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最終話 オメガバースな異世界に転移した僕はαの親友とツガイになる

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 射精した後の気持ちが沈むような無気力感に苛まれるのが嫌になった僕は1ヶ月前からオナ禁を始めた。
 現在もオナ禁は続けており、心身共に健康になったような気がする。
 僕はオナ禁を通して本当の意識で『男らしさ』から降りれたのかもしれない。それどころか、心の方は女の子になりつつあるような気さえする。
 女性化していってるのは心だけではない。
 頬のラインも柔らかくなり、肌もしっとりと滑らかになった。ヒップも太腿も脂肪が乗り、身体つきも丸みを帯びてきた。これもオナ禁の効果だろうか?
 子供の頃から「男は女に優しくしろ」とか「男は女を守れ」とか言われて育った僕は女よりも自分は上位の存在だと思い込んでいた。「男」と「女」という呼称を廃止して、普通に「上位種」と「下位種」と呼んだ方が自然だとすら思っていたほどだ。
 そんな僕だったが、今では親友を異性として意識するようになり、以前の粗暴で男らしい性格は完全に萎みきっていた。もはや僕の方が下位種と言っても過言でない。


「ユウタも今ではすっかり女っぽくなっちまったよな」


 かつては僕のことを同性として見ていた親友の千代田の視線が、欲望の対象として見つめる目となる。
 いつの間にか本能の赴くまま僕の唇にむしゃぶりついてきた。
 僕は目を見開いた。
 舌が挿入されると同時に唾液が口の中で交わり、互いの舌で掻き混ぜ合う。
 舌を吸い合いながら、いたわるように僕を優しく抱く。
 僕を完全に女の子として見ている千代田に驚かされるが、それ以上に1人の女の子として千代田に愛されたくて仕方なかった。
 気づけば千代田の肉棒が硬くなり始める。
 千代田のデカチンが最大高度で起き上がった。
 昔は女の子みたいな見た目で男らしくない自分が嫌だった。でも、そんな自分を愛してくれる友との出会いが僕の人生を変えた。
 不甲斐ない自分と女を重ね合わせることで、女は何をやっても男の下位互換でしかないと忌み嫌っていたけれど、その考えを捨てることで僕は心のわだかまりから解放されたのだ。
 こうして僕は身も心も女そのものになると心に誓うのだった。




ーーー




 目が覚めた時、僕は病院のベッドにいた。
 僕の身体は包帯やガーゼで覆われた状態だった。
 鏡を見ると、さらに顔が女性化しているように思う。
 包帯がしっかりと巻かれた胸も柔らかいものが押しつぶされているかのような圧迫感があり、股間も軽くなったような気がする。
 夜に見た夢の中でも自分はスカートを穿き、身体を千代田の手で抱かれていた。
 そして目の前の肉棒にしゃぶりついていた。
 千代田の男根を口にすることに対する嫌悪感はなく、胸をときめかせながらしゃぶり続けた。
 僕は心も身体も完全に女の子になってしまった。


「ユウタ、起きてるか?」


 医師の診察の後、千代田が入れ替わりにやって来た。


「だいぶいい身体になったじゃねえか。すげえ色っぽいぜ」


 そう言うと、千代田は僕の手を握って身体をベッドから起こした。


「ありがとう……」

「おぉ、声も前よりもっと高くなってるぞ。可愛いぜ」


 ふと気がついたように千代田が微笑んだ。
 睾丸を取ったことでさらに女性化が進んだらしい。
 胸は固めの包帯がきつく巻かれていたが、それでもはっきりと分かるほど僕の見た目は女の子そのものだった。
 もう後ろが肩甲骨の辺りまで伸びた黒髪。頬は以前よりも丸く艶やかになっている。
 ただ一番変化が顕著なのは上半身のラインで首筋から肩周りが丸みを帯び、ウエストのくびれまで出来ている。
 千代田が僕の胸を締めつける白い包帯を解いていく。
 包帯が解けて足元に落ちると、圧迫から解放された乳房が大きく弾みながら飛び出してきた。
 千代田はユサユサと揺れる双乳を凝視していた。
 気持ちの方はどんどん女性化しているが、いざこうして完全に女の子となった自分を見ると身震いしてしまう。
 特に華奢な身体に対して乳房が大きいため、より女が強調されているように感じる。
 千代田はパジャマのズボンのゴムに手をかけ、僕の足元にまで引き下ろした。
 パジャマの下はノーパンだった。それ以上に僕の股間からあるべきものが消えていることに千代田は驚愕する。あまりの衝撃に千代田はガクガクと震えながらもギリギリ平静を保っていた。
 露出した僕の太腿やふくらはぎは今まで以上に脂肪が乗り瑞々しい色香を放っていた。
 もはや僕の身体は男のものではなかった。
 千代田は寝ている間に少しふっくらとし、さらに丸くなった僕のヒップを愛おしそうに撫でた後、そっと身体を抱き締める。
 僕は優しく抱き締め返すと千代田の胸に顔を埋める。
 どちらからともなく唇が重なり、睦み合う。舌が挿入され、淫らに絡み合うと互いの甘美な唾液が口の中でスパークする。
 千代田は僕の胸を口に含み、乳首を舌で転がす。
 僕の身体はすぐに反応した。たちまち乳首が硬く尖ってくる。
 ぽっかりと開いた僕の唇の間から甘い呻き声が漏れた。
 千代田は僕に色々な愛撫を加えていった。
 僕は全ての愛撫に異常なまでの反応を見せる。
 僕の身体を右側に移して、後ろから胸を揉み上げる千代田の指が激しく蠢く。
 千代田は僕の乳首をいじりながら背中にキスをする。
 千代田の舌が幼馴染の素肌の上を滑った。胸から腹、腰のラインに向かって千代田の唾液の跡がつながり、それが太腿の谷間に落ちていく。
 僕と千代田の性器が絶妙なリズムで重なり合うのは時間の問題だった。
 性に関して全くウブだった僕は千代田の手によって官能の蟻地獄に落ちていく。
 やっぱり、千代田と2人でいる時間がサイコーだ。
 二人の時は2倍楽しくなるし、苦しい時は半分で済む。
 千代田の顔を見ているだけで自然に胸が温かい感情で満たされていく。思わず千代田の髪をすくように撫でていた。
 穏やかな表情を浮かべる千代田を見て、こちらまで微笑みを浮かべてしまった。


「なあ、ユウタ。俺、前に世界を救いたいなんて大それたこと言ったけどさ。俺には自分より世界より大切なものがあるってことを忘れてたよ」

「千代田……それって」

「これからはユウタが笑顔になれるだけのごくごく小さな日常だけを全力で守れたら、それでいいかなって。それが俺の人生の目標になる気がするんだ――」


 そう言って、千代田はこちらに頭を預けてきた。
 そのまま2人で額をくっつけて目を閉じる。


「千代田はいつだって僕のことを守ってくれてたよ。一緒にいるだけで優しくしてくれる千代田がいたから、僕は楽しかったんだ」

「俺もユウタがいたから楽しかった。そして、これからもユウタとならずっと――」


 きっと、これからもこうやって2人で寄り添いながら生きていくのだろう。
 幸せと不幸は表裏一体。人生にはそのどちらも訪れる。
 僕は幸せの比重の方が大きいことを切望しながら千代田と共に新たな青春を謳歌するのであった。
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