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序章
11 予感
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4/13 12:30
出発から1時間程が経った
「おい」
だが少女?の声は走らせている馬に掻き消された
(ん? あれ?)
従者は巫女の反応を見ると慌てて馬を緩め
傍へと寄せる
「あ~っと とまれとまれ 何かありました?」
「嫌な予感がする」
巫女の勘は結構当たる
「なるほど、どうしましょう 引き返しますか? 急ぎますか?」
従者はその事をよく知っている
「、、、とりあえず、魔法使いだけ呼べ あいつら火って言ったよな?」
「はい おそらく初期の初期レベルですよ?」
「あぁ 構わん」
それを聞いたシフは馬を叩く
後方から先頭まで一気に出ると手をあげる
!!?
小隊はスピードを落としゆっくりと整列する 問題なく訓練されている
「なんだなんだ?」
「なんかあったか?」
もっとグズつくかと思ったが口を開くのは2人だけらしい
「馬上待機でお願いします、魔法使いのお二人だけ急いで来て下さい!」
分かりやすく強めに発言をする
「あ は、はい!」
魔法を使えると言う二人は急いで馬を降りる
「何かありましたか?」
二人はシエルの馬の下から声をかける
「え~と ん~ 詠唱の準備だけしておいて」
シエルは思考しながら一言だけの指示をする
「え、、あ、はい ここで、です? よね?」
周りには多少木々がある程度 見通しの良いただの 『道』 である
「えぇ、とりあえずお願いします」
「え、あ はい!」
シフの一声に二人は各自 駄鞍(だあん)から自分の愛用品、装備を手に取り準備をする
考えがまとまったのかシエルが馬を降りる
「あ~え~と、今から全速力で村に向かう でお前らは殿(しんがり)しながら周りに見える木だけで良い 燃やしていけ」
・・・
「え!?」
色々と思う所はあるのだが
「疑問はいらんし説明めんどくさい 舌噛むぞ? シフ全員に伝えろ」
巫女はそそくさと馬に戻る
「全員注目! 全速前進します!!」
シフも馬へ駆け寄り飛び乗る
「え、ええ、、わ、わかりましたー」
二人の魔法使いも馬へと急ぎながらも辺りを見渡し担当する『物』 燃やせそうな木を探す
「え、なに なにかあったのか?」
「つ、つづけ~」
周りも訳が分からない状態ながらもシフの馬に続く
ボゥ ゴオオ
「え、なに?なに?」
ボゥ ゴオオ
殿は走りながら周りに火を撒く
「え、なんでお前ら燃やしてんだよ」
「おいいい!なんなんだよ!?」
殿の魔法使い達に煽られる様に少し前の者達が叫ぶ
「急いで下さい! 舌噛みますよ!」
火の音と一言で前方を加速させる
(狙いは援軍の方だが腰は重いだろうな、、、)
4/13 14:30
全速で走らせ2時間 村へ到着する
「中々のどかな村ですね 一応自分は中央まで行って来ますね?」
後ろに手をあげ全軍を止めた後シフは単体で進んで行く
「はぁ あ、あの 自分たちはどうしましょう、巫女様」
一人の騎士が勇気を出して確認に来る
「あ~ 帯剣して待機だ」
「、、え?」
「暇なら付近の家に挨拶でもして来い 私はとりあえずそこの薬屋に?」
薬屋の前には黄緑色の髪を伸ばした少女と足を引きずる男の姿が見える
嫌な予感がした
「あれ~? おにいちゃんもスライムにやられちゃったの?」
黄緑ロングの少女が男に近づく
嫌な予感がした
「やめ」
一瞬の出来事だった
シエルから10メートルもしない位置だった
少女の身体から
赤い飛沫が飛び散る
小隊 11人
大の大人達は目の前の事を理解できず目を見開く
その中で巫女だけが瞬時に腰元の短剣を引き抜くと一気に駆け出し男の背中へ飛ぶ
ドスン! ゴジュ!! ビジャャ ビシャビシャ
短剣は男の後頭部から喉元を貫通すると横に薙ぎ払われ 切り開かれた部分からは噴水の様に飛沫が上がる
シエルはそのまま真っ赤に染まっていく少女に駆け寄り抱きしめる、、が
左肩から斜めに下腹部までが切断されている
「クソ! クソが!!」
シエルの真っ白な衣類が真っ赤に染まる
(まにあうか まにあえ)
詠唱と共にシエルの身体が発光を始める
のだが
既に事切れている
巫女の瞳孔は開き 急激に体温が上がる
黄緑色をしたロングヘアーの少女を地へと寝かせ 見開いた瞳を優しく閉じると自らの外套を小さな体に被せる
シエルはゆっくりと周りを見渡す
普通に歩行が出来ていない者 両腕が鎌になっている者がちらほらと見える
今先程の男も同じだ
片方の足がふくらはぎ辺りからが潰れ? 両腕は鎌になっている
(魔物 か?) 形はカマキリのソレである
(胸糞悪い)
「白兵は2人1組、魔法使いとセットで動け 弓兵は、、」
指示を口にしながら兵達の方に目をやると半分以上の騎士は座り込んでしまっている
ところかしこから悲鳴が聞こえ始める
「はぁ 動ける奴だけで固まって生存者を探せ 確認が済んだ建物は焼いてまわれ」
そう言い残しシエルは中央部へ駆け出す
(異形の足は遅い、知性があるようにも見えない)
(2、30か 建物の中にもいるとしたら きりがないな そもそもどこから)
巫女は地獄絵を目のあたりに 頭を回転させる
4/13 16:10
一時間と少しが経った
「シエル様!?」
中央部から少し先で従者のシフとやっと合流したところだ
シフは巫女の真っ赤な出で立ちに顔色が真っ青になる
「あ~ ほぼ返り血だ問題ない 何体やった?」
「あぁ、、、良かった 本当に えっと、中央部から村の西までで10体程 建物内は確認出来てません」
「ちっ、同じくらいかよ もう少しやっとけよ」
「申し訳ないです、奥の方に行けば行く程少なかった印象があります」
討伐隊が村に入って来たのは王都の西から真っ直ぐ 村の東口である
「黒幕がいるはずだ 西奥側がそうならお前は馬で外周を一周しろ 私は知性持ちを探して叩く 村の周りにもうじゃうじゃいる様なら生存者を探し即撤退だ」
「承知しました 30分で済ませます 気を付けて下さい」
「こっちも30分で叩けなければどっちみち持たないし撤退に切り替える いくぞ」
巫女と従者は逆方向へ走り出す
(見える範囲は粗方片付けた けど 異形の攻撃対象はなんだ)
シエルは周囲を見渡した後半壊している大きめの屋内に入る
(食事処、、か?)
辺りに散らばる食器、備品の中に
ツインテールをした女の子の残骸を見つける
「くそが、可哀そうに この子もまだ若い」
(ぁ?)
よくよく見ると近くに異形の死骸が何体か見つかる
(戦った? のか?)
ゴリ!! ガリ ゴリ
店の奥で音がする
シエルは咄嗟に構え 息を殺し
ゆっくりと覗き込む
ゴリゴキ バキバキ ゴリゴリ
!?
カマキリがカマキリを食べている
(共食い? 敵味方の区別がないと言う事か 攻撃対象、、、捕食が目的か)
思考を走らせる中カマキリの首、人間の顔だけがこちらを向く
「あ ああ? あああああああああああ」
「ちっ うるせぇよ バケモノが」
カマキリの口元は同類を頬張り真っ赤に染まっている
残骸を離すとそのままゆっくりと近づいて来る
気持ち悪い
身体の半分は人間と同じに見える
シエルは右手を突き出し詠唱を始める
「13匹目か はぁ 体力に自信ないんだから お前も一撃で沈めよ」
閃光と共にシエルの右手から光が飛ぶ
投げ槍程のサイズのソレは凄まじい速度で真っすぐ奇形の心臓部に穴をあける
「ああ! ああああ あああぎゃあああああああああ!!!!!!」
異形は赤い血を大量に流しながら奇声を上げバタバタと藻掻きだす
「ああああ キヤアアア ああ あ あああ」
ソレはしばらくすると動かなくなる
・・・
「くそが」
シエルはぐしゃぐしゃになった家具を蹴りつける
(一匹目をやった時からそうだ)
(胸糞悪い)
(お前達は本当に『魔物』なのか?)
シエルはこの村一番大きな食事処
『アイリの店』 を後にする
出発から1時間程が経った
「おい」
だが少女?の声は走らせている馬に掻き消された
(ん? あれ?)
従者は巫女の反応を見ると慌てて馬を緩め
傍へと寄せる
「あ~っと とまれとまれ 何かありました?」
「嫌な予感がする」
巫女の勘は結構当たる
「なるほど、どうしましょう 引き返しますか? 急ぎますか?」
従者はその事をよく知っている
「、、、とりあえず、魔法使いだけ呼べ あいつら火って言ったよな?」
「はい おそらく初期の初期レベルですよ?」
「あぁ 構わん」
それを聞いたシフは馬を叩く
後方から先頭まで一気に出ると手をあげる
!!?
小隊はスピードを落としゆっくりと整列する 問題なく訓練されている
「なんだなんだ?」
「なんかあったか?」
もっとグズつくかと思ったが口を開くのは2人だけらしい
「馬上待機でお願いします、魔法使いのお二人だけ急いで来て下さい!」
分かりやすく強めに発言をする
「あ は、はい!」
魔法を使えると言う二人は急いで馬を降りる
「何かありましたか?」
二人はシエルの馬の下から声をかける
「え~と ん~ 詠唱の準備だけしておいて」
シエルは思考しながら一言だけの指示をする
「え、、あ、はい ここで、です? よね?」
周りには多少木々がある程度 見通しの良いただの 『道』 である
「えぇ、とりあえずお願いします」
「え、あ はい!」
シフの一声に二人は各自 駄鞍(だあん)から自分の愛用品、装備を手に取り準備をする
考えがまとまったのかシエルが馬を降りる
「あ~え~と、今から全速力で村に向かう でお前らは殿(しんがり)しながら周りに見える木だけで良い 燃やしていけ」
・・・
「え!?」
色々と思う所はあるのだが
「疑問はいらんし説明めんどくさい 舌噛むぞ? シフ全員に伝えろ」
巫女はそそくさと馬に戻る
「全員注目! 全速前進します!!」
シフも馬へ駆け寄り飛び乗る
「え、ええ、、わ、わかりましたー」
二人の魔法使いも馬へと急ぎながらも辺りを見渡し担当する『物』 燃やせそうな木を探す
「え、なに なにかあったのか?」
「つ、つづけ~」
周りも訳が分からない状態ながらもシフの馬に続く
ボゥ ゴオオ
「え、なに?なに?」
ボゥ ゴオオ
殿は走りながら周りに火を撒く
「え、なんでお前ら燃やしてんだよ」
「おいいい!なんなんだよ!?」
殿の魔法使い達に煽られる様に少し前の者達が叫ぶ
「急いで下さい! 舌噛みますよ!」
火の音と一言で前方を加速させる
(狙いは援軍の方だが腰は重いだろうな、、、)
4/13 14:30
全速で走らせ2時間 村へ到着する
「中々のどかな村ですね 一応自分は中央まで行って来ますね?」
後ろに手をあげ全軍を止めた後シフは単体で進んで行く
「はぁ あ、あの 自分たちはどうしましょう、巫女様」
一人の騎士が勇気を出して確認に来る
「あ~ 帯剣して待機だ」
「、、え?」
「暇なら付近の家に挨拶でもして来い 私はとりあえずそこの薬屋に?」
薬屋の前には黄緑色の髪を伸ばした少女と足を引きずる男の姿が見える
嫌な予感がした
「あれ~? おにいちゃんもスライムにやられちゃったの?」
黄緑ロングの少女が男に近づく
嫌な予感がした
「やめ」
一瞬の出来事だった
シエルから10メートルもしない位置だった
少女の身体から
赤い飛沫が飛び散る
小隊 11人
大の大人達は目の前の事を理解できず目を見開く
その中で巫女だけが瞬時に腰元の短剣を引き抜くと一気に駆け出し男の背中へ飛ぶ
ドスン! ゴジュ!! ビジャャ ビシャビシャ
短剣は男の後頭部から喉元を貫通すると横に薙ぎ払われ 切り開かれた部分からは噴水の様に飛沫が上がる
シエルはそのまま真っ赤に染まっていく少女に駆け寄り抱きしめる、、が
左肩から斜めに下腹部までが切断されている
「クソ! クソが!!」
シエルの真っ白な衣類が真っ赤に染まる
(まにあうか まにあえ)
詠唱と共にシエルの身体が発光を始める
のだが
既に事切れている
巫女の瞳孔は開き 急激に体温が上がる
黄緑色をしたロングヘアーの少女を地へと寝かせ 見開いた瞳を優しく閉じると自らの外套を小さな体に被せる
シエルはゆっくりと周りを見渡す
普通に歩行が出来ていない者 両腕が鎌になっている者がちらほらと見える
今先程の男も同じだ
片方の足がふくらはぎ辺りからが潰れ? 両腕は鎌になっている
(魔物 か?) 形はカマキリのソレである
(胸糞悪い)
「白兵は2人1組、魔法使いとセットで動け 弓兵は、、」
指示を口にしながら兵達の方に目をやると半分以上の騎士は座り込んでしまっている
ところかしこから悲鳴が聞こえ始める
「はぁ 動ける奴だけで固まって生存者を探せ 確認が済んだ建物は焼いてまわれ」
そう言い残しシエルは中央部へ駆け出す
(異形の足は遅い、知性があるようにも見えない)
(2、30か 建物の中にもいるとしたら きりがないな そもそもどこから)
巫女は地獄絵を目のあたりに 頭を回転させる
4/13 16:10
一時間と少しが経った
「シエル様!?」
中央部から少し先で従者のシフとやっと合流したところだ
シフは巫女の真っ赤な出で立ちに顔色が真っ青になる
「あ~ ほぼ返り血だ問題ない 何体やった?」
「あぁ、、、良かった 本当に えっと、中央部から村の西までで10体程 建物内は確認出来てません」
「ちっ、同じくらいかよ もう少しやっとけよ」
「申し訳ないです、奥の方に行けば行く程少なかった印象があります」
討伐隊が村に入って来たのは王都の西から真っ直ぐ 村の東口である
「黒幕がいるはずだ 西奥側がそうならお前は馬で外周を一周しろ 私は知性持ちを探して叩く 村の周りにもうじゃうじゃいる様なら生存者を探し即撤退だ」
「承知しました 30分で済ませます 気を付けて下さい」
「こっちも30分で叩けなければどっちみち持たないし撤退に切り替える いくぞ」
巫女と従者は逆方向へ走り出す
(見える範囲は粗方片付けた けど 異形の攻撃対象はなんだ)
シエルは周囲を見渡した後半壊している大きめの屋内に入る
(食事処、、か?)
辺りに散らばる食器、備品の中に
ツインテールをした女の子の残骸を見つける
「くそが、可哀そうに この子もまだ若い」
(ぁ?)
よくよく見ると近くに異形の死骸が何体か見つかる
(戦った? のか?)
ゴリ!! ガリ ゴリ
店の奥で音がする
シエルは咄嗟に構え 息を殺し
ゆっくりと覗き込む
ゴリゴキ バキバキ ゴリゴリ
!?
カマキリがカマキリを食べている
(共食い? 敵味方の区別がないと言う事か 攻撃対象、、、捕食が目的か)
思考を走らせる中カマキリの首、人間の顔だけがこちらを向く
「あ ああ? あああああああああああ」
「ちっ うるせぇよ バケモノが」
カマキリの口元は同類を頬張り真っ赤に染まっている
残骸を離すとそのままゆっくりと近づいて来る
気持ち悪い
身体の半分は人間と同じに見える
シエルは右手を突き出し詠唱を始める
「13匹目か はぁ 体力に自信ないんだから お前も一撃で沈めよ」
閃光と共にシエルの右手から光が飛ぶ
投げ槍程のサイズのソレは凄まじい速度で真っすぐ奇形の心臓部に穴をあける
「ああ! ああああ あああぎゃあああああああああ!!!!!!」
異形は赤い血を大量に流しながら奇声を上げバタバタと藻掻きだす
「ああああ キヤアアア ああ あ あああ」
ソレはしばらくすると動かなくなる
・・・
「くそが」
シエルはぐしゃぐしゃになった家具を蹴りつける
(一匹目をやった時からそうだ)
(胸糞悪い)
(お前達は本当に『魔物』なのか?)
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