530 / 556
530話 成せる技
しおりを挟む
「魔力数値6500…凄い数値だ…。
これがまさに…相手の強さに合わせて力を増すという、
光の勇者の能力の成せる技ということだなあ…」
俺は自分に掛けている見通しの眼鏡に映し出された、
優羽花が発揮している凄まじい魔力数値に対して
素直な驚きの言葉を口にした。
「うわあ…
あたし、何だか身体全体からビカビカ光ってるんだけど…
ど、どうしよう、お兄?」
対して優羽花自身は、
少々間が抜けた感じの様子である。
我がツンデレ妹は戦闘態勢でも無い状態から、
咄嗟の俺とディラムの全力解放に引っ張られて
一気に魔力数値6500まで上昇したので、
自分の魔力の変化に、
まだ感覚が追い付いていないということだろうか?
「どうしようも何も…
優羽花の光の勇者としての身体は
俺とディラムに反応したって事さ!
それじゃあ行くぞ、優羽花っ!」
「参る!」
俺は気と魔力を全開にした状態で、
我が妹に向かって音速で跳んだ。
ディラムも俺の後に続いた。
********
「遠くからでも聞こえる、この大音響…
もうケイガ兄君様とディラム殿の組手稽古は
始まっているみたいだね!
姫騎士団の稽古場はボクの結界魔法で強化しているから、
まず壊れないとは思うけど…」
「ミリィお姉様、あれを見て下さいませ!
ケイガお兄様とディラム様、優羽花が戦い合っておりますの!」
「ええっ、つまり…
ユウカも交える組手稽古に鞍替えしたってことなのかい兄君様!?」
姫騎士団の稽古場にやって来た
ポーラ姫とミリィは俺達の様子を見て驚きの言葉を口にした。
「うおおおー!」
「はっ!」
俺とディラムは二人がかりで優羽花を攻撃する。
音速の拳撃と音速の剣撃が彼女に襲い掛かるが、
優羽花が握る星剣イクシオンはそれ以上の速度で動き、
俺達の攻撃の悉くを防いで見せる。
「やああー!」
優羽花は星剣をかざした。
その刀身から光の波動が撃ち出される。
速い!
俺とディラムは躱すことすら敵わずに、
防御姿勢を取ってこれを受け止めた。
凄まじい衝撃が身体を撃ち付ける。
気を抜くとこのまま、
意識を持っていかれそうである。
予想通り…
二人がかりで数で有利な筈の俺達のほうが、
完全に優羽花に押されている。
彼女の方が俺達二人の合わせた力より上なのだから
当然の出来事といえばそうなのだが。
流石は大魔王に唯一対抗できるという、
光の勇者、優羽花であろう。
俺は我が妹の強さを身を持って感じ取った。
これがまさに…相手の強さに合わせて力を増すという、
光の勇者の能力の成せる技ということだなあ…」
俺は自分に掛けている見通しの眼鏡に映し出された、
優羽花が発揮している凄まじい魔力数値に対して
素直な驚きの言葉を口にした。
「うわあ…
あたし、何だか身体全体からビカビカ光ってるんだけど…
ど、どうしよう、お兄?」
対して優羽花自身は、
少々間が抜けた感じの様子である。
我がツンデレ妹は戦闘態勢でも無い状態から、
咄嗟の俺とディラムの全力解放に引っ張られて
一気に魔力数値6500まで上昇したので、
自分の魔力の変化に、
まだ感覚が追い付いていないということだろうか?
「どうしようも何も…
優羽花の光の勇者としての身体は
俺とディラムに反応したって事さ!
それじゃあ行くぞ、優羽花っ!」
「参る!」
俺は気と魔力を全開にした状態で、
我が妹に向かって音速で跳んだ。
ディラムも俺の後に続いた。
********
「遠くからでも聞こえる、この大音響…
もうケイガ兄君様とディラム殿の組手稽古は
始まっているみたいだね!
姫騎士団の稽古場はボクの結界魔法で強化しているから、
まず壊れないとは思うけど…」
「ミリィお姉様、あれを見て下さいませ!
ケイガお兄様とディラム様、優羽花が戦い合っておりますの!」
「ええっ、つまり…
ユウカも交える組手稽古に鞍替えしたってことなのかい兄君様!?」
姫騎士団の稽古場にやって来た
ポーラ姫とミリィは俺達の様子を見て驚きの言葉を口にした。
「うおおおー!」
「はっ!」
俺とディラムは二人がかりで優羽花を攻撃する。
音速の拳撃と音速の剣撃が彼女に襲い掛かるが、
優羽花が握る星剣イクシオンはそれ以上の速度で動き、
俺達の攻撃の悉くを防いで見せる。
「やああー!」
優羽花は星剣をかざした。
その刀身から光の波動が撃ち出される。
速い!
俺とディラムは躱すことすら敵わずに、
防御姿勢を取ってこれを受け止めた。
凄まじい衝撃が身体を撃ち付ける。
気を抜くとこのまま、
意識を持っていかれそうである。
予想通り…
二人がかりで数で有利な筈の俺達のほうが、
完全に優羽花に押されている。
彼女の方が俺達二人の合わせた力より上なのだから
当然の出来事といえばそうなのだが。
流石は大魔王に唯一対抗できるという、
光の勇者、優羽花であろう。
俺は我が妹の強さを身を持って感じ取った。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
世界がダンジョン化していく件について ~俺のユニークジョブ『回避術師』は不敗過ぎる~
十本スイ
ファンタジー
突如現代世界に現れたモンスターたちに世界は騒然となる。そして主人公の家がダンジョン化してしまい、そのコアを偶然にも破壊した主人公は、自分にゲームのようなステータスがあることに気づく。その中で最も気になったのは、自分のジョブ――『回避術師』であった。そこはせめて『回復術師』だろと思うものの、これはこれで極めれば凄いことになりそうだ。逃げて、隠れて、時には不意打ちをして、主人公は不敗過ぎるこの能力で改変された世界を生き抜いていく。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
落ちこぼれの半龍娘
乃南羽緒
ファンタジー
龍神の父と人間の母をもついまどきの女の子、天沢水緒。
古の世に倣い、15歳を成人とする龍神の掟にしたがって、水緒は龍のはみ出しもの──野良龍にならぬよう、修行をすることに。
動物眷属のウサギ、オオカミ、サル、タヌキ、使役龍の阿龍吽龍とともに、水緒が龍として、人として成長していく青春物語。
そのなかで蠢く何者かの思惑に、水緒は翻弄されていく。
和風現代ファンタジー×ラブコメ物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる