44 / 65
明かされた真実⑥
しおりを挟む
パシャンと、水が跳ねる音がした。
やけに温かくて、心地良い。
ぼんやりと目を開けたクリスティーナは、一瞬自分が今いる場所をつかみ損ねて目をしばたたかせた。
(……おふろ……?)
確かに、湯船に浸かっている。
けれど。
(どうして、お風呂に?)
軽く首をかしげると、背後から声が響いた。
「起きたのか」
予想外のその声に、クリスティーナはビクリと肩を跳ねさせた。
「マ、マクシミリアンさま!?」
肩越しに振り返ると、確かに彼の顔がある。そう言えば、寄り掛かっているものは湯船の縁よりも弾力があったし、目線を落とせばお腹の前で組まれているがっしりした手が湯の中で揺らいで見える。
「え、あ、その」
(どうして、一緒にお風呂に浸かっているの?)
声に出せず彼女の心の中に響いた問いは、マクシミリアンにも伝わったらしい。
「貴女は眠ってしまって、あのままでは不快だろうと、思っ……て……」
ばつが悪そうに、彼が歯切れ悪く言った。
「そ、ですか……ありがとうございます……」
きまりが悪いのはクリスティーナも彼に引けを取らない。礼は俯き加減のものになった。
けれど、いったいどうしてこんなことになったのか。
記憶をたどってみると、達した直後からぷつりと途絶えている。覚えているのは、己を解放したマクシミリアンにきつく抱き締められたところまでだ。
どうやら、父とまともに対面した緊張に続くマクシミリアンの腕の中に包まれた安堵で心の糸が切れ、意識を飛ばしてしまったらしい。
顔が火照るのは、きっと湯の熱さのせいだけではないだろう。
気を失ってしまったことも恥ずかしいけれど、何より、こんなふうに一緒に入浴していることも、恥ずかしい。
目のやり場がなくてギュッと目をつぶったクリスティーナは、またかけられた言葉にパッと目を開けた。
「すまなかった。その、あんなつもりはなかったんだ」
あんなつもりというのは、多分、彼女を抱いたことだろう。後ろにいるマクシミリアンの表情は見えないけれど、その声には力がなく気まずそうだ。
クリスティーナは顔を伏せたまま首を振る。
「いえ……」
正直なところ、彼が抱き締めてくれなかったらまだ精神的疲労を引きずっていたに違いない。とはいえ、ありがとうとも言えなくて、また二人とも黙りこくって、身じろぎ一つせずに湯に身を委ねる。
湯だけでなくマクシミリアンにも包まれているのは、確かに恥ずかしいけれども、心地良くもあった。背中から伝わるゆったりとした彼の鼓動が、気持ちを落ち着かせてくれる。
しばらくして、また背後から声がした。
「……そろそろ上がるか?」
それは問いかけの形をした決定事項だったらしい。
クリスティーナが頷くよりも先に、マクシミリアンは彼女を腕にすくったまま立ち上がった。
彼は湯船の外にクリスティーナを立たせると大きなタオルですっぽりと包み込む。手際良く彼女の身体を拭いて、ガウンを着せた。
いったい、誰を相手に練習したのか、ずいぶんと、手慣れている気がする。
なんとなく釈然としない気持ちを抱くクリスティーナの横で、マクシミリアンはサッと自分の身づくろいを終えた。
「部屋に食事を用意させている」
「寝室に、ですか?」
「ああ。もう遅い時間だが、寝る前に少し食べた方がいい」
「いえ、それよりもお話を――」
「もう聞いた」
「まだ途中でした」
クリスティーナがかぶりを振ると、何故かマクシミリアンは渋い顔になった。まるで、もう彼女の話を聞きたくないかのようだ。
それは、とても彼らしくない。
クリスティーナは眉をひそめてマクシミリアンを見る。視線が絡むと同時に、彼はふいと目を逸らした。そうして、先に立って寝室に戻っていく。逃げるような彼の態度をいぶかしく思いながら、クリスティーナもその後に続いた。
マクシミリアンが言った通り、寝室にはサンドウィッチとスープが用意されていた。
二人は小さなテーブルを挟んで座り、黙々と軽食を口に運ぶ。マクシミリアンは何か気がかりがあるように、上の空だ。
そんな彼を窺いつつ、クリスティーナは首を傾げる。
(何をそんなに心配していらっしゃるの?)
思えば、馬車の中から様子がおかしかった気がする。正確には、馬車の中で話をして、その途中から。
どこからだっただろう。
クリスティーナは会話を振り返った。
父から結婚に至る経緯を聞いたという話をしたときには、普通だった。理由を訊いた時にも、返事は渋かったけれども、それほどおかしくはなかったと思う。おかしくなったのは、多分、その後から。
(わたくしが幸せだとか、そんな話をしてから、かしら?)
そう言えば、ここに来てまたクリスティーナの幸せについて言及したことも、空気が切り替わるきっかけになった気がする。
(けれど、どうして?)
何がマクシミリアンに引っかかったのかは判っても、どうして引っかかったのかが解らない。
頭を悩ませるクリスティーナの前で、スープを飲み干したマクシミリアンがカップを置いた。カチリという音で、彼女は我に返る。
彼は今にも立ち上がって寝室から出て行ってしまいそうで、クリスティーナは前置きもなく切り出した。
「あの、父との話ですが」
「それはもう聞いたと」
「お話は、二つありました」
「……二つ?」
マクシミリアンが眉をひそめてクリスティーナを見る。
「はい。一つは、マクシミリアンさまとの結婚についてです」
途端に、彼の顔が強張った。どうしてなのか、やはり、触れられたくないらしい。この辺りは、また後日、様子を見ながら訊くことにして、クリスティーナは急いで次の話に移る。
「もう一つは、わたくしの母についてのことでした」
「はは……母上、か?」
マクシミリアンの顔が、渋面から訝しげなものに変わった。
「亡くなったと、聞いていたが」
口にするのにためらうそぶりを見せながら言った彼に、クリスティーナは頷く。
「はい。わたくしもそう思っていました。けれど、父の話では生きている、と」
「どうして、そんなことが? 病気か?」
「わたくしにも判りません。ただ、わたくしを産んで間もなく、北の方に移されたとしか」
小さくかぶりを振ってクリスティーナは衣装室に行き、そこに置いてある手提げ袋から父にもらった紙片を取り出した。それをマクシミリアンの前に置いて、彼を見つめた。
「わたくしは、母に会ってみたいです」
行ってもいいかとクリスティーナが尋ねる前に、彼は即座に頷いた。
「もちろんだ。明日にでも行こう」
「マクシミリアンさまも、ですか?」
多忙な彼に時間を割いてもらっては、と思ってのクリスティーナの発言も、マクシミリアンはそうは受け取らなかったらしい。
「……迷惑か?」
肩の落ち具合はわずかなものだったけれども、心情を外に出さない彼では結構な消沈の表れではないだろうか。
「いいえ、まさか! その、ご一緒していただけるのならば、とても心強いです」
慌ててそう答えると、マクシミリアンの表情がホッと和らいだ。彼はクリスティーナが置いた母がいる村の名前が書かれた紙に目を走らせる。
「アルマンに馬車を用意させる。朝、早いうちに出た方がいいだろう。急げば一日で往復できる。どうしてその村に行くことになったのかは解からないが、場合によっては、この屋敷に連れ帰ってもいい」
淡々とした口調で、当たり前のことのように彼が言った。
明日にでも会えるだけでなく、一緒に住めるかもしれない。
思ってもみなかったことに、クリスティーナは舞い上がった。
「ありがとうございます!」
クリスティーナは顔を輝かせてテーブルの上に置かれたマクシミリアンの手を取り、身を乗り出してそこに口付ける。そうしてしまってから、淑女らしさとは程遠い衝動的な自分の行為に気付いてパッと手を引いた。
上目遣いに窺えば、マクシミリアンはクリスティーナの唇が触れた場所を凝視している。まるで、そこに刻印でも残されているかのように。
「あの、無作法をしました」
おずおずと声をかけると、マクシミリアンの目が自分の手から離れて彼女に向けられた。
「無作法?」
呟いてからまた彼は手に目を落とし、それからギュッと眉根を寄せる。
「いや、別に……喜んでもらえて、良かった」
そう言って何かを振り切るようにマクシミリアンは立ち上がり、大股に扉へと向かった。
「アルマンに言っておこう。先に休んでいてくれ」
「あの……」
「お休み」
引き留める言葉を拒まんばかりに一言だけ残し、マクシミリアンはあっという間に部屋を出て行ってしまった。
手とはいえ、クリスティーナから口付けたことがそんなに嫌だったのだろうか。
「貴方からは、あんなに触れるくせに」
それこそ、手どころではない場所にだって。
自分から触れるのは良くて、クリスティーナから触れるのは良くないというのは、どういうことなのだろう。
本当に、自分の夫は不可解だ。
「何が良くて何が悪いのか、ちゃんとおっしゃってくださったらいいのに」
慌ただしく姿を消した相手に向かって、クリスティーナは呟いた。
やけに温かくて、心地良い。
ぼんやりと目を開けたクリスティーナは、一瞬自分が今いる場所をつかみ損ねて目をしばたたかせた。
(……おふろ……?)
確かに、湯船に浸かっている。
けれど。
(どうして、お風呂に?)
軽く首をかしげると、背後から声が響いた。
「起きたのか」
予想外のその声に、クリスティーナはビクリと肩を跳ねさせた。
「マ、マクシミリアンさま!?」
肩越しに振り返ると、確かに彼の顔がある。そう言えば、寄り掛かっているものは湯船の縁よりも弾力があったし、目線を落とせばお腹の前で組まれているがっしりした手が湯の中で揺らいで見える。
「え、あ、その」
(どうして、一緒にお風呂に浸かっているの?)
声に出せず彼女の心の中に響いた問いは、マクシミリアンにも伝わったらしい。
「貴女は眠ってしまって、あのままでは不快だろうと、思っ……て……」
ばつが悪そうに、彼が歯切れ悪く言った。
「そ、ですか……ありがとうございます……」
きまりが悪いのはクリスティーナも彼に引けを取らない。礼は俯き加減のものになった。
けれど、いったいどうしてこんなことになったのか。
記憶をたどってみると、達した直後からぷつりと途絶えている。覚えているのは、己を解放したマクシミリアンにきつく抱き締められたところまでだ。
どうやら、父とまともに対面した緊張に続くマクシミリアンの腕の中に包まれた安堵で心の糸が切れ、意識を飛ばしてしまったらしい。
顔が火照るのは、きっと湯の熱さのせいだけではないだろう。
気を失ってしまったことも恥ずかしいけれど、何より、こんなふうに一緒に入浴していることも、恥ずかしい。
目のやり場がなくてギュッと目をつぶったクリスティーナは、またかけられた言葉にパッと目を開けた。
「すまなかった。その、あんなつもりはなかったんだ」
あんなつもりというのは、多分、彼女を抱いたことだろう。後ろにいるマクシミリアンの表情は見えないけれど、その声には力がなく気まずそうだ。
クリスティーナは顔を伏せたまま首を振る。
「いえ……」
正直なところ、彼が抱き締めてくれなかったらまだ精神的疲労を引きずっていたに違いない。とはいえ、ありがとうとも言えなくて、また二人とも黙りこくって、身じろぎ一つせずに湯に身を委ねる。
湯だけでなくマクシミリアンにも包まれているのは、確かに恥ずかしいけれども、心地良くもあった。背中から伝わるゆったりとした彼の鼓動が、気持ちを落ち着かせてくれる。
しばらくして、また背後から声がした。
「……そろそろ上がるか?」
それは問いかけの形をした決定事項だったらしい。
クリスティーナが頷くよりも先に、マクシミリアンは彼女を腕にすくったまま立ち上がった。
彼は湯船の外にクリスティーナを立たせると大きなタオルですっぽりと包み込む。手際良く彼女の身体を拭いて、ガウンを着せた。
いったい、誰を相手に練習したのか、ずいぶんと、手慣れている気がする。
なんとなく釈然としない気持ちを抱くクリスティーナの横で、マクシミリアンはサッと自分の身づくろいを終えた。
「部屋に食事を用意させている」
「寝室に、ですか?」
「ああ。もう遅い時間だが、寝る前に少し食べた方がいい」
「いえ、それよりもお話を――」
「もう聞いた」
「まだ途中でした」
クリスティーナがかぶりを振ると、何故かマクシミリアンは渋い顔になった。まるで、もう彼女の話を聞きたくないかのようだ。
それは、とても彼らしくない。
クリスティーナは眉をひそめてマクシミリアンを見る。視線が絡むと同時に、彼はふいと目を逸らした。そうして、先に立って寝室に戻っていく。逃げるような彼の態度をいぶかしく思いながら、クリスティーナもその後に続いた。
マクシミリアンが言った通り、寝室にはサンドウィッチとスープが用意されていた。
二人は小さなテーブルを挟んで座り、黙々と軽食を口に運ぶ。マクシミリアンは何か気がかりがあるように、上の空だ。
そんな彼を窺いつつ、クリスティーナは首を傾げる。
(何をそんなに心配していらっしゃるの?)
思えば、馬車の中から様子がおかしかった気がする。正確には、馬車の中で話をして、その途中から。
どこからだっただろう。
クリスティーナは会話を振り返った。
父から結婚に至る経緯を聞いたという話をしたときには、普通だった。理由を訊いた時にも、返事は渋かったけれども、それほどおかしくはなかったと思う。おかしくなったのは、多分、その後から。
(わたくしが幸せだとか、そんな話をしてから、かしら?)
そう言えば、ここに来てまたクリスティーナの幸せについて言及したことも、空気が切り替わるきっかけになった気がする。
(けれど、どうして?)
何がマクシミリアンに引っかかったのかは判っても、どうして引っかかったのかが解らない。
頭を悩ませるクリスティーナの前で、スープを飲み干したマクシミリアンがカップを置いた。カチリという音で、彼女は我に返る。
彼は今にも立ち上がって寝室から出て行ってしまいそうで、クリスティーナは前置きもなく切り出した。
「あの、父との話ですが」
「それはもう聞いたと」
「お話は、二つありました」
「……二つ?」
マクシミリアンが眉をひそめてクリスティーナを見る。
「はい。一つは、マクシミリアンさまとの結婚についてです」
途端に、彼の顔が強張った。どうしてなのか、やはり、触れられたくないらしい。この辺りは、また後日、様子を見ながら訊くことにして、クリスティーナは急いで次の話に移る。
「もう一つは、わたくしの母についてのことでした」
「はは……母上、か?」
マクシミリアンの顔が、渋面から訝しげなものに変わった。
「亡くなったと、聞いていたが」
口にするのにためらうそぶりを見せながら言った彼に、クリスティーナは頷く。
「はい。わたくしもそう思っていました。けれど、父の話では生きている、と」
「どうして、そんなことが? 病気か?」
「わたくしにも判りません。ただ、わたくしを産んで間もなく、北の方に移されたとしか」
小さくかぶりを振ってクリスティーナは衣装室に行き、そこに置いてある手提げ袋から父にもらった紙片を取り出した。それをマクシミリアンの前に置いて、彼を見つめた。
「わたくしは、母に会ってみたいです」
行ってもいいかとクリスティーナが尋ねる前に、彼は即座に頷いた。
「もちろんだ。明日にでも行こう」
「マクシミリアンさまも、ですか?」
多忙な彼に時間を割いてもらっては、と思ってのクリスティーナの発言も、マクシミリアンはそうは受け取らなかったらしい。
「……迷惑か?」
肩の落ち具合はわずかなものだったけれども、心情を外に出さない彼では結構な消沈の表れではないだろうか。
「いいえ、まさか! その、ご一緒していただけるのならば、とても心強いです」
慌ててそう答えると、マクシミリアンの表情がホッと和らいだ。彼はクリスティーナが置いた母がいる村の名前が書かれた紙に目を走らせる。
「アルマンに馬車を用意させる。朝、早いうちに出た方がいいだろう。急げば一日で往復できる。どうしてその村に行くことになったのかは解からないが、場合によっては、この屋敷に連れ帰ってもいい」
淡々とした口調で、当たり前のことのように彼が言った。
明日にでも会えるだけでなく、一緒に住めるかもしれない。
思ってもみなかったことに、クリスティーナは舞い上がった。
「ありがとうございます!」
クリスティーナは顔を輝かせてテーブルの上に置かれたマクシミリアンの手を取り、身を乗り出してそこに口付ける。そうしてしまってから、淑女らしさとは程遠い衝動的な自分の行為に気付いてパッと手を引いた。
上目遣いに窺えば、マクシミリアンはクリスティーナの唇が触れた場所を凝視している。まるで、そこに刻印でも残されているかのように。
「あの、無作法をしました」
おずおずと声をかけると、マクシミリアンの目が自分の手から離れて彼女に向けられた。
「無作法?」
呟いてからまた彼は手に目を落とし、それからギュッと眉根を寄せる。
「いや、別に……喜んでもらえて、良かった」
そう言って何かを振り切るようにマクシミリアンは立ち上がり、大股に扉へと向かった。
「アルマンに言っておこう。先に休んでいてくれ」
「あの……」
「お休み」
引き留める言葉を拒まんばかりに一言だけ残し、マクシミリアンはあっという間に部屋を出て行ってしまった。
手とはいえ、クリスティーナから口付けたことがそんなに嫌だったのだろうか。
「貴方からは、あんなに触れるくせに」
それこそ、手どころではない場所にだって。
自分から触れるのは良くて、クリスティーナから触れるのは良くないというのは、どういうことなのだろう。
本当に、自分の夫は不可解だ。
「何が良くて何が悪いのか、ちゃんとおっしゃってくださったらいいのに」
慌ただしく姿を消した相手に向かって、クリスティーナは呟いた。
1
お気に入りに追加
204
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
慰み者の姫は新皇帝に溺愛される
苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。
皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。
ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。
早速、二人の初夜が始まった。
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる