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5話 Ωの制服はバニーガール一択
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シナモンが担任を務めるクラスへ入ることになった僕たちは教室の入り口で待機していた。
日直の号令で起立、礼、着席。
「早速だが、みんなに転入生を紹介する」
シナモンが開口一番に言うと、生徒のざわめきが教室を包み込んだ。
「あー、みんな静かに。それじゃあ、どうぞ」
シナモンの声を合図にクラス全体が入室した僕たちに視線を集中させる。
「それでは、自己紹介をよろしくお願いします」
シナモンに言われると、千代田が率先して自己紹介を始める。
「どうも~、千代田です。これからこのクラスでお世話になるんでよろしく!」
クラスの女子生徒たちは早くも千代田に釘付けになっていた。
それとは対照的に陰キャな男子たちは露骨なまでにモテる千代田を嫌悪していた。
「彼、ちょっとカッコ良くない?」
「いいよね、超タイプだわぁ~♡」
「ちぃ、イケメンとか死ねよ……」
「イケメンとブスはこの世から消えろ……」
モテすぎるあまり千代田が同性から目の敵にされる光景を何度も元いた世界で見てきたが、まさか異世界でも同じ光景を目の当たりにするとは思っていなかった。異世界でも非モテに暗殺されるんじゃなかろうか?
良くも悪くも注目の的である千代田の存在のおかげで僕は自己紹介の機会を完全に逃すのであった。
ーーー
休み時間になると、僕とは対象的に千代田の周囲には一瞬で人だかりができていた。
相変わらずのモテっぷりに辟易してしまうが、陰キャな僕でも千代田の親友というだけで今までそこそこのポジションを維持してこられたわけだから目を瞑るしかない。
「あらあら、あなたのお友達ったら随分モテモテじゃないの」
先程校門で出会った風紀委員っぽい女子が僕に話しかけてきた。
「シナモン先生から授業が始まる前にユウタくんに制服を支給しておくように言われているの。ちょっと、ついてきて」
僕は言われるがまま彼女の後へと続いた。
よく見ると、チビの僕より背が高くてスタイルが良い。ベリーショートにした髪がよく似合うボーイッシュな女子だった。
胸がないせいで美少年がバニースーツを着ているような、そんな危うい倒錯感を僕に抱かせる。女装少年のローズの方が女の子らしく見えたくらいだ。
更衣室に案内されると、彼女は何故か自分が着ているバニースーツと同じデザインの衣装を僕に手渡してきた。
「えっと……どゆこと???」
「だから、これがウチの制服よ。今頃、千代田くんには他の誰かが『α』の制服を支給してると思うからユウタくんも早く着替えなさい」
シナモン先生は僕のことを女子と見做しているのだろうか?
目の前の彼女も僕に女子用と思われる制服(バニーガール)を着させようとしている。
「え~と……この世界だと僕の性別って、どういう風に認識されてるのかな?」
この世界に来てから度々痴漢の被害に遭うようになり、男としてのアイデンティティが揺らぎそうになる頻度が高くなってきた僕は彼女に素朴な疑問をぶつけた。
「質問の意図が分からないけど、普通に『Ω』にしか見えないわ」
「えぇ、Ω???」
Ωと言えば、確か子供を産む性のはずだが。
よく分からないが、つまりバニースーツはΩの制服ということなのだろうか?
「えっと……そちらもΩですか?」
「あ~ら、Ωに見えなかったかしら??? まあ、確かに可愛げのないヤツだと昔から言われて育ってきたけどね……」
バニースーツを着ていなかったら、間違いなく男の子か女の子か分からない中性的な彼女は女の子らしさにコンプレックスを抱いているのかもしれない。
イメージに反して実は内面の方は乙女なんだろうか?
「あぁ、いや、そういう意味で聞いたわけじゃないんだ。すっごく綺麗で僕よりもスタイルいいし、素敵だと思う!」
慌ててフォローしたが、かえって白々しいお世辞に聞こえたかもしれない。
「うふふ……ユウタくんって分かりやすいわね。でも、ちょっぴり可愛いかも♡ 私はソラ・プリズム。ソラって呼んでちょうだい」
ソラと少しばかり距離感が縮まった僕は仕方なくバニースーツを受け取った。
畳んであったエナメル光沢のボディスーツを広げてみると悩殺的なデザインで背筋が凍りつく。大事な所が全て見えそうなくらいのハイレグカットだった。
左右に割れやすいデザインのバニースーツは腰の高さで紐で括るだけの仕様らしい。
ソラに手伝ってもらいながら網タイツへ足を通し、ボディスーツを身に纏うと肌がだらし無く食み出るほど露出の高い格好になった。
ウサギのお耳が立ったカチューシャを頭につけられると、最後はヒールの高い靴を履かされた。
「私よりほんの少しだけ高いヒールにしといたから脚が長く見えるわ。ウサ耳カチューシャも私より大きめにしたから背が高く見えて素敵よ♡」
顔から火が出るほど恥ずかしい格好だが、ヒールのおかげで少々目線が上がり、デカめのウサ耳カチューシャの圧によって僕の身長コンプレックスは軽減されるのだった。
日直の号令で起立、礼、着席。
「早速だが、みんなに転入生を紹介する」
シナモンが開口一番に言うと、生徒のざわめきが教室を包み込んだ。
「あー、みんな静かに。それじゃあ、どうぞ」
シナモンの声を合図にクラス全体が入室した僕たちに視線を集中させる。
「それでは、自己紹介をよろしくお願いします」
シナモンに言われると、千代田が率先して自己紹介を始める。
「どうも~、千代田です。これからこのクラスでお世話になるんでよろしく!」
クラスの女子生徒たちは早くも千代田に釘付けになっていた。
それとは対照的に陰キャな男子たちは露骨なまでにモテる千代田を嫌悪していた。
「彼、ちょっとカッコ良くない?」
「いいよね、超タイプだわぁ~♡」
「ちぃ、イケメンとか死ねよ……」
「イケメンとブスはこの世から消えろ……」
モテすぎるあまり千代田が同性から目の敵にされる光景を何度も元いた世界で見てきたが、まさか異世界でも同じ光景を目の当たりにするとは思っていなかった。異世界でも非モテに暗殺されるんじゃなかろうか?
良くも悪くも注目の的である千代田の存在のおかげで僕は自己紹介の機会を完全に逃すのであった。
ーーー
休み時間になると、僕とは対象的に千代田の周囲には一瞬で人だかりができていた。
相変わらずのモテっぷりに辟易してしまうが、陰キャな僕でも千代田の親友というだけで今までそこそこのポジションを維持してこられたわけだから目を瞑るしかない。
「あらあら、あなたのお友達ったら随分モテモテじゃないの」
先程校門で出会った風紀委員っぽい女子が僕に話しかけてきた。
「シナモン先生から授業が始まる前にユウタくんに制服を支給しておくように言われているの。ちょっと、ついてきて」
僕は言われるがまま彼女の後へと続いた。
よく見ると、チビの僕より背が高くてスタイルが良い。ベリーショートにした髪がよく似合うボーイッシュな女子だった。
胸がないせいで美少年がバニースーツを着ているような、そんな危うい倒錯感を僕に抱かせる。女装少年のローズの方が女の子らしく見えたくらいだ。
更衣室に案内されると、彼女は何故か自分が着ているバニースーツと同じデザインの衣装を僕に手渡してきた。
「えっと……どゆこと???」
「だから、これがウチの制服よ。今頃、千代田くんには他の誰かが『α』の制服を支給してると思うからユウタくんも早く着替えなさい」
シナモン先生は僕のことを女子と見做しているのだろうか?
目の前の彼女も僕に女子用と思われる制服(バニーガール)を着させようとしている。
「え~と……この世界だと僕の性別って、どういう風に認識されてるのかな?」
この世界に来てから度々痴漢の被害に遭うようになり、男としてのアイデンティティが揺らぎそうになる頻度が高くなってきた僕は彼女に素朴な疑問をぶつけた。
「質問の意図が分からないけど、普通に『Ω』にしか見えないわ」
「えぇ、Ω???」
Ωと言えば、確か子供を産む性のはずだが。
よく分からないが、つまりバニースーツはΩの制服ということなのだろうか?
「えっと……そちらもΩですか?」
「あ~ら、Ωに見えなかったかしら??? まあ、確かに可愛げのないヤツだと昔から言われて育ってきたけどね……」
バニースーツを着ていなかったら、間違いなく男の子か女の子か分からない中性的な彼女は女の子らしさにコンプレックスを抱いているのかもしれない。
イメージに反して実は内面の方は乙女なんだろうか?
「あぁ、いや、そういう意味で聞いたわけじゃないんだ。すっごく綺麗で僕よりもスタイルいいし、素敵だと思う!」
慌ててフォローしたが、かえって白々しいお世辞に聞こえたかもしれない。
「うふふ……ユウタくんって分かりやすいわね。でも、ちょっぴり可愛いかも♡ 私はソラ・プリズム。ソラって呼んでちょうだい」
ソラと少しばかり距離感が縮まった僕は仕方なくバニースーツを受け取った。
畳んであったエナメル光沢のボディスーツを広げてみると悩殺的なデザインで背筋が凍りつく。大事な所が全て見えそうなくらいのハイレグカットだった。
左右に割れやすいデザインのバニースーツは腰の高さで紐で括るだけの仕様らしい。
ソラに手伝ってもらいながら網タイツへ足を通し、ボディスーツを身に纏うと肌がだらし無く食み出るほど露出の高い格好になった。
ウサギのお耳が立ったカチューシャを頭につけられると、最後はヒールの高い靴を履かされた。
「私よりほんの少しだけ高いヒールにしといたから脚が長く見えるわ。ウサ耳カチューシャも私より大きめにしたから背が高く見えて素敵よ♡」
顔から火が出るほど恥ずかしい格好だが、ヒールのおかげで少々目線が上がり、デカめのウサ耳カチューシャの圧によって僕の身長コンプレックスは軽減されるのだった。
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