20 / 71
猫耳の子
18話
しおりを挟む
貧しい暮らしは心を疲弊させる。魔法が使えるとはいえ、仕事がないときは生活維持費が減るばかり。人の多い都会ならともかく、田舎や中途半端な街だと食べれるものさえ路外に出されることはない。よそ者扱いは基本だが、奴隷狩りの襲撃に遭いやすくもなる。
(盗むことだけは……)
本当にまずいときは、そうするだろう。でないと私はどこぞの道端で仏様になってしまう。何度か危険な目には遭ってきた。身づくろいでさえきちんとできず、油っぽい髪とべたつく身体、それと歩きすぎて皮がむけてひどく痒い足の裏がみじめで、眠れぬ夜に少し、泣いた。
――――未だ殺すことに躊躇していた頃のことを思い出した。
「南の国と戦争だって……」
「とんでもないこと」
ざわざわとざわめく晩餐会。
控えである召使専用の部屋ではあちこちで人の塊ができ、あれやこれやと相談という形の華を咲かせる。食べ物にいつもは群がる貧乏家の使用人でさえも興味の矛先がこれから行われるであろう戦争について、であった。
(生き死にが関わってくることだからねえ)
それでいて、彼らは皆、他人事のように。口々に戦争について南の国なんて、と扱き下ろすことに熱心である。さもありなん、ここは国の中央、首都である。ここが落とされたらもはや国としての存在意義が失われるので、北の国の召使いどもは口では勇ましいことを言いながらも、実のところ自分たちは高見の見物と洒落込んでいるのである。
(……あー……路銀さえ、あれば)
私はさっさと枕を高くして眠れる場所に潜み、戦況結果によっては南の国へ移住するのに。
厄介なことになったもんだ、と、そそくさと大図書館へ向かうことにした。
腹ごしらえは済んだのだ、
(獣耳について、調べるか)
やることはやっておこう。私みたいな立場の人間が高等な情報を入手できるはずもない。もっといえば貴族でもないし、伝手というものがさほど持ちあわせがないので身軽といえば身軽だが、こういう機会でなければ私はこの世界の叡智にさえ触れるタイミングがない。
テレビやラジオも何もない異世界では、暇なことが多い。
喋ることが唯一の娯楽のような面もあるにはある。だが、私には自分の生まれ故郷を語る相手なんて存在しないし、まるで夢や幻のように感じることがある。私は生まれながらに、こうして根無し草なのではないか、と。そう思う時がある。そういうとき、とてつもない穴が私の足元にぽかりと開いていて、いつ落ちてしまいかねないかと冷や冷やする。
夜会のときのように、
(30分、)
と、決めた。
あまり読み込むと、私の頭も具合が悪くなる。いや、元からかもわからない。
前と変わらず大図書館はそびえていた。
やや埃臭いのは主が帰ってこないから、なのかもしれなかった。趣味である本を集めるわりに読むこともせず、この国の王は戦争について頭を悩ませているんだろうか。いや、そんなことはないだろう。自分から、鳥の人を捕獲にいったのだ。
王自らの奴隷狩り。
なんとも気持ち悪く、えげつない行為。あの鳥人のためにも祈っておこう、さっさと消えてしまえばよい、と。世代交代すれば少しはマシになるかもしれない。王子が幾人かいるんだったけ。なあに、少々の内乱ぐらい、どうってことはない。ただし、南の国から攻め入られたら、隙を見せたら終わりだが。財産は散々に搾り取られるであろう、壁や家は隠しごとがないかと破壊され尽くされるであろう。
この国の人間は銀の髪に紫の瞳と、それなりの容姿の白っぽい人間が多い。奴隷狩りの人間にしてみたら、高値で売れるか? いや貴重なほどの種類ではないから薄利多売か。
(……この世界を理解しているように錯覚させられる)
絶滅危惧種、の背表紙をさらりと撫でゆき、まとわりつく薄気味悪さを耐えて息をつく。
案の定、人は誰もこない。我が身可愛い人たちばかり。
さて、足早に控えに戻ってきたが、未だ晩餐会は終わりがみえない様子だ。
あまりにも長く足止めされてしまってるがゆえに手持ち無沙汰で眠たそうな年かさメイド相手に、話を聞いてみる。静かな一角にて、彼女はぼんやりとしていた。声をかけると、ゆっくりと私を見上げるうつらうつらとしていた瞳。
「あら、おたくも?
わたしのところのご主人様もそうなのよ」
頬に手を当て、欠伸をしながら椅子に腰かけている。
「なんでも、幻の王族様……公爵様が、戦争はやめようとおっしゃってるの。
でも、王様が駄目だって怒ってるわ」
どうやら衆目の面前でそんなやりとりが行われていたものらしい。
しかし、いつまでもブツクサと文句を言いあう訳にもいかない、王様は場の仕切り直しに終始した。のだが、そこでも公爵は。有力貴族たちの取り成しにもめげず、公爵様はあれこれと戦争反対を訴えた。
「……あら、ご主人様だわ。
さ、わたしはもう眠い。さようなら、見知らぬ人」
一気に人が増えてきた。出入口に向かう眠そうなメイドの後姿を見送っていると、入れ替わりに奥様つきのメイドが私の姿を発見して手招きしてくれる。
「リア。帰るわよ、支度なさいな」
馬車もせわしい。
ロータリー路に順繰りに貴族のお偉いさんを乗せていく。男爵夫人の番になるのは当分先だが、その待っている間、奥様とメイドが例の噂をこそこそと話し合っている。他の人たちも似たようなもので、今回の晩餐会での顛末があちこちでひそひそと垂れ流していた。
「やっぱり戦争になってしまうのね。
公爵様、それはそれは端正なお方でしたが、
先見の明がなかったわね」
奥様、それはもうゆったりとしたスカートをソファに沈みこませてアレコレと酒に当てられたものか頬を染めて。扇をぱたぱたと煽いでいる。
「南の国と和平交渉だなんて!」
「公爵様はお若い方です」
「それはそうなのだけれど。あの王陛下を怒らせてまで……、
若すぎる。いいえ、若すぎたのよ」
「……このままでは」
「そうね。良くて軟禁、悪くて最前線かしら」
(哀れ)
私の願いは別の人間に直撃してしまったようだ。王ではなく、公爵と呼ばれるカッコ良い人が頑張ってみたもののようだが、結局は権力闘争に負けてしまったようだ。いや、真正面からぶつかったようだったから、ただのアホだと見るべきか。馬鹿正直者といえばそうだが。
(……なんて、無慈悲な人たち)
ようやくやってきた男爵家の家紋が入った馬車に奥様が入り込む。
私もまた、周囲を見渡し。抱える魔術書を撫でながら、メイドの次に座る。
「リア、あなたはしばらくうちに居るつもりよね?」
「はい、奥様」
「ふふ、それは重畳。お金を前借りしたものね」
続く話は、私をさらにつまらなくさせる。
「これから、この首都から男の人手が少なくなる。
戦争ですもの。
こういうとき、魔法使いの女は便利よ」
(さっさと消えたいな)
奥様は計算づくで私を雇っていた。
それはまあ、分かりきっていたことだが。こうして正面切って言われると、なんとも言いようのない気持ちがこみ上げてくる。見捨てたくもなる。自分の身は自分で守ってくれりゃいいのに。
(……けれど、それはそれで傲慢かもしれない)
魔法という力があるからこそ、私は己の身を守ることができた。もし力がなければ。私はもう、この世に存在なんてしていないだろう。頬杖つきながら、流れる車窓の外を見送る。見送り続けた。
街並みは暗い。
晩餐会の時間があってもなお、街の人々は眠る。貴族ではない彼らは大人しく日々を過ごしている。お偉いさんの考えは分からないと、平穏無事な生活さえ送れれば良いと考えている。選挙権も何もない世界だ、蹂躙されるだけされるのは運がなかったという、ただそれだけ。市民革命の歴史もない世界だ、人権なんて想像力さえ働かないのかもしれない。それなら奴隷制を否定するか。
ますます、気分が悪くなりそうだ。
無理をして本を読みこまなかったが、せめて争いが私の契約期間外に起きてくれることを祈るばかり。
(盗むことだけは……)
本当にまずいときは、そうするだろう。でないと私はどこぞの道端で仏様になってしまう。何度か危険な目には遭ってきた。身づくろいでさえきちんとできず、油っぽい髪とべたつく身体、それと歩きすぎて皮がむけてひどく痒い足の裏がみじめで、眠れぬ夜に少し、泣いた。
――――未だ殺すことに躊躇していた頃のことを思い出した。
「南の国と戦争だって……」
「とんでもないこと」
ざわざわとざわめく晩餐会。
控えである召使専用の部屋ではあちこちで人の塊ができ、あれやこれやと相談という形の華を咲かせる。食べ物にいつもは群がる貧乏家の使用人でさえも興味の矛先がこれから行われるであろう戦争について、であった。
(生き死にが関わってくることだからねえ)
それでいて、彼らは皆、他人事のように。口々に戦争について南の国なんて、と扱き下ろすことに熱心である。さもありなん、ここは国の中央、首都である。ここが落とされたらもはや国としての存在意義が失われるので、北の国の召使いどもは口では勇ましいことを言いながらも、実のところ自分たちは高見の見物と洒落込んでいるのである。
(……あー……路銀さえ、あれば)
私はさっさと枕を高くして眠れる場所に潜み、戦況結果によっては南の国へ移住するのに。
厄介なことになったもんだ、と、そそくさと大図書館へ向かうことにした。
腹ごしらえは済んだのだ、
(獣耳について、調べるか)
やることはやっておこう。私みたいな立場の人間が高等な情報を入手できるはずもない。もっといえば貴族でもないし、伝手というものがさほど持ちあわせがないので身軽といえば身軽だが、こういう機会でなければ私はこの世界の叡智にさえ触れるタイミングがない。
テレビやラジオも何もない異世界では、暇なことが多い。
喋ることが唯一の娯楽のような面もあるにはある。だが、私には自分の生まれ故郷を語る相手なんて存在しないし、まるで夢や幻のように感じることがある。私は生まれながらに、こうして根無し草なのではないか、と。そう思う時がある。そういうとき、とてつもない穴が私の足元にぽかりと開いていて、いつ落ちてしまいかねないかと冷や冷やする。
夜会のときのように、
(30分、)
と、決めた。
あまり読み込むと、私の頭も具合が悪くなる。いや、元からかもわからない。
前と変わらず大図書館はそびえていた。
やや埃臭いのは主が帰ってこないから、なのかもしれなかった。趣味である本を集めるわりに読むこともせず、この国の王は戦争について頭を悩ませているんだろうか。いや、そんなことはないだろう。自分から、鳥の人を捕獲にいったのだ。
王自らの奴隷狩り。
なんとも気持ち悪く、えげつない行為。あの鳥人のためにも祈っておこう、さっさと消えてしまえばよい、と。世代交代すれば少しはマシになるかもしれない。王子が幾人かいるんだったけ。なあに、少々の内乱ぐらい、どうってことはない。ただし、南の国から攻め入られたら、隙を見せたら終わりだが。財産は散々に搾り取られるであろう、壁や家は隠しごとがないかと破壊され尽くされるであろう。
この国の人間は銀の髪に紫の瞳と、それなりの容姿の白っぽい人間が多い。奴隷狩りの人間にしてみたら、高値で売れるか? いや貴重なほどの種類ではないから薄利多売か。
(……この世界を理解しているように錯覚させられる)
絶滅危惧種、の背表紙をさらりと撫でゆき、まとわりつく薄気味悪さを耐えて息をつく。
案の定、人は誰もこない。我が身可愛い人たちばかり。
さて、足早に控えに戻ってきたが、未だ晩餐会は終わりがみえない様子だ。
あまりにも長く足止めされてしまってるがゆえに手持ち無沙汰で眠たそうな年かさメイド相手に、話を聞いてみる。静かな一角にて、彼女はぼんやりとしていた。声をかけると、ゆっくりと私を見上げるうつらうつらとしていた瞳。
「あら、おたくも?
わたしのところのご主人様もそうなのよ」
頬に手を当て、欠伸をしながら椅子に腰かけている。
「なんでも、幻の王族様……公爵様が、戦争はやめようとおっしゃってるの。
でも、王様が駄目だって怒ってるわ」
どうやら衆目の面前でそんなやりとりが行われていたものらしい。
しかし、いつまでもブツクサと文句を言いあう訳にもいかない、王様は場の仕切り直しに終始した。のだが、そこでも公爵は。有力貴族たちの取り成しにもめげず、公爵様はあれこれと戦争反対を訴えた。
「……あら、ご主人様だわ。
さ、わたしはもう眠い。さようなら、見知らぬ人」
一気に人が増えてきた。出入口に向かう眠そうなメイドの後姿を見送っていると、入れ替わりに奥様つきのメイドが私の姿を発見して手招きしてくれる。
「リア。帰るわよ、支度なさいな」
馬車もせわしい。
ロータリー路に順繰りに貴族のお偉いさんを乗せていく。男爵夫人の番になるのは当分先だが、その待っている間、奥様とメイドが例の噂をこそこそと話し合っている。他の人たちも似たようなもので、今回の晩餐会での顛末があちこちでひそひそと垂れ流していた。
「やっぱり戦争になってしまうのね。
公爵様、それはそれは端正なお方でしたが、
先見の明がなかったわね」
奥様、それはもうゆったりとしたスカートをソファに沈みこませてアレコレと酒に当てられたものか頬を染めて。扇をぱたぱたと煽いでいる。
「南の国と和平交渉だなんて!」
「公爵様はお若い方です」
「それはそうなのだけれど。あの王陛下を怒らせてまで……、
若すぎる。いいえ、若すぎたのよ」
「……このままでは」
「そうね。良くて軟禁、悪くて最前線かしら」
(哀れ)
私の願いは別の人間に直撃してしまったようだ。王ではなく、公爵と呼ばれるカッコ良い人が頑張ってみたもののようだが、結局は権力闘争に負けてしまったようだ。いや、真正面からぶつかったようだったから、ただのアホだと見るべきか。馬鹿正直者といえばそうだが。
(……なんて、無慈悲な人たち)
ようやくやってきた男爵家の家紋が入った馬車に奥様が入り込む。
私もまた、周囲を見渡し。抱える魔術書を撫でながら、メイドの次に座る。
「リア、あなたはしばらくうちに居るつもりよね?」
「はい、奥様」
「ふふ、それは重畳。お金を前借りしたものね」
続く話は、私をさらにつまらなくさせる。
「これから、この首都から男の人手が少なくなる。
戦争ですもの。
こういうとき、魔法使いの女は便利よ」
(さっさと消えたいな)
奥様は計算づくで私を雇っていた。
それはまあ、分かりきっていたことだが。こうして正面切って言われると、なんとも言いようのない気持ちがこみ上げてくる。見捨てたくもなる。自分の身は自分で守ってくれりゃいいのに。
(……けれど、それはそれで傲慢かもしれない)
魔法という力があるからこそ、私は己の身を守ることができた。もし力がなければ。私はもう、この世に存在なんてしていないだろう。頬杖つきながら、流れる車窓の外を見送る。見送り続けた。
街並みは暗い。
晩餐会の時間があってもなお、街の人々は眠る。貴族ではない彼らは大人しく日々を過ごしている。お偉いさんの考えは分からないと、平穏無事な生活さえ送れれば良いと考えている。選挙権も何もない世界だ、蹂躙されるだけされるのは運がなかったという、ただそれだけ。市民革命の歴史もない世界だ、人権なんて想像力さえ働かないのかもしれない。それなら奴隷制を否定するか。
ますます、気分が悪くなりそうだ。
無理をして本を読みこまなかったが、せめて争いが私の契約期間外に起きてくれることを祈るばかり。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
もう二度とあなたの妃にはならない
葉菜子
恋愛
8歳の時に出会った婚約者である第一王子に一目惚れしたミーア。それからミーアの中心は常に彼だった。
しかし、王子は学園で男爵令嬢を好きになり、相思相愛に。
男爵令嬢を正妃に置けないため、ミーアを正妃にし、男爵令嬢を側妃とした。
ミーアの元を王子が訪れることもなく、妃として仕事をこなすミーアの横で、王子と側妃は愛を育み、妊娠した。その側妃が襲われ、犯人はミーアだと疑われてしまい、自害する。
ふと目が覚めるとなんとミーアは8歳に戻っていた。
なぜか分からないけど、せっかくのチャンス。次は幸せになってやると意気込むミーアは気づく。
あれ……、彼女と立場が入れ替わってる!?
公爵令嬢が男爵令嬢になり、人生をやり直します。
ざまぁは無いとは言い切れないですが、無いと思って頂ければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる