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第三章
潤校長 9
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実際、職務上、多くの大人と関わらねばならなかったが、大人を前にすると、自分も大人であるにも関わらず、ひどく気後れした。
大人にいいように使われて、誰にも助けてもらえなかった過去が、潤を怯えさせた。
しかし、大人に立ち向かった時の記憶が、逃げ出した先でかくまってくれた大人の存在が、謝罪してきたかつての大人が、潤の行いを支持してくれる後援者たちが、潤に勇気と自信を与えてきた。
何度もくじけそうになりながら、ここまで来た。
そんな金は出せないと、後援者に怒鳴られたり、前代未聞だから支持できないと上司に言われたり、そんな前例はないから許可できないと役人に言われたりするたびに、潤は、恐怖に震えた。
たぶん、潤のように、乳幼児期からの不安定な親子関係、両親の不和、等のない人間は、ここまで怯えることはなかっただろう。
けれど、その都度、教会の神父が、親代わりとなって、潤を励ましてくれた。
神父は、潤の過剰な崇敬と依存を、自分からそらし、神への依存にうまく導いた。
だから、好意を持ったり、親しくなると、脅迫的なまでに性的な関係に進んでしまう潤の癖が、改善されたのだった。
性的行為に及ばなくとも、自分を支持してもらえる。
危うい自分を利用しようとする悪に、潤は、打ち勝ったのだ。
大人にいいように使われて、誰にも助けてもらえなかった過去が、潤を怯えさせた。
しかし、大人に立ち向かった時の記憶が、逃げ出した先でかくまってくれた大人の存在が、謝罪してきたかつての大人が、潤の行いを支持してくれる後援者たちが、潤に勇気と自信を与えてきた。
何度もくじけそうになりながら、ここまで来た。
そんな金は出せないと、後援者に怒鳴られたり、前代未聞だから支持できないと上司に言われたり、そんな前例はないから許可できないと役人に言われたりするたびに、潤は、恐怖に震えた。
たぶん、潤のように、乳幼児期からの不安定な親子関係、両親の不和、等のない人間は、ここまで怯えることはなかっただろう。
けれど、その都度、教会の神父が、親代わりとなって、潤を励ましてくれた。
神父は、潤の過剰な崇敬と依存を、自分からそらし、神への依存にうまく導いた。
だから、好意を持ったり、親しくなると、脅迫的なまでに性的な関係に進んでしまう潤の癖が、改善されたのだった。
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