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第六章 秘伝と知己の集い
337 若い者としての役目です
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とりあえず温泉に入り、食事を摂る。
全員、食べ終わると、ほっとしていた。
「はあ……やっと落ち着きましたね……」
伊調がゆっくりとお茶を飲みながら穏やかな表情をしていた。
「沁みるよねえ……自覚なかったけど、かなり体が冷えてたみたいで……うん……眠くなってきたかも……」
蓮次郎もほかほかとした顔でお茶を啜っていた。
「ここの温泉はええねえっ。最高やったわっ」
「本当にっ。お肌がスベスベですよっ」
「徹夜したのに、スッキリしましたっ」
テンションが違うのは、焔泉を中心とした女性達だ。
そんな中、高耶は武雄にお願いしていた。
「武雄、この辺の空いてる部屋、全部使っていいか? 寝るところを確保したいんだ」
高耶は徹夜組の中で一番若い。蓮次郎や伊調達を徹夜させたということで、罪悪感があった。彼らは実年齢より若く見えるが、七十を過ぎていたりする。
そんな人たちを徹夜させたのだ。もちろん、夜に活動することには慣れている。しかし、今回は特にハードだった。
一晩中、神気に当たっていたようなものなのだ。かなり精神的にも追い詰められていた。よって、早く休ませたい。
「いいよ! すぐ用意するよ」
「助かる。離れの方は、こっちで勝手に布団を敷くから」
「えっ。いいの?」
「ああ。エリーゼ達に任せる。エリーゼ、天柳、綺翔と……清晶もいいか?」
珀豪は、そろそろ朝食の時間のため、調理場で忙しくしているはずだ。
《お任せください。ご主人様》
《ふふっ。修学旅行みたいになりますわね》
《いっぱい敷く》
《余ってるの他の所にあるなら運ぶよ。ぎっちり敷き詰めてやる》
男性は全部、この離れで雑魚寝ということで、詰め込むことに決まった。
高耶も他の空いている部屋から布団を運ぶのを手伝う。武雄が案内だ。
「なあ、高耶。偉い人も居るんじゃないの? 俊哉が組織をまとめるまとめ役が結構居たって言ってたんだけど……部屋、この辺は空いてるし、こっちに来てもらってもいいんだけど……」
離れから反対側の方は旧館らしく、同級生達にも解放していない。そこから布団も運んでいる。
「まあ、ちょっと倉庫代わりになってる部屋もあるけど、一応はきちんと掃除もしてあるし……」
「いや。固まっていた方が落ち着くんだ。ちょっと強敵の相手をしてたからな」
「……えっと……因みにどんな?」
「神だ」
「……ん?」
「神様だ。物凄い大集合だったんだぞ?」
「……へ……へえ……」
まあ信じられないだろうなと思いながら、布団を運んだ。
そして、三十分後には、全員が眠っていた。
それを見届けて、高耶もようやく力を抜く。
「ふう……」
元ともう一人の刑事は、橘の血を引く刑事の一人を置いて、犯人達を連行している。その残された橘の者は、今や死んだように眠っていた。
伊調達神楽部隊の者も、力尽きて眠っている。一晩中でも演奏し、舞を踊れる人たちが、本気で疲れたと言っていたのだから相当だ。
布団に入って、数分で完全に眠りに落ちていった。
「神気……やばかったもんな……」
《主様がかなり調整しておられましたけどね》
「まあ、可能な限りな……」
密かに、高耶は神気を上空に流していた。土地に影響を出してほしくないというのがあったので、そこは気を付けていたのだ。
高耶が欠伸をすると、エリーゼが申し出る。
《ご主人様。私がここを見ております。お部屋でお休みください》
天柳達、高耶の式は、存在感があり過ぎる。それこそ、神気も纏っているため、ただでさえ、神気を浴び続けたことで過敏になっている者達にとっては、同じ部屋に居るだけでも、ストレスを与えるだろう。
だが、屋敷精霊であるエリーゼならば、守護する者達として傍に居ることで威圧感を与えてたりしない。
「ああ……頼む」
《お任せください》
高耶は俊哉達が居る部屋へと戻った。
迎えてくれた満、嶺、槇、彰彦、俊哉は、高耶を労ってくれた。
「高耶、お疲れ~」
「お疲れ~」
「おう….」
そうして労われ、高耶は笑みを浮かべた。
高耶は二時間ほど眠り、次に目を覚ました時、槇が真面目な顔で告げた。
それは、彼の妹のことに対しての話だった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
全員、食べ終わると、ほっとしていた。
「はあ……やっと落ち着きましたね……」
伊調がゆっくりとお茶を飲みながら穏やかな表情をしていた。
「沁みるよねえ……自覚なかったけど、かなり体が冷えてたみたいで……うん……眠くなってきたかも……」
蓮次郎もほかほかとした顔でお茶を啜っていた。
「ここの温泉はええねえっ。最高やったわっ」
「本当にっ。お肌がスベスベですよっ」
「徹夜したのに、スッキリしましたっ」
テンションが違うのは、焔泉を中心とした女性達だ。
そんな中、高耶は武雄にお願いしていた。
「武雄、この辺の空いてる部屋、全部使っていいか? 寝るところを確保したいんだ」
高耶は徹夜組の中で一番若い。蓮次郎や伊調達を徹夜させたということで、罪悪感があった。彼らは実年齢より若く見えるが、七十を過ぎていたりする。
そんな人たちを徹夜させたのだ。もちろん、夜に活動することには慣れている。しかし、今回は特にハードだった。
一晩中、神気に当たっていたようなものなのだ。かなり精神的にも追い詰められていた。よって、早く休ませたい。
「いいよ! すぐ用意するよ」
「助かる。離れの方は、こっちで勝手に布団を敷くから」
「えっ。いいの?」
「ああ。エリーゼ達に任せる。エリーゼ、天柳、綺翔と……清晶もいいか?」
珀豪は、そろそろ朝食の時間のため、調理場で忙しくしているはずだ。
《お任せください。ご主人様》
《ふふっ。修学旅行みたいになりますわね》
《いっぱい敷く》
《余ってるの他の所にあるなら運ぶよ。ぎっちり敷き詰めてやる》
男性は全部、この離れで雑魚寝ということで、詰め込むことに決まった。
高耶も他の空いている部屋から布団を運ぶのを手伝う。武雄が案内だ。
「なあ、高耶。偉い人も居るんじゃないの? 俊哉が組織をまとめるまとめ役が結構居たって言ってたんだけど……部屋、この辺は空いてるし、こっちに来てもらってもいいんだけど……」
離れから反対側の方は旧館らしく、同級生達にも解放していない。そこから布団も運んでいる。
「まあ、ちょっと倉庫代わりになってる部屋もあるけど、一応はきちんと掃除もしてあるし……」
「いや。固まっていた方が落ち着くんだ。ちょっと強敵の相手をしてたからな」
「……えっと……因みにどんな?」
「神だ」
「……ん?」
「神様だ。物凄い大集合だったんだぞ?」
「……へ……へえ……」
まあ信じられないだろうなと思いながら、布団を運んだ。
そして、三十分後には、全員が眠っていた。
それを見届けて、高耶もようやく力を抜く。
「ふう……」
元ともう一人の刑事は、橘の血を引く刑事の一人を置いて、犯人達を連行している。その残された橘の者は、今や死んだように眠っていた。
伊調達神楽部隊の者も、力尽きて眠っている。一晩中でも演奏し、舞を踊れる人たちが、本気で疲れたと言っていたのだから相当だ。
布団に入って、数分で完全に眠りに落ちていった。
「神気……やばかったもんな……」
《主様がかなり調整しておられましたけどね》
「まあ、可能な限りな……」
密かに、高耶は神気を上空に流していた。土地に影響を出してほしくないというのがあったので、そこは気を付けていたのだ。
高耶が欠伸をすると、エリーゼが申し出る。
《ご主人様。私がここを見ております。お部屋でお休みください》
天柳達、高耶の式は、存在感があり過ぎる。それこそ、神気も纏っているため、ただでさえ、神気を浴び続けたことで過敏になっている者達にとっては、同じ部屋に居るだけでも、ストレスを与えるだろう。
だが、屋敷精霊であるエリーゼならば、守護する者達として傍に居ることで威圧感を与えてたりしない。
「ああ……頼む」
《お任せください》
高耶は俊哉達が居る部屋へと戻った。
迎えてくれた満、嶺、槇、彰彦、俊哉は、高耶を労ってくれた。
「高耶、お疲れ~」
「お疲れ~」
「おう….」
そうして労われ、高耶は笑みを浮かべた。
高耶は二時間ほど眠り、次に目を覚ました時、槇が真面目な顔で告げた。
それは、彼の妹のことに対しての話だった。
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