上 下
6 / 32
第1章

第6話

しおりを挟む
「目を閉じてください。女性器の触診をさせてください」

 漣がそうお願いをして、新堂さんは目を閉じていた。

 

 漣はゆっくり割れ目に沿って優しく指を動かす。

「あっ……」

 新堂さんの口から声が漏れる。今度は両手が膝の裏を支えるのに使われているため、口を押さえることもできない。

 

 漣は丁寧に陰核の周りを撫でていく。それに伴い、少しずつ陰核が膨らみをおびる。

 

「中の方も触診させてください」

 漣は言うと同時に人差し指を新堂さんの女性器に入れた。

「ああ!」

 突然の衝撃に新堂さんの背中が反る。

 

 漣の指にはたくさんの愛液が付着する。新堂さんの女性器はかなり濡れていた。

「気持ちいい場所があったら教えてください」

 漣は内部は順番に触れながら、触り方を変えつつ丹念に刺激していく。

「あ……ああ!そこ、そこの刺激が強くて……優しくしてもらうと気持ちいい……かも」

 新堂さんは今までの羞恥で限界まで緊張した様子から、少し緊張が解け、火照った体に連動するように気持ちの方も性欲に忠実になっているようだった。

 

 漣はかなりの時間を愛撫にかけていたが、一瞬、時計を見てから新堂さんに言った。

「すいません、新堂さん。私の我儘を聞いて欲しいです。女性の体について学んでいたのですが、新堂さんの綺麗な裸を見ているうちにどうにも性欲が止まらなくなって。セックスをさせてくれませんか?」

 新堂さんは真っ赤な顔で、少し虚ろな目をして漣を見ている。漣は言った。

「……一生のお願いです」

 新堂さんは1度深呼吸をしてから答えた。

「……電気を消してくれるなら」

 

 漣は素早く電気を消し、自分の衣服を全て脱ぐ。机の引き出しからコンドームを取り出し、多少手間取りながらも装着した。

 そして、先程と同様に新堂さんの女性器の前に膝立ちになる。新堂さんは膝を手で支えて、目を閉じたままだ。

「我儘を聞いてくれてありがとう。……挿入しますね」

 漣は、はやる気持ちから少し自分の声が裏返ったのを感じた。

 少し挿入する。

「……暖かい」

 漣の口から小さな声が漏れる。

 すぐにつっかえたように進めなくなるため、その少しの部分で抜き差しを繰り返す。

「痛いとか、気持ちいいとか、そういうのを教えてください。あと、体の力を抜いてください」

 漣がそういった途端、新堂さんの体の力が抜け、ぐっと漣の男性器が新堂さんの女性器の半ばくらいまで侵入する。

「「ああっ!」」

 2人して声が出る。

(そっか、体の力を抜くようにお願いしたから、それを叶えられたんだ。新堂さんの中は入口以上に熱くて……締め付けが気持ちいい)

 漣はゆっくりと挿入を繰り返しながら聞いた。

「痛い?」

「あ……す、少し。でも……それ以上に気持ちいいから大丈夫」

「それは良かった。

膝の裏を手で支えるのを辞めて、私の背中に手を回せますか?」

「う、うん……」

 新堂さんはそっと漣の背中に手を回す。

 

 新堂さんの大きなおっぱいが漣の胸元で変形し、その柔らかい感触が伝わる。

(うお……おっぱいがすごい良い感触。やばい、下半身が止まらない……)

 漣の反復が大きくなり、新堂さんの奥を繰り返し刺激する。

「あ、ああ!……気持ちいい、すごい気持ちいいよ、三日月くん!」

 新堂さんがぎゅっと漣を抱きしめる。

 

 漣はラストスパートで素早く反復動作を繰り返す。

「あー!……もう、おかしくなる!おかしくなっちゃうよー、三日月くん!」

「くっ……」

 漣はコンドームの中に性を吐き出し、動きをゆっくりと落ち着けた。

 

 2人の荒い息だけが部屋の中に響く。

 2人はぎゅっと抱きしめあったままだった。

「私、初めてだったのにな……」

 新堂さんがポツりと呟く。

「ごめん……。今日のことはどうかこの家を出たら全て忘れて欲しいです。

自分勝手な話だけど、すごい気持ち良かったです。ありがとうございます」

 新堂さんは漣のことを少し見つめた後、再度抱きしめて漣の耳元で言った。

「うん……私もすごい気持ち良かったから」

 

 2人はしばらく抱き合っていたが、ふとしたタイミングで体を離し、その後は無言で体を拭いたり、服を着たりした。

 

 無言のまま玄関まで来た2人。新堂さんが靴をはいたところで漣は言った。

「……忘れ物はないですか?」

「……大丈夫」

「……じゃあ、気をつけて帰ってください。今日はありがとうございます」

 

 新堂さんは少し漣を見つめた後、漣の家を立ち去った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

「霊感がある」

やなぎ怜
ホラー
「わたし霊感があるんだ」――中学時代についたささいな嘘がきっかけとなり、元同級生からオカルトな相談を受けたフリーターの主人公。霊感なんてないし、オカルトなんて信じてない。それでもどこかで見たお祓いの真似ごとをしたところ、元同級生の悩みを解決してしまう。以来、ぽつぽつとその手の相談ごとを持ち込まれるようになり、いつの間にやら霊能力者として知られるように。謝礼金に目がくらみ、霊能力者の真似ごとをし続けていた主人公だったが、ある依頼でひと目見て「ヤバイ」と感じる事態に直面し――。 ※性的表現あり。習作。荒唐無稽なエロ小説です。潮吹き、小スカ/失禁、淫語あり(その他の要素はタグをご覧ください)。なぜか丸く収まってハピエン(主人公視点)に着地します。 ※他投稿サイトにも掲載。

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

【完結】23侯爵の跡継ぎのはずですが、突然平民になりましたが。

華蓮
恋愛
ラインスズ侯爵のリサは、後継ぎとして、10歳から、当主教育をさせられ、実務を仕切り、家のための婚約者もいた。 妹のマリは、可愛いから、ニコニコしていたらいい。何もしないで育った。 ある日、突然、妹に婚約者を奪われ、跡継ぎも奪われた。 リサは、どのように幸せになるのか?

前世の祖母に強い憧れを持ったまま生まれ変わったら、家族と婚約者に嫌われましたが、思いがけない面々から物凄く好かれているようです

珠宮さくら
ファンタジー
前世の祖母にように花に囲まれた生活を送りたかったが、その時は母にお金にもならないことはするなと言われながら成長したことで、母の言う通りにお金になる仕事に就くために大学で勉強していたが、彼女の側には常に花があった。 老後は、祖母のように暮らせたらと思っていたが、そんな日常が一変する。別の世界に子爵家の長女フィオレンティーナ・アルタヴィッラとして生まれ変わっても、前世の祖母のようになりたいという強い憧れがあったせいか、前世のことを忘れることなく転生した。前世をよく覚えている分、新しい人生を悔いなく過ごそうとする思いが、フィオレンティーナには強かった。 そのせいで、貴族らしくないことばかりをして、家族や婚約者に物凄く嫌われてしまうが、思わぬ方面には物凄く好かれていたようだ。

働く男②〜セクハラされた男達〜

熊次郎
BL
働く男〜中年男のセクハラ〜のスピンオフ。登場した5人の男の物語。 工藤へそれぞれの異なった想いが集まっていく、、、。

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

運命のαを揶揄う人妻Ωをわからせセックスで種付け♡

山海 光
BL
※オメガバース 【独身α×βの夫を持つ人妻Ω】 βの夫を持つ人妻の亮(りょう)は生粋のΩ。フェロモン制御剤で本能を押えつけ、平凡なβの男と結婚した。 幸せな結婚生活の中、同じマンションに住むαの彰(しょう)を運命の番と知らずからかっていると、彰は我慢の限界に達してしまう。 ※前戯なし無理やり性行為からの快楽堕ち ※最初受けが助けてって喘ぐので無理やり表現が苦手な方はオススメしない

処理中です...