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第十六章
昴 4
しおりを挟む潤は、軽くたたんだ衣服を、ソファのところまで置きにいって、ベッドに戻ってきた。
肘をついて横向きに寝ていたトモは、ベッドの脇に立った潤を、上目遣いで見上げて言った。
「ジュン君、可愛いな」
潤は、観念して、ベッドに上がろうと、トモに背を向けて、ベッドの端に腰掛けた。
潤は、背中に視線を感じた。
潤が振り返ると、トモと目が合った。
「来て」
トモが言い、潤は黙って身を横たえた。
トモは、向かい合わせで、潤を横抱きに抱いた。
トモの長い腕が、潤の身体にからんだ。
背中を撫でられると、気持ちがよかった。
「ん? どうした? 気持ちいいの?」
「うん」
潤が正直に答えると、トモは
「ふふっ」
と笑った。
「いいね、この子、ほんとに寝たくなっちゃう」
トモは、トモの部屋のドアに近い、ベッドの足元の方に立って二人の様子を見ていた、昴の方を見上げて言った。
「いいんだぜ? ほんとに寝ても」
「ううん、だめだよ。16歳でしょ?」
「裸でベッドインしてる時点でアウト」
昴が言った。
「そうだな」
トモは、潤の前髪をなでた。
「でも、かわいそうだよ。無理やりするなんて」
トモは、言った。
「無理やりじゃないよ。抵抗してないじゃないか」
「さっき、抵抗してたよ」
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