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転生しよう!!
しおりを挟む「じゃあ、本当にそれでいいんだね?」
「はい。よろしくお願いします。私の願いはーーーーーーだけです」
「わかった。じゃあ行ってらっしゃい」
「行ってきます」
少女が消えたあと、一人残された男はとても悲しそうな、苦しそうな顔をして立っていた。
「私は失敗してしまったのか?あの子を苦しませてしまっただけなのか?あの願いは....」
そして男は泣きそうな顔で呟いた
「どうか...どうか彼女が、心から幸せだったと思えるような人生を送れますように.....」
私は月雪澪つきゆきみお16歳だ。
学校の帰り道に誰かに急に押されて階段から落ちてしまった。そして目覚めると神と名乗るイケメンがいてて、異世界に転移してみないか?と言われた。「嫌だったら元の世界に返してあげる。階段から落ちる前の時間にね。どうする?」と。そして私は転移することにしたのだ。元の世界には、私の偽の体を置いておくらしい。そして、今に至る。
目が覚めると森の中だった。まあ街中に急に人が現れてもびっくりするもんね。
この世界は魔法が使えるらしい。貴族とかもいて、よくある異世界ものの話に出て来るような感じのようだ。基本的な生活魔法は神様に教えてもらってある。
とりあえず近くの町に行ってみますか。
てかこの辺にあるのかな。ん!魔法が使えたんだったね。えーっとたしか口に出さなくても頭の中で考えるだけでいいって言ってたよね。...よし、《マップ》
頭の中で考えたとたん、目の前にゲームでよく見るようなウィンドウ?みたいなのが現れて、そこには地図が書かれていた。
おーーーすごいな。ん、町はすぐ近くにあるみたいだね。まずはここに行くとしよう。
着くまでこれからどう生きていくか考えるかなーーーー。知り合いもいないし、学歴もこっちじゃゼロだし、やりたいことも特にな......あ!!!
せっかく異世界に来たんだから旅をすればいいじゃん!!!!!うん!!!いいね!!!そうしよう!!!!!!!簡単に決めすぎのような気もするが気にしない。異世界だし!楽しまなきゃね。
お金は...神様に相談しよ!!
そう、町の神殿に行けば神様と会話ができるらしい。
自由って最高!!!!!
と、そうこう考えているうちに街に着いたようだ。
うわーーーー!!!すごい!!!本当に異世界に来たんだ!!
獣人もいる!!興奮しながらも、私はとりあえず神殿に向かうことにした。えーっと、どこにあるんだ?聞いてみるか。
「すみません。神殿ってどこにありますか?」
「っ!!あ、ああ。神殿はあそこに見える大きな建物だ」
「??ありがとうございます」
しばらく歩くと、神殿に到着した。
おーーーー!!!!!結構大きいなーーー!!勝手に入っていいのかな?そう考えながらそろーっと扉を開けてみると、そこは見たこともないほど幻想的で、美しかった。
「っ!!!........」
私は見とれて言葉も出なかった。え?神殿ってこんなに美しいものなの?ステンドガラスからの光が本当にきれい。装飾も細かくて、人間業じゃないよ。
『澪、無事でよかった。僕の力で今は誰も来ないから安心してね。』
!!!??頭の中で神様の声が聞こえる!!??
「うん、澪の頭に直接語りかけてみたんだ。驚かせたいなーって思って。あ、私の名前をまだ言っていなかったね。私の名前はアレイだよ。改めてよろしく。」
「あ、はい。よろしくお願いします。えーっと、相談があってきたんですけど、旅をしようと思うんですけどお金をどうやって稼げばいいですかね?なんかいいアイデアありませんか?」
「この世界には冒険者という職業があって、ギルドで依頼を受ければお金を貰えます。雑用とか薬草の採集などの簡単な仕事もあっていいと思うよ」
「冒険者!!いいですね!!うん、そうします。ありがとうございますアレイ様!!」
「どういたしまして。あと様は付けなくていいよ、敬語も要らない」
「でも神様ですし..」
アレイはとびっきりの笑顔で言った。
「ア レ イ だよ?ほら、言ってご覧、言えるよね?」
なんか脅されてるような気がするけど気の所為だよね?なんか笑顔なのに怖いんですけど!!!
「わかった、わかったから。アレイ!!これでいいでしょ!!」
アレイはとても幸せそうに笑った。この世の人が見たら全員男女関係なく惚れてしまいそうな笑顔だった。
「うん、ありがとう澪」
「いいえ、では行ってきます」
「行ってらっしゃい」
.....澪はその笑顔を見ても頬ひとつ染めることがなかった
「よし!!ギルドはどっこかなー、すみません!ギルドってどこにありますか?」
私は近くにいた優しそうな女の人に聞いてみた
「っっ!!!えっと..ギルド..ですね!えっと地図を書きますね....はい!どうぞ」
「ありがとうございます!地図まで書いていただいて、助かりました!」
そう言って微笑むと、女の人は顔を赤く染めて「こちらこそ!!」と言って走って行ってしまった。
??こちらこそ????そういえば前の世界でもこういう事がたまにあったなーと思い出し、苦笑いをする。
優しい人だったなーーー
澪は知らなかった。アレイにも劣らないほどの美貌を自分が持っていることを..
さて、じゃあ改めて、しゅっぱーつ
澪が神殿を出たあとのアレイ
「旅かーーー。澪がやりたいことを見つけられたのは凄く嬉しいけど心配だなーー。澪は自分の美しさもわかってないし。まあ、あと少しで私がそっちに行けるから大丈夫かな。」
旅をして、いろんな人に出会って、そしたら澪は自分がおかしいことに気がつくだろう。そしたらその時、澪はどう思うのだろう。しかし、澪自信が願ったことだ。それを願ったということは澪の記憶からは消しているが。
「ふふっ、私は初めて会った日に失恋してしまったのだな。」
でも澪、ごめんね。私は諦めが悪い男みたいだ。
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