215 / 394
第五章 秘伝と天使と悪魔
215 慰労会です
しおりを挟む
一気にこの場が神聖な場所になったと感じ、霊穴の前で待機していた蓮次郎たちは周りを見回した。
「ん? どうなったの?」
そこへ、白い輝く羽根がヒラリと落ちて来る。それが空中の蓮次郎達の視線の辺りに留まると、それが瞬いた。そして、声が響く。
《失礼いたします。こちらは、秘伝当主からのご連絡となります。先ほど、土地神の力により、一時的にこの地が聖域となり、全て浄化されました。封印の儀に移っていただいても問題ありません。以上、お伝えいたしました》
一方的に告げ、その羽根は消えた。
「……あの声……高耶君の天使かな……」
こんな連絡の仕方、初めてだよと苦笑し、手を叩く。丁度その時、うち側からも連絡があった。
穴の前で待機していた式が、向こう側に辿り着いた充雪から伝言を受け取ったのだ。
《あちらの問題が解決したとのことです》
白虎の姿の式神が蓮次郎の側に来て告げた。その頭を撫でて頷く。
「それじゃあ、取り掛かろうか」
「「「はい!!」」」
空を見上げ、これならば予定通り日が暮れるまでには終わりそうだとほっと息を吐いた。
そうして、霊穴封じの儀式は完了したのだった。
その日の夜は、今回の件に関わった者たちでの宴会が催された。一般人ではあるが、俊哉や瀬良姉弟も参加している。
「すげえっ。なにこの豪華なメシ!」
「……結婚式場……はじめてです……」
「こ、これ、いいの? わ、私たち、こんなの払えるお金持ってないんだけど……」
俊哉はもう、遠慮なく満喫していた。高耶が良いと言ったので、心配していない。
誠は席についてからも、キョロキョロと煌びやかな会場を見回して緊張気味だ。
智世は、席で小さくなりながら、出てくる豪華な食事にドキドキしていた。それでも、少しずつ手はつけている。
「大丈夫ですよ。ここは、橘家系列の式場なんです。大きな仕事の後は、こうして慰労会兼懇親会を行うんですよ。兄さんはこういうのあまり参加しないから、今回は特に気合い入れてるみたいですけど」
統二は、父親に自慢げに橘主催の慰労会の話を聞いていたこともあり、落ち着いた様子で楽しんでいた。
「わかる~。高耶兄さんは学生だし、遠慮するわよね~。あ、この魚のマリネ美味しい!」
「うん。このソースいいね。兄さんはさあ、若いからって遠慮してるもんね。実力はかなり上なのに」
由姫の双子は、料理が好きで、しっかりと味わいながらも高耶について語る。
テーブルにはこの六人と、人化した珀豪が席に着いていた。高耶は当たり前のように蓮次郎の所に連れて行かれたのだ。
《うむ。色合いも大事だな。今度は器も見てみるか……》
彼は真面目な顔で料理の考察をしていた。時に給仕の者を呼び止め、調理法の確認などもしていた。
真剣だ。
「珀豪の兄貴。料理人目指してんの?」
俊哉の問いかけに、珀豪は少し微笑む。
《美咲や樹が、喜んでくれるのでな。最近はこうしたフルコースは、優希がマナーの勉強に使うのだ。美味しそうに、美しく食べてもらえるのは嬉しいものだ》
「優希ちゃん……何を目指してんの?」
《ふふふ。『カッコいいお兄ちゃんを持つ妹として恥ずかしくないように』だそうだ》
「……やべえ、口だけじゃないとか、一年生じゃねえ……」
夢として語るだけならば、いくらでもやるだろう。だが、優希はきちんと本当にやっているのだ。実践して言えるとか、普通じゃないと俊哉は感心しきりだ。
それを聞いていた智世も目を丸くする。
「その優希ちゃんって……あの女の子よね? この前の食事の時もだけど、すごくキレイだったわよ? フルコースでマナーの練習とか……蔦枝くんって、お金持ち? なの? 確かにカードとかも持ってたし、御当主って呼ばれてたけど……」
いまだに智世は、高耶がどういった立場なのか理解できていないようだ。
気楽に答えたのは津だった。
「まあ、兄さんはお金は持ってるんじゃないかな。仕事人間なところあるし。当主として一族の頂点に立ってるのに、偉そうにしないし。無駄遣いも嫌いみたい」
だよねと統二にも確認している。
「それに、兄さんは能力が高いから、独りでなんでもやっちゃうし、そうなると、こういう慰労会もやる必要ないからね。当主としてもお金使わないのよ」
「ちょっと前まで、家族にも仕事の事教えてなかったみたいだから、外で贅沢するってこともなかったしね」
統二が補足する。本当に至って真面目に忙しく高耶は過ごしていたのだ。それも小学、中学の時から。
「……小学生の時、付き合いが悪かったのって……」
これでようやく智世は理解したらしい。俊哉が食べ物に釘付けになりながらも頷く。
「だから言ったろ? 忙しいんだって。高耶だって、遊びたかったと思うぜ? けど、やらないといけない事があの頃からあったんだ。俺らが呑気に遊びまわって、付き合い悪いなーって言ってる時にさ」
「……」
「だいたい、あの年で当主とかどうよ」
俊哉はここで顔を上げて、高耶の居る席へ目を向ける。
「アレ、あの中で平気とか、無理じゃね?」
「……」
会場の一番前。本来、結婚式の披露宴ならば、新郎と新婦が並んで座る大きな横長の机のある場所。そのテーブルを、蓮次郎や主力となった者たちが囲んでいた。
そんな中でも、高耶は小さくなることなく、堂々と混じっている。
「ああして、挨拶に来られても変じゃねえし」
時折、お酒を持ってではないが、大の大人が一人ずつ高耶へ頭を下げにくる。
《主は、こういった場に出ることが少ないからな。この場に居合わせた者たちは、ここぞとばかりに顔合わせをしているのだろう。恩を感じていても、礼を言えずにいた者もいたようだからな》
「そんであんな挨拶参りになってんの? これ、ここに高耶がいたらここに来てたってこと?」
少し嫌そうな顔をしながらも、蓮次郎に引きずられて行った高耶。わざわざここに珀豪を残した理由もあった。
《我をここに置いていったのも、意味があるのだぞ?》
「そうなの?」
これには、統二も気付いていた。
「珀豪さんは、式神の中でも高位ですから、好奇心だけで近付いて来ようとする人は、ここには居ません。実際、その怒りに触れて、式神が一切召喚できなくなった人も居ますからね」
「それ、あの統二の本当の兄ってやつだっけか」
「うん。あそこでソワソワしてる」
チラリと視線で示した先には、勇一が班を組んだ者たちと席を囲み、落ち着きなく食事をしていた。彼は、高耶と珀豪を交互に見て確認している。
「珀豪の兄貴。怒ってんの?」
《気に入らんとは思っているな。だがまあ、少し変わったようだ。人とはまったく、一貫しない忙しない生き物だ》
「良い方に変わったならいいじゃん」
《そうだな。どれ、主に謝罪したら許すとしようか。統二、主の所にアレを連れて行ってやれ。多くの目のあるこの場での謝罪ならば、陰口も減ろう》
秘伝家で問題があったことは、既に多くの者に知られている。本家の直系が、本来の当主に頭を下げるのだ。和解したことが伝わるだろう。
「仕方ないですね」
統二は席を立ち、実の兄の下へと向かった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「ん? どうなったの?」
そこへ、白い輝く羽根がヒラリと落ちて来る。それが空中の蓮次郎達の視線の辺りに留まると、それが瞬いた。そして、声が響く。
《失礼いたします。こちらは、秘伝当主からのご連絡となります。先ほど、土地神の力により、一時的にこの地が聖域となり、全て浄化されました。封印の儀に移っていただいても問題ありません。以上、お伝えいたしました》
一方的に告げ、その羽根は消えた。
「……あの声……高耶君の天使かな……」
こんな連絡の仕方、初めてだよと苦笑し、手を叩く。丁度その時、うち側からも連絡があった。
穴の前で待機していた式が、向こう側に辿り着いた充雪から伝言を受け取ったのだ。
《あちらの問題が解決したとのことです》
白虎の姿の式神が蓮次郎の側に来て告げた。その頭を撫でて頷く。
「それじゃあ、取り掛かろうか」
「「「はい!!」」」
空を見上げ、これならば予定通り日が暮れるまでには終わりそうだとほっと息を吐いた。
そうして、霊穴封じの儀式は完了したのだった。
その日の夜は、今回の件に関わった者たちでの宴会が催された。一般人ではあるが、俊哉や瀬良姉弟も参加している。
「すげえっ。なにこの豪華なメシ!」
「……結婚式場……はじめてです……」
「こ、これ、いいの? わ、私たち、こんなの払えるお金持ってないんだけど……」
俊哉はもう、遠慮なく満喫していた。高耶が良いと言ったので、心配していない。
誠は席についてからも、キョロキョロと煌びやかな会場を見回して緊張気味だ。
智世は、席で小さくなりながら、出てくる豪華な食事にドキドキしていた。それでも、少しずつ手はつけている。
「大丈夫ですよ。ここは、橘家系列の式場なんです。大きな仕事の後は、こうして慰労会兼懇親会を行うんですよ。兄さんはこういうのあまり参加しないから、今回は特に気合い入れてるみたいですけど」
統二は、父親に自慢げに橘主催の慰労会の話を聞いていたこともあり、落ち着いた様子で楽しんでいた。
「わかる~。高耶兄さんは学生だし、遠慮するわよね~。あ、この魚のマリネ美味しい!」
「うん。このソースいいね。兄さんはさあ、若いからって遠慮してるもんね。実力はかなり上なのに」
由姫の双子は、料理が好きで、しっかりと味わいながらも高耶について語る。
テーブルにはこの六人と、人化した珀豪が席に着いていた。高耶は当たり前のように蓮次郎の所に連れて行かれたのだ。
《うむ。色合いも大事だな。今度は器も見てみるか……》
彼は真面目な顔で料理の考察をしていた。時に給仕の者を呼び止め、調理法の確認などもしていた。
真剣だ。
「珀豪の兄貴。料理人目指してんの?」
俊哉の問いかけに、珀豪は少し微笑む。
《美咲や樹が、喜んでくれるのでな。最近はこうしたフルコースは、優希がマナーの勉強に使うのだ。美味しそうに、美しく食べてもらえるのは嬉しいものだ》
「優希ちゃん……何を目指してんの?」
《ふふふ。『カッコいいお兄ちゃんを持つ妹として恥ずかしくないように』だそうだ》
「……やべえ、口だけじゃないとか、一年生じゃねえ……」
夢として語るだけならば、いくらでもやるだろう。だが、優希はきちんと本当にやっているのだ。実践して言えるとか、普通じゃないと俊哉は感心しきりだ。
それを聞いていた智世も目を丸くする。
「その優希ちゃんって……あの女の子よね? この前の食事の時もだけど、すごくキレイだったわよ? フルコースでマナーの練習とか……蔦枝くんって、お金持ち? なの? 確かにカードとかも持ってたし、御当主って呼ばれてたけど……」
いまだに智世は、高耶がどういった立場なのか理解できていないようだ。
気楽に答えたのは津だった。
「まあ、兄さんはお金は持ってるんじゃないかな。仕事人間なところあるし。当主として一族の頂点に立ってるのに、偉そうにしないし。無駄遣いも嫌いみたい」
だよねと統二にも確認している。
「それに、兄さんは能力が高いから、独りでなんでもやっちゃうし、そうなると、こういう慰労会もやる必要ないからね。当主としてもお金使わないのよ」
「ちょっと前まで、家族にも仕事の事教えてなかったみたいだから、外で贅沢するってこともなかったしね」
統二が補足する。本当に至って真面目に忙しく高耶は過ごしていたのだ。それも小学、中学の時から。
「……小学生の時、付き合いが悪かったのって……」
これでようやく智世は理解したらしい。俊哉が食べ物に釘付けになりながらも頷く。
「だから言ったろ? 忙しいんだって。高耶だって、遊びたかったと思うぜ? けど、やらないといけない事があの頃からあったんだ。俺らが呑気に遊びまわって、付き合い悪いなーって言ってる時にさ」
「……」
「だいたい、あの年で当主とかどうよ」
俊哉はここで顔を上げて、高耶の居る席へ目を向ける。
「アレ、あの中で平気とか、無理じゃね?」
「……」
会場の一番前。本来、結婚式の披露宴ならば、新郎と新婦が並んで座る大きな横長の机のある場所。そのテーブルを、蓮次郎や主力となった者たちが囲んでいた。
そんな中でも、高耶は小さくなることなく、堂々と混じっている。
「ああして、挨拶に来られても変じゃねえし」
時折、お酒を持ってではないが、大の大人が一人ずつ高耶へ頭を下げにくる。
《主は、こういった場に出ることが少ないからな。この場に居合わせた者たちは、ここぞとばかりに顔合わせをしているのだろう。恩を感じていても、礼を言えずにいた者もいたようだからな》
「そんであんな挨拶参りになってんの? これ、ここに高耶がいたらここに来てたってこと?」
少し嫌そうな顔をしながらも、蓮次郎に引きずられて行った高耶。わざわざここに珀豪を残した理由もあった。
《我をここに置いていったのも、意味があるのだぞ?》
「そうなの?」
これには、統二も気付いていた。
「珀豪さんは、式神の中でも高位ですから、好奇心だけで近付いて来ようとする人は、ここには居ません。実際、その怒りに触れて、式神が一切召喚できなくなった人も居ますからね」
「それ、あの統二の本当の兄ってやつだっけか」
「うん。あそこでソワソワしてる」
チラリと視線で示した先には、勇一が班を組んだ者たちと席を囲み、落ち着きなく食事をしていた。彼は、高耶と珀豪を交互に見て確認している。
「珀豪の兄貴。怒ってんの?」
《気に入らんとは思っているな。だがまあ、少し変わったようだ。人とはまったく、一貫しない忙しない生き物だ》
「良い方に変わったならいいじゃん」
《そうだな。どれ、主に謝罪したら許すとしようか。統二、主の所にアレを連れて行ってやれ。多くの目のあるこの場での謝罪ならば、陰口も減ろう》
秘伝家で問題があったことは、既に多くの者に知られている。本家の直系が、本来の当主に頭を下げるのだ。和解したことが伝わるだろう。
「仕方ないですね」
統二は席を立ち、実の兄の下へと向かった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
121
お気に入りに追加
1,292
あなたにおすすめの小説
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
義兄に告白されて、承諾したらトロ甘な生活が待ってました。
アタナシア
恋愛
母の再婚をきっかけにできたイケメンで完璧な義兄、海斗。ひょんなことから、そんな海斗に告白をされる真名。
捨てられた子犬みたいな目で告白されたら断れないじゃん・・・!!
承諾してしまった真名に
「ーいいの・・・?ー ほんとに?ありがとう真名。大事にするね、ずっと・・・♡」熱い眼差を向けられて、そのままーーーー・・・♡。
【R18】平凡な男子が女好きのモテ男に告白したら…
ぽぽ
BL
"気持ち悪いから近づかないでください"
好きな相手からそんなことを言われた
あんなに嫌われていたはずなのに…
平凡大学生の千秋先輩が非凡なイケメン大学生臣と恋する話
美形×平凡の2人の日常です。
※R18場面がある場合は※つけます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる