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第十一章 再び生徒会室
イケメン教師、生徒会長の告白を聞く
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「そうそう。パンツの話をしていたんだったな」
風紀委員長が話を戻した。
「え、そうだっけ?」
生徒会長が言った。
「そうですよ。時代はパンツです」
宮本が勝ち誇ったように言った。
「パンツを頭に被せられていた一年生が、ラグビー部部長が言ってた性奴隷か……」
風紀委員長が、問題だ、というように考え深げに腕組みして言った。
「絶対につぶしてやる」
宮本が怒りを露わにして言った。
「そんな忌まわしい制度は生徒総会で廃止されたはずだ。やつらは、隠れてまだ、そんな酷いことをしていたんだな」
生徒会長も憤った。
「廃止されたとか以前に、そんなの人権侵害だ。もともと法律違反だ」
風紀委員長は生徒会長の発言をフォローした。
「あれ? パンツの話じゃない。僕は僕の話を小坂先生に話していたんだった」
生徒会長が気づいて、話をやっと本筋に戻した。
「僕が一年生のとき、ラグビー部の魔の手から助けだしてくれた、前の生徒会長の話をしていたんですよね」
生徒会長は軌道修正して、頬を赤らめた。
「彼は、そのとき、まだ二年生だったけれど、水泳部のエースでもあって……」
生徒会長は、いったん言いよどんだ。
「その……僕は、もともと彼に憧れていたんです」
小坂は、聞いているよということを示すために、生徒会長の話に頷いた。
「彼は、二年生なのに、三年に立ち向かって、僕を助けだしてくれました」
生徒会長は、目を輝かせた。
反対に風紀委員長は、つまらなそうな顔をした。
「でも、それでも、それなのに、その前会長に、このベッドで初めてされた時は、ショックでした……」
生徒会長は顔を手で覆った。
小坂は生徒会長の肩に手を置いて言った。
「そうだろうな」
「はい……。だって、そんなことをするなんて、思いもよらなかったから……」
生徒会長は、顔から手をはずして言った。
「助けてもらって感謝していたし、信頼していたから、ここについてきたんです。なのに、僕に、あんなことをするなんて……」
生徒会長は泣きそうな顔をした。
「矛盾してるかもしれませんけど、僕は、そんなこと、したくはなかったんです。前の会長のことは好きでしたけど、そんなことをするつもりは……」
生徒会長の目に涙がにじんだ。
「好きだからこそ、そんなこと、してほしくなかった」
生徒会長の目から涙がこぼれ落ちた。
「僕は、間違っていますか?」
「いいや。君の気持ちは、よくわかる」
小坂は答えた。
「僕は、前の会長を兄のように慕っていたんです。だから、そんなこと、してほしくなかった」
生徒会長は親指のつけ根で涙をぬぐった。
「僕は、彼を信頼していたのに」
生徒会長の目から涙が溢れ落ちる。
「前の生徒会長のことを君は信頼していたんだね」
小坂がうなずいて繰り返すと、生徒会長が、小坂の胸にすがりついてきた。小坂は生徒会長を抱きしめた。
「彼とは、今でも……」
生徒会長は小坂の胸から顔をあげて言った。
「なんで、そんなやつと。おかしいだろ」
口をはさんだのは風紀委員長だった。
「前から言ってるじゃないか。仕方ないんだ」
生徒会長が、やっきになって言い返した。
「『仕方ない』ああ、君は、いつも、そう言うね」
風紀委員長の声は抑えていたが、怒りを含んでいた。
「だって……」
生徒会長は弁解しようとした。
だが風紀委員長は、また生徒会室を出て行ってしまった。
風紀委員長が話を戻した。
「え、そうだっけ?」
生徒会長が言った。
「そうですよ。時代はパンツです」
宮本が勝ち誇ったように言った。
「パンツを頭に被せられていた一年生が、ラグビー部部長が言ってた性奴隷か……」
風紀委員長が、問題だ、というように考え深げに腕組みして言った。
「絶対につぶしてやる」
宮本が怒りを露わにして言った。
「そんな忌まわしい制度は生徒総会で廃止されたはずだ。やつらは、隠れてまだ、そんな酷いことをしていたんだな」
生徒会長も憤った。
「廃止されたとか以前に、そんなの人権侵害だ。もともと法律違反だ」
風紀委員長は生徒会長の発言をフォローした。
「あれ? パンツの話じゃない。僕は僕の話を小坂先生に話していたんだった」
生徒会長が気づいて、話をやっと本筋に戻した。
「僕が一年生のとき、ラグビー部の魔の手から助けだしてくれた、前の生徒会長の話をしていたんですよね」
生徒会長は軌道修正して、頬を赤らめた。
「彼は、そのとき、まだ二年生だったけれど、水泳部のエースでもあって……」
生徒会長は、いったん言いよどんだ。
「その……僕は、もともと彼に憧れていたんです」
小坂は、聞いているよということを示すために、生徒会長の話に頷いた。
「彼は、二年生なのに、三年に立ち向かって、僕を助けだしてくれました」
生徒会長は、目を輝かせた。
反対に風紀委員長は、つまらなそうな顔をした。
「でも、それでも、それなのに、その前会長に、このベッドで初めてされた時は、ショックでした……」
生徒会長は顔を手で覆った。
小坂は生徒会長の肩に手を置いて言った。
「そうだろうな」
「はい……。だって、そんなことをするなんて、思いもよらなかったから……」
生徒会長は、顔から手をはずして言った。
「助けてもらって感謝していたし、信頼していたから、ここについてきたんです。なのに、僕に、あんなことをするなんて……」
生徒会長は泣きそうな顔をした。
「矛盾してるかもしれませんけど、僕は、そんなこと、したくはなかったんです。前の会長のことは好きでしたけど、そんなことをするつもりは……」
生徒会長の目に涙がにじんだ。
「好きだからこそ、そんなこと、してほしくなかった」
生徒会長の目から涙がこぼれ落ちた。
「僕は、間違っていますか?」
「いいや。君の気持ちは、よくわかる」
小坂は答えた。
「僕は、前の会長を兄のように慕っていたんです。だから、そんなこと、してほしくなかった」
生徒会長は親指のつけ根で涙をぬぐった。
「僕は、彼を信頼していたのに」
生徒会長の目から涙が溢れ落ちる。
「前の生徒会長のことを君は信頼していたんだね」
小坂がうなずいて繰り返すと、生徒会長が、小坂の胸にすがりついてきた。小坂は生徒会長を抱きしめた。
「彼とは、今でも……」
生徒会長は小坂の胸から顔をあげて言った。
「なんで、そんなやつと。おかしいだろ」
口をはさんだのは風紀委員長だった。
「前から言ってるじゃないか。仕方ないんだ」
生徒会長が、やっきになって言い返した。
「『仕方ない』ああ、君は、いつも、そう言うね」
風紀委員長の声は抑えていたが、怒りを含んでいた。
「だって……」
生徒会長は弁解しようとした。
だが風紀委員長は、また生徒会室を出て行ってしまった。
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