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手伝う?ことになってしまった……。

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 僕は断った。
渾身の力を込め、校舎の柱にしがみついてでも逃げようとした。

 でもダメだった。吸血鬼の種族値パワーには負けるし、こしょこしょと脇腹を触手の、あの妙に柔らかい繊毛で忍び込まれて探られると笑ってしまう。あひゃひゃひゃひゃ。ちくしょう!

「で? ゴミ捨て場で青姦はやめてよね!」
「うう……初めてをここで致すのは、ちょっとさすがに」
”ねー”
「ねー」
「ウザッ! 何このバカップル」

 またもや授業が終わった途端、僕は連行されてしまったわけだが、この二人のどうしようもない事情に巻き込まれている。

「でも、君は閨に関しては素晴らしきベテランだと、
 触手くんが……」
「うっ」

 しかも僕が吹いたホラ……ピンクくんが吸血鬼君と付き合う前についた嘘が尾を引いていた。
すなわち、僕が非童貞、であるという大嘘を……。いやしょーがないじゃん、だってさまさか触手くんがそういう世界に行ってしまうと思わなかったからさあ……転校生だし、僕だって有名になっていく触手くんに対抗意識を持つわけだよ? だからさ……少しは自慢したかったんだよ、嘘だけど。
 あの時のキラキラとした視線っぽいの、とっても気分よかったなぁ……触手相手に。

「と言うわけで、触手くんが密かに作った秘密基地がこちらです」
「え?」
「さ、参りましょう」

え、え、え、と。
僕は何がなんだかわからずに引っ張られた。なんだこれ。え?
異次元かな?
あっという間に引っ張られた校舎のあの割れ目は広い空間となっていた。

「は?」

白い。
白い部屋、の一言に尽きた。
そしてど真ん中に違和感ありまくりのデカすぎるベッド。

”頑張って作ったよ”

「え?」
「触手くんは器用だからなあ」

そんなレベルか?
と言わんばかりの一部屋だ。ちなみに振り返ると……、

「げっ、入ってきた扉が!」

ふふん、と動揺する僕に対しスケッチブックを見せつけてきた。

「えっちができたら出られるよ!
 って……どこのエロ同人かっ」

びたーん、とピンクが掲げたピンクい内容を床に打ち付けたが、ふふふ、とさらなる恐ろしい声がする。
そろり、と横を向けば、吸血鬼族特有の赤い目がきらりと光る。

「大丈夫、君はフォローしてくれたらいいから。
 初めてだけど……よろしくね?」
「いやああああああ!!」

 僕の絶叫は革新的室内に吸収されてるらしく、こだまして僕の耳を痛めるだけになった。





「ううっ……やめろー」
「さ、一緒にベッド乗りましょう!」
「なんでそんなやる気満々なの!?」

 半泣きの僕だ。そりゃそうだ、僕はただの人間だし普通の男子高校生だ。
こんなにもヤル気に溢れる吸血鬼はいくら美形だからって凄みありすぎて怖いし、ピンクはグネグネしすぎてもはや姿が見えない。いや、影分身しすぎて見えないだけだ。もはや暴風だよピンク。ピンクタイフーンだよ。やめろよ。一般的人類男子は叫んだ。

「僕はやだよー!」
「さすがに初めては触手くんに捧げるけど、
 君もちゃんと良い思いもするから」
「それあんたらだけ楽しいだけでしょ!」

僕は関係ない!
といいたいが、暴れる僕の手首に気付けば何かが引っ付いていた。がちゃん、と冷たい響き。
見れば強引に引っ張られた腕にピンクの触手くんがいて、僕の腕を金属の冷たい輪っこで拘束していた。
両手、タイーホ?
 ぞぞぞ、と怖気が走った。
あばばばば、と泡吹いた僕。生まれて初めてだよ、こんな屈辱受けたのは……!

「ひいっ! 手錠とか!
 監禁罪! 監禁罪! 犯人こらっ!」
「大丈夫だよモウマンタイ」
「ちっともモーマンタイじゃねーよ!」

適当に言いくるめようとする、吸血鬼も大概だ。
そして、触手くんも。友人甲斐のない……!
ベッドの端っこへ逃げようともがく。

「やめてよやめてよー!」
「フッフッフ」
「うう……」

背後に聞こえる吸血鬼君の怪しい含み笑いに少し泣きそうになった。いや僕は泣いている。
本当に。でも泣いたら涙が出てきて童貞ってバレるから、やっぱり嘘泣きするのはやめようと思う。

「さ、一緒に楽しもうね!」
”イエッサー”

ひいいいいい。
これは……本格的に、やばい?
とんでもない悪寒が再び舞い戻る。
ゆっくりと振り返ると、生物的に剛者な彼らの影が僕にアッー!


※次、R18です。3P注意。
といっても主人公は傍観テイストです今回。
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