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おっさん、幽霊屋敷に行く
オフィーリア・ブルーム
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「こちらに。もうひとつ奥の扉の中が、安全な場所です」
その頃、ダンテは女性に連れられ、セレナ達と同じように屋敷を走っていた。
彼女らと違うのは、廊下がめちゃくちゃに変形しないところと、女性の先導があるおかげで迷わないところだ。
しかも彼女が開く扉だけは、他と違ってちゃんと開けられる。
おかげでレイスが追ってきても、一度もダンテには触れられなかった。
そうこうしているうち、女性は廊下の一番奥の部屋にダンテを連れて入り込み、勢いよく扉を閉めた。
レイスは何度か激しく扉を叩いたが、やがて諦めた様子で、音は聞こえなくなった。
「……ふう。この客室には、レイスは入ってきません」
一息ついた女性と共に入った部屋は、豪邸の客室だ。
脚の先まで派手なテーブルと椅子、壁一面の絵画、どれをとっても一級品である。
「どうしてそう言い切れる?」
他とは少し違う雰囲気を感じ取りながら、ダンテが聞いた。
「私の住処だからです。『テラーハウス』も、貴重な栄養源を襲うほど愚かではありません」
「テラーハウス、か。そんな名前があるとは知らなかった」
「私がつけた呼び名です。名がないと、何かと不便ですので」
女性が指を軽く鳴らすと、テーブルの上にティーポットとカップがふたり分出てきた。
「望めば、何でも出てきます。お菓子でなくサンドイッチが良ければ、そちらも」
「聞きたいことが山ほどある。ケーキは好きだが、食べてる暇はないな」
「山ほどあるのなら、ケーキと紅茶が話を進めてくれますよ?」
椅子にゆっくりと腰かけた女性が、もう一度指を鳴らすと、イチゴのケーキが姿を現した。
しばらく彼女と見つめ合っていたダンテだが、やがて諦めたように椅子に座る。
「……モンブラン。紅茶には角砂糖を5個くれ」
彼がそう言うと、モンブラン・ケーキと、砂糖が入った瓶がぽん、と現れた。
まるで、テラーハウスがこちらの会話を聞いているかのようだ。
「甘党なのですね」
「体力の補給だよ」
皿の隣に置かれたフォークを手に取り、モンブランを口に運ぶ。
栗の甘みを、砂糖がたっぷり利いた紅茶で流し込む。
脳に糖分が行き渡るのを感じながら、ダンテはカップを置いた。
「どこから出てきたか分からないのに、いい味じゃないか」
「ええ、とても美味です」
女性はというと、たった2、3口ですっかりイチゴのケーキを平らげてしまっていた。
どうやら彼女は、リン以上の食いしん坊のようだ。
少しだけ彼女に親近感がわいたダンテだが、いまだに油断はできない。
「……単刀直入に聞く。お前は俺の敵か、味方か?」
「聖者はいつでも、生者の味方です」
最初の質問に、女性はさらりと答えた。
汗のかき具合、表情からして嘘はついていない。
(……聖職者か。レイスに襲われない理由も、納得ができる)
そして聖職者なら嘘はつかない――これはあくまで、ダンテの偏見だが。
「だったら、今は味方だな」
軽く笑って、ダンテは紅茶をひと口啜る。
「次は、お互いの自己紹介でもするか。俺はダンテ・ウォーレン、冒険者だ」
「オフィーリア・ブルームと申します。冒険者さんが屋敷の中に来るのはそう珍しくありませんが、レイスを倒したのは驚きましたね」
女性――オフィーリアはまじまじとダンテを見つめた。
ウェーブがかかり、白髪の混じったアッシュグレーのロングヘア。
太い眉毛と厚い唇、赤い瞳。
黒いローブと黒い長手袋、ヒールが高い黒の革靴と、全身黒ずくめ。
見た目の年齢は20代前半といったところか。
「何度か……迷い込んだ人を助けようとしましたが、私が着く頃には食べられているか……説得に応じず、宝を探しに屋敷の奥へと消えゆくばかりでした」
背もたれに体を預け、オフィーリアは小さくため息をついた。
「正直、ほっとしています。貴方の命が、助かったことに」
彼女の口調から、ダンテは幽霊屋敷に関する情報が、虚偽であると察した。
「……幽霊屋敷の中に宝があるというのは、根も葉もない噂か」
「はい。どこから広がったのかは、分かりません」
「霧の中に紛れた、正体不明の幽霊屋敷に、消えた冒険者。不思議な出来事には、往々にして金銀財宝の話がついてくるものだ」
セレナがもし、財宝がないと知れば、ひどくがっかりするだろう。
尻尾も耳も、へにょりと倒れた彼女を想像するのが、ダンテはおかしく思えた。
「じゃあ、次の話だ。テラーハウスとはなんだ、この空間はどうなってる?」
顎をさすりながら、ダンテが真面目な話に切り替える。
オフィーリアも神妙な表情でカップを置き、彼を見据える。
「……テラーハウスは、恐らくモンスターです」
やはり。
ダンテは予想こそしていたが、あえて口には出さなかった。
「霧を体に纏わせ、捕食した人間を閉じ込めて体と心を疲弊させてゆきます。やがて力尽きた肉体を住まわせたレイスの餌にして、テラーハウスは精神を食べるのです」
「共生関係か。じゃあ、この異空間はどう説明する?」
オフィーリアが首を横に振る。
「私が初めてここに迷い込んだ時から、屋敷の入り口とこの空間は繋がっていました。幻覚ではなく、私達の肉体が別の世界に取り込まれているようです」
「初めて聞く生態だな。学会に証拠と一緒に報告すれば、報酬がもらえそうだ」
詳しくは分からなくても、幻覚でないと知れただけ十分だ。
しかし、新たな情報が手に入れば、また新たな疑問もわき上がってくる。
「どうしてオフィーリアは無事なんだ?」
オフィーリアは少しだけためらう様子を見せた。
自分の中の何かと向き合うように、俯いて、彼女はやっと答えてくれた。
「……私は『聖霊術師』です。生きた餌として、精神エネルギーを吸われています」
己が幽霊屋敷にとっての、生餌であると。
その頃、ダンテは女性に連れられ、セレナ達と同じように屋敷を走っていた。
彼女らと違うのは、廊下がめちゃくちゃに変形しないところと、女性の先導があるおかげで迷わないところだ。
しかも彼女が開く扉だけは、他と違ってちゃんと開けられる。
おかげでレイスが追ってきても、一度もダンテには触れられなかった。
そうこうしているうち、女性は廊下の一番奥の部屋にダンテを連れて入り込み、勢いよく扉を閉めた。
レイスは何度か激しく扉を叩いたが、やがて諦めた様子で、音は聞こえなくなった。
「……ふう。この客室には、レイスは入ってきません」
一息ついた女性と共に入った部屋は、豪邸の客室だ。
脚の先まで派手なテーブルと椅子、壁一面の絵画、どれをとっても一級品である。
「どうしてそう言い切れる?」
他とは少し違う雰囲気を感じ取りながら、ダンテが聞いた。
「私の住処だからです。『テラーハウス』も、貴重な栄養源を襲うほど愚かではありません」
「テラーハウス、か。そんな名前があるとは知らなかった」
「私がつけた呼び名です。名がないと、何かと不便ですので」
女性が指を軽く鳴らすと、テーブルの上にティーポットとカップがふたり分出てきた。
「望めば、何でも出てきます。お菓子でなくサンドイッチが良ければ、そちらも」
「聞きたいことが山ほどある。ケーキは好きだが、食べてる暇はないな」
「山ほどあるのなら、ケーキと紅茶が話を進めてくれますよ?」
椅子にゆっくりと腰かけた女性が、もう一度指を鳴らすと、イチゴのケーキが姿を現した。
しばらく彼女と見つめ合っていたダンテだが、やがて諦めたように椅子に座る。
「……モンブラン。紅茶には角砂糖を5個くれ」
彼がそう言うと、モンブラン・ケーキと、砂糖が入った瓶がぽん、と現れた。
まるで、テラーハウスがこちらの会話を聞いているかのようだ。
「甘党なのですね」
「体力の補給だよ」
皿の隣に置かれたフォークを手に取り、モンブランを口に運ぶ。
栗の甘みを、砂糖がたっぷり利いた紅茶で流し込む。
脳に糖分が行き渡るのを感じながら、ダンテはカップを置いた。
「どこから出てきたか分からないのに、いい味じゃないか」
「ええ、とても美味です」
女性はというと、たった2、3口ですっかりイチゴのケーキを平らげてしまっていた。
どうやら彼女は、リン以上の食いしん坊のようだ。
少しだけ彼女に親近感がわいたダンテだが、いまだに油断はできない。
「……単刀直入に聞く。お前は俺の敵か、味方か?」
「聖者はいつでも、生者の味方です」
最初の質問に、女性はさらりと答えた。
汗のかき具合、表情からして嘘はついていない。
(……聖職者か。レイスに襲われない理由も、納得ができる)
そして聖職者なら嘘はつかない――これはあくまで、ダンテの偏見だが。
「だったら、今は味方だな」
軽く笑って、ダンテは紅茶をひと口啜る。
「次は、お互いの自己紹介でもするか。俺はダンテ・ウォーレン、冒険者だ」
「オフィーリア・ブルームと申します。冒険者さんが屋敷の中に来るのはそう珍しくありませんが、レイスを倒したのは驚きましたね」
女性――オフィーリアはまじまじとダンテを見つめた。
ウェーブがかかり、白髪の混じったアッシュグレーのロングヘア。
太い眉毛と厚い唇、赤い瞳。
黒いローブと黒い長手袋、ヒールが高い黒の革靴と、全身黒ずくめ。
見た目の年齢は20代前半といったところか。
「何度か……迷い込んだ人を助けようとしましたが、私が着く頃には食べられているか……説得に応じず、宝を探しに屋敷の奥へと消えゆくばかりでした」
背もたれに体を預け、オフィーリアは小さくため息をついた。
「正直、ほっとしています。貴方の命が、助かったことに」
彼女の口調から、ダンテは幽霊屋敷に関する情報が、虚偽であると察した。
「……幽霊屋敷の中に宝があるというのは、根も葉もない噂か」
「はい。どこから広がったのかは、分かりません」
「霧の中に紛れた、正体不明の幽霊屋敷に、消えた冒険者。不思議な出来事には、往々にして金銀財宝の話がついてくるものだ」
セレナがもし、財宝がないと知れば、ひどくがっかりするだろう。
尻尾も耳も、へにょりと倒れた彼女を想像するのが、ダンテはおかしく思えた。
「じゃあ、次の話だ。テラーハウスとはなんだ、この空間はどうなってる?」
顎をさすりながら、ダンテが真面目な話に切り替える。
オフィーリアも神妙な表情でカップを置き、彼を見据える。
「……テラーハウスは、恐らくモンスターです」
やはり。
ダンテは予想こそしていたが、あえて口には出さなかった。
「霧を体に纏わせ、捕食した人間を閉じ込めて体と心を疲弊させてゆきます。やがて力尽きた肉体を住まわせたレイスの餌にして、テラーハウスは精神を食べるのです」
「共生関係か。じゃあ、この異空間はどう説明する?」
オフィーリアが首を横に振る。
「私が初めてここに迷い込んだ時から、屋敷の入り口とこの空間は繋がっていました。幻覚ではなく、私達の肉体が別の世界に取り込まれているようです」
「初めて聞く生態だな。学会に証拠と一緒に報告すれば、報酬がもらえそうだ」
詳しくは分からなくても、幻覚でないと知れただけ十分だ。
しかし、新たな情報が手に入れば、また新たな疑問もわき上がってくる。
「どうしてオフィーリアは無事なんだ?」
オフィーリアは少しだけためらう様子を見せた。
自分の中の何かと向き合うように、俯いて、彼女はやっと答えてくれた。
「……私は『聖霊術師』です。生きた餌として、精神エネルギーを吸われています」
己が幽霊屋敷にとっての、生餌であると。
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