上 下
30 / 61

王都に出発と新たな仲間

しおりを挟む
楽しい月日はあっという間に過ぎるもので、ジルさん達が王都に帰る日がやって来た。



「この美味しい朝食も今日が最後だと思うと、、、」



「まぁまぁ、マリア食材は仕入れたし王宮の料理人になんとか、再現させるから」



「約束よ。貴方」



「わかった」



  朝食を皆食べ終えて最後の団らんを楽しみ、いざ出発というときになってシアちゃんがダダをこねだした。



「嫌だ、まだ行かない。シア学校行きたい」



「こら、シアわがまま言わないの」



「やだ!! おかあたま嫌い」



  あらら、マリアさんの言うことも聞かないや



「ハァ~ わかったよ。シア。シアが学校に行って帰って来るまで、出発を遅らせよう」



「やった!! おとうたま大好き」



 シアちゃんは、ジルさんに抱きついた。マリアさんは、本当あの人は子どもに甘いんだからとボヤいていた



  そんなひと騒動が終わると、ちょうどレイア姉さんが迎えにきておちびちゃんずを連れていった



  リビングの、ソファーでお茶を飲みながら、寛いでいるとりりが僕を呼びに来た。



「ユリス様 パリスさんが面会を希望されていますが?」



  パリスが?



「わかった。談話室に通してくれ」



「かしこまりました」



  談話室に着きドアを開けるとすでにパリスは部屋の中に入っていた。



「パリスソファーにかけてくれ」



「わかりました」



「それで今回はどんな要件だ?」



「はい。今日はあまり良くない知らせです。商業都市のレジスタンスのリーダが捕まりました。そこでレジスタンスは傭兵を雇って攻撃を仕掛けようとしています。このままでは商業都市の機能は麻痺して、流通機能にただいな損害がでる恐れがあります」



「ハァ~ 回避策はないのか?」



「はい、ここは、ユリス様 私達で助け出してはいかがでしょうか?」



「なるほど。助ければレジスタンスに恩がうれるか、、、いや、待てよ。そのレジスタンスごと家の商店街に移住させれば、商業都市の機能を奪えるな」



「確かに。時間はかかるでしょうが、可能ですね」



「よし、救出次第、有能な商家に引き抜きをかけてくれ。領地の、商品を見せても構わない」



「かしこまりました。では失礼します」



  そう言うとパリスはドアを開けて出ていった。



  リビングに戻るとライラと王都に行く内政官とメイドがすでに来ていた。



ライラに話かけようとしたらりりが話しかけて来た。



「ユリス様 アリシア様が至急ギルドまで来てほしいそうです」



  パリスの次はアリシア姉さんか。いったいなんなんだ?



「わかった。ありがとう」



  僕は急いでギルドに向かいドアを開けて中に入り受付にいたエレアさんに話しかけた。



「エレアさん、なにがあったんですか?」



「あ、ユリス君、こさせてごめんね。それはアリシアが説明するわ。こっちよ」



 僕はギルドの応接室に案内されエレアさんに続いて中に入ると、見知らぬブロンドに赤い目をした女性が座っていた。



「姉さん、いったいなんの用です?」



「いや、その」



「貴方が、ユリス君ね。初めまして、私はギルド月の光の幹部アリサよ。よろしくね」



「あ、はい」



  月の光と言えば姉さんが、前所属していたギルドじゃないか?



「可愛い後輩がギルドを開設したと、聞いたからお祝いに駆けつけたのだけど、どうやって今後ギルドを運営するつもりなのか? 財源は? と聞いてもはぐらかすばかりで答えないのよ」



  あ~なるほど財源なんてダンジョンの説明なしにはいかないからな。基本ダンジョンは秘密だし、こりゃあ姉さんには無理だわ



「ユリス、アリサさんは大変お世話になった先輩なの。だから嘘はつきたくないんだけど、、、」



  なるほどね。話したいけど自分の独断じゃあ話せないから、僕を呼んだわけか。



「姉さんが責任持てるならいいですよ」



「本当か?! ありがとうユリス!!」



  姉さんは抱きついてきた。ハァ~ 僕も身内には甘いな



「喜んでる所悪いんだけど結局どういうことなの?」



「ユリスの許可が出たのでその疑問を解決する場所までご案内します」



  確かに説明するより見てもらったほうが早いか。



「わかった。案内してちょうだい」



  姉さん達はダンジョンに向かったので家に帰ることにした。



  家に帰ると丁度おちびちゃんずが帰ってきた所だった。



「さぁて、シアが帰って来たことだし行くか」



  ジルさんの号令で皆を玄関に向かう。馬車が人数オーバーで乗れないので家の馬車を貸し出した。



「いきなり来たのに歓待してくれてありがとう。アベル」



「いや、当然のことをしたまでです」



「じゃあね。アンジェラ。何か面白い商品がでたら教えてね」



「ええ、もちろん。すぐに手紙を書きます」



「あ、後、ユリス君に首輪をしっかりつけて監視しておくのよ」



「ええ、今回のことで思い知らされるましたから」



  チェ、よけいなことを



「あ~ ユリス君、よけいなことをて顔してる」



「本当ですね」



 さすがシルビア鋭いな



「ユリス君、私達が居ないからって浮気しちゃだめよ。ね、シルク」



「そうですよ。ユリス君」



  浮気てシルビア僕達付き合ってないのに?



「あ~その顔はやっぱりわかってないですね。シルビアちゃんユリス君にはお仕置きが必要だと思うのですが?」



「そうね。シルク さぁユリス君 目をつむりなさい」



「どうして?」



「「いいから!!」」



  理不尽だと思いながらも逆らえず目ををつむった。すると両頰に温かい感触がした。



  目を開けると二人が顔を真っ赤にしていた。



  もしかしてキスされた? 意識した途端顔が真っ赤に染まってしまった。



「ユリスたら」



  母上達は暖かく見守っていてくれた。



「サラちゃん。アルバート君また一緒に遊ぼうね」



「「うん。また遊ぼうね」」



この空気の中おちびちゃんずだけが平常運転だった。



「さて、じゃあ皆馬車に乗って」



  ジルさんの号令で皆馬車にのり王都へと旅立っていった。



  リビングに戻ると静かなリビングに寂しさを覚えてしまった。



「おにぃたま。サラなんか寂しい」



「僕も」



「そうだな。今日は久々に一緒に寝るか!!」



「「やった!! 一緒に寝る」」





  おちびちゃんずは先の寂しそうな顔が嘘みたいにはしゃぎだした。



  しばらくリビングのソファーで寛いでいると、姉上達とアリサさんが入ってきた。



「ユリス。くつろいでる所悪いが話を聞いてくれないか?」



  姿勢を正し聞く姿勢を取る



「なんですか? 姉さん」



「実はアリサさんがうちのギルドに移籍したいと言うんだけど、いいだろうか?」



「お願い。 ダンジョンにハマっちゃたのよ。それにここなら大きく稼げそうだしね」



「構いませんよ。もしかしたらとは思ってましたし」



「ありがとう!! ユリス」



「ありがとう!! ユリス君」



こうしてアリサさんがうちのギルドの一員になった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

その花の名前は

青波鳩子
恋愛
公爵令嬢デルフィーナはロルダン王太子殿下の婚約者だが、ロルダンには他に大切にしている令嬢がいる。 このまま信頼関係の無い『結婚』に進めば、生涯搾取され続ける人生になるとデルフィーナは危惧する。 デルフィーナはお妃教育を終えると選べる、この婚約を無かったものにする『王妃の秘薬』を所望することにした。 王妃が調合したその薬を婚約者が飲むと、王太子と魂が入れ替わり王太子の身体に入った婚約者は三日の眠りにつく。 目を覚ませば互いの魂は元の身体に戻り、婚約者はすべての記憶を失っているという。 王妃は婚約者令嬢に新たな身分を与え、婚約は無かったものになる。 亡き母の友人である王妃殿下が用意してくれる人生に希望を見出したい。 それほどロルダン殿下に絶望を抱いていた。 デルフィーナはそれまで生きてきたすべての記憶をチップに替えて、 オールチップをまだ見ぬ未来に置こうと決めた──。 ---------------------------------------------------------- 9月22日、HOTランキング1位、恋愛ジャンルランキング3位になっていました! たくさんの方々にお読みいただき、またエールやブックマーク、しおりなど とても嬉しいです、ありがとうございます! --------------------------------------------------- *約7万字で完結しています *荒唐無稽な世界観で書いていますので、ふんわりお読みいただけるとありがたいです *「小説家になろう」にも投稿しています *最初の二話は初日に同時に投稿し、後は毎日7時と19時に投稿します *「エピローグ」の次に「最終話」がありその後に4つの「番外編」があります。「番外編」は4人の人物の自分語りです。 *「番外編」の後に、最後の1話があります。それを以って本当の完結となります。 (「番外編」4話分と、最後の1話は同日同時間に予約投稿済みです)

離婚して、公爵夫人になりました。

杉本凪咲
恋愛
夫の浮気を発見した私は彼を問い詰める。 だが、浮気を認めた夫は、子供の親権だけは譲らないと私に叫んだ。 権力を盾に脅され、渋々条件をのむ私。 失意の中実家に帰るが、公爵家から縁談が舞い込んできて……

妹にすべてを奪われましたが、最愛の人を見つけました

桜月雪兎
恋愛
リーシェン・ルージュは父親に無視され、母親に虐待を受け、一歳しか変わらない妹サーシャにも蔑まされる生活をしていた。 その為、リーシェンは諦め癖と周りを信じず、頼らない癖が付いてしまっていた。 そんなある日、サーシャに婚約者であるグレンタス王国の王太子アーノルド・グレンタスを奪われた。 その結果としてリーシェンは『国外追放』を受けた。 名目は他国に嫁ぐというものだったが、相手の国は決して仲が良好とは言えない隣国オリフィア皇国としか決まっていなかった。 リーシェンがオリフィアに着くと、一応の歓迎会が開かれ、そこでオリフィア皇国皇太子ユリウス・オリフィアに見初められた。 これは自らの境遇故に人を信じることが出来ない令嬢が溺愛され、少しずつ心を癒し、開かれ、人らしくなっていく。 そして、本人の預かり知らないところで貶めた者たちが『ざまぁ』をされるお話。

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが

マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって? まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ? ※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。 ※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

君は僕がいなくても大丈夫だろう……、ってそんなの当たり前じゃないかしら。

紗綺
恋愛
全力で支えると決めた相手に君は僕がいなくても大丈夫だろうとか言われました。 そんなの――、当たり前じゃないかしら? 彼を支えると誓って1年ほど。 別れを切り出された。 他の人を愛してしまったと。 気づいていたわ。 私が片づけをしなくても、部屋に埃が溜まることは無くなって。 他の人の気配がし始めた家に彼が好むハーブの香りをまとう人。 私の誓いが負担になっていたときに心を支えてくれた人を愛したという。 確かに私はあなたがいなくても大丈夫よ。 けれど、支えたい想いは本当だったわ――。 一人で立てる強いヒロインの失恋とその後の幸せの話。 ◆本編 6話  ◆番外編 1話  ※浮気した元婚約者もそれなりに幸せになります ※番外編は元婚約者視点です

溺愛なんてお断りです!~弱気な令嬢が婚約を断ったら王子様が溺愛してくるようになった~

山夜みい
恋愛
「お前みたいなブサイクに女としての価値はない」 弱気なライラは婚約者に浮気されて婚約破棄を告げられる。 根暗女、図書館の虫、魔法オタク…… さまざまな言葉で罵倒されたライラは男性不信に陥っていた。 もう男なんて信じない。貴族なんて懲り懲りだ。 そう思っていたのに、王子の婚約を断ってから人生が一変する。 「僕の目には君しか映らない。婚約してくれないか?」 「お断りします!?」 王子は何故か子爵領まで来てライラに求婚を始めたのだ。 しかも、ライラの傍に居たいがために隣に住み着く始末。 リュカ・ウル・ルドヴィナ。 冷酷王子、氷焔の微笑、人でなし、数々の悪名を持つはずなのに、ライラにだけはぐいぐい来て噂とかけ離れた姿を見せる。 「どうしてそんなに私が好きなんですか?」 「君が僕を見てくれたから」 ありのままの好きだと告げるリュカにライラは徐々に心を許し始める。 そうすると、だんだん彼女の真価も現れ始めて…… 「こんな魔法陣を見たのは初めてだ」 「君が何者であろうと、僕が守ってみせる」 ライラの真価に気付いたリュカは彼女を守ろうと動き出す。 古代魔法を狙う邪教集団、ライラを取り戻そうとする婚約者。 弱気な令嬢を取り巻くロマンス劇が、今始まろうとしていた。

【完結】殿下が倹約に目覚めて婚約破棄されました〜結婚するなら素朴な平民の娘に限る?では、王室に貸した国家予算の八割は回収しますので

冬月光輝
恋愛
大資産家であるバーミリオン公爵家の令嬢、ルージア・バーミリオンは突然、王国の皇太子マークスに婚約破棄される。 「前から思ってたんだけど、君って贅沢だよね?」  贅沢に溺れる者は国を滅ぼすと何かの本で読んだマークスは高級品で身を固めているルージアを王室に害をもたらすとして、実家ごと追放しようと目論む。 しかし、マークスは知らない。 バーミリオン公爵家が既に王室を遥かに上回る財を築いて、国家予算の八割を貸しつけていることを。 「平民の娘は素朴でいい。どの娘も純な感じがして良かったなぁ」 王子という立場が絶対だと思い込んでいるマークスは浮気を堂々と告白し、ルージアの父親であるバーミリオン公爵は激怒した。 「爵位を捨てて別の国に出ていきますから、借金だけは返してもらいますぞ」 マークスは大好きな節約を強いられることになる――

婚約破棄を喜んで受け入れてみた結果

宵闇 月
恋愛
ある日婚約者に婚約破棄を告げられたリリアナ。 喜んで受け入れてみたら… ※ 八話完結で書き終えてます。

処理中です...