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第3章
3-6 『職業変更プログラム』
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ハバロフキの森でキングブラウンベアを倒し、リカコが作ったマンドラゴラのポーションを売って路銀を稼いだマリオとリカコだったが、ゲヌマヌイ鉱山に行くには余りにも距離が遠すぎた。
「ウリエル、一般の冒険者がゲヌマヌイに行くとなるとカバロスク、スコロボ、ヤクークの順だよね」
「時間もお金も凄くかかるのかなぁ~」
「そうですね、かなりの旅費になると思います」
マリオが冒険者の事を聞いたので、更新条件が発動して、ウリエルは天界からの『職業変更の更新プログラム』を受信したのだった。
「マリオさん、そもそも一般の冒険者がゲヌマヌイ鉱山に行く事は絶対に無いと思います」
「えっ、何でなの?」
「冒険者がわざわざ死の危険を犯してまでアダマンタイトを手に入れるより、お金を貯めてから魔道具店で買ったほうが費用対効果を考えると効率が良いからです」
「ウリエル、じゃぁ、冒険者は何で冒険をしているの?」
「そうですね、この話は他の星での事例になりますが、冒険者は子供の頃から勇者に憧れてなる事例が多いですね」
「勇者とは本人の意思とは別に神輿に担がれてなる職業です」
「勇者になったことで、名誉、名声と引き換えに、国王の命令で働かされて旅から旅へのどさ回りです」
「個人の自由は無いに等しいのです」
「それだと勇者は息がつまってしまうね」
「宿泊費、遊興費は個人持ちなので、英雄色を好むで勇者が美女を連れて歩くと散財してしまい身の破滅になるのです」
「聖女もしかりです」
「本人の意思とは別に教会が金銭管理をしているので、聖女の収入は無きに等しいのです」
「勇者と同じように瘴気の浄化をして地方を回るのが主な仕事になります」
「王子に見初められた場合は、強制的に結婚させられ、国母として子を生む義務が生じるのです」
「また、聖女が作るポーションは教会の重要な資金源になっており、聖女が使う回復魔法のヒールも同様なのです」
「結果として、教会と国は毎年地方に神官を派遣し、『祝福』と称し、幼い子供を鑑定しては勇者・聖女の囲い込みを実施しているのです」
「勇者の素質を持った子供は国に剣士候補生として雇われ、聖女の素質を持った子供は教会に聖女見習いとして下働きに出されるのです」
「ウリエル、神様はそのような腹黒い大人たちに神罰を与えないの?」
「基本的にどの星の神様も人間界に干渉しないのが神界でのルールになっています」
「じゃぁ、勇者、聖女になれなかった子供たちはどうなるの?」
「以前は親の職業を継ぐのが当たり前だったのですが、現実は吟遊詩人が勇者と聖女の物語を歌い伝えて歩いているので、冒険者として名を残したい少年少女が増えてきているのも事実なのです」
「じゃぁ、冒険者とは自営業者の認識で間違いないね」
「そうです、その認識で間違いありません」
「ウリエル、一般人が職業を変更することは可能なの?」
「教会が転職の窓口になっています」
「希望する職業を神官に伝えて『祝福』を書いた紙をもらうのです」
「じゃぁ、今までの話は教会の神官たちが勝手に行なっている『イカサマ』なの?」
「はい、『嘘も方便』であって、教会の重要な収入源になっているので国王も黙秘しているのです」
「ふ~ん、そうだったんだ」
「マリオとリカコは自分たちの認識の甘さに暫く考え込んでしまった」
「自分たちもいつかは国王や悪徳教会に神輿に担がれるのではないかと心配になったのだった」
「ウリエル、国王や悪徳教会の神輿に担がれないように対処するにはどうしたらいいの?」
「これは私からの提案になりますが、勇者、聖女の称号を書き換え、『商人と薬師』になるのが一番安全だと思います」
「マリオさんは塩と胡椒を具現化で作り普段からマジックバッグに入れておけば怪しまれる事は無いでしょう」
「マジックバックとは空間収納を付与した小型の鞄のことです」
タブレットには小型のマジックバック2つと塩、胡椒が映っていたのでマリオは具現化で作った。
「リカコさんは既に薬師の資格をもらったのですから、下級ポーションと中級ポーションを求められれば売れば良いだけです」
「では、ステータスを今から書き換えますので『ステータスオープン』して下さい」
「「ステータスオープン」」
◇ ◇ ◇ ◇
【名前】マリオ・ナミキ
【種族】人族
【年齢】21
【称号】商人
【スキル】
秘匿
【LV】65
【MP】****
【名前】リカコ・ナミキ
【種族】人族
【年齢】21
【称号】薬師
【スキル】
秘匿
【LV】65
【MP】****
◇ ◇ ◇ ◇
「最後に、マリオさん、リカコさん、『商人・薬師』として旅を続けるなら奴隷を雇う事を強く推奨します」
「ウリエル、何で奴隷なの」
「奴隷は契約魔法によって絶対に主人を裏切る事が出来ないからです」
「わかったよ、奴隷のお店に案内して」
こうしてマリオとリカコの更新プログラムは全て終了した。マリオとリカコに新たな仲間が加わるのだった。
(話終わり)
「ウリエル、一般の冒険者がゲヌマヌイに行くとなるとカバロスク、スコロボ、ヤクークの順だよね」
「時間もお金も凄くかかるのかなぁ~」
「そうですね、かなりの旅費になると思います」
マリオが冒険者の事を聞いたので、更新条件が発動して、ウリエルは天界からの『職業変更の更新プログラム』を受信したのだった。
「マリオさん、そもそも一般の冒険者がゲヌマヌイ鉱山に行く事は絶対に無いと思います」
「えっ、何でなの?」
「冒険者がわざわざ死の危険を犯してまでアダマンタイトを手に入れるより、お金を貯めてから魔道具店で買ったほうが費用対効果を考えると効率が良いからです」
「ウリエル、じゃぁ、冒険者は何で冒険をしているの?」
「そうですね、この話は他の星での事例になりますが、冒険者は子供の頃から勇者に憧れてなる事例が多いですね」
「勇者とは本人の意思とは別に神輿に担がれてなる職業です」
「勇者になったことで、名誉、名声と引き換えに、国王の命令で働かされて旅から旅へのどさ回りです」
「個人の自由は無いに等しいのです」
「それだと勇者は息がつまってしまうね」
「宿泊費、遊興費は個人持ちなので、英雄色を好むで勇者が美女を連れて歩くと散財してしまい身の破滅になるのです」
「聖女もしかりです」
「本人の意思とは別に教会が金銭管理をしているので、聖女の収入は無きに等しいのです」
「勇者と同じように瘴気の浄化をして地方を回るのが主な仕事になります」
「王子に見初められた場合は、強制的に結婚させられ、国母として子を生む義務が生じるのです」
「また、聖女が作るポーションは教会の重要な資金源になっており、聖女が使う回復魔法のヒールも同様なのです」
「結果として、教会と国は毎年地方に神官を派遣し、『祝福』と称し、幼い子供を鑑定しては勇者・聖女の囲い込みを実施しているのです」
「勇者の素質を持った子供は国に剣士候補生として雇われ、聖女の素質を持った子供は教会に聖女見習いとして下働きに出されるのです」
「ウリエル、神様はそのような腹黒い大人たちに神罰を与えないの?」
「基本的にどの星の神様も人間界に干渉しないのが神界でのルールになっています」
「じゃぁ、勇者、聖女になれなかった子供たちはどうなるの?」
「以前は親の職業を継ぐのが当たり前だったのですが、現実は吟遊詩人が勇者と聖女の物語を歌い伝えて歩いているので、冒険者として名を残したい少年少女が増えてきているのも事実なのです」
「じゃぁ、冒険者とは自営業者の認識で間違いないね」
「そうです、その認識で間違いありません」
「ウリエル、一般人が職業を変更することは可能なの?」
「教会が転職の窓口になっています」
「希望する職業を神官に伝えて『祝福』を書いた紙をもらうのです」
「じゃぁ、今までの話は教会の神官たちが勝手に行なっている『イカサマ』なの?」
「はい、『嘘も方便』であって、教会の重要な収入源になっているので国王も黙秘しているのです」
「ふ~ん、そうだったんだ」
「マリオとリカコは自分たちの認識の甘さに暫く考え込んでしまった」
「自分たちもいつかは国王や悪徳教会に神輿に担がれるのではないかと心配になったのだった」
「ウリエル、国王や悪徳教会の神輿に担がれないように対処するにはどうしたらいいの?」
「これは私からの提案になりますが、勇者、聖女の称号を書き換え、『商人と薬師』になるのが一番安全だと思います」
「マリオさんは塩と胡椒を具現化で作り普段からマジックバッグに入れておけば怪しまれる事は無いでしょう」
「マジックバックとは空間収納を付与した小型の鞄のことです」
タブレットには小型のマジックバック2つと塩、胡椒が映っていたのでマリオは具現化で作った。
「リカコさんは既に薬師の資格をもらったのですから、下級ポーションと中級ポーションを求められれば売れば良いだけです」
「では、ステータスを今から書き換えますので『ステータスオープン』して下さい」
「「ステータスオープン」」
◇ ◇ ◇ ◇
【名前】マリオ・ナミキ
【種族】人族
【年齢】21
【称号】商人
【スキル】
秘匿
【LV】65
【MP】****
【名前】リカコ・ナミキ
【種族】人族
【年齢】21
【称号】薬師
【スキル】
秘匿
【LV】65
【MP】****
◇ ◇ ◇ ◇
「最後に、マリオさん、リカコさん、『商人・薬師』として旅を続けるなら奴隷を雇う事を強く推奨します」
「ウリエル、何で奴隷なの」
「奴隷は契約魔法によって絶対に主人を裏切る事が出来ないからです」
「わかったよ、奴隷のお店に案内して」
こうしてマリオとリカコの更新プログラムは全て終了した。マリオとリカコに新たな仲間が加わるのだった。
(話終わり)
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