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幕間7 神界にて

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 神界にて龍神が集まる。龍神といっても何柱もいる内の練家から輩出された3柱のみだが。

「聞いたぞ。お前向こうの世界を出禁になったらしいな?」
「まぁな。向こうの大神をぶった斬って瀕死の重症を負わせたから仕方ないだろ。それにあのままだと17代目は死んだたからな」
「確か龍帝でしたか? それとの死闘の後での出来事ですものね。2代目様の判断は間違ってはいないと思いますよ」
「甘やかすなよ。10代目。17代目の体がボロボロだったとはいえ殺せなかったんだからな。どうせ斬るなら殺してしまえば良かったものを」
「そこなんですね。怒るポイントは」
「当然だろ。こいつの実力なら殺すのも余裕なんだからな」

 なんて会話をしていたら、

「本当に殺していたら神の座から消える事になっていたぞ」

 見た目が老人なのにも関わらず妙に生気が溢れる者が現れた。

「何ですか? 龍神様」

 2代目が老人に尋ねる。龍神は何柱もいる。しかし、その中でも龍神と呼ばれるのはこの老人の龍神だけである。

「天照様が儂を呼び出したのだがその内容は龍神、練龍鬼の10年間の天界での謹慎だそうだ」

 そんな事を言い渡された龍鬼であるが、

「そんなもんで自分の子孫を守れたなら安いもんだな」

 気にする素振りをまるで見せない龍鬼。続けて龍神は龍覇と龍姫に、

「お主らは3年間の謹慎だそうだ」
「俺たちもかよ。別に俺たちは問題を起こしていないだろうが!?」

 謹慎を言い渡されてしまい憤る龍覇。

「一族で仲良く謹慎していろとの事だ」
「はぁ~あ私も17代目に会いたかっというのに。3年後までお預けなんですね」
「俺も会いたかったんだが残念だ」
「龍鬼を止めなかったお前らが悪い。それじゃあ伝えるべき事も伝えたから儂は帰る。ちゃんと大人しくしておるんだぞ」

 伝える事は伝えたとばかりに龍神は帰るのであった。

「1番最初の龍神をわざわざ伝言係にするとは流石は天照様だな」
「そういえば私は天照様を祭りで遠目に見たくらいなのですが御二方はどうですか?」

 龍姫は2人に尋ねる。

「俺ない」
「俺はということは・・・・」

 龍覇の答えを聞いて龍姫は龍鬼に目をやる。

「俺はある。1度だけだがな。何だったら会話もしたな」
「どんな会話を?」
「俺が龍神となるキッカケになった悪神殺しの礼を貰ったんだよ。天界の汚点ではあるものの神が地上に干渉するのはの天界だと駄目なんだとよ。それを解決してくれて感謝するとか何とかをもっと気難しい言葉を並べてな」
「凄いですね! 天照様から礼を述べられるなんて」
「いや、意外と普通に礼を述べる事はあるらしいぞ。ただそれ相応の成果を上げる必要があるがな」

 そんな会話をしている練家の龍神たちよりも高い場所にて、

「こちらの世界は向こうの世界には干渉しない方向でいいのですね?」

 武神・タケミカヅチは天照に聞く。聞かれた天照はというと、

「はい。既に龍神の内の1柱である練龍鬼が何度か向こうに干渉していますがその時は向こうの神に干渉していないので見逃したのですが最近大神・ゼーリオに重症を負わしています。そのため彼には10年の謹慎を。他の練家の龍神には3年の謹慎を言い渡しました」
「だいぶ優しいですね」
「もっと厳しくてもいいのでは?」
「そうだそうだ」
「向こうの神との戦争になるかもしれんのだぞ」

 と周りにいる神々は天照が下した処罰に文句を言うがタケミカヅチは、

「うるせぇな。もう処罰は下したんだ。それでこの話は終了だろうが。そもそも、龍鬼の奴が本気だったら大神ゼーリオは死んでる。つまり、殺す気がなかったって事だ。殺してたら神の座から追放するつもりだったんだろ?」
「もちろんです。こちらの神だろうと向こうの神だろうと神同士の殺し合いを私は禁じていますから」
「だそうだ。解散、解散」

 しっしっと追い払うように手を払うタケミカヅチ。まだ一部の神は何か言いたそうにしていたが武の神であるタケミカヅチに何かを言う度胸のある者はいなかった。こうして神々の向こうの世界についての話し合いが終わり帰ろうとするタケミカヅチに、

「ありがとうございます。助け船を出してくれて」
「気にするな。あんたが下した処罰は妥当だと俺も思ったからあぁ言っただけだ。それに礼を言うならこっちこそありがとうだよ」
「??」
「龍鬼は俺と喧嘩出来る数少ない神の内の1柱だからな。永久追放なんてされたらせっかくの喧嘩友達が減っちまうところだった。だからありがとな」

 そう言って手を振って帰るタケミカヅチ。

「本当に戦う事が好きなんですね。だからこその武神なんでしょうが」

 と呆れてしまう天照。

「さて、ここから先は私たちこちらの神々は手出ししませんよ。練家の龍神の末裔、練龍牙。いえ、リュウガ・レン。せめて貴方の活躍がご先祖様に並ぶ事になる事は願ってあげましょう」

 そう言って祈りを捧げる天照なのであった。

 
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