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第284話 三秒の攻防の果て

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 人間を滅ぼし地上を我が物にしようとする
 魔族の長、大魔王の直属の高位魔族、
 魔界五軍将・魔言将まげんしょうイルーラ。
 彼女は突然俺に抱き付いて来て、
 自身の胸を俺の胸に押し付けて来た。

 俺は声も出せない程に驚愕した。
 何だこれは…一体どうすればいいのだ!

 イルーラは大魔王の代言だいげん
 彼女の来ている衣服は大魔王が着ていたものと言う事で
 サイズが大きくてぶかぶかなのであるが…
 それをものともせずその衣服越しにおっぱいの感触が伝わって来たあ!?
 イルーラはその腕や手を見る限り
 か細い身体の様に見えたのだが…
 意外にもおっぱいとても大きいのおおおっ!?

 流石は大魔王に次ぐ力を持つ高位魔族である魔界五軍将…
 おっぱいも魔族トップクラスという事という訳か。

 俺はキメ顔で状況を分析し脳内でキメ声でつぶやいた。
 何しろ俺はおっぱい星人、
 こうやって強がらなければ…
 全ての意識をおっぱいに持っていかれるからである。

 おっぱいのサイズ自体はポーラ姫に劣るかもしれないが
 イルーラはポーラ姫よりも
 か細い印象の体躯にも関わらずこの大きさ…
 つまり相対的にはイルーラのほうが大きいという事もあるのか…。
 ああ…おっぱいから彼女の心臓の音が伝わってくる…。
 なるほど、魔族も人間の様に心臓があるんだな…。

 それにしてもイルーラサン?
 いつまでこうされているんですかね…?
 いや俺は別にイヤとかそういう訳では無いのですよ?
 むしろおっぱい放題なんて大歓迎ですよ!
 でも…俺は…このままで良いのか?

 俺は徐々に彼女の高位魔族ハイデーモンおっぱいに意識を持っていかれ始めていた。
 まずい…このままでは…!?
 しかしこの乳圧にゅうあつは凄まじいものがある。
 25歳童貞の俺には如何いかんともし難い圧倒的な破壊力。

 かつて俺を何度も苦しめた王族ロイヤルおっぱいのポーラ姫…。
 彼女は血の繋がりこそないが兄妹の契りを交わした、れっきとした妹。
 妹に性的な思いを抱いてならない。
 これは俺の兄としての絶対的な心得。
 故に俺は兄としての心と意地でポーラ姫の猛攻に何とか耐えられたのである。

 しかしイルーラは妹でも何でもない。
 俺の兄としての心得は何も反応しない。
 俺の兄の尊厳が脅かされることも何もないのだ。
 つまり今の俺には彼女のおっぱいに対する抵抗力が全く無いのである。

 いや駄目だ!
 彼女は人間に敵対する魔族のボス格ではないか?
 幾ら彼女が高位魔族をまったく感じさえない振る舞いで、
 敵意も全く感じさせないとしても…
 俺を油断させるための演技かも知れないでは無いか!
 そうだ…これは罠だ!
 そうかも知れないんだ!!
 俺はそう強く思い込む事で、
 イルーラの高位魔族ハイデーモンおっぱいの感触から
 自分の意識を引き剥がそうと躍起になった。

「…私の心臓と貴方の心臓を重ねてより解る…
…これが『気』と呼ばれる力なのね…」

そんな俺に対してイルーラは今迄より更に強くおっぱいを押し付けて来た。

 うああああっーー!?
 これは…おっぱいの沼!!
 俺の身体がおっぱいに沈むううう!!??

 ああ…もう、どうにでもなれ…。

 俺は考えるのを止めた。
 そう、彼女のこのまま高位魔族ハイデーモンおっぱいに身を任せることにしたのだ。
 抵抗は無意味であると俺は理解したのである。
 ならば…全てを受け入れよう。

 イルーラが俺におっぱいを押し付けてから三秒の刹那…
 俺は時が止まったかの様な感覚の中で
 彼女のおっぱいと熾烈な攻防を繰り広げ…
 ここに完全敗北した…。
 無条件おっぱい降伏である。

「…それにしても、これ程の大きな未知の力を持っているなんて…
…流石は勇者ユウカの兄で『童貞』ということなのかしら…」

 しかし続いて出たイルーラの言葉が、
 完全におっぱいに負けて折れた俺の意識を再び呼び戻した。

 えっ…?
 イルーラサン?
 俺が『童貞』って…?
 何故…知っているんです…??
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