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第三章:ほんとうの、はじまり
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昼休み、涼しい風が吹き始めた屋上で、萌は高く澄み渡る空を眺めていた。
仕事をしている間はいい。忙しく立ち働いていると、余計なことは考えないで済んだ。
けれども、こうやって時間が空くと、頭に浮かんでくるのは先日の一美とのやり取りだった。
あの時、彼は悲しそうな目をしていた。悲しそうな、どこか寂しそうな、目。
同じような眼差しを、他にも見たことがある。
(あれは、いつ、誰の中に見たのだったろう)
はっきりとは覚えていないけれど、同じような眼差しを注がれて、やっぱりなぜそんな顔をするのか解からなくて、もどかしくなったことは薄っすらと記憶にあった。
一美があんな目をしたのは、もちろん萌の所為だ。萌が、何かを間違えた所為だ。
(プロポーズを受けられないと言ったから? それとも、彼の気持ちを同情だと言ってしまったから?)
そのどちらでもない気がする。
(そんな『浅い』ものではなくて、何か、もっと深いところにあるんだ)
もう少しで答えが見つかりそうなのに、後一歩で手が届かない。彼以外の誰の目の中に同じものを見たのかが判れば、その答えも手に入るような気がするのに。
悲しませた理由が判らなければ謝ることもできなくて、ろくに言葉を交わせないまま、結局一週間も経ってしまった。
誰かと関わり合う中で、こんなに色々考えたのは、初めてかもしれない。
(いつもは、こんなに迷わないのに)
萌と、『他人《ひと》』との関係は、いつも単純だったから。
誰かを好きになっても、ただ、その『好き』という気持ちを抱いていられれば、それで良かったのだ――今までは。
一方的に大事に想って、その人が自分と関係ないところで幸せになってくれていれば、それで満足できた。皆、萌の前を通り過ぎていくけれど、『それ』で良かった――『それ以上』は必要なかった。
(自己満足、だよね)
萌は、こっそりと自嘲する。
今なら、判る。
それは、ドラマの中の登場人物のやり取りを眺めているようなものだったことが。自分とは別の世界で起きていることを、眺めて、憧れていただけだった。
一美に容赦なく攻め込まれて、『別の世界』で起きている筈のことが、『現実』になった。そうして初めて、『傍観者』でいることを自分が無意識のうちに望んでいたのだということに気付かされた。
そう、萌は、『当事者』になりたいとは思っていなかったのだ。
彼の言うとおり、ずっと憧れていたものが、今は手を伸ばせば届く場所にある。けれども、自分は、その手を伸ばすことを躊躇している。手に入れることを、恐れている。
これまで、人と深い関わり合いを持つことが無かったけれど、それは、知らないうちに彼女が見えない壁を作っていたからなのかもしれない。
今まで出会った人たちは、その壁を感じると自然と離れていったのに、一美はそうしなかった。その壁を乗り越えて――違う、打ち破って、萌の中に入ってこようとしている。
彼は、萌に『逃げ』を赦してくれない。
プロポーズを受け入れるべきではない『理由』を告げても、すげなく却下された。それが萌の本心ではないと確信しているかのように。
一美といると、今まで見ずに済んでいたことが、どんどん目の前に突き付けられてくる。
彼といると酔いそうなほどに心地良いのに、不意に、尻尾を巻いて逃げ出したくなるほど怖くなる。
(わたしは、本当はどうしたいんだろう)
一美と出会う前のように、『平和に』暮らしたいのか。
それとも、これまでにはなかった深い関わりを、一美と築いていきたいのか。
――判らない。
仮に、一美に完全に別れを告げて、彼との関係を断ち切ったとして、またもとの自分に戻れるのだろうか。
――それも、判らない。
本当に、どうしたらいいのか判らなかった。
もっと前に結論を出さなければいけなかったのに、ダラダラと先延ばしにして、彼と共に過ごす心地良さだけを味わっていた。そうして、その挙句、一美にあんな悲しい目をさせてしまった。
――何て、ズルくて弱い人間なのだろう、わたしは。
空の青さが目に沁みて、萌は目を閉じて手すりに額を押し付ける。
こんなふうに嘆いているだけの自分は、イヤだった。
一歩を、踏み出したい。
けれど、動けない。
何かがすぐ目の前にぶら下がっている。その何かの正体が掴めたら、最初の一歩を前に出すことができるような気がするのに。
と。
「あ、やっぱりここにいた」
不意に、そんな声が響く。
萌が振り向いた先で、リコがヒラヒラと手を振ってよこした。
「まったく、まだ陽射しは強いっていうのに。若いからって油断してると、シミだらけになるよ?」
手のひらを翳しながら、リコが萌の隣にやってくる。
「また、昼ご飯抜いて、何やってるの」
「抜いたわけじゃないですよ。ちゃんと食べました。食べてから、ちょっと息抜きに来たんです」
「食べたったって、またカロリー何とかなんでしょ? ……ちょっとでも痩せたら、すぐ岩崎先生にバレて怒られるわよ」
予期せず耳にしたその名に、萌は微かに顎を引く。と、リコの目がキラリと光った。
「あの人も懲りないわね。また何かやったの?」
リコの中の一美は、すこぶる心証が悪い。問答無用で彼が悪者にされてしまったことに、萌は慌てて首を振る。
「いえ、違いますよ、わたしが勝手に……」
「あんたも、また、それ?」
「え?」
呆れたようなリコの声に、思わず振り返った。彼女は、ジトリと萌を見つめている。
「わたしが、わたしが――っていう、それ。あんた、いつでもそればっかり。それじゃ、喧嘩にもならないでしょ?」
「でも、今回は、ホントにわたしが悪いんです」
「だとしても! ちゃんと話してる? わたしが悪いんだからって、黙り込んでたら何も変えられないんだからね? せっかく二人でいるんだから、何かあるなら、ちゃんと二人で考えていかなくちゃ」
「……」
「何よ?」
思わず見つめてしまった萌を、リコがジロリと見返してきた。
「いえ、あの、リコさんは、わたしと岩崎先生がお付き合いするの、反対なんだと思っていました」
「そりゃ、そうでしょ。あんな厄介なの。恋愛初心者で堅実そのものなあんたと、うまくいくなんて思ってなかったもの」
「今は違うんですか?」
「まあね」
と、リコはため息をつく。
仕事をしている間はいい。忙しく立ち働いていると、余計なことは考えないで済んだ。
けれども、こうやって時間が空くと、頭に浮かんでくるのは先日の一美とのやり取りだった。
あの時、彼は悲しそうな目をしていた。悲しそうな、どこか寂しそうな、目。
同じような眼差しを、他にも見たことがある。
(あれは、いつ、誰の中に見たのだったろう)
はっきりとは覚えていないけれど、同じような眼差しを注がれて、やっぱりなぜそんな顔をするのか解からなくて、もどかしくなったことは薄っすらと記憶にあった。
一美があんな目をしたのは、もちろん萌の所為だ。萌が、何かを間違えた所為だ。
(プロポーズを受けられないと言ったから? それとも、彼の気持ちを同情だと言ってしまったから?)
そのどちらでもない気がする。
(そんな『浅い』ものではなくて、何か、もっと深いところにあるんだ)
もう少しで答えが見つかりそうなのに、後一歩で手が届かない。彼以外の誰の目の中に同じものを見たのかが判れば、その答えも手に入るような気がするのに。
悲しませた理由が判らなければ謝ることもできなくて、ろくに言葉を交わせないまま、結局一週間も経ってしまった。
誰かと関わり合う中で、こんなに色々考えたのは、初めてかもしれない。
(いつもは、こんなに迷わないのに)
萌と、『他人《ひと》』との関係は、いつも単純だったから。
誰かを好きになっても、ただ、その『好き』という気持ちを抱いていられれば、それで良かったのだ――今までは。
一方的に大事に想って、その人が自分と関係ないところで幸せになってくれていれば、それで満足できた。皆、萌の前を通り過ぎていくけれど、『それ』で良かった――『それ以上』は必要なかった。
(自己満足、だよね)
萌は、こっそりと自嘲する。
今なら、判る。
それは、ドラマの中の登場人物のやり取りを眺めているようなものだったことが。自分とは別の世界で起きていることを、眺めて、憧れていただけだった。
一美に容赦なく攻め込まれて、『別の世界』で起きている筈のことが、『現実』になった。そうして初めて、『傍観者』でいることを自分が無意識のうちに望んでいたのだということに気付かされた。
そう、萌は、『当事者』になりたいとは思っていなかったのだ。
彼の言うとおり、ずっと憧れていたものが、今は手を伸ばせば届く場所にある。けれども、自分は、その手を伸ばすことを躊躇している。手に入れることを、恐れている。
これまで、人と深い関わり合いを持つことが無かったけれど、それは、知らないうちに彼女が見えない壁を作っていたからなのかもしれない。
今まで出会った人たちは、その壁を感じると自然と離れていったのに、一美はそうしなかった。その壁を乗り越えて――違う、打ち破って、萌の中に入ってこようとしている。
彼は、萌に『逃げ』を赦してくれない。
プロポーズを受け入れるべきではない『理由』を告げても、すげなく却下された。それが萌の本心ではないと確信しているかのように。
一美といると、今まで見ずに済んでいたことが、どんどん目の前に突き付けられてくる。
彼といると酔いそうなほどに心地良いのに、不意に、尻尾を巻いて逃げ出したくなるほど怖くなる。
(わたしは、本当はどうしたいんだろう)
一美と出会う前のように、『平和に』暮らしたいのか。
それとも、これまでにはなかった深い関わりを、一美と築いていきたいのか。
――判らない。
仮に、一美に完全に別れを告げて、彼との関係を断ち切ったとして、またもとの自分に戻れるのだろうか。
――それも、判らない。
本当に、どうしたらいいのか判らなかった。
もっと前に結論を出さなければいけなかったのに、ダラダラと先延ばしにして、彼と共に過ごす心地良さだけを味わっていた。そうして、その挙句、一美にあんな悲しい目をさせてしまった。
――何て、ズルくて弱い人間なのだろう、わたしは。
空の青さが目に沁みて、萌は目を閉じて手すりに額を押し付ける。
こんなふうに嘆いているだけの自分は、イヤだった。
一歩を、踏み出したい。
けれど、動けない。
何かがすぐ目の前にぶら下がっている。その何かの正体が掴めたら、最初の一歩を前に出すことができるような気がするのに。
と。
「あ、やっぱりここにいた」
不意に、そんな声が響く。
萌が振り向いた先で、リコがヒラヒラと手を振ってよこした。
「まったく、まだ陽射しは強いっていうのに。若いからって油断してると、シミだらけになるよ?」
手のひらを翳しながら、リコが萌の隣にやってくる。
「また、昼ご飯抜いて、何やってるの」
「抜いたわけじゃないですよ。ちゃんと食べました。食べてから、ちょっと息抜きに来たんです」
「食べたったって、またカロリー何とかなんでしょ? ……ちょっとでも痩せたら、すぐ岩崎先生にバレて怒られるわよ」
予期せず耳にしたその名に、萌は微かに顎を引く。と、リコの目がキラリと光った。
「あの人も懲りないわね。また何かやったの?」
リコの中の一美は、すこぶる心証が悪い。問答無用で彼が悪者にされてしまったことに、萌は慌てて首を振る。
「いえ、違いますよ、わたしが勝手に……」
「あんたも、また、それ?」
「え?」
呆れたようなリコの声に、思わず振り返った。彼女は、ジトリと萌を見つめている。
「わたしが、わたしが――っていう、それ。あんた、いつでもそればっかり。それじゃ、喧嘩にもならないでしょ?」
「でも、今回は、ホントにわたしが悪いんです」
「だとしても! ちゃんと話してる? わたしが悪いんだからって、黙り込んでたら何も変えられないんだからね? せっかく二人でいるんだから、何かあるなら、ちゃんと二人で考えていかなくちゃ」
「……」
「何よ?」
思わず見つめてしまった萌を、リコがジロリと見返してきた。
「いえ、あの、リコさんは、わたしと岩崎先生がお付き合いするの、反対なんだと思っていました」
「そりゃ、そうでしょ。あんな厄介なの。恋愛初心者で堅実そのものなあんたと、うまくいくなんて思ってなかったもの」
「今は違うんですか?」
「まあね」
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