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6 セックス人生万々歳
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前回、矢馬井先生が異世界より召喚した謎の触手型モンスターに酷い目に遭わされた僕は絵路井先生に慰めてもらっていた。
「ほ~ら、いい子だから笑って元気を出して♡ 私の可愛いユメトくんを怖がらせた矢馬井先生は後でフルボッコにしとくからwww」
柔和な表情でサラッと恐い事を言う絵路井先生は僕の頭を撫でながら左手で力こぶを作る。
「というか、矢馬井先生って何者なんですか? 何であんな人間離れした特殊能力を持ってるんでしょう???」
僕の問いに絵路井先生は暫しの間、沈黙すると突然眼前に左手をかざす。
「説明するより直接見てもらった方が分かりやすいかも」
そう言うと、絵路井先生の左手から魔法陣が現れた。
「え⁉︎ えぇぇぇぇぇぇぇぇ???」
驚愕する僕をよそに絵路井先生は魔法陣の中から伝説の勇者の剣のような仰々しいデザインのサーベルを取り出した。
「実は矢馬井先生と一緒に異世界へ突如召喚されたことがあってね。その時に培った魔法やスキルは帰還した今でも使うことが出来るんだ」
突然のカミングアウトに脳内がキャパオーバーを起こす。
「いやはや、異世界には15年ぐらいいたっけなぁ。2年前に帰ってきたら元号が平成から令和に変わっててビックリしたよ。携帯もガラケーからスマホに変わってるし、『プ◯キュア 』はシリーズ化してるし、いつの間にか『ド◯ゴンボール』や『CCさ◯ら』の続編が連載開始してるし、もう完全に浦島太郎状態さwww」
絵路井先生は異世界で手に入れた数多くの武器やアイテムを魔法陣の中から次々と披露する。
「懐かしいなぁ~、これは駆け出しの頃にドワーフの刀鍛冶が作ってくれた剣でさ。こっちは冒険者ギルドで初めてのクエストを受けた時に偶然ゲットした魔剣。それから……」
「あ、もういいです。絵路井先生が本当に異世界へ行っていたのは大変よく分かりました。それにしても何で異世界に召喚されたんですか? というか、どうしたら異世界に召喚されるんですか???」
絵路井先生は魔法陣から取り出した武器やアイテムをしまいながら過去の記憶を手繰るように話し始める。
「確か矢馬井先生と精神科医療の在り方について激論を交わしながら歩いていると、いきなり歩道に突っ込んで来たトラックにはねられちゃってさ。気づいたら知らない森の中にいて、ホーンラビット(角の生えたウサギ)の群れに襲われたんだけど、急に目の前にステータス画面が出てきてチートだと分かったから物理で一匹残らず倒しちゃったよwww」
絵に描いたような異世界モノのテンプレートだが、絵路井先生の話が嘘だとは思えなかった。
矢馬井先生が異世界からグロいモンスターを召喚したのを実際に目撃したし、絵路井先生がアイテムボックス的な魔法陣から武器などを取り出すところも確かに見た。どうやら2人が異世界へ召喚されたのは客観的事実だと判断して間違いないようだ。
「やっぱり、トラックにはねられなきゃダメなんですね。異世界に行くハードル高過ぎます……」
「いや、異世界なんて決していいことばかりじゃないよ。むしろ大変なことの方が多かったくらいさ……」
そう言うと、絵路井先生は苦笑を浮かべながら異世界での辛かった思い出を語り始める。
「四六時中どこかしらで戦いを挑まれるのはホント参ったよ。ギルドでもチンピラ冒険者にウザいほど絡まれて大変だったし、やたらと勇者パーティは追放されるしさ。異世界でも人間関係全般が悲惨だったなぁ~」
僕の想像以上に殺伐とした異世界ライフを送っていたらしく、絵路井先生に心底同情した。
「どんなに優れたチート能力があっても、ストレスの多い環境ならば精神衛生上よくない。それは異世界に限らず、こちらの世界でも言えることだよ」
絵路井先生の言にはいつもながら納得させられる。
個人の才能は環境の善し悪しで左右され、最悪の場合は犯罪者になるのがオチだ。
「異世界から帰還したことで今は戦いから解放されてホッとしてるよ。無事に精神科医として開業も出来たし、こっちの世界でユメトくんと再会……じゃなくて出会うことができたから人生万々歳って感じかなぁ♡」
何か言い違えをしていたのが少し気になったが、絵路井先生が元いた世界に帰還できて本当に良かったと心底思った。
「えっと……僕も絵路井先生に出会えて今はとっても幸せです! こんな気持ちになれたのは本当に久しぶりなので、すごく生きてるって感じがします♡」
そう言う僕の手に絵路井先生は手繰り寄せるように指を絡ませてくる。
絵路井先生と抱き合うと厚い胸板に包まれるような感覚が心地よくて、いつまでもこうしていたくなってしまう。
唇を重ね合うと、キスはすぐに舌同士を絡ませ合う情熱的なものになる。僕と絵路井先生はお互いの温もりを感じながら、やがて一つに溶け合うようにセックスに興じるのだった。
「ほ~ら、いい子だから笑って元気を出して♡ 私の可愛いユメトくんを怖がらせた矢馬井先生は後でフルボッコにしとくからwww」
柔和な表情でサラッと恐い事を言う絵路井先生は僕の頭を撫でながら左手で力こぶを作る。
「というか、矢馬井先生って何者なんですか? 何であんな人間離れした特殊能力を持ってるんでしょう???」
僕の問いに絵路井先生は暫しの間、沈黙すると突然眼前に左手をかざす。
「説明するより直接見てもらった方が分かりやすいかも」
そう言うと、絵路井先生の左手から魔法陣が現れた。
「え⁉︎ えぇぇぇぇぇぇぇぇ???」
驚愕する僕をよそに絵路井先生は魔法陣の中から伝説の勇者の剣のような仰々しいデザインのサーベルを取り出した。
「実は矢馬井先生と一緒に異世界へ突如召喚されたことがあってね。その時に培った魔法やスキルは帰還した今でも使うことが出来るんだ」
突然のカミングアウトに脳内がキャパオーバーを起こす。
「いやはや、異世界には15年ぐらいいたっけなぁ。2年前に帰ってきたら元号が平成から令和に変わっててビックリしたよ。携帯もガラケーからスマホに変わってるし、『プ◯キュア 』はシリーズ化してるし、いつの間にか『ド◯ゴンボール』や『CCさ◯ら』の続編が連載開始してるし、もう完全に浦島太郎状態さwww」
絵路井先生は異世界で手に入れた数多くの武器やアイテムを魔法陣の中から次々と披露する。
「懐かしいなぁ~、これは駆け出しの頃にドワーフの刀鍛冶が作ってくれた剣でさ。こっちは冒険者ギルドで初めてのクエストを受けた時に偶然ゲットした魔剣。それから……」
「あ、もういいです。絵路井先生が本当に異世界へ行っていたのは大変よく分かりました。それにしても何で異世界に召喚されたんですか? というか、どうしたら異世界に召喚されるんですか???」
絵路井先生は魔法陣から取り出した武器やアイテムをしまいながら過去の記憶を手繰るように話し始める。
「確か矢馬井先生と精神科医療の在り方について激論を交わしながら歩いていると、いきなり歩道に突っ込んで来たトラックにはねられちゃってさ。気づいたら知らない森の中にいて、ホーンラビット(角の生えたウサギ)の群れに襲われたんだけど、急に目の前にステータス画面が出てきてチートだと分かったから物理で一匹残らず倒しちゃったよwww」
絵に描いたような異世界モノのテンプレートだが、絵路井先生の話が嘘だとは思えなかった。
矢馬井先生が異世界からグロいモンスターを召喚したのを実際に目撃したし、絵路井先生がアイテムボックス的な魔法陣から武器などを取り出すところも確かに見た。どうやら2人が異世界へ召喚されたのは客観的事実だと判断して間違いないようだ。
「やっぱり、トラックにはねられなきゃダメなんですね。異世界に行くハードル高過ぎます……」
「いや、異世界なんて決していいことばかりじゃないよ。むしろ大変なことの方が多かったくらいさ……」
そう言うと、絵路井先生は苦笑を浮かべながら異世界での辛かった思い出を語り始める。
「四六時中どこかしらで戦いを挑まれるのはホント参ったよ。ギルドでもチンピラ冒険者にウザいほど絡まれて大変だったし、やたらと勇者パーティは追放されるしさ。異世界でも人間関係全般が悲惨だったなぁ~」
僕の想像以上に殺伐とした異世界ライフを送っていたらしく、絵路井先生に心底同情した。
「どんなに優れたチート能力があっても、ストレスの多い環境ならば精神衛生上よくない。それは異世界に限らず、こちらの世界でも言えることだよ」
絵路井先生の言にはいつもながら納得させられる。
個人の才能は環境の善し悪しで左右され、最悪の場合は犯罪者になるのがオチだ。
「異世界から帰還したことで今は戦いから解放されてホッとしてるよ。無事に精神科医として開業も出来たし、こっちの世界でユメトくんと再会……じゃなくて出会うことができたから人生万々歳って感じかなぁ♡」
何か言い違えをしていたのが少し気になったが、絵路井先生が元いた世界に帰還できて本当に良かったと心底思った。
「えっと……僕も絵路井先生に出会えて今はとっても幸せです! こんな気持ちになれたのは本当に久しぶりなので、すごく生きてるって感じがします♡」
そう言う僕の手に絵路井先生は手繰り寄せるように指を絡ませてくる。
絵路井先生と抱き合うと厚い胸板に包まれるような感覚が心地よくて、いつまでもこうしていたくなってしまう。
唇を重ね合うと、キスはすぐに舌同士を絡ませ合う情熱的なものになる。僕と絵路井先生はお互いの温もりを感じながら、やがて一つに溶け合うようにセックスに興じるのだった。
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