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第4章
第4話 ~火曜~
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昼休み、漣と真司は屋上で昼飯を食べていた。
「……今日も誰もいないな」
「そうですね。屋上だけでなく、校庭にも誰もいないので、皆さん教室で食べているのでしょう」
「これも異常だよな」
真司はため息をつく。
漣は、真面目な顔で真司の方を見て言った。
「保健室の先生、どう思いますか?」
「んー、微妙だな。確かに違和感を感じる気もするが、あのセンコーがこの状況を作り出すメリットがあるとは思えねぇ」
「まぁ、確かにそうですね……」
「とは言っても、他に調べるあても無いし、保健室のセンコーはオレが調べるわ」
真司はしょうが無いとでもいう雰囲気を出して言う。
「別に私が調べてもいいですよ」
「いや、漣の能力の方が応用性があるし、まずはオレが行った方がリスクが少ないだろ。
……それに、あのセンコーとは相性が良いと思うんだよな」
「……それであれば、お願いします」
真司が獲物を前に舌なめずりでもしそうな雰囲気なので、漣は了解した。
「じゃあ、オレは午後は保健室に行くから、聞かれたら体調不良って言っといてくれ。放課後にまたここで集まろう」
「了解です。気を付けて」
漣と真司は屋上を離れ、それぞれの目的地に向かった。
昼休み後、最初の授業である5限は体育だった。
今日は、体育館の中央に緑のネットを引き、男女で別れてバスケットボールという普通の授業だった。
近藤さんも参加している。
(あのおっぱいの揺れからして……女子はやはり下着は着けてないんですね。 特に気にしてないようですが……近藤さん以外は)
漣は、自分のチームが試合していない時に中央のネット付近で女子を横目に観察していた。
近藤さんは、少し睨んだ様子で漣の存在に気づいて近寄ってきた。
そして、小声で漣に話しかける。
「あんまりジロジロ見ないでよ」
「そんな見てないですよ。それより、昨日は下着は脱がないと言ってましたが、結局脱いだのですか?」
「……保健の授業で思ったの。他の女子に合わせないと変に目立って逆に注目を浴びちゃうし、男子もイヤらしい目線では見てこないって。
……三日月くんと藤原くん以外ね」
「そんな。真司はどうだか知らないですが、私はイヤらしい目線でなんて見ていませんよ」
「自覚の無いことが恐ろしいわ。……取り敢えず、他の女子と同じ行動を取って目立たないようにするって方針に変えたから、意識して私を視界に入れないようにしてね。
藤原くんにも言っておいて」
近藤さんは、自分の言いたいことだけ言うと漣のそばを離れた。
(いやー、そんなに見てるつもりは無かったのですが。まぁ、あのおっぱいに目がいくのは生理現象と言ってもいいでしょうから仕方ないですね)
漣は、自分の中でそう言い訳をした。
「おし、じゃあ、今日はこれで終わりだな。気を付けて帰れよ。
えーと、明日の女子の服装は……上はキャミソールでブラジャーなし、下は下着のパンツだけだな。あ、靴下や靴は履くように。じゃあ、解散」
全ての授業が終わり、下校前のHRで担任から爆弾発言がなされて近藤さんは再び固まった。
クラスメイトは特に気にした様子もなく、下校の準備を始めた。
漣は真司との約束を果たすため、屋上に向かった。
「どうでした?」
漣が屋上に行くと真司は既にいた。
「あのセンコーはシロだな。関係ない。」
「そうですか……」
「ただ、有用な情報が得られた」
「何ですか?」
漣は、期待を込めて聞いた。
「あのセンコーはいろんなクラスで授業をしたが、違和感を感じた生徒が2人いたらしい」
「2人ですか……」
「1人は転校生の近藤だ。まぁ、ここの説明は不要だわな。もう1人は、隣のクラスの牛山<うしやま>っていうヤツだ」
「牛山くん……確か、大人しい感じの方ですよね?」
「ああ、多分そいつだ。センコー曰く、異常に恥ずかしそうにしていて女子にほとんど触れないらしい」
「……まぁ、みんなが当たり前のように受け入れている中でその反応は珍しいですね。
明日にでも接触してみますか」
「そうだな、昼休みに屋上に誘うか」
漣と真司は明日の方針を決めた。
「そういえば、どうやって保健室の先生から聞き出したんですか?」
「ん?まずは、授業で分からなかったところがあるって言って、散々全身の性感帯を刺激したところで、ヤリながら聞いたから、嘘は言ってないと思うぜ」
「……なるほど」
「どうやらあのセンコー、ショタの気があるようで喜んでたよ。……まぁ、女子でもいいらしいけどよ。
念のため、オレの顔だけじゃなくて話した内容にも記憶のモザイクをかけといたし、大丈夫だろうよ」
「今後、保健室にちょっと行きづらくなりましたね……」
こうして火曜日が終わった。
「……今日も誰もいないな」
「そうですね。屋上だけでなく、校庭にも誰もいないので、皆さん教室で食べているのでしょう」
「これも異常だよな」
真司はため息をつく。
漣は、真面目な顔で真司の方を見て言った。
「保健室の先生、どう思いますか?」
「んー、微妙だな。確かに違和感を感じる気もするが、あのセンコーがこの状況を作り出すメリットがあるとは思えねぇ」
「まぁ、確かにそうですね……」
「とは言っても、他に調べるあても無いし、保健室のセンコーはオレが調べるわ」
真司はしょうが無いとでもいう雰囲気を出して言う。
「別に私が調べてもいいですよ」
「いや、漣の能力の方が応用性があるし、まずはオレが行った方がリスクが少ないだろ。
……それに、あのセンコーとは相性が良いと思うんだよな」
「……それであれば、お願いします」
真司が獲物を前に舌なめずりでもしそうな雰囲気なので、漣は了解した。
「じゃあ、オレは午後は保健室に行くから、聞かれたら体調不良って言っといてくれ。放課後にまたここで集まろう」
「了解です。気を付けて」
漣と真司は屋上を離れ、それぞれの目的地に向かった。
昼休み後、最初の授業である5限は体育だった。
今日は、体育館の中央に緑のネットを引き、男女で別れてバスケットボールという普通の授業だった。
近藤さんも参加している。
(あのおっぱいの揺れからして……女子はやはり下着は着けてないんですね。 特に気にしてないようですが……近藤さん以外は)
漣は、自分のチームが試合していない時に中央のネット付近で女子を横目に観察していた。
近藤さんは、少し睨んだ様子で漣の存在に気づいて近寄ってきた。
そして、小声で漣に話しかける。
「あんまりジロジロ見ないでよ」
「そんな見てないですよ。それより、昨日は下着は脱がないと言ってましたが、結局脱いだのですか?」
「……保健の授業で思ったの。他の女子に合わせないと変に目立って逆に注目を浴びちゃうし、男子もイヤらしい目線では見てこないって。
……三日月くんと藤原くん以外ね」
「そんな。真司はどうだか知らないですが、私はイヤらしい目線でなんて見ていませんよ」
「自覚の無いことが恐ろしいわ。……取り敢えず、他の女子と同じ行動を取って目立たないようにするって方針に変えたから、意識して私を視界に入れないようにしてね。
藤原くんにも言っておいて」
近藤さんは、自分の言いたいことだけ言うと漣のそばを離れた。
(いやー、そんなに見てるつもりは無かったのですが。まぁ、あのおっぱいに目がいくのは生理現象と言ってもいいでしょうから仕方ないですね)
漣は、自分の中でそう言い訳をした。
「おし、じゃあ、今日はこれで終わりだな。気を付けて帰れよ。
えーと、明日の女子の服装は……上はキャミソールでブラジャーなし、下は下着のパンツだけだな。あ、靴下や靴は履くように。じゃあ、解散」
全ての授業が終わり、下校前のHRで担任から爆弾発言がなされて近藤さんは再び固まった。
クラスメイトは特に気にした様子もなく、下校の準備を始めた。
漣は真司との約束を果たすため、屋上に向かった。
「どうでした?」
漣が屋上に行くと真司は既にいた。
「あのセンコーはシロだな。関係ない。」
「そうですか……」
「ただ、有用な情報が得られた」
「何ですか?」
漣は、期待を込めて聞いた。
「あのセンコーはいろんなクラスで授業をしたが、違和感を感じた生徒が2人いたらしい」
「2人ですか……」
「1人は転校生の近藤だ。まぁ、ここの説明は不要だわな。もう1人は、隣のクラスの牛山<うしやま>っていうヤツだ」
「牛山くん……確か、大人しい感じの方ですよね?」
「ああ、多分そいつだ。センコー曰く、異常に恥ずかしそうにしていて女子にほとんど触れないらしい」
「……まぁ、みんなが当たり前のように受け入れている中でその反応は珍しいですね。
明日にでも接触してみますか」
「そうだな、昼休みに屋上に誘うか」
漣と真司は明日の方針を決めた。
「そういえば、どうやって保健室の先生から聞き出したんですか?」
「ん?まずは、授業で分からなかったところがあるって言って、散々全身の性感帯を刺激したところで、ヤリながら聞いたから、嘘は言ってないと思うぜ」
「……なるほど」
「どうやらあのセンコー、ショタの気があるようで喜んでたよ。……まぁ、女子でもいいらしいけどよ。
念のため、オレの顔だけじゃなくて話した内容にも記憶のモザイクをかけといたし、大丈夫だろうよ」
「今後、保健室にちょっと行きづらくなりましたね……」
こうして火曜日が終わった。
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