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13 やよい穴はないけど潮吹きは可能
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前回、実の母親によって無理やりカルト宗教に入信させられてしまった僕の所へ絵路井先生が偶然通りかかった。
「ちょっと……何でこんな所に絵路井先生がいらっしゃるんですか?」
母さんに聞こえないように絵路井先生の耳元で囁くように問う。
「実はこの辺りで危ない教義を広めるカルト集団がいるって聞いたから跡形もなくシバキ倒しに来たんだ」
ヤバい。異世界をチート能力で無双しまくった絵路井先生のことだから文字通り跡形もなく殺られてしまう。
何とかして適当に誤魔化さなければ……。
「そ、そうでしたか。いやはや、今のところ変な連中とは出くわしてないんですが……」
「う~ん、そうかい? 妙な連中が裸同然のヤバい人を囲っているみたいだけど」
引き続き母さんは頭のおかしなカルト教義をノリノリで信者に吹聴していた。
「いや、あれは単なるコスプレ系のイベントでして、決して怪しい宗教とかではないですよ。うちの母はレイヤーで、結構ファンが多くて……」
「ふ~ん、コスプレか。それは楽しそうだね。一応、お母様にご挨拶しとこうかなぁ」
ヤバい、ヤバい。このままではアホなカルト集団の元締めが実の母であることが絵路井先生にバレてしまう。
「どうもぉ、お世話になっております。私、ユメトくんの主治医を務めております絵路井と申します」
「ウホッ、いい男! 高個体値の男、発見www」
そう言うと、母さんは喜び勇んで本能のままに絵路井先生へ飛びかかっていく。
「ちょっと、母さん落ち着いてよ!」
「落ち着いてなんかいられないわ! ママという名のモ◯スターボールで野生のイケメン、ゲットだぜ!」
母さんは絵路井先生にメロメロだ。完全に理性を失い、見事なまでのメスと化している。周囲にいた信者たちも母さんの変貌ぶりにはドン引きの様子だった。
「お戯れは一旦これくらいで。他の方々もいらっしゃいますし」
「いいんですのよ、すぐに帰らせますから♡」
母さんが指パッチンをすると、信者たちは機械的な動作で何処かへ去っていった。
「邪魔者もいなくなったことですし、どうぞ中へお入りください♡」
絵路井先生を本殿へお招きすると、母さんは接待の限りを尽くす。その様を見ながら僕は考え事に耽る。
性別に囚われず、誰もが自由に誰かを愛せるような世界は間違っているのだろうか。
愛の形は人それぞれでもいいではないか。
ダメだというのなら、自分の存在理由とは何なのか。
考えれば考える程、迷いは深まっていく。
同性を好きになってしまったばかりに苦しむのなら、いっそのこと普通に異性を好きになれれば良かった。
「どうしたんだい? 浮かない顔をして」
僕の異変に気づいた絵路井先生は心配そうに声をかけてきた。
「いえ、その……えっと……彼女ができたらいいなぁって」
咄嗟に本音では思ってもいないことを口にしてしまう。異性を好きになれれば良かったなんて考えたせいだろうか。
僕の発言に心底驚愕した絵路井先生は未だかつて見たこともない表情で硬直していた。
「あらあら、ようやくユメちゃんもその気になったのね。よ~し、母さんがマッチングアプリでユメちゃんに相応しい相手を探してあ・げ・る♡」
母さんはマッチングアプリを起動すると、希望条件を入力し始める。
「年齢はユメちゃんと同じくらいで、胸の大きさは控えめ、顔の雰囲気はユメちゃんみたいな感じがいいかしら♡」
「いや、ちょっと何勝手に決めちゃってんの⁉︎」
「大丈夫、大丈夫。愛する息子のお相手を見つけるのも母親の務めよ。ママに任せないwww」
かくして僕は母さんの差し金で無理やり知らない人と会うことになるのだった。
ーーー
「ちぃ~す、初めまして~、芭花でぇ~すwww」
待ち合わせ場所にやって来た人を見た瞬間、JKのコスプレ感漂う制服姿に思わずドン引きする。
お相手の方は明らかに僕と同年代くらいだが、一応年齢確認をすることにした。
「どうも、ユメトです……。あの、高校生ですか? プロフィールには25歳と書いてあったような」
「もちのろんよ~、25歳現役JKじゃ~ん」
何を言ってのるか分からないが、言葉通りに解釈するならば25歳の女子高生ということだろうか?
単なるネタでないとすると闇が深すぎて直視できない……。
ホモと25歳現役JKのカップルは近くのカフェでお茶することにした。
僕は今に至るまでの正直な経緯を洗いざらい話すと、芭花さんはすんなり受け入れてくれた。
「ホモ治したくて彼女欲しいって言ったら、実の母親にマッチングアプリに登録されたとかマジ超ウケるwww」
我ながら笑っちゃうような話だとは思うが、当事者の僕は自分の行く末を真剣に悩んでいた。
「まあ、あたしもレズ治したくて男漁りを始めたからユメトくんと似たようなもんかなぁ~」
「えぇ、そっち系だったんですか⁉︎」」
「うん、ぶっちゃけ散々あたしも悩んだよ。おかげで精神障害者手帳の等級が1級まで上がっちゃってさ。ついでに頭も悪いから愛の手帳(東京都の療育手帳)もゲットしたじゃんwww」
25歳現役JKという肩書きだけでも充分インパクトがあったが、レズで精神障害1級の知的障害者とはキャラ盛り過ぎにも程があるだろう。
「ちなみにユメトくんも精神科に通ってるみたいだけど、精神障害者手帳の等級は何級だったりするぅ~?」
「………………1級。そんでもって頭も悪いから愛の手帳(東京都の療育手帳)も持ってますwww」
「マジ⁉︎ ウェ~イ、あたしら仲間じゃんwww」
ホモというだけで異常者扱いされるだろうが、それに加えて精神障害1級の知的障害者で実の母親が新興宗教の教祖というメガ盛りな属性持ちの僕にヤバさで太刀打ちできる者はなかなかいないだろう。なんだか自分が嫌になってきた……。
「つか、母親が教祖とかマジヤバくね? めっちゃ気になるんですけどwww」
「母さんは僕らみたいな少数派は排斥する系の教義を布教してるから好きな男性がいることはカミングアウトできないんだ」
「マジ、ヤバくない? つか、好きな男いんの? どこまで進んでんのぉ~?」
「えっと……定期的にエッチする仲にはなったかな」
「セックスまでしてるとか思ったより進み過ぎクソワロタwww」
芭花さんの声が馬鹿でかいせいで周りの視線が痛い。他人をとやかく言える筋合いはないが、頭悪い人って何で例外なく声のボリュームがでかいんだろう?
「ちなみにホモって、『やよい穴』があるらしいじゃん。ユメトくんにもマジ付いてんの?」
「え~と、何言ってるのか全然わかんないけど、ないんじゃないんかなぁ」
「はあ、マジ⁉︎ じゃあ、どこにチンコ入れてもらってんの? ケツとか???」
「それはナイショです……」
ぐいぐい来る芭花さんに圧倒されるが、理解のある態度で接してくれる点は好感を抱けた。
「ホモも女みたいに潮吹き可能って聞いたけどマジ???」
「うん、めちゃくちゃ潮吹いちゃいました……」(第9話参照)
「ギャハハ、ユメトくんマジ面白すぎワロタwww」
こうしてマッチングアプリで知り合った芭花さんとLINE交換すると何だかんだで次も会う約束をするのであった。
「ちょっと……何でこんな所に絵路井先生がいらっしゃるんですか?」
母さんに聞こえないように絵路井先生の耳元で囁くように問う。
「実はこの辺りで危ない教義を広めるカルト集団がいるって聞いたから跡形もなくシバキ倒しに来たんだ」
ヤバい。異世界をチート能力で無双しまくった絵路井先生のことだから文字通り跡形もなく殺られてしまう。
何とかして適当に誤魔化さなければ……。
「そ、そうでしたか。いやはや、今のところ変な連中とは出くわしてないんですが……」
「う~ん、そうかい? 妙な連中が裸同然のヤバい人を囲っているみたいだけど」
引き続き母さんは頭のおかしなカルト教義をノリノリで信者に吹聴していた。
「いや、あれは単なるコスプレ系のイベントでして、決して怪しい宗教とかではないですよ。うちの母はレイヤーで、結構ファンが多くて……」
「ふ~ん、コスプレか。それは楽しそうだね。一応、お母様にご挨拶しとこうかなぁ」
ヤバい、ヤバい。このままではアホなカルト集団の元締めが実の母であることが絵路井先生にバレてしまう。
「どうもぉ、お世話になっております。私、ユメトくんの主治医を務めております絵路井と申します」
「ウホッ、いい男! 高個体値の男、発見www」
そう言うと、母さんは喜び勇んで本能のままに絵路井先生へ飛びかかっていく。
「ちょっと、母さん落ち着いてよ!」
「落ち着いてなんかいられないわ! ママという名のモ◯スターボールで野生のイケメン、ゲットだぜ!」
母さんは絵路井先生にメロメロだ。完全に理性を失い、見事なまでのメスと化している。周囲にいた信者たちも母さんの変貌ぶりにはドン引きの様子だった。
「お戯れは一旦これくらいで。他の方々もいらっしゃいますし」
「いいんですのよ、すぐに帰らせますから♡」
母さんが指パッチンをすると、信者たちは機械的な動作で何処かへ去っていった。
「邪魔者もいなくなったことですし、どうぞ中へお入りください♡」
絵路井先生を本殿へお招きすると、母さんは接待の限りを尽くす。その様を見ながら僕は考え事に耽る。
性別に囚われず、誰もが自由に誰かを愛せるような世界は間違っているのだろうか。
愛の形は人それぞれでもいいではないか。
ダメだというのなら、自分の存在理由とは何なのか。
考えれば考える程、迷いは深まっていく。
同性を好きになってしまったばかりに苦しむのなら、いっそのこと普通に異性を好きになれれば良かった。
「どうしたんだい? 浮かない顔をして」
僕の異変に気づいた絵路井先生は心配そうに声をかけてきた。
「いえ、その……えっと……彼女ができたらいいなぁって」
咄嗟に本音では思ってもいないことを口にしてしまう。異性を好きになれれば良かったなんて考えたせいだろうか。
僕の発言に心底驚愕した絵路井先生は未だかつて見たこともない表情で硬直していた。
「あらあら、ようやくユメちゃんもその気になったのね。よ~し、母さんがマッチングアプリでユメちゃんに相応しい相手を探してあ・げ・る♡」
母さんはマッチングアプリを起動すると、希望条件を入力し始める。
「年齢はユメちゃんと同じくらいで、胸の大きさは控えめ、顔の雰囲気はユメちゃんみたいな感じがいいかしら♡」
「いや、ちょっと何勝手に決めちゃってんの⁉︎」
「大丈夫、大丈夫。愛する息子のお相手を見つけるのも母親の務めよ。ママに任せないwww」
かくして僕は母さんの差し金で無理やり知らない人と会うことになるのだった。
ーーー
「ちぃ~す、初めまして~、芭花でぇ~すwww」
待ち合わせ場所にやって来た人を見た瞬間、JKのコスプレ感漂う制服姿に思わずドン引きする。
お相手の方は明らかに僕と同年代くらいだが、一応年齢確認をすることにした。
「どうも、ユメトです……。あの、高校生ですか? プロフィールには25歳と書いてあったような」
「もちのろんよ~、25歳現役JKじゃ~ん」
何を言ってのるか分からないが、言葉通りに解釈するならば25歳の女子高生ということだろうか?
単なるネタでないとすると闇が深すぎて直視できない……。
ホモと25歳現役JKのカップルは近くのカフェでお茶することにした。
僕は今に至るまでの正直な経緯を洗いざらい話すと、芭花さんはすんなり受け入れてくれた。
「ホモ治したくて彼女欲しいって言ったら、実の母親にマッチングアプリに登録されたとかマジ超ウケるwww」
我ながら笑っちゃうような話だとは思うが、当事者の僕は自分の行く末を真剣に悩んでいた。
「まあ、あたしもレズ治したくて男漁りを始めたからユメトくんと似たようなもんかなぁ~」
「えぇ、そっち系だったんですか⁉︎」」
「うん、ぶっちゃけ散々あたしも悩んだよ。おかげで精神障害者手帳の等級が1級まで上がっちゃってさ。ついでに頭も悪いから愛の手帳(東京都の療育手帳)もゲットしたじゃんwww」
25歳現役JKという肩書きだけでも充分インパクトがあったが、レズで精神障害1級の知的障害者とはキャラ盛り過ぎにも程があるだろう。
「ちなみにユメトくんも精神科に通ってるみたいだけど、精神障害者手帳の等級は何級だったりするぅ~?」
「………………1級。そんでもって頭も悪いから愛の手帳(東京都の療育手帳)も持ってますwww」
「マジ⁉︎ ウェ~イ、あたしら仲間じゃんwww」
ホモというだけで異常者扱いされるだろうが、それに加えて精神障害1級の知的障害者で実の母親が新興宗教の教祖というメガ盛りな属性持ちの僕にヤバさで太刀打ちできる者はなかなかいないだろう。なんだか自分が嫌になってきた……。
「つか、母親が教祖とかマジヤバくね? めっちゃ気になるんですけどwww」
「母さんは僕らみたいな少数派は排斥する系の教義を布教してるから好きな男性がいることはカミングアウトできないんだ」
「マジ、ヤバくない? つか、好きな男いんの? どこまで進んでんのぉ~?」
「えっと……定期的にエッチする仲にはなったかな」
「セックスまでしてるとか思ったより進み過ぎクソワロタwww」
芭花さんの声が馬鹿でかいせいで周りの視線が痛い。他人をとやかく言える筋合いはないが、頭悪い人って何で例外なく声のボリュームがでかいんだろう?
「ちなみにホモって、『やよい穴』があるらしいじゃん。ユメトくんにもマジ付いてんの?」
「え~と、何言ってるのか全然わかんないけど、ないんじゃないんかなぁ」
「はあ、マジ⁉︎ じゃあ、どこにチンコ入れてもらってんの? ケツとか???」
「それはナイショです……」
ぐいぐい来る芭花さんに圧倒されるが、理解のある態度で接してくれる点は好感を抱けた。
「ホモも女みたいに潮吹き可能って聞いたけどマジ???」
「うん、めちゃくちゃ潮吹いちゃいました……」(第9話参照)
「ギャハハ、ユメトくんマジ面白すぎワロタwww」
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