潤 閉ざされた楽園

リリーブルー

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第十六章

汚れた生肉

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「うん、肉が大きな舌で、潤をべろべろってするの」

「大きな舌で舐められちゃうんだ?」

「そう、化け物が、潤を美味しそうって思って、べろべろするの」

「食べないでください。べろべろ舐めてもいいですから」

潤が言った。

「うむ。確かに食べてしまうには、惜しい美少年だ。体中どこでも、好きな時にべろべろされてもいいというなら、食べずにいてやろう」

「そうしてください、肉の化け物の瑤様」

「なぜ俺様の名前がわかった?」

「僕の、恋人の名前が、瑤だからです」

「恋人?」

僕は、聞き返した。

「恋人じゃないの?」

「えっ、あっ、いいの?」

「何度も、そう言ってるのに」

「えっ、そうだったっけ?」

「恋人じゃないなら、なんなの?」

「友達」

「うーん、恋人じゃないかな?」

案外、嬉しくないのは、どうしてだろう?



僕は聞いた。

「その肉、食べさせられたんだ?」

「その肉って?」

「潤が、汚してしまった、生肉」

「あ、うん……」

潤が、僕の指先を握りしめた。

潤が、興奮してきたのがわかった。

「どうだった?  味」

「え……」

「潤のアレがついた肉の味」

「忘れた」

潤は、隠した。

「覚えてるでしょ?  美味しかった?」

「美味しくはない……。でも、叔父様も食べるの手伝ってくれたから」

潤が、ポッと赤くなった。
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