればそれを収めるために奔走し、時折現れる妖魔を討伐したり、民達にとっても良い相談役であった。
舟となって空中を彷徨うようになっても中立であることは変わらず、下界に行くほどに増える妖魔を、要請があれば各領の軍以外で兵を派遣することができる。
「申し上げます! アルズの群れがいくつか尺へ抜けて行ったとの報告が! 対応できません!」
「ばか者!! それでも空戦隊か! 弱気な発言は控えよ! 第ニ部隊! 尺へ向え!」
「申し上げます! 更なるアルズの群れにより、第ニ以降の全ての隊で負傷者続出! 対応、間に合いません!」
「なんっ、だと!」
民を守る要だと自負していた空民の誇る空戦隊は、既に瓦解寸前まで追い込まれていた。
しかし、そこに叉獅率いる葉月軍の一隊がやってきたのだ。
◆ ◆ ◆
副官の一人である火澄と第三部隊以降を領の守りとして残し、叉獅は葉月領を出て泉に入ると、軍の一部隊を借り受けた。
別働隊として第二部隊を率いる副官の叉翰が、竺でも同じように部隊を一つ借りる。そうして、合流した二つの混成領軍は、真っ直ぐ最速で天馬を飛ばし、尺へ向かった。
「叉翰、尺は任せる! 第一部隊は俺と突に向かう! 向かってくる妖魔は遠慮なく葬れ! 衛生兵は怪我人を見つけ次第保護だ! 護衛兵は三人に一人! 油断するな!」
「「「「「はっ!」」」」」
「行動開始!」
二隊に分かれ、更にそこからそれぞれ三分の一が離脱していく。衛生兵とその護衛兵だ。怪我人の治療に当たる衛生兵達も戦えないことはないが、今回は妖魔の数が多い。そのため、役割りをはっきりと分けたのだ。
これは葉月領軍独自のもので、そもそも、軍には衛生兵がいなかった。やられたら最期だという考え方だったのだ。民に被害があっても怪我人の移送はしても治療はあくまで民間に頼るものだった。
だが、それでは困ると樟嬰が提案したのだ。
『やられたら最期だと? もったいない! 生かせるならば生かせるべきだ』
治療が間に合わんような戦い方を元よりするなというのが樟嬰の言い分だ。
『大体、兵になったら死ぬか動けなくなるほどの怪我や病気をしなければ引退できないというのは、どうなんだ? お前たちは刑罰でも受けているのか? お、そうだな。これを刑罰にしよう。『死ぬまで軍で奉仕』朶輝、刑罰の追加だ』
そうして、速攻でそれを決めてしまうのが樟嬰らしい。
『あ~……なんの話だったか。そうだ。いいか? 戦場で死ぬのが栄誉あるものという考えは捨てろ。なんでか男はそれに少々夢を見ているようだが、女からすれば何ヶ月も腹の中で大事に大事に育て、苦しみながら産んで精一杯育てた子どもが、生きることを諦めるとか冗談ではないぞ』
そういう考えが捨てられんのなら、緑林にでも張り倒してもらおうと思案し、口にしていた。
『ちょうど、診療所に手が足りずに困っている所がある。手伝いがてら治療法を勉強して来い。幸い、妖魔もここ最近少なくなっている。訓練の一つと思って数人ずつ行って来い』
そうして、治療することに興味を持った者を中心に衛生兵が出来上がった。
これは軍の指導をしている領境を接する泉や竺でも導入した。これにより、平時でも兵が怪我人の対応をでき、診療所に運ぶまでに適切な処置が可能になった。医者が駆け回ることが減り、人手不足の解消にもなったのだ。
それがこの場でも生きてくる。
「止血します!」
「湯を急げ!」
「救護所の用意整いました!」
「よしっ、怪我人はここに集めろ!」
素早く地面に清潔な布を敷き、そこに怪我人を寝かせる。怪我が酷い場合は動かせるだけ処置をした後、大きく張られたテントの中へ担ぎ込む。
兵とはいえ、既にプロだ。彼らの師は教えるのが上手く、厳しい人だった。その上に兵として、仲間と協力することを知っており、若いために体力がある。それは、こういう時に生きた。
「空戦隊は別にするぞ!」
「テントをもう一つ張ります!」
「湯が足りんぞ! 民家に協力してもらえ!」
大きな声が飛び交う。だが、ここに妖魔は来ない。周りを護衛兵達が囲んでいるのだ。それを信じて衛生兵は仕事に集中する。
それらを呆気にとられたまま見ていたのは、空戦隊の運ばれてきた怪我人たちだった。突との領境辺りで戦い、負傷していたのだ。
「……兵が治療を?」
「出血が……止まった?」
「お、おいっ。生きてるのか!?」
空戦隊も、怪我をしたらほとんど助からないのが、最早常識だった。だからこその驚きだ。
「我々はもう役に立たないというのに……」
「そうではありませんでしょう。治して、またこうして戦うのです。それとも、もう戦う気はありませんか?」
「い、いや。戦えるのならば戦いたいっ。我らはそのためにっ、民達を守るために生きているのだから」
「私たちもそうです。ですから、まずは治しましょう。また戦うために」
「っ、ありがとう……」
叉獅達が尺に到着して四時間。
尺へ侵攻していた妖魔も、突に現れていた妖魔も全て討伐され、領内に居た怪我人は全て集められた。そして、適切な治療のお陰もあり、怪我人はかなりの人数ではあったが、死者が奇跡的に出なかったのだ。
それは国中に伝わり、葉月の噂は様々な波紋を呼んだのだった。
***********
読んでくださりありがとうございます◎
次回より日にちが変わります。
月二回の10日と25日です。
少なくなってしまいますがよろしくお願いします◎
玉と王という特別な存在が独立しがちな世界で、各領と連携を取り、まとめて行くのも役目だ。
この地が地上にあった頃。それぞれの国の中心部にある黄城だけは全ての国に繋がっており、知識を共有していた。
空民は全てにおいて中立の立場にあり、調停者と呼ばれている。そのため、独自の兵団を持ち、国同士の諍いがあればそれを収めるために奔走し、時折現れる妖魔を討伐したり、民達にとっても良い相談役であった。
舟となって空中を彷徨うようになっても中立であることは変わらず、下界に行くほどに増える妖魔を、要請があれば各領の軍以外で兵を派遣することができる。
「申し上げます! アルズの群れがいくつか尺へ抜けて行ったとの報告が! 対応できません!」
「ばか者!! それでも空戦隊か! 弱気な発言は控えよ! 第ニ部隊! 尺へ向え!」
「申し上げます! 更なるアルズの群れにより、第ニ以降の全ての隊で負傷者続出! 対応、間に合いません!」
「なんっ、だと!」
民を守る要だと自負していた空民の誇る空戦隊は、既に瓦解寸前まで追い込まれていた。
しかし、そこに叉獅率いる葉月軍の一隊がやってきたのだ。
◆ ◆ ◆
副官の一人である火澄と第三部隊以降を領の守りとして残し、叉獅は葉月領を出て泉に入ると、軍の一部隊を借り受けた。
別働隊として第二部隊を率いる副官の叉翰が、竺でも同じように部隊を一つ借りる。そうして、合流した二つの混成領軍は、真っ直ぐ最速で天馬を飛ばし、尺へ向かった。
「叉翰、尺は任せる! 第一部隊は俺と突に向かう! 向かってくる妖魔は遠慮なく葬れ! 衛生兵は怪我人を見つけ次第保護だ! 護衛兵は三人に一人! 油断するな!」
「「「「「はっ!」」」」」
「行動開始!」
二隊に分かれ、更にそこからそれぞれ三分の一が離脱していく。衛生兵とその護衛兵だ。怪我人の治療に当たる衛生兵達も戦えないことはないが、今回は妖魔の数が多い。そのため、役割りをはっきりと分けたのだ。
これは葉月領軍独自のもので、そもそも、軍には衛生兵がいなかった。やられたら最期だという考え方だったのだ。民に被害があっても怪我人の移送はしても治療はあくまで民間に頼るものだった。
だが、それでは困ると樟嬰が提案したのだ。
『やられたら最期だと? もったいない! 生かせるならば生かせるべきだ』
治療が間に合わんような戦い方を元よりするなというのが樟嬰の言い分だ。
『大体、兵になったら死ぬか動けなくなるほどの怪我や病気をしなければ引退できないというのは、どうなんだ? お前たちは刑罰でも受けているのか? お、そうだな。これを刑罰にしよう。『死ぬまで軍で奉仕』朶輝、刑罰の追加だ』
そうして、速攻でそれを決めてしまうのが樟嬰らしい。
『あ~……なんの話だったか。そうだ。いいか? 戦場で死ぬのが栄誉あるものという考えは捨てろ。なんでか男はそれに少々夢を見ているようだが、女からすれば何ヶ月も腹の中で大事に大事に育て、苦しみながら産んで精一杯育てた子どもが、生きることを諦めるとか冗談ではないぞ』
そういう考えが捨てられんのなら、緑林にでも張り倒してもらおうと思案し、口にしていた。
『ちょうど、診療所に手が足りずに困っている所がある。手伝いがてら治療法を勉強して来い。幸い、妖魔もここ最近少なくなっている。訓練の一つと思って数人ずつ行って来い』
そうして、治療することに興味を持った者を中心に衛生兵が出来上がった。
これは軍の指導をしている領境を接する泉や竺でも導入した。これにより、平時でも兵が怪我人の対応をでき、診療所に運ぶまでに適切な処置が可能になった。医者が駆け回ることが減り、人手不足の解消にもなったのだ。
それがこの場でも生きてくる。
「止血します!」
「湯を急げ!」
「救護所の用意整いました!」
「よしっ、怪我人はここに集めろ!」
素早く地面に清潔な布を敷き、そこに怪我人を寝かせる。怪我が酷い場合は動かせるだけ処置をした後、大きく張られたテントの中へ担ぎ込む。
兵とはいえ、既にプロだ。彼らの師は教えるのが上手く、厳しい人だった。その上に兵として、仲間と協力することを知っており、若いために体力がある。それは、こういう時に生きた。
「空戦隊は別にするぞ!」
「テントをもう一つ張ります!」
「湯が足りんぞ! 民家に協力してもらえ!」
大きな声が飛び交う。だが、ここに妖魔は来ない。周りを護衛兵達が囲んでいるのだ。それを信じて衛生兵は仕事に集中する。
それらを呆気にとられたまま見ていたのは、空戦隊の運ばれてきた怪我人たちだった。突との領境辺りで戦い、負傷していたのだ。
「……兵が治療を?」
「出血が……止まった?」
「お、おいっ。生きてるのか!?」
空戦隊も、怪我をしたらほとんど助からないのが、最早常識だった。だからこその驚きだ。
「我々はもう役に立たないというのに……」
「そうではありませんでしょう。治して、またこうして戦うのです。それとも、もう戦う気はありませんか?」
「い、いや。戦えるのならば戦いたいっ。我らはそのためにっ、民達を守るために生きているのだから」
「私たちもそうです。ですから、まずは治しましょう。また戦うために」
「っ、ありがとう……」
叉獅達が尺に到着して四時間。
尺へ侵攻していた妖魔も、突に現れていた妖魔も全て討伐され、領内に居た怪我人は全て集められた。そして、適切な治療のお陰もあり、怪我人はかなりの人数ではあったが、死者が奇跡的に出なかったのだ。
それは国中に伝わり、葉月の噂は様々な波紋を呼んだのだった。
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