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第251話 諦めない意
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「…きゅう~……ですの…」
ポーラ姫は目を回して、地面に倒れ伏せている。
その頭には巨大なたんこぶが三つ出来ている。
ええっー!?
何これぇ…。
ついさっき迄、
本気の全力戦闘を展開してシノブさん相手に圧倒的に優勢だったポーラ姫が、
今はまるでギャグ漫画ギャグアニメのキャラの様なポーズで伸びている。
彼女のあまりの急な様相の変化に俺は色々と気持ちが付いていけない…。
「…うう…ケイガお兄様…」
ポーラ姫が俺の名を呼んでいる。
愛しい妹が兄に助けを求めているのだ。
ならば俺はその求めに問答無用で応じる迄である。
俺は彼女に手を差し伸べるべく右手を伸ばした。
「手を引いて下さいケイガ兄様!
そう油断させて兄様に抱き付いてそのまま引き込もうとする
姫様の術中の可能性があります故!」
ええっーー!?
俺は咄嗟に手を引き戻した。
でも幾らポーラ姫でも、
このタイミングでそんなことをする訳が無いだろうと
思うんだがシノブさん?
「…シノブ…余計なことを…ですわ…」
うおおおおおー!?
今ポーラ姫ぼそっと
”余計な事”って言った!
つまり俺があのまま手を差し出してたら、
大変なことになっていたのおっ!?
「クレハ、イチョウ、油断してはいけません。
姫様はこの聖王国を統べる聖王女。
我等の様な下賤では計り知れない、
人の上に立つ王者の心意を持たれるお方。
最後の最後まで勝利への渇望、
そして諦めない意思をお持ちの筈。
慎重に、慎重を重ねて…
本当にもう戦う力をお残しされて無いかを確認するのです」
「「はい、団長!」」
ふたりの姫騎士はシノブさんの言葉に頷くと
クレハは槍、イチョウは剣と、
それぞれの得物を構えて
ポーラ姫が本当にもう起き上がって来ないかを、
彼女の身体を確かめる様にやんわりと突いて確認している。
あの…ふたりとも?
命令したシノブさんもですけど、
結構ポーラ姫に対して容赦無いというか酷くありませんか?
彼女は貴女達が使える主人なんですよね?
確かにシノブさんたち姫騎士団の武器は、
組手稽古用の魔法が掛けられる様になっており、
相手に直撃しても大事には至らない様になっている。
まあ…切れないだけで当たると凄く痛いことには変わりは無いのだが。
「団長、姫様は全く動く気配がありませんわ」
「それでは姫様の身体に触れて確認するのです、
くれぐれも慎重にですよ」
「それでは団長、私が参りましょう」
クレハがポーラ姫の前に歩み出て、
ポーラ姫が動かないことを再度確認すると、
彼女の肩を担ぎ上げた。
「団長、姫様は気を失っている様です」
「なるほど…先程のお言葉は
言うなれば”寝言”だったということなのですね。
私の思い過ごしだった様です。
…いや、意識を失ってもなお、
夢の中でも兄様への攻勢を諦めないその姿勢は流石姫様というべきです」
試合での攻勢では無くて、
俺への攻勢のほうを諦めないんですかポーラサンッ!?
俺は心の中で絶叫した。
ポーラ姫は目を回して、地面に倒れ伏せている。
その頭には巨大なたんこぶが三つ出来ている。
ええっー!?
何これぇ…。
ついさっき迄、
本気の全力戦闘を展開してシノブさん相手に圧倒的に優勢だったポーラ姫が、
今はまるでギャグ漫画ギャグアニメのキャラの様なポーズで伸びている。
彼女のあまりの急な様相の変化に俺は色々と気持ちが付いていけない…。
「…うう…ケイガお兄様…」
ポーラ姫が俺の名を呼んでいる。
愛しい妹が兄に助けを求めているのだ。
ならば俺はその求めに問答無用で応じる迄である。
俺は彼女に手を差し伸べるべく右手を伸ばした。
「手を引いて下さいケイガ兄様!
そう油断させて兄様に抱き付いてそのまま引き込もうとする
姫様の術中の可能性があります故!」
ええっーー!?
俺は咄嗟に手を引き戻した。
でも幾らポーラ姫でも、
このタイミングでそんなことをする訳が無いだろうと
思うんだがシノブさん?
「…シノブ…余計なことを…ですわ…」
うおおおおおー!?
今ポーラ姫ぼそっと
”余計な事”って言った!
つまり俺があのまま手を差し出してたら、
大変なことになっていたのおっ!?
「クレハ、イチョウ、油断してはいけません。
姫様はこの聖王国を統べる聖王女。
我等の様な下賤では計り知れない、
人の上に立つ王者の心意を持たれるお方。
最後の最後まで勝利への渇望、
そして諦めない意思をお持ちの筈。
慎重に、慎重を重ねて…
本当にもう戦う力をお残しされて無いかを確認するのです」
「「はい、団長!」」
ふたりの姫騎士はシノブさんの言葉に頷くと
クレハは槍、イチョウは剣と、
それぞれの得物を構えて
ポーラ姫が本当にもう起き上がって来ないかを、
彼女の身体を確かめる様にやんわりと突いて確認している。
あの…ふたりとも?
命令したシノブさんもですけど、
結構ポーラ姫に対して容赦無いというか酷くありませんか?
彼女は貴女達が使える主人なんですよね?
確かにシノブさんたち姫騎士団の武器は、
組手稽古用の魔法が掛けられる様になっており、
相手に直撃しても大事には至らない様になっている。
まあ…切れないだけで当たると凄く痛いことには変わりは無いのだが。
「団長、姫様は全く動く気配がありませんわ」
「それでは姫様の身体に触れて確認するのです、
くれぐれも慎重にですよ」
「それでは団長、私が参りましょう」
クレハがポーラ姫の前に歩み出て、
ポーラ姫が動かないことを再度確認すると、
彼女の肩を担ぎ上げた。
「団長、姫様は気を失っている様です」
「なるほど…先程のお言葉は
言うなれば”寝言”だったということなのですね。
私の思い過ごしだった様です。
…いや、意識を失ってもなお、
夢の中でも兄様への攻勢を諦めないその姿勢は流石姫様というべきです」
試合での攻勢では無くて、
俺への攻勢のほうを諦めないんですかポーラサンッ!?
俺は心の中で絶叫した。
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