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第六章 偽り
格好は大事
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「『という訳で、お前達がクエストを完了して帰ってくるまでの間、そのお嬢様の尊属護衛クエストを受ける事になった』」
俺は、ライの専属護衛を引き受けた事を、仲間通話でアシェリ達に報告した。
「『何がという訳でなのよ、あなた。予想通りにしてやられてるじゃない』」
「『主様、もはや驚きはしませんが、何故か溜息が出てしまいます』」
「『ヤナ様がよく仰っている、正にお約束ですね』」
「『………で、いつ帰ってくる?』」
「『その縋るような声は、そそるけどまだ無理ね』」
「『近くにいる時に、そう言う声でお願いしてください』」
「『大丈夫ですよ? 私達が帰ったら元気になりますから』」
全員に見捨てられ、俺は通話を切り、トボトボと屋敷の食堂へと向かった。
「はぁ、こんな事ならあいつらに付いていけばよかった……元気が出ねぇよ」
「盛り盛り特盛の朝御飯を遠慮なく食べているマスターは、先ず説得力がないですね」
「それとこれとは、別だからな」
「流石、もう慣れっこですね、よっ! このお約束男!」
「やかましいわ! 男つければ、何でもヒーローっぽくなると思うなよ!」
俺は、ヤナビと軽口を言い合いながら、朝飯食べ続けるのであった。
「色々予定外だったけどぉ、結果ちゃぁんと助けられたしぃ、まぁいっかぁ」
私は、あの男が助けに来た時を思い出していた。
「次は、どうしよかなぁ?」
元々、アレに引き続き、次の役もやってもらうつもりだった為、変わりを用意しないといけなかった。
アレぐらいでは、あの男の相手に成りそうにならない為に、私は少し考えた後に一人の魔族の姿を思い浮かべた。
「ケンちゃんに、お願いしようかなぁ。玩具みつけたら教えろって言ってたしぃ」
私は、次の配役の準備をするべく準備を始めた。
「『貴方を近くに』『貴方:ケンちゃん』」
私は、指定した空間の一部を繋げる『貴方を近くに』で『貴方』をケンちゃんに設定して、魔法を発動した。
「『はぁい、ケンちゃぁん、元気ぃ?』」
「『あぁ? アイラスか、お前今何処にいるんだ?』」
「『内緒ぉ』」
「『内緒って、お前なぁ……お前は目と耳がないんだから、どこ行くかは誰かに言っておけ』」
ケンちゃんの呆れた声が、繋げた空間の穴から聞こえてくる。
「『いいじゃぁん、その代わりぃ面白い玩具あげるからぁ』」
「『ほほう、其れならば良いだろう。アイラスが、面白いという位だ。楽しめそうなんだろうな?』」
ケンちゃんの獰猛な声が、聞こえてくる。
「『うぅん、多分? まぁ、普通の名持ちじゃ、話にならないくらいかなぁ?』」
「『あん? えらく曖昧だな。直接見てないのか?』」
「『見てなぁい、だって私、途中で寝ちゃったしぃ』」
そもそも、捕まっているフリをして部屋にいたので、戦い自体は見ていない。
「『何だそりゃ? 大丈夫かよ、すぐ壊れちまうんじゃないのか、その玩具』」
「『でも、私の空間に斬って入ってきたよぉ? 見てないけど、ケンちゃんに前斬られた時とぉ同じ感覚が伝わってきたしぃ』」
「『ほう、それは中々良い情報だな。アイラスの空間を斬るってこたぁ、次元を斬る力はあるって事だ。それならば、雑魚名持ちじゃ話にならんだろう。よし、どうしたらその玩具と遊べるんだ?』」
「『それはねぇ……』」
ライは、誘拐から帰って来たところであった為、自分の部屋で休むと言って食事も部屋で済ませていた。その為、専属護衛としての仕事もなかったので、ひとまず屋敷の使用人の休憩所で横になり、休ませてもらう事にした。
「あれ? セバスも休んだりするんだな」
「勿論、私も人間ですから、休憩くらいとりますぞ?」
「勝手な想像で、執事って常に働いていると思っててな。そりゃ、休むよな」
俺が寝転んでいたソファーから座り直して、セバスと雑談をしていると慌てた様子で、若い使用人の女性が休憩所に駆け込んできた。
「セバス様! 今玄関に矢文が!」
「なんだと!?」
「矢文って、また古風だなおい」
その女性が玄関前を掃除していたところ、何処からともなく気付いた時には、矢文が玄関の扉に刺さっていたそうだ。
矢文を受け取ったセバスが、書いてある文字を読みながら、ワナワナと震えている。
「なんて書いてあったんだ? 誘拐の次は、命を狙いに来るってか?」
俺が、そう言うとセバスは俺に勢いよく顔を向けて、絶句していた。
「あぁ、マジでそうなのね……」
俺が呆れていると、セバスが口を開く。
「はい……ヤナ様の仰る通りです。ライ様のお命を、貰いに参ると書いてあります」
「相手の名前やいつ来るかなんかは、まさか書いてあったり?」
俺が、そう問いかけると、セバスは再度固まった。
「その通りでございます。何故、わかったのですか?」
「ん? そうしたほうが、筋書きが書きやすいだろ?」
「はい?」
セバスが意味が分からないと言った顔をしていたが、スルーして、相手の名前といつ襲ってくるかを聞いた。
「『本日、日が落ち闇に沈む時、美しき女の命を貰い受ける。ケンシー』と書いてあります」
「剣士?」
「いえ、ケンシーです。本日、日が落ちる頃というと、ここで街の有力者を招いた舞踏会が行われる予定です。恐らく、その時と重なりそうです」
「先ず聞きたいんだが、昨日ライお嬢様誘拐されたってのに、今日の舞踏会は中止にしてなかったのか?」
そもそも、誘拐の予告状が前日に出されている状況で、次の日の舞踏会が延期になっていないのはおかしいだろう。
「いえ、中止にすることは、誘拐犯に屈する事であり、もし中止を狙った狂言であった場合には、旦那様の顔が潰れる事となるため、その選択はありませんでした」
「そんなもんかねぇ。で、当然今回の暗殺予告に対しても中止はしないと?」
「旦那様にこれからお伝えしますが、当然その様な判断になるかと」
「はぁ……で、その場合は専属護衛の俺はどうしたら?」
「ヤナ様は、こちらで用意する服の着替えて頂きます。流石に上流階級の皆様の集まる舞踏会にそれでは……」
セバスは、俺の格好いいイカした装備を指差し、言いにくそうにしていた。
「くっ、ジャケット着用じなきゃダメなのか!」
「マスター、そんなレベルじゃないですよ、きっと」
「……取り敢えず、夜来るって言ってるんだから、それまでは何もないだろ。昨日は寝てないから、夜までここで寝る。あっ、昼飯は食べに起きるからよろしく」
セバスを含めてその場にいた使用人達に呆れらていたが、御構い無しに再びソファーで横になり目を瞑る。
「『ヤナビ、俺は本当に寝るが、周囲とライの部屋を警戒しておいてくれ』」
「承知しました、マスター」
周囲とライの部屋の警戒をヤナビに頼み、俺は眠りについた。
宣言通り、昼に一度飯を食べる為に起きた後は、再び休憩室のソファーで眠り、完全に身体を休ませる事に集中した。
「ヤナ様、そろそろ着替えをして、舞踏会の警護の準備をなさってください」
「ふあぁあ……よく寝た……分かった……その着る服ってのは、どれだ?」
「此方にございます」
「……何故、黒のスーツ? おまけにご丁寧に白のシャツに、黒ネクタイ。極め付けは編み上げの革靴?」
まるで、何処ぞの名作映画の主人公のような格好に唖然としていると、更に無線となる魔道具のイヤホンを渡された。
「……これは、誰の趣味?」
「趣味? 昔より舞踏会等で警護する者の格好は、こうですが?」
「昔って?」
「さぁ? 確か何代か前の勇者様が、その様に決めたそうです」
「コスプレじゃねぇかぁああ!」
「エンダァアアアア! しましょうか?」
「俺が撃たれるフラグを立てるな!」
「自分で先に、立てたくせにぃ」
俺は、そのボディガードのコスプレをしながら、ライの部屋へと向かったのだった。
ライの部屋の前に着くと、扉の傍に使用人の女性が立っていた。
「ライは、そろそろか?」
「はい、中で舞踏会のドレスに着替えてらっしゃいます」
「一人か?」
?「いえ、使用人がお着替えをさせて頂いております」
「そうか、ならばここで待たせて貰おう」
日は暮れ始めたが、まだ闇にはなっていない為、暗殺は起きないと判断し、部屋の外で待機した。
「まぁ、狙うならもっと劇的なタイミングだろうしな」
「何か?」
「いや、何でもない」
若干、使用人の女性が訝しげな表情をしていたが、気づかないふりをして壁際に立ち、ライの準備が終わるのを待っていた。
十数分待っていると、扉が開き、中から煌びやかなドレスを身を纏ったライが出てきた。
「今日は、よろしくお願いします」
「あぁ、任せておけ」
俺とライは、それだけ言葉を交わすと、会場となる部屋へと歩き出すのであった。
先に歩く俺の背中を、ライがどんな表情で見ているのか、俺は知る由もなかった。
俺は、ライの専属護衛を引き受けた事を、仲間通話でアシェリ達に報告した。
「『何がという訳でなのよ、あなた。予想通りにしてやられてるじゃない』」
「『主様、もはや驚きはしませんが、何故か溜息が出てしまいます』」
「『ヤナ様がよく仰っている、正にお約束ですね』」
「『………で、いつ帰ってくる?』」
「『その縋るような声は、そそるけどまだ無理ね』」
「『近くにいる時に、そう言う声でお願いしてください』」
「『大丈夫ですよ? 私達が帰ったら元気になりますから』」
全員に見捨てられ、俺は通話を切り、トボトボと屋敷の食堂へと向かった。
「はぁ、こんな事ならあいつらに付いていけばよかった……元気が出ねぇよ」
「盛り盛り特盛の朝御飯を遠慮なく食べているマスターは、先ず説得力がないですね」
「それとこれとは、別だからな」
「流石、もう慣れっこですね、よっ! このお約束男!」
「やかましいわ! 男つければ、何でもヒーローっぽくなると思うなよ!」
俺は、ヤナビと軽口を言い合いながら、朝飯食べ続けるのであった。
「色々予定外だったけどぉ、結果ちゃぁんと助けられたしぃ、まぁいっかぁ」
私は、あの男が助けに来た時を思い出していた。
「次は、どうしよかなぁ?」
元々、アレに引き続き、次の役もやってもらうつもりだった為、変わりを用意しないといけなかった。
アレぐらいでは、あの男の相手に成りそうにならない為に、私は少し考えた後に一人の魔族の姿を思い浮かべた。
「ケンちゃんに、お願いしようかなぁ。玩具みつけたら教えろって言ってたしぃ」
私は、次の配役の準備をするべく準備を始めた。
「『貴方を近くに』『貴方:ケンちゃん』」
私は、指定した空間の一部を繋げる『貴方を近くに』で『貴方』をケンちゃんに設定して、魔法を発動した。
「『はぁい、ケンちゃぁん、元気ぃ?』」
「『あぁ? アイラスか、お前今何処にいるんだ?』」
「『内緒ぉ』」
「『内緒って、お前なぁ……お前は目と耳がないんだから、どこ行くかは誰かに言っておけ』」
ケンちゃんの呆れた声が、繋げた空間の穴から聞こえてくる。
「『いいじゃぁん、その代わりぃ面白い玩具あげるからぁ』」
「『ほほう、其れならば良いだろう。アイラスが、面白いという位だ。楽しめそうなんだろうな?』」
ケンちゃんの獰猛な声が、聞こえてくる。
「『うぅん、多分? まぁ、普通の名持ちじゃ、話にならないくらいかなぁ?』」
「『あん? えらく曖昧だな。直接見てないのか?』」
「『見てなぁい、だって私、途中で寝ちゃったしぃ』」
そもそも、捕まっているフリをして部屋にいたので、戦い自体は見ていない。
「『何だそりゃ? 大丈夫かよ、すぐ壊れちまうんじゃないのか、その玩具』」
「『でも、私の空間に斬って入ってきたよぉ? 見てないけど、ケンちゃんに前斬られた時とぉ同じ感覚が伝わってきたしぃ』」
「『ほう、それは中々良い情報だな。アイラスの空間を斬るってこたぁ、次元を斬る力はあるって事だ。それならば、雑魚名持ちじゃ話にならんだろう。よし、どうしたらその玩具と遊べるんだ?』」
「『それはねぇ……』」
ライは、誘拐から帰って来たところであった為、自分の部屋で休むと言って食事も部屋で済ませていた。その為、専属護衛としての仕事もなかったので、ひとまず屋敷の使用人の休憩所で横になり、休ませてもらう事にした。
「あれ? セバスも休んだりするんだな」
「勿論、私も人間ですから、休憩くらいとりますぞ?」
「勝手な想像で、執事って常に働いていると思っててな。そりゃ、休むよな」
俺が寝転んでいたソファーから座り直して、セバスと雑談をしていると慌てた様子で、若い使用人の女性が休憩所に駆け込んできた。
「セバス様! 今玄関に矢文が!」
「なんだと!?」
「矢文って、また古風だなおい」
その女性が玄関前を掃除していたところ、何処からともなく気付いた時には、矢文が玄関の扉に刺さっていたそうだ。
矢文を受け取ったセバスが、書いてある文字を読みながら、ワナワナと震えている。
「なんて書いてあったんだ? 誘拐の次は、命を狙いに来るってか?」
俺が、そう言うとセバスは俺に勢いよく顔を向けて、絶句していた。
「あぁ、マジでそうなのね……」
俺が呆れていると、セバスが口を開く。
「はい……ヤナ様の仰る通りです。ライ様のお命を、貰いに参ると書いてあります」
「相手の名前やいつ来るかなんかは、まさか書いてあったり?」
俺が、そう問いかけると、セバスは再度固まった。
「その通りでございます。何故、わかったのですか?」
「ん? そうしたほうが、筋書きが書きやすいだろ?」
「はい?」
セバスが意味が分からないと言った顔をしていたが、スルーして、相手の名前といつ襲ってくるかを聞いた。
「『本日、日が落ち闇に沈む時、美しき女の命を貰い受ける。ケンシー』と書いてあります」
「剣士?」
「いえ、ケンシーです。本日、日が落ちる頃というと、ここで街の有力者を招いた舞踏会が行われる予定です。恐らく、その時と重なりそうです」
「先ず聞きたいんだが、昨日ライお嬢様誘拐されたってのに、今日の舞踏会は中止にしてなかったのか?」
そもそも、誘拐の予告状が前日に出されている状況で、次の日の舞踏会が延期になっていないのはおかしいだろう。
「いえ、中止にすることは、誘拐犯に屈する事であり、もし中止を狙った狂言であった場合には、旦那様の顔が潰れる事となるため、その選択はありませんでした」
「そんなもんかねぇ。で、当然今回の暗殺予告に対しても中止はしないと?」
「旦那様にこれからお伝えしますが、当然その様な判断になるかと」
「はぁ……で、その場合は専属護衛の俺はどうしたら?」
「ヤナ様は、こちらで用意する服の着替えて頂きます。流石に上流階級の皆様の集まる舞踏会にそれでは……」
セバスは、俺の格好いいイカした装備を指差し、言いにくそうにしていた。
「くっ、ジャケット着用じなきゃダメなのか!」
「マスター、そんなレベルじゃないですよ、きっと」
「……取り敢えず、夜来るって言ってるんだから、それまでは何もないだろ。昨日は寝てないから、夜までここで寝る。あっ、昼飯は食べに起きるからよろしく」
セバスを含めてその場にいた使用人達に呆れらていたが、御構い無しに再びソファーで横になり目を瞑る。
「『ヤナビ、俺は本当に寝るが、周囲とライの部屋を警戒しておいてくれ』」
「承知しました、マスター」
周囲とライの部屋の警戒をヤナビに頼み、俺は眠りについた。
宣言通り、昼に一度飯を食べる為に起きた後は、再び休憩室のソファーで眠り、完全に身体を休ませる事に集中した。
「ヤナ様、そろそろ着替えをして、舞踏会の警護の準備をなさってください」
「ふあぁあ……よく寝た……分かった……その着る服ってのは、どれだ?」
「此方にございます」
「……何故、黒のスーツ? おまけにご丁寧に白のシャツに、黒ネクタイ。極め付けは編み上げの革靴?」
まるで、何処ぞの名作映画の主人公のような格好に唖然としていると、更に無線となる魔道具のイヤホンを渡された。
「……これは、誰の趣味?」
「趣味? 昔より舞踏会等で警護する者の格好は、こうですが?」
「昔って?」
「さぁ? 確か何代か前の勇者様が、その様に決めたそうです」
「コスプレじゃねぇかぁああ!」
「エンダァアアアア! しましょうか?」
「俺が撃たれるフラグを立てるな!」
「自分で先に、立てたくせにぃ」
俺は、そのボディガードのコスプレをしながら、ライの部屋へと向かったのだった。
ライの部屋の前に着くと、扉の傍に使用人の女性が立っていた。
「ライは、そろそろか?」
「はい、中で舞踏会のドレスに着替えてらっしゃいます」
「一人か?」
?「いえ、使用人がお着替えをさせて頂いております」
「そうか、ならばここで待たせて貰おう」
日は暮れ始めたが、まだ闇にはなっていない為、暗殺は起きないと判断し、部屋の外で待機した。
「まぁ、狙うならもっと劇的なタイミングだろうしな」
「何か?」
「いや、何でもない」
若干、使用人の女性が訝しげな表情をしていたが、気づかないふりをして壁際に立ち、ライの準備が終わるのを待っていた。
十数分待っていると、扉が開き、中から煌びやかなドレスを身を纏ったライが出てきた。
「今日は、よろしくお願いします」
「あぁ、任せておけ」
俺とライは、それだけ言葉を交わすと、会場となる部屋へと歩き出すのであった。
先に歩く俺の背中を、ライがどんな表情で見ているのか、俺は知る由もなかった。
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