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成瀬に呼び出される
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それとも陰キャは男子のカテゴリーに入らないのだろうか。
「結構、パリピってさもしいなあ。というかお前、単に俺の拡散力のなさに目をつけただけだろ」
「パリピなんて学校で目立ちたいってだけの子ばっかり。人の話をよく聞くふりして、本当は自慢しあっていたりする。まあ、私も含めてだけれど」
学校のアイドルがまさかの毒舌。
「お前、大丈夫かよ?」
他人事だが、ちょっと心配になる。
「私たちはね。あんたみたいに一人で幸せそうに料理作って満たされている。真のリア充とは違うのよ」
自分がリア充にリア充扱いされるとは思いもよらなかった。
「あんた相当無理してグループにいるのな」
最近の成瀬はどことなくやつれていて、精彩に欠ける。
「しょうがないじゃない。SNSでバズったとたん集まってきちゃったんだから。今更ほかのグループに行くわけにいかないし。今の友達は、きっと私がアカ消したらそれで関係もおしまいだよ」
ちょっと精神が不安定になっているようだ。
「何落ち込んでのか知らねえけど、そこまで悲観的になることないだろう。で、通帳を家に置いとけない理由は、この間、ストーカーか?」
それならば、警察に相談すべきだ。
「違う。ストーカーは別。それに事情話してもいいの? 重くなるけど」
いろいろ突っ込みどころは多いが、成瀬自身話したくなさそうだった。
だから俺は深入りすべきではないのかもしれない。いや、これは深入りさせられている状況ではあるが……。
「いいや、聞かない。ってかさあ、俺に通帳預けましたって一筆書いてくれない?」
「あんた、私を信用してないの?」
「信用しあえるほど長い付き合いでもにだろ」
俺は呆れはてた。
「わかった。一方的に頼んでごめん。それとさ、もう一つ。あんたのレイン教えて」
レインとは友人知人同士でつながる簡易的なメールのようなものだ。
「は? やだよ」
「え! うそっ、即答で拒否? みんな私と連絡先交換したがるのに!」
成瀬がびっくりしたように目を見開く。
「冗談だろ? 連絡先なんて教えたら、あんたに便利使いされる未来しかみえねえ。それに、少しは防犯意識持てよ。そこから俺がストーカーになったりしたらどうするんだ。非モテなめんなよ。調子に乗ったらやばいぞ。それに成瀬の家庭の事情は知らないが頼る相手が間違っている。俺に妹や姉がいて現金引き出されたらどうすんだよ。警察とか担任とかにたすけてもえよ」
「え? シャツイン、お姉さんと妹いるの?」
「いないよ」
俺は個人情報を、ついうっかり正直に答えてしまう。
「じゃあ、お願い。それに相談なんて家庭内のことだからできないよ」
そういって成瀬は俯いた。
今こいつがすごい困っていて、友達でもない俺に頼むしかないことに気が付いた。
マジで俺、こいつの舎弟とかじゃあないんだが。
「しょうがない。ひと月だけあずかる」
「ほんと! じゃあ、連絡先交換しよ!」
なんでこうなった。
成瀬に呼び出された理由、友達になんていやいいんだよ? ここは鉄板で、焼きそばパン買いに行かされたか? いや平成でもあるまいに……。
「結構、パリピってさもしいなあ。というかお前、単に俺の拡散力のなさに目をつけただけだろ」
「パリピなんて学校で目立ちたいってだけの子ばっかり。人の話をよく聞くふりして、本当は自慢しあっていたりする。まあ、私も含めてだけれど」
学校のアイドルがまさかの毒舌。
「お前、大丈夫かよ?」
他人事だが、ちょっと心配になる。
「私たちはね。あんたみたいに一人で幸せそうに料理作って満たされている。真のリア充とは違うのよ」
自分がリア充にリア充扱いされるとは思いもよらなかった。
「あんた相当無理してグループにいるのな」
最近の成瀬はどことなくやつれていて、精彩に欠ける。
「しょうがないじゃない。SNSでバズったとたん集まってきちゃったんだから。今更ほかのグループに行くわけにいかないし。今の友達は、きっと私がアカ消したらそれで関係もおしまいだよ」
ちょっと精神が不安定になっているようだ。
「何落ち込んでのか知らねえけど、そこまで悲観的になることないだろう。で、通帳を家に置いとけない理由は、この間、ストーカーか?」
それならば、警察に相談すべきだ。
「違う。ストーカーは別。それに事情話してもいいの? 重くなるけど」
いろいろ突っ込みどころは多いが、成瀬自身話したくなさそうだった。
だから俺は深入りすべきではないのかもしれない。いや、これは深入りさせられている状況ではあるが……。
「いいや、聞かない。ってかさあ、俺に通帳預けましたって一筆書いてくれない?」
「あんた、私を信用してないの?」
「信用しあえるほど長い付き合いでもにだろ」
俺は呆れはてた。
「わかった。一方的に頼んでごめん。それとさ、もう一つ。あんたのレイン教えて」
レインとは友人知人同士でつながる簡易的なメールのようなものだ。
「は? やだよ」
「え! うそっ、即答で拒否? みんな私と連絡先交換したがるのに!」
成瀬がびっくりしたように目を見開く。
「冗談だろ? 連絡先なんて教えたら、あんたに便利使いされる未来しかみえねえ。それに、少しは防犯意識持てよ。そこから俺がストーカーになったりしたらどうするんだ。非モテなめんなよ。調子に乗ったらやばいぞ。それに成瀬の家庭の事情は知らないが頼る相手が間違っている。俺に妹や姉がいて現金引き出されたらどうすんだよ。警察とか担任とかにたすけてもえよ」
「え? シャツイン、お姉さんと妹いるの?」
「いないよ」
俺は個人情報を、ついうっかり正直に答えてしまう。
「じゃあ、お願い。それに相談なんて家庭内のことだからできないよ」
そういって成瀬は俯いた。
今こいつがすごい困っていて、友達でもない俺に頼むしかないことに気が付いた。
マジで俺、こいつの舎弟とかじゃあないんだが。
「しょうがない。ひと月だけあずかる」
「ほんと! じゃあ、連絡先交換しよ!」
なんでこうなった。
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