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【第二部】第一章
楽園の蛇 1
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「ねえ、潤、今夜、僕のお尻、どうなるの?」
僕は、ずっと気になっていたことを尋ねた。
「しないよ。瑤は、ずっととっておく」
潤は、唇だけ、にっこり笑った。
「してもいいよ?」
僕は遠慮がちに申し出た。
「え? したいの?」
潤は、意外だ、というように僕に尋ねた。
「ちょっと興味あるかも……」
僕は、おずおずと言った。
「わかった。今夜は、俺は、瑤のお尻開発するつもりはないけど、そのうちね」
潤は、ふふっと艶に笑った。
「うん。早く、潤としたいよぅ」
僕は、ちょっとふざけて甘えて笑った。
潤が、ぱっと、ダイニングルームの入り口に目を向けた。
潤の顔つきが変わり、緊張した面持ちになった。
おじ様が、戻ってきたのだった。
「そろそろいいかな」
おじ様が言った。
おじ様は、僕の座っている椅子の傍らに来た。
おじ様の目が、僕をじっと見下ろした。
視線が、僕の身体を這い回るのを感じた。
おじ様は言った。
「君が、官能を好む性質を持っているのは、明白だ」
おじ様の大きな、熱を帯びた、少し表面の乾いた手が、椅子に座った僕の身体を、ゆっくりと、蛇のように、這い回った。
「やめて、ください」
僕は、最初に、そう言った。
全く無意味な言葉だった。
言葉は、僕の無力さを強調しただけだった。
僕は、ずっと気になっていたことを尋ねた。
「しないよ。瑤は、ずっととっておく」
潤は、唇だけ、にっこり笑った。
「してもいいよ?」
僕は遠慮がちに申し出た。
「え? したいの?」
潤は、意外だ、というように僕に尋ねた。
「ちょっと興味あるかも……」
僕は、おずおずと言った。
「わかった。今夜は、俺は、瑤のお尻開発するつもりはないけど、そのうちね」
潤は、ふふっと艶に笑った。
「うん。早く、潤としたいよぅ」
僕は、ちょっとふざけて甘えて笑った。
潤が、ぱっと、ダイニングルームの入り口に目を向けた。
潤の顔つきが変わり、緊張した面持ちになった。
おじ様が、戻ってきたのだった。
「そろそろいいかな」
おじ様が言った。
おじ様は、僕の座っている椅子の傍らに来た。
おじ様の目が、僕をじっと見下ろした。
視線が、僕の身体を這い回るのを感じた。
おじ様は言った。
「君が、官能を好む性質を持っているのは、明白だ」
おじ様の大きな、熱を帯びた、少し表面の乾いた手が、椅子に座った僕の身体を、ゆっくりと、蛇のように、這い回った。
「やめて、ください」
僕は、最初に、そう言った。
全く無意味な言葉だった。
言葉は、僕の無力さを強調しただけだった。
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