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お姉さんに慰められる
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俺は、しくしく泣きだした。
「どうしたのですか?」
お姉さんは優しく俺に問いかける。
そして着物を一枚脱いで、俺に着せかけてくれた。
裸じゃなくなったのはありがたいんだけど、
そのせいで、お姉さんは薄着になって、下着っぽい着物が見えるし、俺は、お姉さんの匂いがする着物に包まれるし。
着せかけてもらったとき、密着されるし。
助けてー!!
俺は、逃げ出したい気持ちをおさえて、ふるふる震えていた。
「まるで、初めてのようですね」
とお姉さんは、袖口で口もとを隠して笑った。
いじわるな人では、ないのかもしれない。
いやいや、十分いじわるだ。
「あなたがいけないんですよ」
お姉さんは言う。いや、俺じゃないから! 悪いのは、あいつ。ひかるきみがお姉さんになんかしたんだろー!
そうだっ。そーに違いない。
だから、俺を身がわりにしたんだな!?
「あなたが、来てくださらないから」
ああ、あのひかるきみという男は、恋人を放っておいたんだな。
「でも、今は、そんなに、泣くほどに、悪かったと思ってらっしゃるのね」
教養のありそうなお姉さんは勝手に解釈してくださっている。
「そうです」
ちがうけど、そう言っておこう。
「かわいい人ですね」
お姉さんは、そう言って、また、そっとお上品に笑った。
「うわさでは、あなたは、遊び歩いているというけれど」
ないない。俺はそんなことないから。
ふらふら修学旅行中に迷ったのは方向音痴のせいだし。ついでに言えば誰も俺がいなくなったことなんて気にしていないから。自分でいってて悲しくなる。
「どうしたのですか?」
お姉さんは優しく俺に問いかける。
そして着物を一枚脱いで、俺に着せかけてくれた。
裸じゃなくなったのはありがたいんだけど、
そのせいで、お姉さんは薄着になって、下着っぽい着物が見えるし、俺は、お姉さんの匂いがする着物に包まれるし。
着せかけてもらったとき、密着されるし。
助けてー!!
俺は、逃げ出したい気持ちをおさえて、ふるふる震えていた。
「まるで、初めてのようですね」
とお姉さんは、袖口で口もとを隠して笑った。
いじわるな人では、ないのかもしれない。
いやいや、十分いじわるだ。
「あなたがいけないんですよ」
お姉さんは言う。いや、俺じゃないから! 悪いのは、あいつ。ひかるきみがお姉さんになんかしたんだろー!
そうだっ。そーに違いない。
だから、俺を身がわりにしたんだな!?
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「そうです」
ちがうけど、そう言っておこう。
「かわいい人ですね」
お姉さんは、そう言って、また、そっとお上品に笑った。
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ないない。俺はそんなことないから。
ふらふら修学旅行中に迷ったのは方向音痴のせいだし。ついでに言えば誰も俺がいなくなったことなんて気にしていないから。自分でいってて悲しくなる。
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