潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十六章

正三角関係 1

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潤は、トモの声で我に返った。

「考えてみたけど、三人が全員、バランスよく思うのは難しいんじゃない?」

トモが潤の方に首を向けて言った。

そうだ、三人は、難しい。

譲と昴と潤、竹春と譲と潤、竹春と倫子と潤、竹春と竹秋と倫子、竹春と竹秋と潤の母、瑤と潤と竹春、瑤と潤と譲、譲とコウと潤、洋輔と譲とコウ、洋輔とコウと潤、トモと潤と昴

「この場合、あとはトモさんが、昴兄さんと寝てくれればいいだけだよ」

「え?」

「あとはトモさんが、昴兄さんと寝てくれれば、平等な正三角形の完成ってこと」

「そういう問題じゃないだろう」

「昴兄さんって、美形だよ?」

潤はすすめた。

「だから、そういう問題でもないって」

トモは潤の方に身体を向けて、そう言った。

「昴兄さんの、眼鏡外した顔、見たことないの?」

「見たことあるけど」

「けど、好みじゃない? 」

トモもハンサムだから、昴の美貌に動じないのだろうか?

「潤は、昴兄さんの顔、好きだけどなぁ」

潤は、昴の素顔を思い出して微笑んだ。

昴は性格がねじけていて、潤に意地悪なことばかり言うし、変なガラクタを持ち込むし。

それでも耐えられるのは、昴の美貌のせいだった。

「昴は、性格が、ちょっと怖いから」

「潤の方が怖いかも、ふふ」

「ジュン君は、昴兄さんに舐められちゃうんだ?」

トモは、潤が乱れる姿を想像しているように艶に微笑んだ。

「そう。あのねぇ、これ、言っちゃっていいかなぁ?  言ったら、昴兄さん、怒るだろうけど」

潤は、トモの顔色をうかがった。

「え、何?」

トモは真面目な顔になった。

「昴兄さんって、トモさんが帰ったあと、潤とセックスするんだ」

「えー?」

「信じられないでしょ」

「いや、昴なら、あり得る」

「趣味悪いよね?」
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