27 / 45
悪役貴族のスクールライフ!
竜と彼女の絆
しおりを挟む
かっと目を見開いたパフは、抑えられているのも構わずに暴れ出す。
「ダメ、振りほどかれちゃう……!」
「テレサがいる限り、心配はございません。魔力の中和にご集中なさってください」
「う、うん!」
それでもソフィーがなんとか竜の顔にしがみつけているのは、テレサが怪力で支えているのと、俺の爆炎神機がパフに馬乗りになっているからだ。
だけど、はっきり言って狂ったように暴れるパフを抑えるのは難しい。
しかももう、反転世界と現実世界の狭間がなくなってるんだ。
「頼むぜ、ソフィー……爆炎神機の腕力でも、長くはもたねえ……!」
このままだと先生達が騒ぎを聞きつけて、すぐにでもやってくる。
歯軋りするほど力を込めて俺が叫ぶと、ソフィーが頷き、パフの手に触れた。
「パフ、聞いて! 私だよ、ソフィーだよ!」
すると、パフの体から湧き上がってきた紫色の魔力が、ソフィーの手を介して彼女の中に入っていく。まるでそれは、毒を吸い取っているかのようだ。
なら、毒を吸い取る側であるソフィーはどうなるか。
「ぐ、う、ああああああっ!」
『ガアアアアアア!』
彼女とパフが悲鳴を上げるのは、ほぼ同時だった。
紫の石の魔力が駆け巡り、ソフィーとパフの肌を焼いているようだ。竜ですら悲鳴を上げる激痛に、並の人間が耐えられるはずがない。
なのにソフィーは、唇から血が出るほど食いしばって、必死に耐え続けてる。
「ごめんね、辛いよね、苦しいよね! でも大丈夫だよ、私が何とかするから!」
大粒の涙を零しながら、焦点の合わないパフの目を見つめて、すぐ近くで声を上げる。
ずっと背負い続けてきた後悔を吐露しながら、親友への想いを叫びながら。
「パフだけを苦しませたりなんてしない、パフがいつも私の代わりに戦ってくれるなら、その苦しみは私も背負う! ソフィー・オライオンとして、パフの親友として!」
爆炎神機の腕がミシミシと音を鳴らし、俺の魔力が限界に近づき、テレサの無表情が苦悶に染まりつつある中、ソフィーがパフの首筋にしがみついた。
「だからパフ、いつものあなたに戻って……!」
ひびのような光が全身に奔り、もう限界かと思った、その時だった。
「……テレサ、石が!」
パフの口から、巨大な紫の石が飛び出してきたんだ。
恐らくだけど、パフの魔力を吸い上げてあそこまで肥大化したんだと思う。そうじゃないと、人間の頭ほどもある石のサイズに説明がつかない。
もっとも、石の光は弱々しくて、今にも尽きそうなほどだ。
「光が弱まっております、これなら破壊も可能かと。ネイト様、許可を――」
だったら、待ってやる理由はない!
「ぶっ壊しちまえ、テレサ!」
「――かしこまりました」
テレサは勢いよくソフィーから離れて、空間魔法で引きずり出した大斧を掲げて――。
「カティム流斧闘術、『隕石穿』」
思い切り石に向かって振り下ろすと、紫の石が砕け散った。
その瞬間、パフとソフィーを苦しめていた光が、パッと消えた。
『ゴ、ガ、ガアアアアー……』
パフのサイズが少しずつ、少しずつ元に戻ってゆくのを見届けながら、俺は爆炎神機を解除した。というか、魔力を使いすぎて、維持がもうほとんどできなかったんだけどな。
鋼と炎が消え去る中心で、俺は肩で息をする。
「はあ、はあ……爆炎神機の維持も限界だったけど、ギリギリなんとかなったな」
「石の方は無事に破壊いたしました。ソフィー様とパフ様の方は……」
だけど、斧をしまったふたりの名前を聞いて、俺は疲れも忘れて顔を上げた。
「ソフィー、パフ!」
石の魔力がふたりを汚染してしまって、手遅れになったんじゃないかと思ったんだ。
途切れた息を整えもせずにパフのもとに駆け寄ると、パフは目を閉じて倒れ込んでいた。
『……ぎゃあう』
――でも、確かに生きていた。
竜のそばにへたり込み、俺に振り向いたソフィーは、泣きすぎて目が腫れていた。
「パフ……よかった、本当によかったよう……!」
そしてもう一度、かけがえのない親友にしがみついて泣いた。
とにもかくにも、ソフィーもパフも、命を落とさずに済んだってわけだ。
「紫の石も、ドラゴンと人間の魔力を一度に汚染するにはキャパシティ不足だったってことか。そこにテレサの一撃が加わって、砕けたわけだな」
「ネイト様、こちらの破片はテレサがお調べいたしましょう」
「ああ、頼むよ――」
灰のようにさらさらと粒となり消える石の中で、なぜかまだ形を保っている破片を、テレサが掴み上げた時だった。
「な、な、なんだねこの騒ぎは!?」
体育館の入り口から、先生が何人もやってきたんだ。
「やっべ……」
ひどい汗が額を伝った。
そうだ、紫の石が創り出した空間はすっかり壊れてて、体育館にはとんでもない被害が出ていた。
壁も、床も、天井も穴だらけで、爆弾で吹っ飛ばしたようなありさまだ。
ソフィーとパフを助けるのに必死すぎて、現実世界に戻ってるのを忘れてた。
そりゃあ、ロボットと竜が大暴れする轟音を聞いたら、先生も駆けつけるよな。
「外出禁止の時間帯に、しかも体育館をこんなに破壊して、一体何をしていたんだ!」
「しかもまたお前か、ゴールディング! 前評判は良くなかったが、やはり……」
「お前達、説明してくれっ! 破壊は確かに青春の一部だが、これはやりすぎだぞっ!?」
心配げなマッコール先生はともかく、頑固そうな先生達が喚き散らす中、俺はどう言い訳をしたものかと思案を巡らせる。
説明したいのはやまやまだけど、話せば彼らもトラブルに巻き込んでしまう。
かといって、怪我をしたソフィーとパフの処置が遅れれば、こっちもどうなるか。
(紫の石のことを話すわけにはいかないし、ソフィーは衰弱して説明どころじゃない! こうなったら、俺が責任を被って、ソフィーとパフだけでも早めに医務室に……)
どうしたものかと俺達が黙っている中、静かに声が上がった。
「――僕がやりました」
後ろからゆっくり歩いてくるダンカンが、そう言ったんだ。
「ダンカン!?」
俺やテレサすら驚くのを見もせず、ダンカンは説明を始める。
「オライオンさんに仕返しをする為に、取り巻きを呼んで魔法で脅そうとしましたが、制御できずに体育館に被害を及ぼしました。その時の衝撃で、彼女と竜が傷つきました。悪いのは全部僕です……彼女と皆に、まずは治療を施してください」
果たして彼の言い分は、ほとんどが嘘だった。
合っているのは仕返しをするところだけで、他はほぼダンカンのでっち上げだ。
それでも、ダンカンがどうしてそんな説明をしたのかを理解できないほど俺は間抜けじゃない。彼は、自らが罪を被って、俺達をかばっているんだ。
さて、こんな説明をされれば、先生達は疑問を抱きつつも頷き合うほかない。
「……そ、そう言うなら……メイジャー君、こっちに来なさい」
ひとりの先生に連れられ、ダンカンは俺を一瞥もせず、とぼとぼと体育館を出て行った。
残ったマッコール先生達はソフィーやパフを担ぎ、なるべく揺らさないように、しかしいそいそとダンカンと逆方向に去ってゆく。
「他の生徒は先生達が運ぼうっ! ゴールディング、熱血的におぶさるんだっ!」
「いや、俺は歩けますんで……うわ汗くさっ」
俺はマッコール先生に背負われ、最後に体育館を出た。
むわっと妙な匂いのする背中の上で脱力しながら、俺はため息をついた。
(……ひとまず一件落着、か)
隣をすたすたとついてくるテレサの足音だけを聞きながら、俺は目を閉じる。
――ソフィー・オライオンを助けられた、確かな安心感と共に。
「ダメ、振りほどかれちゃう……!」
「テレサがいる限り、心配はございません。魔力の中和にご集中なさってください」
「う、うん!」
それでもソフィーがなんとか竜の顔にしがみつけているのは、テレサが怪力で支えているのと、俺の爆炎神機がパフに馬乗りになっているからだ。
だけど、はっきり言って狂ったように暴れるパフを抑えるのは難しい。
しかももう、反転世界と現実世界の狭間がなくなってるんだ。
「頼むぜ、ソフィー……爆炎神機の腕力でも、長くはもたねえ……!」
このままだと先生達が騒ぎを聞きつけて、すぐにでもやってくる。
歯軋りするほど力を込めて俺が叫ぶと、ソフィーが頷き、パフの手に触れた。
「パフ、聞いて! 私だよ、ソフィーだよ!」
すると、パフの体から湧き上がってきた紫色の魔力が、ソフィーの手を介して彼女の中に入っていく。まるでそれは、毒を吸い取っているかのようだ。
なら、毒を吸い取る側であるソフィーはどうなるか。
「ぐ、う、ああああああっ!」
『ガアアアアアア!』
彼女とパフが悲鳴を上げるのは、ほぼ同時だった。
紫の石の魔力が駆け巡り、ソフィーとパフの肌を焼いているようだ。竜ですら悲鳴を上げる激痛に、並の人間が耐えられるはずがない。
なのにソフィーは、唇から血が出るほど食いしばって、必死に耐え続けてる。
「ごめんね、辛いよね、苦しいよね! でも大丈夫だよ、私が何とかするから!」
大粒の涙を零しながら、焦点の合わないパフの目を見つめて、すぐ近くで声を上げる。
ずっと背負い続けてきた後悔を吐露しながら、親友への想いを叫びながら。
「パフだけを苦しませたりなんてしない、パフがいつも私の代わりに戦ってくれるなら、その苦しみは私も背負う! ソフィー・オライオンとして、パフの親友として!」
爆炎神機の腕がミシミシと音を鳴らし、俺の魔力が限界に近づき、テレサの無表情が苦悶に染まりつつある中、ソフィーがパフの首筋にしがみついた。
「だからパフ、いつものあなたに戻って……!」
ひびのような光が全身に奔り、もう限界かと思った、その時だった。
「……テレサ、石が!」
パフの口から、巨大な紫の石が飛び出してきたんだ。
恐らくだけど、パフの魔力を吸い上げてあそこまで肥大化したんだと思う。そうじゃないと、人間の頭ほどもある石のサイズに説明がつかない。
もっとも、石の光は弱々しくて、今にも尽きそうなほどだ。
「光が弱まっております、これなら破壊も可能かと。ネイト様、許可を――」
だったら、待ってやる理由はない!
「ぶっ壊しちまえ、テレサ!」
「――かしこまりました」
テレサは勢いよくソフィーから離れて、空間魔法で引きずり出した大斧を掲げて――。
「カティム流斧闘術、『隕石穿』」
思い切り石に向かって振り下ろすと、紫の石が砕け散った。
その瞬間、パフとソフィーを苦しめていた光が、パッと消えた。
『ゴ、ガ、ガアアアアー……』
パフのサイズが少しずつ、少しずつ元に戻ってゆくのを見届けながら、俺は爆炎神機を解除した。というか、魔力を使いすぎて、維持がもうほとんどできなかったんだけどな。
鋼と炎が消え去る中心で、俺は肩で息をする。
「はあ、はあ……爆炎神機の維持も限界だったけど、ギリギリなんとかなったな」
「石の方は無事に破壊いたしました。ソフィー様とパフ様の方は……」
だけど、斧をしまったふたりの名前を聞いて、俺は疲れも忘れて顔を上げた。
「ソフィー、パフ!」
石の魔力がふたりを汚染してしまって、手遅れになったんじゃないかと思ったんだ。
途切れた息を整えもせずにパフのもとに駆け寄ると、パフは目を閉じて倒れ込んでいた。
『……ぎゃあう』
――でも、確かに生きていた。
竜のそばにへたり込み、俺に振り向いたソフィーは、泣きすぎて目が腫れていた。
「パフ……よかった、本当によかったよう……!」
そしてもう一度、かけがえのない親友にしがみついて泣いた。
とにもかくにも、ソフィーもパフも、命を落とさずに済んだってわけだ。
「紫の石も、ドラゴンと人間の魔力を一度に汚染するにはキャパシティ不足だったってことか。そこにテレサの一撃が加わって、砕けたわけだな」
「ネイト様、こちらの破片はテレサがお調べいたしましょう」
「ああ、頼むよ――」
灰のようにさらさらと粒となり消える石の中で、なぜかまだ形を保っている破片を、テレサが掴み上げた時だった。
「な、な、なんだねこの騒ぎは!?」
体育館の入り口から、先生が何人もやってきたんだ。
「やっべ……」
ひどい汗が額を伝った。
そうだ、紫の石が創り出した空間はすっかり壊れてて、体育館にはとんでもない被害が出ていた。
壁も、床も、天井も穴だらけで、爆弾で吹っ飛ばしたようなありさまだ。
ソフィーとパフを助けるのに必死すぎて、現実世界に戻ってるのを忘れてた。
そりゃあ、ロボットと竜が大暴れする轟音を聞いたら、先生も駆けつけるよな。
「外出禁止の時間帯に、しかも体育館をこんなに破壊して、一体何をしていたんだ!」
「しかもまたお前か、ゴールディング! 前評判は良くなかったが、やはり……」
「お前達、説明してくれっ! 破壊は確かに青春の一部だが、これはやりすぎだぞっ!?」
心配げなマッコール先生はともかく、頑固そうな先生達が喚き散らす中、俺はどう言い訳をしたものかと思案を巡らせる。
説明したいのはやまやまだけど、話せば彼らもトラブルに巻き込んでしまう。
かといって、怪我をしたソフィーとパフの処置が遅れれば、こっちもどうなるか。
(紫の石のことを話すわけにはいかないし、ソフィーは衰弱して説明どころじゃない! こうなったら、俺が責任を被って、ソフィーとパフだけでも早めに医務室に……)
どうしたものかと俺達が黙っている中、静かに声が上がった。
「――僕がやりました」
後ろからゆっくり歩いてくるダンカンが、そう言ったんだ。
「ダンカン!?」
俺やテレサすら驚くのを見もせず、ダンカンは説明を始める。
「オライオンさんに仕返しをする為に、取り巻きを呼んで魔法で脅そうとしましたが、制御できずに体育館に被害を及ぼしました。その時の衝撃で、彼女と竜が傷つきました。悪いのは全部僕です……彼女と皆に、まずは治療を施してください」
果たして彼の言い分は、ほとんどが嘘だった。
合っているのは仕返しをするところだけで、他はほぼダンカンのでっち上げだ。
それでも、ダンカンがどうしてそんな説明をしたのかを理解できないほど俺は間抜けじゃない。彼は、自らが罪を被って、俺達をかばっているんだ。
さて、こんな説明をされれば、先生達は疑問を抱きつつも頷き合うほかない。
「……そ、そう言うなら……メイジャー君、こっちに来なさい」
ひとりの先生に連れられ、ダンカンは俺を一瞥もせず、とぼとぼと体育館を出て行った。
残ったマッコール先生達はソフィーやパフを担ぎ、なるべく揺らさないように、しかしいそいそとダンカンと逆方向に去ってゆく。
「他の生徒は先生達が運ぼうっ! ゴールディング、熱血的におぶさるんだっ!」
「いや、俺は歩けますんで……うわ汗くさっ」
俺はマッコール先生に背負われ、最後に体育館を出た。
むわっと妙な匂いのする背中の上で脱力しながら、俺はため息をついた。
(……ひとまず一件落着、か)
隣をすたすたとついてくるテレサの足音だけを聞きながら、俺は目を閉じる。
――ソフィー・オライオンを助けられた、確かな安心感と共に。
140
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説
悪役令息の三下取り巻きに転生したけれど、チートがすごすぎて三下になりきれませんでした
あいま
ファンタジー
悪役令息の取り巻き三下モブに転生した俺、ドコニ・デモイル。10歳。
貴族という序列に厳しい世界で公爵家の令息であるモラハ・ラスゴイの側近選別と噂される公爵家主催のパーティーへ強制的に行く羽目になった。
そこでモラハ・ラスゴイに殴られ、前世の記憶と女神さまから言われた言葉を思い出す。
この世界は前世で知ったくそ小説「貴族学園らぶみーどぅー」という学園を舞台にした剣と魔法の世界であることがわかった。
しかも、モラハ・ラスゴイが成長し学園に入学した暁には、もれなく主人公へ行った悪事がばれて死ぬ運命にある。
さらには、モラハ・ラスゴイと俺は一心同体で、命が繋がる呪いがオプションとしてついている。なぜなら女神様は貴腐人らしく女同士、男同士の恋の発展を望んでいるらしい。女神様は神なのにこの世界を崩壊させるつもりなのだろうか?
とにかく、モラハが死ぬということは、命が繋がる呪いにかかっている俺も当然死ぬということだ。
学園には並々ならぬ執着を見せるモラハが危険に満ち溢れた学園に通わないという選択肢はない。
仕方がなく俺は、モラハ・ラスゴイの根性を叩きなおしながら、時には、殺気を向けてくるメイドを懐柔し、時には、命を狙ってくる自称美少女暗殺者を撃退し、時には、魔物を一掃して魔王を返り討ちにしたりと、女神さまかもらった微妙な恩恵ジョブ変更チート無限を使い、なんとかモラハ・ラスゴイを更生させて生き残ろうとする物語である。
ーーーーー
お読みくださりありがとうございます<(_ _)>
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
追放された宮廷錬金術師、彼女が抜けた穴は誰にも埋められない~今更戻ってくれと言われても、隣国の王子様と婚約決まってたのでもう遅い~
まいめろ
ファンタジー
錬金術師のウィンリー・トレートは宮廷錬金術師として仕えていたが、王子の婚約者が錬金術師として大成したので、必要ないとして解雇されてしまった。孤児出身であるウィンリーとしては悲しい結末である。
しかし、隣国の王太子殿下によりウィンリーは救済されることになる。以前からウィンリーの実力を知っていた
王太子殿下の計らいで隣国へと招かれ、彼女はその能力を存分に振るうのだった。
そして、その成果はやがて王太子殿下との婚約話にまで発展することに。
さて、ウィンリーを解雇した王国はどうなったかというと……彼女の抜けた穴はとても補填出来ていなかった。
だからといって、戻って来てくれと言われてももう遅い……覆水盆にかえらず。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
追放ですか?それは残念です。最後までワインを作りたかったのですが。 ~新たな地でやり直します~
アールグレイ
ファンタジー
ワイン作りの統括責任者として、城内で勤めていたイラリアだったが、突然のクビ宣告を受けた。この恵まれた大地があれば、誰にでも出来る簡単な仕事だと酷評を受けてしまう。城を追われることになった彼女は、寂寞の思いを胸に新たな旅立ちを決意した。そんな彼女の後任は、まさかのクーラ。美貌だけでこの地位まで上り詰めた、ワイン作りの素人だ。
誰にでも出来る簡単な作業だと高を括っていたが、実のところ、イラリアは自らの研究成果を駆使して、とんでもない作業を行っていたのだ。
彼女が居なくなったことで、国は多大なる損害を被ることになりそうだ。
これは、お酒の神様に愛された女性と、彼女を取り巻く人物の群像劇。
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる