上 下
7 / 11

Spank me

しおりを挟む
 気持ちいい、ただ気持ちいい。きつく乳首を吸われて、僕は被虐的なのかもしれないと思った。少し痛いくらいに吸われると、より一層興奮した。僕は、この人にお仕置きされたいという変な欲望が湧いてきて、何をとちくるったか、
"Spank me!"
と叫んでしまった。ああ、僕はそうでもしなければ、異国で見知らぬ男子とこんな行為に及ぶなどという、自分としては大それた行為を自分に許すことなどできなかっただろう。それに痛みを感じれば、この、今にもイきそうな快感から、逃れることができるだろうなどという、浅はかな考えを抱いたのだった。彼より先にいってしまうのは恥ずかしい。そうしたハジライの気持ちもあった。
 彼の方が圧倒的にいい体をしている。僕は日本人だから仕方がないと思う。日本人としては平均的な体格だと思う。だが、このハリウッドスターのようなムキムキしたハンサムの前では、まことに貧弱な身体に見えた。年の頃はたいして変わらないだろう。同じくらい、同世代のように僕は思っていたが、実際にはどうだかわからない。単に見た目が好きだというだけで、優しく声をかけられ褒められ、丁寧に扱ってもらったというだけで、ここまで身体を許してしまっている自分の愚かさよ。少しは疑うことを知ったらどうだ。そんなことだから、人間関係でやられて、昇進したのに傷心旅行というわけのわからない事態に陥るんだと、僕は自分を責めた。
 だから僕は、彼のお尻叩きを必要としていた。彼が僕を再びベッドの上で裏返して、僕をうつぶせにさせた。僕は彼が叩きやすいように少しお尻を持ち上げた。
 彼は、本当にいいの?というように、僕の意志を確認するように僕の顔を覗き込んだ。心配そうな顔だったが、僕がうなずくと、彼は唇を半開きにして目つきをとろんとさせて、興奮したような顔つきになった。彼が興奮していると思うと僕にも興奮が感染した。
 ぺちん、と彼が手のひらで軽く叩いた。あぁ、すごくいい。変態みたいだが、僕はそう思った。今度は、もう片方のお尻を彼が叩いた。ぱちん、彼が僕のお尻を叩くたびに、僕のお尻はきゅっと引き締まった。彼にお尻の穴までまる見えのポーズだ。
"Harder"
僕は要求した。再び彼が僕の顔を覗き込んだ。ベッドにうつぶせになって枕を抱きかかえていた僕は、彼を片方の目で見た。大丈夫?というように彼は僕の顔を見た。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ダンス練習中トイレを言い出せなかったアイドル

こじらせた処女
BL
 とある2人組アイドルグループの鮎(アユ)(16)には悩みがあった。それは、グループの中のリーダーである玖宮(クミヤ)(19)と2人きりになるとうまく話せないこと。 若干の尿意を抱えてレッスン室に入ってしまったアユは、開始20分で我慢が苦しくなってしまい…?

いろいろ疲れちゃった高校生の話

こじらせた処女
BL
父親が逮捕されて親が居なくなった高校生がとあるゲイカップルの養子に入るけれど、複雑な感情が渦巻いて、うまくできない話

ストレスを感じすぎた社畜くんが、急におもらししちゃう話

こじらせた処女
BL
社会人になってから一年が経った健斗(けんと)は、住んでいた部屋が火事で焼けてしまい、大家に突然退去命令を出されてしまう。家具やら引越し費用やらを捻出できず、大学の同期であった祐樹(ゆうき)の家に転がり込むこととなった。 家賃は折半。しかし毎日終電ギリギリまで仕事がある健斗は洗濯も炊事も祐樹に任せっきりになりがちだった。罪悪感に駆られるも、疲弊しきってボロボロの体では家事をすることができない日々。社会人として自立できていない焦燥感、日々の疲れ。体にも心にも余裕がなくなった健斗はある日おねしょをしてしまう。手伝おうとした祐樹に当たり散らしてしまい、喧嘩になってしまい、それが張り詰めていた糸を切るきっかけになったのか、その日の夜、帰宅した健斗は玄関から動けなくなってしまい…?

可愛い男の子が実はタチだった件について。

桜子あんこ
BL
イケメンで女にモテる男、裕也(ゆうや)と可愛くて男にモテる、凛(りん)が付き合い始め、裕也は自分が抱く側かと思っていた。 可愛いS攻め×快楽に弱い男前受け

平熱が低すぎて、風邪をひいても信じてもらえない男の子の話

こじらせた処女
BL
平熱が35℃前半だから、風邪を引いても37℃を超えなくていつも、サボりだと言われて心が折れてしまう話

ダメですお義父さん! 妻が起きてしまいます……

周防
BL
居候は肩身が狭い

勇者よ、わしの尻より魔王を倒せ………「魔王なんかより陛下の尻だ!」

ミクリ21
BL
変態勇者に陛下は困ります。

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

処理中です...