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028 お客様がいるのよ
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領城が見えてきた頃。
沿道に多くの人が集まっているのが気になっていた。
「お~い、嬢ちゃん。これどうなってんだ?」
リガルや神官達も戸惑っている。
まるで凱旋を期待する者達のように、全ての視線が馬車に向けられていた。歓声は上がらない。確信はないという様子。けれど、見つめる視線には爆発寸前の熱がこもっていた。
「……仕方ないですね……」
「どうなさるのですか?」
シュリアスタに問われて力無い笑みを向ける。そのまま何も言わずフードを被ったまま外に出た。
「リオ、先導できる?」
《一番前を歩けばいいの?》
「そう。それも本来の姿でね」
《分かったー。けど、お母さんは?》
「乗せてちょうだい」
《わーい》
御者席の方へ出てすぐにリオが飛び出す。
馬車を引くシャドウホースが怯えないように距離を取り、そこでリオは本来の聖獣の姿になる。光を集めたような立派なオレンジのライオンだ。
周りが息をのむのが分かる。
リオの本来の姿を知らなかったリガル達もだ。
そこに、フレアリールが風の魔術でふわりとリオの背中に飛び乗る。そして、フードを取った。
わぁぁぁっ!
瞬間、歓声が湧いた。
「フレア様ぁぁぁ! よくぞお戻りに!」
「信じていました!」
「お帰りなさいませ!!」
「聖女様万歳!」
「聖獣様ぁぁぁ!」
このシェンカの民達は、誰もフレアリールが死んだなど信じていなかったのだ。生きていると、いつか帰ってくるのだと信じ続けていた。
ものすごい歓声の中をゆっくりと進む。
それは間違いなく凱旋だった。
領城の門が開く。
そのギリギリまで人々はついてきた。それに笑顔で手を振って城の中に入る。門が閉まる音を聞きながら進むと、今度は兵達が並んでいた。
涙ぐむ者、そのまま膝をついて号泣する者。泣き声がとにかくうるさい。男ばかりではないのが救いだろうか。女性の兵や騎士もいるのだ。聡はもちろん、リガル達も完全に引いていた。
《すっごい泣いてる……》
「気にしなくていいわ。なんでかウチの人たち、強くなるほど情に弱くなるのよね」
酒宴の席だとよくわかる。シェンカに来て間もない頃は個性のある酔い方をするのに、なぜかここで強くなると泣上戸ばかりになるのだ。
「訓練がおかしな効果を出しているのかしら?」
こればっかりは昔からの謎だ。
そこに威厳たっぷりな様子で出てきたのがフレアリールの父と兄。領主のゼリエスとウィリアスだ。
フレアリールはリオからひらりと下りると、彼らの前まで来て帰還の礼をする。片足を一歩引き、胸に手を当てて頭を下げたのだ。
「フレアリール・シェンカ。最北の地よりただ今戻りました」
「っ……よく……よく戻った」
「お帰り、フレア!」
「はい」
顔を上げると、涙ぐむ父と心底嬉しそうに破顔する兄の顔があった。
「フレア!!」
その後ろから父と兄を突き飛ばし、唐突に駆け出してきた者があった。
「お母様っ……!?」
力一杯、全力で飛びかかってきた母ファルセに、フレアリールは押し倒された。
「フレア! 良かった! あなたが帰ってくるって信じてっ……国を亡ぼさなくて良かったわ!」
「……あ、踏み止まっていただきありがとうございます……」
お礼は大事だ。危なかった。
「それと、エリスもクッションありがとう」
「いえ。頭が無事でようございました。お帰りなさいませ、フレア様。聖獣様を従えてのご帰還、神が降臨されたようでした」
「大袈裟ね」
「そうかもしれません……わたくしにとってはフレア様は聖獣様が居なくとも女神ですので」
「……そう……」
こういう人だったなと思い出した。
「そ、そういえば、お客様がいるのよ」
いつまでも立てずにいるフレアリールに手を差し出したのは兄のウィリアスだった。
「分かってるよ。聖女様と大司教様に、第一王妃様と王子。それと伝説の『黒刀』でしょ?」
「……さすがはお兄様です……」
このシェンカの暗部を取り仕切っているのがウィリアスだ。情報は既に入手していたらしい。
ちらりと『黒刀』と呼ばれたエリスの父、聡を見る。盛大にダメージを受けているようだ。
『通り名とか恥ずかしすぎんだろぉぉぉ』と顔を覆って悶え苦しむ聡を、ギルセリュートが宥めていた。その間もウィリアスの話は続いている。
「まったくフレアは、聖魔獣とか人とか拾ってくる癖、まだ治らないのかい? 無闇に拾ってはダメだってあれほど言ったのに」
「……」
なんでも良いが、先ほどから話をしながら兄は何をやっているのだろう。
手にしているのはフレアリールが前世の記憶に自覚のない、以前作ったメジャーだった。
「よし、異常なしだね。合格」
「……良かったです……」
意味が分からないが、兄は以前からよくこうした行動に出ていたので、特に気にしなかった。
パパっとメモをしたため、それを当たり前のようにエリスが受け取る。これもよくあることだ。
それからウィリアスはスタスタとギルセリュートに近付いていく。コソコソと耳打ちしたウィリアスは、頷いたギルセリュートを連れて行こうとする。
「あの……お兄様?」
「うん。大丈夫、心配いらないよ。お兄様に任せなさい。男同士の大事な話をしてくるから」
「はい?」
そのままギルセリュートは連行されていった。
そして、振り返るとシーリアとシュリアスタがファルセに手を引かれて楽しそうに城内に消えるところだった。
「フレアっ、後で一緒にお茶しましょうね~♪」
「フレアちゃん、後でね~♪」
「お姉様、お待ちしていますわ~♪」
「え……」
ノリが一緒だと思いながら残念な気持ちで見送った。
そして、大司教を始めとするリガルや神官達は父のゼリエスが当たり前のように引き連れて行く。
「あ、あの、お父様……?」
「フレア、少し休むといい。エリス、頼むぞ」
「はっ!」
「えぇぇ……」
残ったのは寂しく馬車とシャドウホースを収納する聡とリオ。
「フレア様。先ずはお着替えを。湯浴みの用意もできております」
「あ、うん」
こういう時のエリスは絶対にこちらの言葉は聞かない。
「親父殿様もさっさと湯を浴びてきてください。臭い気がします」
「っ、気がしますって、なんだそれ! 久し振りの父親に『お元気そうでなにより』の一言も無しかよ! それと親父殿様ってなんだ!?」
聡としてはエリスに久し振りに会えて嬉しいのだろう。笑みが隠せていなかった。だが、当のエリスはいつもどおりの無表情のクールビューティだ。
「親父殿様が元気なのは分かっていますので。気がするのは気を遣っているからです。その歳でもヒゲが生えないとか、許せないんです。娘としては、無精ヒゲのある渋い父親であって欲しいのですよ。いかにも人生にくたびれた哀愁漂う大人の加齢臭が気になり出す父親をお願いしたい。無理なら仕方ないので、その歳を取った感じの偽装の化粧とか落としてもらえませんかね? 無理してる感が泣けてきます」
「……」
「……」
口を挟めなかった。
「さあ、フレア様。お部屋へ行きましょう」
「う、うん」
肩を落とす聡をリオが慰めている。そのままついていてやってくれとリオに目で伝え、フレアリールはエリスに連れられて懐かしい城へと入っていった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
また二日空きます。
よろしくお願いします◎
2019. 4. 16
沿道に多くの人が集まっているのが気になっていた。
「お~い、嬢ちゃん。これどうなってんだ?」
リガルや神官達も戸惑っている。
まるで凱旋を期待する者達のように、全ての視線が馬車に向けられていた。歓声は上がらない。確信はないという様子。けれど、見つめる視線には爆発寸前の熱がこもっていた。
「……仕方ないですね……」
「どうなさるのですか?」
シュリアスタに問われて力無い笑みを向ける。そのまま何も言わずフードを被ったまま外に出た。
「リオ、先導できる?」
《一番前を歩けばいいの?》
「そう。それも本来の姿でね」
《分かったー。けど、お母さんは?》
「乗せてちょうだい」
《わーい》
御者席の方へ出てすぐにリオが飛び出す。
馬車を引くシャドウホースが怯えないように距離を取り、そこでリオは本来の聖獣の姿になる。光を集めたような立派なオレンジのライオンだ。
周りが息をのむのが分かる。
リオの本来の姿を知らなかったリガル達もだ。
そこに、フレアリールが風の魔術でふわりとリオの背中に飛び乗る。そして、フードを取った。
わぁぁぁっ!
瞬間、歓声が湧いた。
「フレア様ぁぁぁ! よくぞお戻りに!」
「信じていました!」
「お帰りなさいませ!!」
「聖女様万歳!」
「聖獣様ぁぁぁ!」
このシェンカの民達は、誰もフレアリールが死んだなど信じていなかったのだ。生きていると、いつか帰ってくるのだと信じ続けていた。
ものすごい歓声の中をゆっくりと進む。
それは間違いなく凱旋だった。
領城の門が開く。
そのギリギリまで人々はついてきた。それに笑顔で手を振って城の中に入る。門が閉まる音を聞きながら進むと、今度は兵達が並んでいた。
涙ぐむ者、そのまま膝をついて号泣する者。泣き声がとにかくうるさい。男ばかりではないのが救いだろうか。女性の兵や騎士もいるのだ。聡はもちろん、リガル達も完全に引いていた。
《すっごい泣いてる……》
「気にしなくていいわ。なんでかウチの人たち、強くなるほど情に弱くなるのよね」
酒宴の席だとよくわかる。シェンカに来て間もない頃は個性のある酔い方をするのに、なぜかここで強くなると泣上戸ばかりになるのだ。
「訓練がおかしな効果を出しているのかしら?」
こればっかりは昔からの謎だ。
そこに威厳たっぷりな様子で出てきたのがフレアリールの父と兄。領主のゼリエスとウィリアスだ。
フレアリールはリオからひらりと下りると、彼らの前まで来て帰還の礼をする。片足を一歩引き、胸に手を当てて頭を下げたのだ。
「フレアリール・シェンカ。最北の地よりただ今戻りました」
「っ……よく……よく戻った」
「お帰り、フレア!」
「はい」
顔を上げると、涙ぐむ父と心底嬉しそうに破顔する兄の顔があった。
「フレア!!」
その後ろから父と兄を突き飛ばし、唐突に駆け出してきた者があった。
「お母様っ……!?」
力一杯、全力で飛びかかってきた母ファルセに、フレアリールは押し倒された。
「フレア! 良かった! あなたが帰ってくるって信じてっ……国を亡ぼさなくて良かったわ!」
「……あ、踏み止まっていただきありがとうございます……」
お礼は大事だ。危なかった。
「それと、エリスもクッションありがとう」
「いえ。頭が無事でようございました。お帰りなさいませ、フレア様。聖獣様を従えてのご帰還、神が降臨されたようでした」
「大袈裟ね」
「そうかもしれません……わたくしにとってはフレア様は聖獣様が居なくとも女神ですので」
「……そう……」
こういう人だったなと思い出した。
「そ、そういえば、お客様がいるのよ」
いつまでも立てずにいるフレアリールに手を差し出したのは兄のウィリアスだった。
「分かってるよ。聖女様と大司教様に、第一王妃様と王子。それと伝説の『黒刀』でしょ?」
「……さすがはお兄様です……」
このシェンカの暗部を取り仕切っているのがウィリアスだ。情報は既に入手していたらしい。
ちらりと『黒刀』と呼ばれたエリスの父、聡を見る。盛大にダメージを受けているようだ。
『通り名とか恥ずかしすぎんだろぉぉぉ』と顔を覆って悶え苦しむ聡を、ギルセリュートが宥めていた。その間もウィリアスの話は続いている。
「まったくフレアは、聖魔獣とか人とか拾ってくる癖、まだ治らないのかい? 無闇に拾ってはダメだってあれほど言ったのに」
「……」
なんでも良いが、先ほどから話をしながら兄は何をやっているのだろう。
手にしているのはフレアリールが前世の記憶に自覚のない、以前作ったメジャーだった。
「よし、異常なしだね。合格」
「……良かったです……」
意味が分からないが、兄は以前からよくこうした行動に出ていたので、特に気にしなかった。
パパっとメモをしたため、それを当たり前のようにエリスが受け取る。これもよくあることだ。
それからウィリアスはスタスタとギルセリュートに近付いていく。コソコソと耳打ちしたウィリアスは、頷いたギルセリュートを連れて行こうとする。
「あの……お兄様?」
「うん。大丈夫、心配いらないよ。お兄様に任せなさい。男同士の大事な話をしてくるから」
「はい?」
そのままギルセリュートは連行されていった。
そして、振り返るとシーリアとシュリアスタがファルセに手を引かれて楽しそうに城内に消えるところだった。
「フレアっ、後で一緒にお茶しましょうね~♪」
「フレアちゃん、後でね~♪」
「お姉様、お待ちしていますわ~♪」
「え……」
ノリが一緒だと思いながら残念な気持ちで見送った。
そして、大司教を始めとするリガルや神官達は父のゼリエスが当たり前のように引き連れて行く。
「あ、あの、お父様……?」
「フレア、少し休むといい。エリス、頼むぞ」
「はっ!」
「えぇぇ……」
残ったのは寂しく馬車とシャドウホースを収納する聡とリオ。
「フレア様。先ずはお着替えを。湯浴みの用意もできております」
「あ、うん」
こういう時のエリスは絶対にこちらの言葉は聞かない。
「親父殿様もさっさと湯を浴びてきてください。臭い気がします」
「っ、気がしますって、なんだそれ! 久し振りの父親に『お元気そうでなにより』の一言も無しかよ! それと親父殿様ってなんだ!?」
聡としてはエリスに久し振りに会えて嬉しいのだろう。笑みが隠せていなかった。だが、当のエリスはいつもどおりの無表情のクールビューティだ。
「親父殿様が元気なのは分かっていますので。気がするのは気を遣っているからです。その歳でもヒゲが生えないとか、許せないんです。娘としては、無精ヒゲのある渋い父親であって欲しいのですよ。いかにも人生にくたびれた哀愁漂う大人の加齢臭が気になり出す父親をお願いしたい。無理なら仕方ないので、その歳を取った感じの偽装の化粧とか落としてもらえませんかね? 無理してる感が泣けてきます」
「……」
「……」
口を挟めなかった。
「さあ、フレア様。お部屋へ行きましょう」
「う、うん」
肩を落とす聡をリオが慰めている。そのままついていてやってくれとリオに目で伝え、フレアリールはエリスに連れられて懐かしい城へと入っていった。
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