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初めての夜①
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「あら、ティナ様。披露宴はもういいのですか?」
今日からクリスティーナと――マクシミリアンの寝室となった部屋に入ると、そこにいたモニクが声を上げた。クリスティーナのことを『ティナ』と呼ぶのは彼女だけだ。
モニクは枕をポンポンと叩いて膨らませてから、クリスティーナに向き直る。
どうやら、彼女たちの寝支度を整えてくれていたらしい。
「ええ――」
答えようとして、クリスティーナは、モニクと一緒に視界に入ってしまった余裕で五人は横になれそうなほど大きなベッドから、ちょっと目を逸らす。
それが置かれたこの部屋は、元々マクシミリアンの寝室だったと聞いている。
最初に彼の屋敷を案内されたとき、クリスティーナは他に彼女一人の寝室があるのかと思っていたら、当然のように夫婦は毎夜一緒に眠るものだと言われてしまった。
夜眠るときに誰かが隣にいるなんて、気まずい。けれど、夫婦とはそういうものだとマクシミリアンに断言されれば、我がままを言うわけにはいかない。
「マクシミリアン様はどちらに?」
モニクの目が、一人で戻ってきたクリスティーナの背後に向けられた。
「まだ大広間にいらっしゃるの。お仕事相手の方とお話があるのですって。わたくしには、今日はもう休むようにとおっしゃってくださって」
優しい方です、と笑顔で言うクリスティーナに、モニクは何故か微かに顔を曇らせた。
「モニク?」
首をかしげて呼びかけると、彼女の表情は一転してパッと明るくなる。
「ああ、いえ、少しぼんやりしてしまって」
「大丈夫? あなたも早く休んだほうが良いのではなくて? 疲れたでしょう?」
「いえ、平気です。さあ、まずはお風呂ですよ。すぐに用意します」
「ありがとう」
いつものように甲斐甲斐しく世話を焼こうとしてくれる侍女に、思わず笑みがこぼれた。
モニクがいると、クリスティーナには結婚したのが現実だとは思えなくなってくる。
確かに今立っているこの部屋は彼女が幼い頃から馴染んできたものとは違うけれど、モニクの存在は激変した生活からの緊張感を和らげてくれる気がした。
クリスティーナの母、エリーゼが幼い頃は彼女の乳母に、そして彼女が長じてからはその侍女になったモニクは、エリーゼが嫁ぐときに一緒にヴィヴィエ家についてきたのだと聞いている。出産のときにエリーゼが亡くなると、今度はそのままクリスティーナの乳母になった。
もうモニクは五十歳を超えているから、この結婚を機に十分な退職金を渡して暇を出すのが妥当だった。けれど彼女は、クリスティーナとともにストレイフ家に来ることを望んでくれたのだ。クリスティーナにとって一番『母親』に近い存在であるモニクが一緒に来てくれるのは、とても心強いことだった。
モニクが用意してくれた湯船に浸かると、その心地良さにクリスティーナの身体から強張りが取れていく。香り付けのために浮かべられているハーブの入った小袋を指先で突いて、彼女はホッと吐息を漏らした。
思った以上に、緊張していたらしい。
こうやって寛いでみて、クリスティーナは初めてそれを自覚した。
「お湯加減はいかがですか?」
衝立越しに、モニクが尋ねてくる。
「ちょうど良いわ。ありがとう」
クリスティーナがそう答えた後も、彼女の気配はそこに留まっていた。いつもなら、他の用を済ましに行くのに。
「モニク?」
声をかけても、返ってきたのは沈黙。
「……どうかした?」
もう一度呼びかけてから、ややして。
衝立の陰から、モニクが顔を覗かせる。
「ティナ様は、今日、これからどのようなことがあるのか、ご存知ですか?」
「今日?」
マクシミリアンはもう休むようにと言ってくれたのだから、後は寝るだけではないだろうか。
首を傾げたクリスティーナに、モニクの顔がかすかに曇った。
「……今晩、旦那様には決して抗わないように。旦那様がなさることは、どんなことでも受け入れてください。嫌がったり、逃げようとしたりしてはいけません。大丈夫、妻となった女性は皆、経験することです。つらくても、自然なことなのですから」
「つらい――?」
「きっと、マクシミリアン様なら優しくしてくださるはずです――お父様とは全く違う方なのですから……」
モニクの言葉の内容は断言するものなのに、その声音はそうであることを祈っているように聞こえる。
「モニク?」
「――何でもありません。とにかく、旦那様のされることを受け入れてください。さあ、そろそろ上がってくださいな」
モニクはさっきと同じことをもう一度繰り返して、タオルを差し出した。それを受け取り湯船から出ながら、クリスティーナは眉をひそめる。
(モニクは、何をそんなに心配しているのかしら?)
彼女の言う通り、マクシミリアンは優しい。態度は素っ気なくても、彼の優しさは、ちゃんと伝わってくる。確かにまだ数えるほどしか顔を合わせたことはないけれど、その数少ない逢瀬でもそれが判ったし、マクシミリアンの周りに集まる人たちや、この屋敷の使用人たちの様子も、彼の為人《ひととなり》を教えてくれる。
そんな彼が、クリスティーナに、モニクがそれほど心配してしまうような、何をするというのだろう。
うわの空で思いを巡らせていると、いつの間にか身体の水分は粗方拭き取り終えていた。
「さあ、ティナ様。今晩はこれをお召しくださいな」
そう言って彼女が差し出したのは、ずいぶんと薄手のナイトドレスだ。たくさんのレースがあしらわれていてとても綺麗だけれども、これでは、着ていても肌の色が透けてしまう。
「今日から、マクシミリアンさまも一緒にお休みになるのよ?」
「ええ、もちろん」
彼が一緒なのにこんなに薄手のものでは恥ずかしいのだと言ったつもりだったのに、クリスティーナが困惑しているうちにモニクはあれよあれよという間にそのドレスを着つけてしまう。
「さあ、ベッドにお入りになって。冷えたら風邪をひきます」
着替えを要求する間もなく、ベッドの中へと追いやられてしまった。
「では、私は下がりますので……お休みなさいませ」
広いベッドの上に置き去りにされたクリスティーナは、すごすごと上掛けの下に潜り込んだ。
布団もシーツもとても良いものらしく、柔らかく彼女を包み込んでくれる。けれど、その心地良さにも拘わらず、式の緊張と興奮のせいか、なかなか眠りが訪れてくれない。
ようやくうとうとと微睡の中に引き込まれ始めた頃、ふいにベッドが揺れた。
そして、どことなく漂う違和感。
――何か、いつもと違う気がする。
いつもとは違う、気配。
いつもとは違う、香り。
いつもとは違う――温もり。
(……何……?)
ぼんやりと目蓋を上げたクリスティーナは、薄明りの中、吐息を感じそうなほど間近から食い入るように彼女を見つめてくる暗い瞳と、視線を絡ませていた。
今日からクリスティーナと――マクシミリアンの寝室となった部屋に入ると、そこにいたモニクが声を上げた。クリスティーナのことを『ティナ』と呼ぶのは彼女だけだ。
モニクは枕をポンポンと叩いて膨らませてから、クリスティーナに向き直る。
どうやら、彼女たちの寝支度を整えてくれていたらしい。
「ええ――」
答えようとして、クリスティーナは、モニクと一緒に視界に入ってしまった余裕で五人は横になれそうなほど大きなベッドから、ちょっと目を逸らす。
それが置かれたこの部屋は、元々マクシミリアンの寝室だったと聞いている。
最初に彼の屋敷を案内されたとき、クリスティーナは他に彼女一人の寝室があるのかと思っていたら、当然のように夫婦は毎夜一緒に眠るものだと言われてしまった。
夜眠るときに誰かが隣にいるなんて、気まずい。けれど、夫婦とはそういうものだとマクシミリアンに断言されれば、我がままを言うわけにはいかない。
「マクシミリアン様はどちらに?」
モニクの目が、一人で戻ってきたクリスティーナの背後に向けられた。
「まだ大広間にいらっしゃるの。お仕事相手の方とお話があるのですって。わたくしには、今日はもう休むようにとおっしゃってくださって」
優しい方です、と笑顔で言うクリスティーナに、モニクは何故か微かに顔を曇らせた。
「モニク?」
首をかしげて呼びかけると、彼女の表情は一転してパッと明るくなる。
「ああ、いえ、少しぼんやりしてしまって」
「大丈夫? あなたも早く休んだほうが良いのではなくて? 疲れたでしょう?」
「いえ、平気です。さあ、まずはお風呂ですよ。すぐに用意します」
「ありがとう」
いつものように甲斐甲斐しく世話を焼こうとしてくれる侍女に、思わず笑みがこぼれた。
モニクがいると、クリスティーナには結婚したのが現実だとは思えなくなってくる。
確かに今立っているこの部屋は彼女が幼い頃から馴染んできたものとは違うけれど、モニクの存在は激変した生活からの緊張感を和らげてくれる気がした。
クリスティーナの母、エリーゼが幼い頃は彼女の乳母に、そして彼女が長じてからはその侍女になったモニクは、エリーゼが嫁ぐときに一緒にヴィヴィエ家についてきたのだと聞いている。出産のときにエリーゼが亡くなると、今度はそのままクリスティーナの乳母になった。
もうモニクは五十歳を超えているから、この結婚を機に十分な退職金を渡して暇を出すのが妥当だった。けれど彼女は、クリスティーナとともにストレイフ家に来ることを望んでくれたのだ。クリスティーナにとって一番『母親』に近い存在であるモニクが一緒に来てくれるのは、とても心強いことだった。
モニクが用意してくれた湯船に浸かると、その心地良さにクリスティーナの身体から強張りが取れていく。香り付けのために浮かべられているハーブの入った小袋を指先で突いて、彼女はホッと吐息を漏らした。
思った以上に、緊張していたらしい。
こうやって寛いでみて、クリスティーナは初めてそれを自覚した。
「お湯加減はいかがですか?」
衝立越しに、モニクが尋ねてくる。
「ちょうど良いわ。ありがとう」
クリスティーナがそう答えた後も、彼女の気配はそこに留まっていた。いつもなら、他の用を済ましに行くのに。
「モニク?」
声をかけても、返ってきたのは沈黙。
「……どうかした?」
もう一度呼びかけてから、ややして。
衝立の陰から、モニクが顔を覗かせる。
「ティナ様は、今日、これからどのようなことがあるのか、ご存知ですか?」
「今日?」
マクシミリアンはもう休むようにと言ってくれたのだから、後は寝るだけではないだろうか。
首を傾げたクリスティーナに、モニクの顔がかすかに曇った。
「……今晩、旦那様には決して抗わないように。旦那様がなさることは、どんなことでも受け入れてください。嫌がったり、逃げようとしたりしてはいけません。大丈夫、妻となった女性は皆、経験することです。つらくても、自然なことなのですから」
「つらい――?」
「きっと、マクシミリアン様なら優しくしてくださるはずです――お父様とは全く違う方なのですから……」
モニクの言葉の内容は断言するものなのに、その声音はそうであることを祈っているように聞こえる。
「モニク?」
「――何でもありません。とにかく、旦那様のされることを受け入れてください。さあ、そろそろ上がってくださいな」
モニクはさっきと同じことをもう一度繰り返して、タオルを差し出した。それを受け取り湯船から出ながら、クリスティーナは眉をひそめる。
(モニクは、何をそんなに心配しているのかしら?)
彼女の言う通り、マクシミリアンは優しい。態度は素っ気なくても、彼の優しさは、ちゃんと伝わってくる。確かにまだ数えるほどしか顔を合わせたことはないけれど、その数少ない逢瀬でもそれが判ったし、マクシミリアンの周りに集まる人たちや、この屋敷の使用人たちの様子も、彼の為人《ひととなり》を教えてくれる。
そんな彼が、クリスティーナに、モニクがそれほど心配してしまうような、何をするというのだろう。
うわの空で思いを巡らせていると、いつの間にか身体の水分は粗方拭き取り終えていた。
「さあ、ティナ様。今晩はこれをお召しくださいな」
そう言って彼女が差し出したのは、ずいぶんと薄手のナイトドレスだ。たくさんのレースがあしらわれていてとても綺麗だけれども、これでは、着ていても肌の色が透けてしまう。
「今日から、マクシミリアンさまも一緒にお休みになるのよ?」
「ええ、もちろん」
彼が一緒なのにこんなに薄手のものでは恥ずかしいのだと言ったつもりだったのに、クリスティーナが困惑しているうちにモニクはあれよあれよという間にそのドレスを着つけてしまう。
「さあ、ベッドにお入りになって。冷えたら風邪をひきます」
着替えを要求する間もなく、ベッドの中へと追いやられてしまった。
「では、私は下がりますので……お休みなさいませ」
広いベッドの上に置き去りにされたクリスティーナは、すごすごと上掛けの下に潜り込んだ。
布団もシーツもとても良いものらしく、柔らかく彼女を包み込んでくれる。けれど、その心地良さにも拘わらず、式の緊張と興奮のせいか、なかなか眠りが訪れてくれない。
ようやくうとうとと微睡の中に引き込まれ始めた頃、ふいにベッドが揺れた。
そして、どことなく漂う違和感。
――何か、いつもと違う気がする。
いつもとは違う、気配。
いつもとは違う、香り。
いつもとは違う――温もり。
(……何……?)
ぼんやりと目蓋を上げたクリスティーナは、薄明りの中、吐息を感じそうなほど間近から食い入るように彼女を見つめてくる暗い瞳と、視線を絡ませていた。
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✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
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✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
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(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
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