12 / 41
届かぬ想いは寂しくて
しおりを挟む
ゼスは手を伸ばしてフラウの白銀の髪をくしゃくしゃと掻き回す。そうしながら、デボラに向けてチッチと舌を鳴らした。
「フラウに出て行くとか言われたら、うちの主がブチ切れちまうよ」
「ゼスさん」
フラウはゼスを眼で咎めた。
もちろんそんなのはゼスの悪い冗談に決まっている。十年間一緒にいて、アストールが感情に任せて動いたことなんてない。彼はそんな人ではないのに、ゼスの台詞を耳にした瞬間、デボラの顔からサッと血の気が引いた。
「ちょっと、ゼス、内緒にしといておくれよ!? 村が消されちまう」
本気で慌てふためいているように見えるデボラの様子に、フラウは小首をかしげる。彼女の声に、微かな、けれども明らかな、怯えの響きを感じ取ったから。
(ゼスが変なこと言うから……)
アストールは確かに滅多に笑わないし引きこもりで人に会おうとしないけれども、優しい人だ。彼と出会っていなければ、フラウは今でも人の温もりを、幸せというものがどういうものかを知らないままだっただろう。
フラウに大切なものを幾つも教えてくれた大切な人が、そんな乱暴なことをするような人だと誤解されているなんて、とてもではないけれど我慢できない。
「アストールさまがそんなことするはずがないよ」
フラウの抗議に、デボラは何かを言いかけ、結局口を閉ざした。隣に立ったゼスを見上げれば、彼でさえも何だか複雑な顔をしている。
(ゼスさんは、アストールさまがそんな人じゃないっていうこと、判ってるはずなのに)
どうして弁解しようとしないのかとフラウはゼスを睨み付けたけれども、彼はヘラッといつもの軽い笑顔を返してきた。
「ま、冗談はここまでにしておいて、早いとこ買い物終わらせて帰ろうか。今日はアストール様も馬車で待ってることだし」
ゼスの台詞でデボラがギクリと肩を強張らせた。
「え、あの方が? そ、それは急がないと……で、何が欲しいんだい? 今年は南瓜の出来がいいよ」
あたふたと品を見せ始めたデボラの慌て方は、アストールを待たせたら悪いからという気持ちからだけのものだろうか。
(本当に、そんなに怖い人じゃないのに)
フラウはむぅと唇を噛んだ。
以前から、アストールに対する村人の感情があまり良いものではないことを薄々感じてはいた。
初めてフラウがゼスとルイ村を訪れたとき、彼女に向けられたのは恐怖混じりの憐憫の眼差しだった。年月を重ねるたびにそれは薄らいでいって、いつしか意識の外に追いやられていたのだけれど、こうやって、何かの拍子に浮き上がってくる。
魔力の欠片も持たないフラウからしたら、指をチョイと動かすだけで何でもできてしまうようなアストールはただただ『すごい人』なだけだ。その力を恐ろしいと思ったことなど、一度もない。
そう、確かに、すごい力を持っている人なのだ。きっと、すご過ぎるから、皆から距離を置かれてしまうのだろう。
庭に飛んでくる大灰色鴨と同じだ。
大灰色鴨はフラウも運ばれてしまいそうなほど大きいけれど、とてもおとなしい。なのに、ただ大きいというだけで、大灰色鴨が来ると他の小鳥は皆逃げて行ってしまう。
力というものは、どれだけ大きいか、ではなくて、どんな人に使われるか、の方が大事なのだとフラウは思う。だから、どれだけ大きな力でも、それを持っているのがアストールなら大丈夫だと彼女は信じていた。
(アストールさまは、絶対に怖くなんてないもの)
彼が誤解されていることが、フラウは悔しくてならない。けれど、彼女の言葉ではどうやってもルイ村の人たちにアストールの良さを伝えることはできないように思われた。
釈然としない思いを抱えたままフラウはゼスと買い物を終え、村の出入り口へと向かう。
アストールが待つ馬車に着いてしまう前に、フラウは意を決して隣を歩くゼスを見上げた。そうして、胸の奥にもやもやとわだかまっていたものを、吐き出す。
「どうして村の人たちはアストールさまのことをあんなに怖がっているんですか?」
ゼスは見上げるフラウに眼を向け、肩をすくめた。
「君が来る前はひどかったんだよ」
「ひどい?」
「そ。人を雇ってもひと月と持たなくてね。君が来るまではこの村で募集をかけてたんだけど、しまいにはもう来たがる人がいなくなってしまったよ」
「どうしてですか?」
「あの人が彼女たちをビビらせまくったから」
だから、どうしてその人たちを怯えさせたのかを知りたいのだが。
要領を得ないゼスの話に唇を尖らせると、彼はなだめるようにポンポンとフラウの頭を叩いてきた。
「あの人、君には知られたくないんだよ。口を滑らせた自分が言うのもなんだけど、知らないままでいてやってくれないか? 君にだけは怖がられたくないんだろうからさ」
「わたしがアストールさまを怖がるなんてこと、絶対ないです」
きっぱり断言すると、ゼスはふはっと笑った。
「だろうね。君はきっとそうだろうけど、あの人はそんなふうに想われていると思えるほどの自信が持てないんだよ」
「自信?」
「そう。……君の信頼と想いを与えられるに足る人間だという、自信がね」
良く、解らない。
フラウはそう思っているのに、アストールはそれを信じてくれていないということだろうか。
(ずっとお傍にいたいっていうわたしの気持ちも、もしかしたら、信じてくださっていないの……?)
傍にいたいからいるのだという、この心の底からの気持ちが、届いていないのだろうか。
もしも、そうなのなら。
フラウは口惜しい――いや、寂しかった。
アストールのことを大切だというこの想いが、彼には届いていないかもしれないということが。
届いて、応えて欲しいわけではない。
ただ、フラウが彼のことを大切に想っているのだということだけは、ちゃんと伝わっていて欲しいのだ。
フラウは、アストールに大切にされてうれしかったから。大切に想ってくれているということが伝わってきて、うれしかったから。
(アストールさまにも、うれしいって思って欲しいのに)
うつむいたフラウの頭に、大きな手がポンと乗る。
「君のお陰であの人は変われたんだよ。でなきゃ、今頃魔王っぷりが王都まで届いていたんじゃないかな。自分も君には感謝しているよ」
「ゼスさんが?」
見上げたフラウに、温かで穏やかな笑顔が向けられていた。
「そ。ちゃんと魔力を制御できるようになってくださいよって、何度も口を酸っぱくして言ったんだけどね、自分の言葉じゃ、さっぱり効果がなかった。でも、君が来た途端にガラッと変わってね」
やっぱり、守るものができると人間変わるよなぁ、と、ゼスはしみじみとした口調で呟いて。
「あの塔に入れられた経緯が経緯だったから、すっかりこじれてしまっていてね。自分が言えば言うほど、あの人、むしろ意固地になっていたのかもしれないな」
そう言って、ゼスは笑った。寂しさと嬉しさが入り混じったような眼差しで。
そんな彼を見ていると、フラウは何となくデボラとカールのことを思い出す。
「ゼスさんはアストールさまのお母さんみたいですね」
思わずそう告げると、ゼスは一瞬目を丸くしてから苦笑した。
「どうかなぁ。アストール様は、自分のことは看守か何かだと思ってるよ、きっと」
(看守? ゼスさんが?)
全然、彼にはそぐわない言葉だ。
眉根を寄せて見上げたフラウに、ゼスはニコリと笑顔を返す。それは、更なる疑問を跳ね返す笑顔だった。
「フラウに出て行くとか言われたら、うちの主がブチ切れちまうよ」
「ゼスさん」
フラウはゼスを眼で咎めた。
もちろんそんなのはゼスの悪い冗談に決まっている。十年間一緒にいて、アストールが感情に任せて動いたことなんてない。彼はそんな人ではないのに、ゼスの台詞を耳にした瞬間、デボラの顔からサッと血の気が引いた。
「ちょっと、ゼス、内緒にしといておくれよ!? 村が消されちまう」
本気で慌てふためいているように見えるデボラの様子に、フラウは小首をかしげる。彼女の声に、微かな、けれども明らかな、怯えの響きを感じ取ったから。
(ゼスが変なこと言うから……)
アストールは確かに滅多に笑わないし引きこもりで人に会おうとしないけれども、優しい人だ。彼と出会っていなければ、フラウは今でも人の温もりを、幸せというものがどういうものかを知らないままだっただろう。
フラウに大切なものを幾つも教えてくれた大切な人が、そんな乱暴なことをするような人だと誤解されているなんて、とてもではないけれど我慢できない。
「アストールさまがそんなことするはずがないよ」
フラウの抗議に、デボラは何かを言いかけ、結局口を閉ざした。隣に立ったゼスを見上げれば、彼でさえも何だか複雑な顔をしている。
(ゼスさんは、アストールさまがそんな人じゃないっていうこと、判ってるはずなのに)
どうして弁解しようとしないのかとフラウはゼスを睨み付けたけれども、彼はヘラッといつもの軽い笑顔を返してきた。
「ま、冗談はここまでにしておいて、早いとこ買い物終わらせて帰ろうか。今日はアストール様も馬車で待ってることだし」
ゼスの台詞でデボラがギクリと肩を強張らせた。
「え、あの方が? そ、それは急がないと……で、何が欲しいんだい? 今年は南瓜の出来がいいよ」
あたふたと品を見せ始めたデボラの慌て方は、アストールを待たせたら悪いからという気持ちからだけのものだろうか。
(本当に、そんなに怖い人じゃないのに)
フラウはむぅと唇を噛んだ。
以前から、アストールに対する村人の感情があまり良いものではないことを薄々感じてはいた。
初めてフラウがゼスとルイ村を訪れたとき、彼女に向けられたのは恐怖混じりの憐憫の眼差しだった。年月を重ねるたびにそれは薄らいでいって、いつしか意識の外に追いやられていたのだけれど、こうやって、何かの拍子に浮き上がってくる。
魔力の欠片も持たないフラウからしたら、指をチョイと動かすだけで何でもできてしまうようなアストールはただただ『すごい人』なだけだ。その力を恐ろしいと思ったことなど、一度もない。
そう、確かに、すごい力を持っている人なのだ。きっと、すご過ぎるから、皆から距離を置かれてしまうのだろう。
庭に飛んでくる大灰色鴨と同じだ。
大灰色鴨はフラウも運ばれてしまいそうなほど大きいけれど、とてもおとなしい。なのに、ただ大きいというだけで、大灰色鴨が来ると他の小鳥は皆逃げて行ってしまう。
力というものは、どれだけ大きいか、ではなくて、どんな人に使われるか、の方が大事なのだとフラウは思う。だから、どれだけ大きな力でも、それを持っているのがアストールなら大丈夫だと彼女は信じていた。
(アストールさまは、絶対に怖くなんてないもの)
彼が誤解されていることが、フラウは悔しくてならない。けれど、彼女の言葉ではどうやってもルイ村の人たちにアストールの良さを伝えることはできないように思われた。
釈然としない思いを抱えたままフラウはゼスと買い物を終え、村の出入り口へと向かう。
アストールが待つ馬車に着いてしまう前に、フラウは意を決して隣を歩くゼスを見上げた。そうして、胸の奥にもやもやとわだかまっていたものを、吐き出す。
「どうして村の人たちはアストールさまのことをあんなに怖がっているんですか?」
ゼスは見上げるフラウに眼を向け、肩をすくめた。
「君が来る前はひどかったんだよ」
「ひどい?」
「そ。人を雇ってもひと月と持たなくてね。君が来るまではこの村で募集をかけてたんだけど、しまいにはもう来たがる人がいなくなってしまったよ」
「どうしてですか?」
「あの人が彼女たちをビビらせまくったから」
だから、どうしてその人たちを怯えさせたのかを知りたいのだが。
要領を得ないゼスの話に唇を尖らせると、彼はなだめるようにポンポンとフラウの頭を叩いてきた。
「あの人、君には知られたくないんだよ。口を滑らせた自分が言うのもなんだけど、知らないままでいてやってくれないか? 君にだけは怖がられたくないんだろうからさ」
「わたしがアストールさまを怖がるなんてこと、絶対ないです」
きっぱり断言すると、ゼスはふはっと笑った。
「だろうね。君はきっとそうだろうけど、あの人はそんなふうに想われていると思えるほどの自信が持てないんだよ」
「自信?」
「そう。……君の信頼と想いを与えられるに足る人間だという、自信がね」
良く、解らない。
フラウはそう思っているのに、アストールはそれを信じてくれていないということだろうか。
(ずっとお傍にいたいっていうわたしの気持ちも、もしかしたら、信じてくださっていないの……?)
傍にいたいからいるのだという、この心の底からの気持ちが、届いていないのだろうか。
もしも、そうなのなら。
フラウは口惜しい――いや、寂しかった。
アストールのことを大切だというこの想いが、彼には届いていないかもしれないということが。
届いて、応えて欲しいわけではない。
ただ、フラウが彼のことを大切に想っているのだということだけは、ちゃんと伝わっていて欲しいのだ。
フラウは、アストールに大切にされてうれしかったから。大切に想ってくれているということが伝わってきて、うれしかったから。
(アストールさまにも、うれしいって思って欲しいのに)
うつむいたフラウの頭に、大きな手がポンと乗る。
「君のお陰であの人は変われたんだよ。でなきゃ、今頃魔王っぷりが王都まで届いていたんじゃないかな。自分も君には感謝しているよ」
「ゼスさんが?」
見上げたフラウに、温かで穏やかな笑顔が向けられていた。
「そ。ちゃんと魔力を制御できるようになってくださいよって、何度も口を酸っぱくして言ったんだけどね、自分の言葉じゃ、さっぱり効果がなかった。でも、君が来た途端にガラッと変わってね」
やっぱり、守るものができると人間変わるよなぁ、と、ゼスはしみじみとした口調で呟いて。
「あの塔に入れられた経緯が経緯だったから、すっかりこじれてしまっていてね。自分が言えば言うほど、あの人、むしろ意固地になっていたのかもしれないな」
そう言って、ゼスは笑った。寂しさと嬉しさが入り混じったような眼差しで。
そんな彼を見ていると、フラウは何となくデボラとカールのことを思い出す。
「ゼスさんはアストールさまのお母さんみたいですね」
思わずそう告げると、ゼスは一瞬目を丸くしてから苦笑した。
「どうかなぁ。アストール様は、自分のことは看守か何かだと思ってるよ、きっと」
(看守? ゼスさんが?)
全然、彼にはそぐわない言葉だ。
眉根を寄せて見上げたフラウに、ゼスはニコリと笑顔を返す。それは、更なる疑問を跳ね返す笑顔だった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
泣き虫令嬢は自称商人(本当は公爵)に愛される
琴葉悠
恋愛
エステル・アッシュベリーは泣き虫令嬢と一部から呼ばれていた。
そんな彼女に婚約者がいた。
彼女は婚約者が熱を出して寝込んでいると聞き、彼の屋敷に見舞いにいった時、彼と幼なじみの令嬢との不貞行為を目撃してしまう。
エステルは見舞い品を投げつけて、馬車にも乗らずに泣きながら夜道を走った。
冷静になった途端、ごろつきに囲まれるが謎の商人に助けられ──
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる