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第6話 変態フタナリをお仕置きしたいんですけど……

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 今日は二也井ふたなりいさんと2人っきりのデートの日――。
 二也井ふたなりいさんは胸が広く開いたデザインのタンクトップと、白いホットパンツといういでたちだった。艶やかな髪は毛先をすいて、サラサラと風になびく。
 ぱっと見は超絶美少女でも内面は男の子でオチンチンが生えているなんて誰も想像がつかないだろう。
 もう10月だというのに陽射しは強く、少し歩いただけで、すぐに全身に汗が滲んでくる。とくに腋の下や股のところは、じっとりと汗ばんでいる。
 二也井ふたなりいさんと歩いているだけで色んな男たちから声をかけられた。下心丸出しのナンパ師や水商売のスカウトマン、挙げ句の果てにはチンポを見せつけてくる変質者まで現れる始末だ。
 二也井ふたなりいさんが日常的に男から受けるストレスは私以上だということがよく分かった。


「せっかくのデートがバカな男共のせいで台無しだよ。ごめんね、恐い思いさせちゃって……」
「うんうん、二也井ふたなりいさんが傍にいるから全然平気♡」
農田のうたさんは優しいね。今まで女の子と仲良くなっても男共がボクに集るせいで、みんな離れていっちゃうんだ……」
「あぁ、なるほどね」


 二也井ふたなりいさんと比較されるのを恐れて自信がない女の子は自然と離れていったようだ。
 華やかな見た目とは裏腹に孤独な人生を歩んできた二也井ふたなりいさんを哀れに感じるが、そう思うと同時に周囲にいた女の子たちにも同情してしまう。容姿や知能で扱われ方に差異が生じるのが人の世の常であり、自助努力では解決できない遺伝子的不平等の発露を間近で見せつけられる側に私は共感するのだ。
 今だって、すれ違う全ての男たちの視線が二也井ふたなりいさんの胸に吸い寄せられている。すれ違いざまに、「うひゃ~、ヤリてえwww」とか、「マジ犯してえwww」とか、「隣の女、ブス過ぎwww」などとのたまう輩が後を絶たない。
 やはり私と二也井ふたなりいさんとでは住む世界があまりにも乖離しているのだろうか。
 持って生まれた顔や体を武器にセクシーで大胆な衣服を着こなし、世の中の男を骨抜きにして同性からは羨望の眼差しで見られるような理想の女になる日を夢見ていた時期があった。けれど、そんな日が永遠に来ることがないと残念ながら私は悟ってしまったのだ。


「やっぱり、親ガチャに成功した人と失敗した人とでは永遠に分断される運命にあるのかなぁ?」
「え? 突然、何を言い出すの?」
「ごめん、忘れて……。今日はもう帰ろう」
「あ、待ってよぉ~」


 私が足早に帰路につくと、後ろから二也井ふたなりいさんがとぼとぼ付いて来る。


農田のうたさん、どうしたの? 具合でも悪い?」
「まあ、精神的には大ダメージ食らってるかなぁ……」
「やっぱり、ボクのせい?」
「かもね……」


 そうこう話しているうちに自宅へ到着した私は二也井ふたなりいさんを一応家に上げてあげた。


「今日は母さんと兄さんが使ってた部屋を案内するね」
「へぇ~、どんな部屋だろう? 楽しいだなぁ……」


 二也井ふたなりいさんは私の顔色を伺いながら慎重に言葉を選ぶように言った。
 ドアを開け、二也井ふたなりいさんに中に入るよう促す。
 部屋に一歩踏み込んだ二也井ふたなりいさんは、その光景を目にして息を呑んだ。
 壁一面にスチール製の棚があり、そこには鞭やバイブレーターをはじめとして、未だに何のために使うのかよく分からない道具類が所狭しと並べられている。
 だが、二也井ふたなりいさんが何よりも注目していたのは手前の部屋の真中にある鉄製の器具だった。2本の太いバーの間に、鉄棒のような横棒が渡され、そこから鎖に繋がれた手錠のようなものが垂れ下がっている。


「えっと……随分とユニークで面白い部屋だね」


 ドン引きしながらも平静を装う二也井ふたなりいさんのメンタルには感心させられる。普通の人なら思わず戦慄を覚えるほどの光景に驚愕するだろう。
 私は後ろ手にドアを閉めてから、ゆっくり二也井ふたなりいさんに近づいていく。


「母さんと兄さんが未だうちに住んでた頃は毎晩この部屋から喘ぎ声や絶叫が聞こえてきてさ。親子で色んなプレイを楽しんでは実の娘である私に惚気話を聞かせてくるもんだからホント参っちゃったよ」


 そう言いながら、私は二也井ふたなりいさんの手を取って、鎖に繋がった手錠のひとつを取る。それを二也井ふたなりいさんの片方の手首にカシャッと装着した。


「えっと……何かの遊びかなぁ?」


 私は何も答えず、素早くもうひとつの手錠を取って二也井ふたなりいさんのもう一方の手首に嵌めた。


「今に分かるよ……」


 そう言うと、私はレバーを引く。ジャラジャラと音を立てて鎖が引かれ、二也井ふたなりいさんの両手が逆らいがたい力で引っ張られた。
 手錠を嵌められた二也井ふたなりいさんの手は、みるみるうちに高く吊り上げられ、やがて爪先立ちで万歳をしているような不安定な格好で鉄棒に固定される。


「ハハハ……農田のうたさんったら、冗談が過ぎるよ」
「うふふ……さ~て、それはどうかなぁ?」


 私は鎖に吊るされた二也井ふたなりいさんの前に立って、ねっとりとした眼差しで眺め回しながら言った。


二也井ふたなりいさんのような巨乳には、お仕置きをしなくちゃね。これまでも巨乳女を影で何人も制裁してきたんだけど、その度に私の精神障害者手帳の等級が上がって今では1級になっちゃったよ。巨乳という名の邪悪を打ち滅ぼす正義の喪女にキ〇〇イのレッテルを貼り付ける現代社会は理不尽極まりないと思わない? まったくもって遺憾だよ」


 二也井ふたなりいさんは私の細い目の中に狂気の光を見出だして畏敬の念を抱いた。


「これから農田のうたさんに調教されるんだと思うと身体中の穴という穴から変な汁が出てきそうだよ。やっぱり、見た目に反して超ドSだったんだねwww」


 そう言う二也井ふたなりいさんに近づくと、私は右手を伸ばして顎を軽く持ち上げた。


「女に調教されて喜ぶだなんて、二也井ふたなりいさんってば本当に心は男の子なんだね。見た目だけなら誰よりも素敵なレディーなのに……」
「見た目が女らしければ、女の子は警戒することなくボクに心を開いてくれるからね。まあ、さすがに股までは開いてくれないけどさwww」
「あらあら、いやらしいフタナリなんだからwww」


 私は息がかかるほど近くまで二也井ふたなりいさんに近づくと、クンクンと鼻を鳴らしながら髪や首筋の匂いを嗅いだ。


「本当は色んな男のモノを上の口や下の口で咥えこんできたんじゃないの~?」
「無理やりブチ込もうとしてくる男は星の数ほどいたけど、今のところボクの貞操は無事だよ♡」
「ふ~ん、なるほどね」


 それを聞いて安心した私は二也井ふたなりいさんの体の匂いをひとしきり嗅いだ後、今度は服の上から胸や腰、太ももの辺りを探るように撫でた。


「それにしても、よくここまで育ったね。いやはや、神様というのは本当に残酷だよ。私なんか、どんなに努力したって二也井ふたなりいさんの足元にも及ばない道端のウンコレベルだというのに……。親や教師、そして同級生の男子や女子からも小馬鹿にされ、虐められてきた私には何もない。でも、二也井ふたなりいさんは生まれながらに優れた美貌と賢い知能、それに立派なオッパイがあって男たちを魅了する。そして、この私までを虜にするなんて…………ホント憎たらしいことこの上ないッ!」


 と言いながら、私は服の上から、ギュッと強く二也井ふたなりいさんのオッパイをつかんだ。


「あぁんッ!」
「たとえ神が許したとしても、私は決して許さない! 遺伝子的な格差ほど、この世で不平等なモノはないんだから何の努力もせずに美しく生まれた者には、その対価を支払わせるべきだと思わない?」


 そう言いながら、私は二也井ふたなりいさんの胸に顔を近づけ、タンクトップの上から胸の先端をカプッと口に含んだ。
 赤ん坊が母親のオッパイを吸う時のように、痛いほど強く二也井ふたなりいさんの乳房を吸い、しゃぶり、乳首に軽く歯を立てたり、舌で転がしたりした。そして、空いている方の手で乳房を鷲掴みにすると、ワヤワヤと揉み立てながら胸の谷間に顔を埋めて呟いた。


「チンポついてるくせに胸はこんなにも柔らかくて弾力があるだなんて。しかも、肌はスベスベで吸いつくみたい。どんなに私が努力しても決して手に入れることが出来ない世界に顔を埋めてたら虚しくなってきちゃった……」
「ボクの方は早くも興奮してきちゃったよぉ~♡」


 二也井ふたなりいさんは乳房を加えられる刺激によって、ズキズキと疼き始めているようだった。


「まったく、この変態フタナリめ。なんだか興が醒めてきたから、お仕置きはもうお終いね」


 私はポケットから鍵を取り出して、二也井ふたなりいさんの手首に嵌められた手錠を外し、拘束を解いた。
 解放した瞬間、すぐさま二也井ふたなりいさんは私の唇に艶やかな唇を重ねてきた。


「ん、んぅ」


 二也井ふたなりいさんに舌をねじ込まれ、私はもう拒むことなく、その身を任せた。
 長いキスから解放されると、二也井ふたなりいさんは私を抱き上げてベッドに運んだ。
 全身を愛撫されているうちに、やがて私はアソコがジンと熱くなるのを感じていた。
 それに気づいたのか、そこに二也井ふたなりいさんの指が滑り込み、トロトロになった所をまさぐられる。


「はあん、二也井ふたなりいさん……」


 二也井ふたなりいさんの指先によって捕らえられた肉芽から強い刺激を送り込まれた私は体を仰け反らせて身を委ねた。


「ほうら、もうこんなにヌレヌレになってるよぉ♡」


 二也井ふたなりいさんがからかうように言う。


「そりゃあ……イジられ続けてたら濡れてきちゃうに決まってるじゃん、この変態フタナリめ」
「なるほど、要するに農田のうたさんはアソコをイジられるのが大好きってことね♡」
「もぉ~、生理現象だってば!」
「はいはいwww」


 もう反論するだけの余裕がなくなった私は凄まじい快感の大波にさらわれていき、全身をブルブルと痙攣させながら本能の赴くままに互いの唇を貪り合うのだった。
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