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18 体罰教師をやっつけました!
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我が国の女は貞操や結婚などの掟で縛られ、自分の性欲を表に出すことを社会的に良しとされない。
それに対し、男は性的に奔放に振る舞うことが社会的に推奨されており、外を歩いているだけでも女は性的搾取に遭うリスクを抱えて生きなければならないのだ。
男は独占的な性支配を行うことでしか満足できないため、徹底的に女の性欲を否定しようとする。女に性欲はないなどというビクトリア朝時代に作られた神話を未だに妄信しているような処女厨の男が現代になっても腐るほどいる状況にはほとほと呆れて物も言えない。
「はぁ~、奏くんに見せようと思っていたBL本が生活指導の男尊先生に見つかって没収されちゃってさ。昼休みに生徒指導室に行くことになっちゃったの。もう最悪……」
心底憂鬱な表情を浮かべた喪子さんは人生に疲弊しきった様子だった。
男尊先生は絵に描いたような体育会系の脳筋であり、愛の鞭などと称して体罰を加えることで有名だった。
理不尽な精神論を振りかざされては脳筋の主観で軟弱者のレッテルを貼られ、暴力を用いた男尊女卑的な統制教育によって我が国の男社会は形成されていくのだ。
「どうしてBLにそこまで目くじらを立てるんだろう? 男子はBL以上に過激で暴力的なエロ本とかAVとか見て喜んでるのにね」
僕は教室で女をモノ扱いしたAVやエロ本を回覧している男子を見ながら呟いた。
喪子さんも、そうした光景を見ながら大きな溜め息をつく。
「この国では男の身勝手な性欲は無条件に受け入れられるけど、女の場合は内心の自由さえ著しく制限されるから性欲を抱くなんて以ての外なの。女はありとあらゆる権利を男に奪われても、女として生まれた義務を果たすことだけは強要される損な役回りなんだよ」
確かに喪子さんが言うように男はいくらでも義務から逃れることができるくせに何故か女以上の権利が与えられ、女は何の権利も与えられないのに男以上の義務を課せられる。
ただ女に生まれただけで死ぬほどハードモードな人生を歩ませられるのに、一方では男に生まれただけで女に対して生殺与奪の権利が与えられるのだ。
これほどまでに男と女で激しい人生格差があっても、男社会から特権を得ている男たちは死んでもこの格差を是正することはないだろう。それに同じ女でも名誉男性的に同性を男社会的な価値観でイジメ抜くクソぶりっ子もいるのだから尚更改善される見込みはない。
今のバグだらけの糞ゲーみたいな人生を謳歌するしか道はないのだ。
昼休みになると、僕は親友の喪子さんのために生徒指導室へと一緒に赴いた。
室内では男尊先生が待ってましたとばかりにサディスティックなグロい微笑みを浮かべていた。
「おや? まさか妊娠中の産む機械まで一緒に来るとは驚きだなぁ。一体何の用だ?」
僕は庇うように喪子さんの前に立つと、詳しく事情を説明した。
「喪子さんに対してBL本を持ってくるように要求したのは僕なんです。つまり、事の発端は全て僕にあります。僕のワガママのせいで学校に不要物を持ってきた喪子さんは今回の騒動の被害者であって、悪いのは全面的に僕です。どうか僕を叱ってください!」
いきなり男尊先生は後ろに回ると、僕の手を掴んで後ろ手にした状態で両手を麻縄でくくり合わせていった。
「何か勘違いをしているようだが、オレが貴腐寺院を呼び出した理由は学校に不要物を持ってきたからではない。女の分際で、いかがわしい不埒な欲求に取り憑かれていたからだ。我が校の校則第102条『女子生徒は如何なる場合においても常に女らしく清純であるべし』を犯した貴腐寺院の罪は重い! そいつを庇い立てするなら、お前にも愛の鞭が必要だなぁwww」
僕の両手は胸に二筋巻かれるかたちでぎっちりと縛られてしまった。
もう腕はまったく自由が利かなくなった。
「オレは生徒たちに恐れられているらしいが、他の先生よりも校則には寛容でなぁ。持ち物検査や服装検査なんかは多少の違反なら見て見ぬ振りをしてやっているくらいさ。だが、オレ様に逆らうヤツは別だ! こんな女の風上にも置けぬヤツの存在を許しては我が国の恥! 今日は徹底的にお前たちの身分が生涯にわたって男の奴隷に過ぎないことを教えてやるwww」
男尊先生は、ケバい化粧をしたギャル風の女子生徒や制服を着崩した派手な髪型のDQN野郎には甘い。その代わり、気の弱いオタク系や喪女には死ぬほど厳しく、何かしらの言いがかりをつけては指導の名のもとに暴力を振るうのだ。体育会系とDQNの親和性の高さは異常である。
後ろ手縛りにされた僕の両手は少し痺れ、痺れはさらに無抵抗感を深めていく。
「いやッ、誰か助けてぇ……」
僕は戦慄する。
「これくらいで音を上げてどうする! お前たちは将来家庭に入り、男のどんな命令にも絶対服従することでしか生きられない環境で飼い殺しにされる運命にあるのだ。男の機嫌を損なうことは死を意味すると心得よwww」
男尊先生の認知は著しく歪んでおり、もはやサイコパスの領域に軽く足を踏み入れてる状態だ。
男尊女卑と体育会系的な性質が悪魔合体した究極のモンスターは人を殺すことも厭わない。冗談抜きで何を仕出かすことやら……。
「乳首が敏感そうだなぁ」
男尊先生は僕の小さな乳首をつまんでギュッ、ギュッと揉んできた。
「いやぁッ」
嫌がっても、縛られていては逃げることも抵抗することもできない。
乳首は左右ともつまみ上げられてしまった。
「やめて~ッ! 触らないでぇ!」
ぐりぐりと面白そうに、小さなピンクの突起をいじられるままになる。
サイコパス先生は気が触れた表情でネジでも回すように、僕の乳頭を指でつまんでいじり抜いた。
ギュッとつまんで何度もつぶしてくる。
ピュッ、ピュッと乳汁が飛び出してしまった。
妊娠してから乳腺が疼いて、乳汁が溜まってくるのを感じていた。そんな身体を性玩弄されてしまう屈辱に僕は泣いた。
「もうやめてください! 妊娠中の奏くんはωとしての役割をしっかり果たしてるじゃないですか! 校則違反をしたのは私だけです。どうか奏くんを解放してください! 私のことは煮るなり焼くなり好きにしていいですから……」
喪子さんは怯えながらも力強い声で僕を庇ってくれた。
「女の分際で男に意見するなぁ~!!!」
ピシャリと音がして切られるような痛みが喪子さんの下半身を襲った。
「ぎゃああああああああああッ!!!」
もがき苦しむ喪子さんの目の前で男尊先生は鞭を手でまげてしならせる。
「うひひひひ……」
見る者全てが思わず吐き気を催すほどの邪悪な微笑みを男尊先生は浮かべていた。
「オレは優しいだろう? 世の中のDV夫は今よりも、もっと悍ましい暴力行為を日常的にやっているんだぞ。DVに耐えるのも女の務めだ。どんなDVにも耐え忍ぶことが出来るだけの強靭な精神力が身につくように今からオレが徹底的にしごいてやるwww」
男尊先生は眼を輝かせて鞭を喪子さんの前で振ってみせる。
喪子さんは下半身で感じた細い鞭の疼痛に恐怖した。
男尊先生はヒュッと音を立てて鞭で空を切った。しなる細長い鞭は打たれると見るからに痛そうだ。
喪子さんは男尊先生に肩を掴まれて後ろを向かされた。
「うぎゃあああッ!!!」
喪子さんの下半身に再び鞭が炸裂した。
下半身に焼けつくような痛みを感じながら喪子さんは反動で腰をくねらせる。
「これ以上、喪子さんをイジメるな! 今に見てろ! きっとエレンくんが助けに来て、お前なんかボコボコにしちゃうんだからッ!」
僕の言葉に一瞬ビクッとした男尊先生であったが、すぐに不敵の笑みを浮かべる。
「確かに白川 エレンを敵にまわすのは気が引けるなぁ。だが聞いた話によれば、白川は北条 奏がピンチになった時にしか現れないそうじゃないか。つまり、白川は依怙贔屓しているのだ」
言いながら、男尊先生は連続で喪子さんの下半身を鞭打つ。
「あぎゃあああああああッ!!!」
喪子さんはあまりの激痛に泣き顔になり、その苦悶する様子を男尊先生は心底楽しみながら鞭で打ち続ける。
「たぶんエレンくんは来てくれるも~ん! エレンくんは弱い立場にある人の味方なんだからッ!」
男尊先生は鞭で喪子さんの尻を撫でながら僕の方を振り向いた。
「それも相手によりけりだろう。白川も所詮は男。貴腐寺院のような女らしくないブスなど助けはせんだろう。世の中すべてこんなものなのだ。女として欠陥品である貴腐寺院が男社会でも立派に生きていけるようにオレがもっと根性を注入してやるwww」
男社会で女に生まれてしまったばかりに人間性を奪われ、男のどんな命令にも絶対服従の奴隷に仕立てるための洗脳教育が我が国では一般的に行われている。
男尊女卑が空気のように当たり前の男社会を維持し続けるために学校教育の段階で女は女らしく淑やかに振る舞うことを強制され、男に対する反骨精神が芽生えないようにマインドコントロールされていく。
女に物理的暴力や苦役を用い、男に対して従順な女らしい者を「成長」したとして優遇する一方そうでない者を侮辱して恥をかかせる――そういった恐怖心を利用して女の人生を誘導していくのだ。
「安心して……奏くん。エレンくんの力を借りなくても、この状況を打破してみせるから……」
「喪子さん……」
結局、昼休みが終わるまで喪子さんは鞭で打たれ続けた。
放課後、僕は喪子さんに肩を貸しながら水泳部の仲間のもとまで連れて行った。
「喪子さんを守れなかった無力な自分が恨めしい! あそこまで喪子さんが惨たらしい目に遭わされても泣き寝入りするしかないなんて世の中どうかしてるよ……」
しくしく泣きながら僕が言うと、喪子さんは不敵に笑った。
「いいや、泣き寝入りなんかしないよ。男尊先生の悪行は全て私のメガネ型隠しカメラに収めたから♡」
喪子さんは黒縁メガネを外すと、僕の顔の近くに持ってきた。よく見ると、メガネのブリッジにレンズがついている。どうやら正真正銘のカメラのようだ。
「わたしたちも持ってるよ~♡」
戸史間さんと出武杉さんもメガネ型隠しカメラを装着していた。今時の流行りなのだろうか?
「女ってだけで何かと男から狙われやすいから防犯のために買っといたんだけど、さっそく役に立ったよ。生徒に対する虐待行為の証拠は手に入れたから、後は教育委員会に訴えるだけ♡」
喪子さんの身体を張った自己犠牲のおかげで男尊先生は懲戒処分となった。
今回の騒動がきっかけで過去に男尊先生に体罰やセクハラなどの被害に遭った生徒たちがこぞって喪子さんのバックアップをしてくれたおかげで順調に事が運んだのだ。
それから数日後――。
「俺だったら殴って解決するところだが、貴腐寺院さんのように正攻法で倒すのが一番効果的なのかもしれないなぁ」
エレンくんは喪子さんの活躍を賞賛しながら僕の肩を抱く。
「男って何でも暴力で解決したがるけど、最終的には頭の良い人間が勝つように世の中はできてるんだから♡ 男が女より強いなんていうのは結局幻想なわけよ。女が本気を出したら男なんて手も足も出ないんだからwww」
喪子さんは勝利の微笑みを浮かべながら僕の身体をエレンくんから引ったくると、喪女の楽園である水泳部へと連行していくのであった。
それに対し、男は性的に奔放に振る舞うことが社会的に推奨されており、外を歩いているだけでも女は性的搾取に遭うリスクを抱えて生きなければならないのだ。
男は独占的な性支配を行うことでしか満足できないため、徹底的に女の性欲を否定しようとする。女に性欲はないなどというビクトリア朝時代に作られた神話を未だに妄信しているような処女厨の男が現代になっても腐るほどいる状況にはほとほと呆れて物も言えない。
「はぁ~、奏くんに見せようと思っていたBL本が生活指導の男尊先生に見つかって没収されちゃってさ。昼休みに生徒指導室に行くことになっちゃったの。もう最悪……」
心底憂鬱な表情を浮かべた喪子さんは人生に疲弊しきった様子だった。
男尊先生は絵に描いたような体育会系の脳筋であり、愛の鞭などと称して体罰を加えることで有名だった。
理不尽な精神論を振りかざされては脳筋の主観で軟弱者のレッテルを貼られ、暴力を用いた男尊女卑的な統制教育によって我が国の男社会は形成されていくのだ。
「どうしてBLにそこまで目くじらを立てるんだろう? 男子はBL以上に過激で暴力的なエロ本とかAVとか見て喜んでるのにね」
僕は教室で女をモノ扱いしたAVやエロ本を回覧している男子を見ながら呟いた。
喪子さんも、そうした光景を見ながら大きな溜め息をつく。
「この国では男の身勝手な性欲は無条件に受け入れられるけど、女の場合は内心の自由さえ著しく制限されるから性欲を抱くなんて以ての外なの。女はありとあらゆる権利を男に奪われても、女として生まれた義務を果たすことだけは強要される損な役回りなんだよ」
確かに喪子さんが言うように男はいくらでも義務から逃れることができるくせに何故か女以上の権利が与えられ、女は何の権利も与えられないのに男以上の義務を課せられる。
ただ女に生まれただけで死ぬほどハードモードな人生を歩ませられるのに、一方では男に生まれただけで女に対して生殺与奪の権利が与えられるのだ。
これほどまでに男と女で激しい人生格差があっても、男社会から特権を得ている男たちは死んでもこの格差を是正することはないだろう。それに同じ女でも名誉男性的に同性を男社会的な価値観でイジメ抜くクソぶりっ子もいるのだから尚更改善される見込みはない。
今のバグだらけの糞ゲーみたいな人生を謳歌するしか道はないのだ。
昼休みになると、僕は親友の喪子さんのために生徒指導室へと一緒に赴いた。
室内では男尊先生が待ってましたとばかりにサディスティックなグロい微笑みを浮かべていた。
「おや? まさか妊娠中の産む機械まで一緒に来るとは驚きだなぁ。一体何の用だ?」
僕は庇うように喪子さんの前に立つと、詳しく事情を説明した。
「喪子さんに対してBL本を持ってくるように要求したのは僕なんです。つまり、事の発端は全て僕にあります。僕のワガママのせいで学校に不要物を持ってきた喪子さんは今回の騒動の被害者であって、悪いのは全面的に僕です。どうか僕を叱ってください!」
いきなり男尊先生は後ろに回ると、僕の手を掴んで後ろ手にした状態で両手を麻縄でくくり合わせていった。
「何か勘違いをしているようだが、オレが貴腐寺院を呼び出した理由は学校に不要物を持ってきたからではない。女の分際で、いかがわしい不埒な欲求に取り憑かれていたからだ。我が校の校則第102条『女子生徒は如何なる場合においても常に女らしく清純であるべし』を犯した貴腐寺院の罪は重い! そいつを庇い立てするなら、お前にも愛の鞭が必要だなぁwww」
僕の両手は胸に二筋巻かれるかたちでぎっちりと縛られてしまった。
もう腕はまったく自由が利かなくなった。
「オレは生徒たちに恐れられているらしいが、他の先生よりも校則には寛容でなぁ。持ち物検査や服装検査なんかは多少の違反なら見て見ぬ振りをしてやっているくらいさ。だが、オレ様に逆らうヤツは別だ! こんな女の風上にも置けぬヤツの存在を許しては我が国の恥! 今日は徹底的にお前たちの身分が生涯にわたって男の奴隷に過ぎないことを教えてやるwww」
男尊先生は、ケバい化粧をしたギャル風の女子生徒や制服を着崩した派手な髪型のDQN野郎には甘い。その代わり、気の弱いオタク系や喪女には死ぬほど厳しく、何かしらの言いがかりをつけては指導の名のもとに暴力を振るうのだ。体育会系とDQNの親和性の高さは異常である。
後ろ手縛りにされた僕の両手は少し痺れ、痺れはさらに無抵抗感を深めていく。
「いやッ、誰か助けてぇ……」
僕は戦慄する。
「これくらいで音を上げてどうする! お前たちは将来家庭に入り、男のどんな命令にも絶対服従することでしか生きられない環境で飼い殺しにされる運命にあるのだ。男の機嫌を損なうことは死を意味すると心得よwww」
男尊先生の認知は著しく歪んでおり、もはやサイコパスの領域に軽く足を踏み入れてる状態だ。
男尊女卑と体育会系的な性質が悪魔合体した究極のモンスターは人を殺すことも厭わない。冗談抜きで何を仕出かすことやら……。
「乳首が敏感そうだなぁ」
男尊先生は僕の小さな乳首をつまんでギュッ、ギュッと揉んできた。
「いやぁッ」
嫌がっても、縛られていては逃げることも抵抗することもできない。
乳首は左右ともつまみ上げられてしまった。
「やめて~ッ! 触らないでぇ!」
ぐりぐりと面白そうに、小さなピンクの突起をいじられるままになる。
サイコパス先生は気が触れた表情でネジでも回すように、僕の乳頭を指でつまんでいじり抜いた。
ギュッとつまんで何度もつぶしてくる。
ピュッ、ピュッと乳汁が飛び出してしまった。
妊娠してから乳腺が疼いて、乳汁が溜まってくるのを感じていた。そんな身体を性玩弄されてしまう屈辱に僕は泣いた。
「もうやめてください! 妊娠中の奏くんはωとしての役割をしっかり果たしてるじゃないですか! 校則違反をしたのは私だけです。どうか奏くんを解放してください! 私のことは煮るなり焼くなり好きにしていいですから……」
喪子さんは怯えながらも力強い声で僕を庇ってくれた。
「女の分際で男に意見するなぁ~!!!」
ピシャリと音がして切られるような痛みが喪子さんの下半身を襲った。
「ぎゃああああああああああッ!!!」
もがき苦しむ喪子さんの目の前で男尊先生は鞭を手でまげてしならせる。
「うひひひひ……」
見る者全てが思わず吐き気を催すほどの邪悪な微笑みを男尊先生は浮かべていた。
「オレは優しいだろう? 世の中のDV夫は今よりも、もっと悍ましい暴力行為を日常的にやっているんだぞ。DVに耐えるのも女の務めだ。どんなDVにも耐え忍ぶことが出来るだけの強靭な精神力が身につくように今からオレが徹底的にしごいてやるwww」
男尊先生は眼を輝かせて鞭を喪子さんの前で振ってみせる。
喪子さんは下半身で感じた細い鞭の疼痛に恐怖した。
男尊先生はヒュッと音を立てて鞭で空を切った。しなる細長い鞭は打たれると見るからに痛そうだ。
喪子さんは男尊先生に肩を掴まれて後ろを向かされた。
「うぎゃあああッ!!!」
喪子さんの下半身に再び鞭が炸裂した。
下半身に焼けつくような痛みを感じながら喪子さんは反動で腰をくねらせる。
「これ以上、喪子さんをイジメるな! 今に見てろ! きっとエレンくんが助けに来て、お前なんかボコボコにしちゃうんだからッ!」
僕の言葉に一瞬ビクッとした男尊先生であったが、すぐに不敵の笑みを浮かべる。
「確かに白川 エレンを敵にまわすのは気が引けるなぁ。だが聞いた話によれば、白川は北条 奏がピンチになった時にしか現れないそうじゃないか。つまり、白川は依怙贔屓しているのだ」
言いながら、男尊先生は連続で喪子さんの下半身を鞭打つ。
「あぎゃあああああああッ!!!」
喪子さんはあまりの激痛に泣き顔になり、その苦悶する様子を男尊先生は心底楽しみながら鞭で打ち続ける。
「たぶんエレンくんは来てくれるも~ん! エレンくんは弱い立場にある人の味方なんだからッ!」
男尊先生は鞭で喪子さんの尻を撫でながら僕の方を振り向いた。
「それも相手によりけりだろう。白川も所詮は男。貴腐寺院のような女らしくないブスなど助けはせんだろう。世の中すべてこんなものなのだ。女として欠陥品である貴腐寺院が男社会でも立派に生きていけるようにオレがもっと根性を注入してやるwww」
男社会で女に生まれてしまったばかりに人間性を奪われ、男のどんな命令にも絶対服従の奴隷に仕立てるための洗脳教育が我が国では一般的に行われている。
男尊女卑が空気のように当たり前の男社会を維持し続けるために学校教育の段階で女は女らしく淑やかに振る舞うことを強制され、男に対する反骨精神が芽生えないようにマインドコントロールされていく。
女に物理的暴力や苦役を用い、男に対して従順な女らしい者を「成長」したとして優遇する一方そうでない者を侮辱して恥をかかせる――そういった恐怖心を利用して女の人生を誘導していくのだ。
「安心して……奏くん。エレンくんの力を借りなくても、この状況を打破してみせるから……」
「喪子さん……」
結局、昼休みが終わるまで喪子さんは鞭で打たれ続けた。
放課後、僕は喪子さんに肩を貸しながら水泳部の仲間のもとまで連れて行った。
「喪子さんを守れなかった無力な自分が恨めしい! あそこまで喪子さんが惨たらしい目に遭わされても泣き寝入りするしかないなんて世の中どうかしてるよ……」
しくしく泣きながら僕が言うと、喪子さんは不敵に笑った。
「いいや、泣き寝入りなんかしないよ。男尊先生の悪行は全て私のメガネ型隠しカメラに収めたから♡」
喪子さんは黒縁メガネを外すと、僕の顔の近くに持ってきた。よく見ると、メガネのブリッジにレンズがついている。どうやら正真正銘のカメラのようだ。
「わたしたちも持ってるよ~♡」
戸史間さんと出武杉さんもメガネ型隠しカメラを装着していた。今時の流行りなのだろうか?
「女ってだけで何かと男から狙われやすいから防犯のために買っといたんだけど、さっそく役に立ったよ。生徒に対する虐待行為の証拠は手に入れたから、後は教育委員会に訴えるだけ♡」
喪子さんの身体を張った自己犠牲のおかげで男尊先生は懲戒処分となった。
今回の騒動がきっかけで過去に男尊先生に体罰やセクハラなどの被害に遭った生徒たちがこぞって喪子さんのバックアップをしてくれたおかげで順調に事が運んだのだ。
それから数日後――。
「俺だったら殴って解決するところだが、貴腐寺院さんのように正攻法で倒すのが一番効果的なのかもしれないなぁ」
エレンくんは喪子さんの活躍を賞賛しながら僕の肩を抱く。
「男って何でも暴力で解決したがるけど、最終的には頭の良い人間が勝つように世の中はできてるんだから♡ 男が女より強いなんていうのは結局幻想なわけよ。女が本気を出したら男なんて手も足も出ないんだからwww」
喪子さんは勝利の微笑みを浮かべながら僕の身体をエレンくんから引ったくると、喪女の楽園である水泳部へと連行していくのであった。
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