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7 コミュ障ボッチだった僕にも友達ができました!
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最近、僕には悩んでいることがあった。
超絶イケメンのエレンくんとクラス公認カップルになれたのは嬉しいんだけど、そのせいで僕を目の敵にする者が増えたのだ。
「ちょっと、北条くん! どうして、こんな簡単な問題が分からないのッ⁉︎ こんなの誰でも分かる問題よ!」
英語の羽座井先生はぴっちりしたスーツの腰に手を当て、苦々しく斜め上から僕を見下ろしてくる。まるで僕のΩとしての魅力を値踏みしてやろうとしているみたいに……。
僕は胸のうちでこっそりため息を吐いた。これは予想以上に嫌われているようだ。見た目は華やかで男受けの良さそうな先生だけど、僕に対してのみはあからさまに嫌悪感を露わにしてくる。まるで常に女としての自分の地位が損なわれることを恐れているかのような……。
ぴっちりスーツの羽座井先生は、メガネの奥をまたぎろりと光らせる。
「こんなにも頭の悪い子じゃ、白川くんもお気の毒ね。白川くんに捨てられるのも時間の問題なんじゃないかしらwww」
羽座井先生は背を向け、恥ずかしくなるほどヒップに貼りついたスカートを揺らして去った。
「奏くん、あんなクソビッチなオバサンの言うことなんか気にしちゃダメだからね。いい歳こいてピッチピチの服着て男子にチヤホヤされるのが大好きなもんだから、エレンくんに振り向いてもらえない腹いせに八つ当たりしてるんだよwww」
僕を元気付けてくれたのは乳美さんを倒すのに協力してくれた喪女軍団のリーダー格である貴腐寺院 喪子さんだ。
貴腐寺院さんは中性的な顔立ちで背も高く、髪型も刈り上げにしているせいか、女子の制服を着ていなければ一見して女だとは分からない人だった。
前回の一件以来、貴腐寺院さんとは少し仲良くなり、席も近いからよく話しかけられる。まあ、僕はコミュ障だから自分から話しかけることは絶対にないけど……。
「僕、ああいうタイプの女の人って苦手……。オッパイやお尻を強調さえしてれば、人生すべて上手くいくとか思ってるんじゃないかなぁ?」
「でしょうね。身体目当ての男ならいくらでも寄ってくるでしょうよ、あの格好だったらwww」
普通に考えればそうだろう。けれど、僕の愛するエレンくんはそんな軽薄な男なんかじゃない。
「奏くんも、もっとΩとしての色気を身につけないと他の人たちにエレンくんを取られちゃうかもよぉ~」
「Ωとしての色気?」
僕の反応に貴腐寺院さんは舐め回すような視線を向けて言った。
「αの男を落とすためのテクニックを身につけろってこと♡ Ωに対してαが求めるものといえば……もう言わなくても分かるでしょwww」
「……セックスなら一応もうしてるよ」
貴腐寺院さんは驚愕の表情を浮かべながら、僕に顔を近づけて尋ねる。
「何回くらい?」
「もう何回かしてる……」
「セックスする時間は?」
「休みの日なら、ほぼ一日中してるかな……」
貴腐寺院さんは先を越されたとでも言わんばかりに、さらに尋問してくる。
「初体験はどれくらい痛かった?」
「ちょっとだけかな……相手がエレンくんだったから平気だったよ♡」
「なるほど、相手にもよるわけか。やっぱり、経験豊富な人にしてもらうのが一番だよね。相手がクラスの男子とかだったら、触っただけでもピュッて終わっちゃうだろうしwww」
貴腐寺院さんはそう言ってケラケラ笑った。
「私みたいな喪女でも、いつか経験することがあるのかなぁ~?」
悲観的になっている貴腐寺院さんを元気付けるために僕はコミュ障なりに励ましの言葉をかける。
「貴腐寺院さんは優しい人だから、きっとエレンくんよりも素敵なイケメンが現れてくれるはずだよ」
貴腐寺院さんは在り来たりな世辞を言う僕をしげしげと見た。
「奏くんでも、そういう気の利いたこと言えるなんてビックリだよ。彼氏が出来てから奏くんも人間的に成長したじゃん♡」
「そうかなぁ? 僕は正直に思ったことを言っただけだよ」
そう返すと、貴腐寺院さんは嬉しそうに言った。
「喪女に優しい言葉をかけれるだけでも立派だよ。ただのコミュ障ボッチなヤツだと思ってたけど、奏くんならエレンくんとの交際を認めてあげなくもないかな♡」
貴腐寺院さんは手を出すと小指を立てた。
「必ずエレンくんと一緒に幸せになりなよ。私、奏くんのこと応援してるから♡」
「ありがとう♡」
僕は微笑むと貴腐寺院さんの小指に自分の小指を絡めて指切りをした。
「なんだか奏くんと一緒にいると、自分は生まれてくる性別を間違えちゃったんじゃないかと思えるよ……。私がαの男だったら、今すぐ奏くんのことを押し倒してたかも♡」
「えぇ? なんで?」
「いや、こっちの話。気にしないで……」
貴腐寺院さんは切なげに流し目をこちらに送ってくると、足早に僕のもとから去っていくのであった。
超絶イケメンのエレンくんとクラス公認カップルになれたのは嬉しいんだけど、そのせいで僕を目の敵にする者が増えたのだ。
「ちょっと、北条くん! どうして、こんな簡単な問題が分からないのッ⁉︎ こんなの誰でも分かる問題よ!」
英語の羽座井先生はぴっちりしたスーツの腰に手を当て、苦々しく斜め上から僕を見下ろしてくる。まるで僕のΩとしての魅力を値踏みしてやろうとしているみたいに……。
僕は胸のうちでこっそりため息を吐いた。これは予想以上に嫌われているようだ。見た目は華やかで男受けの良さそうな先生だけど、僕に対してのみはあからさまに嫌悪感を露わにしてくる。まるで常に女としての自分の地位が損なわれることを恐れているかのような……。
ぴっちりスーツの羽座井先生は、メガネの奥をまたぎろりと光らせる。
「こんなにも頭の悪い子じゃ、白川くんもお気の毒ね。白川くんに捨てられるのも時間の問題なんじゃないかしらwww」
羽座井先生は背を向け、恥ずかしくなるほどヒップに貼りついたスカートを揺らして去った。
「奏くん、あんなクソビッチなオバサンの言うことなんか気にしちゃダメだからね。いい歳こいてピッチピチの服着て男子にチヤホヤされるのが大好きなもんだから、エレンくんに振り向いてもらえない腹いせに八つ当たりしてるんだよwww」
僕を元気付けてくれたのは乳美さんを倒すのに協力してくれた喪女軍団のリーダー格である貴腐寺院 喪子さんだ。
貴腐寺院さんは中性的な顔立ちで背も高く、髪型も刈り上げにしているせいか、女子の制服を着ていなければ一見して女だとは分からない人だった。
前回の一件以来、貴腐寺院さんとは少し仲良くなり、席も近いからよく話しかけられる。まあ、僕はコミュ障だから自分から話しかけることは絶対にないけど……。
「僕、ああいうタイプの女の人って苦手……。オッパイやお尻を強調さえしてれば、人生すべて上手くいくとか思ってるんじゃないかなぁ?」
「でしょうね。身体目当ての男ならいくらでも寄ってくるでしょうよ、あの格好だったらwww」
普通に考えればそうだろう。けれど、僕の愛するエレンくんはそんな軽薄な男なんかじゃない。
「奏くんも、もっとΩとしての色気を身につけないと他の人たちにエレンくんを取られちゃうかもよぉ~」
「Ωとしての色気?」
僕の反応に貴腐寺院さんは舐め回すような視線を向けて言った。
「αの男を落とすためのテクニックを身につけろってこと♡ Ωに対してαが求めるものといえば……もう言わなくても分かるでしょwww」
「……セックスなら一応もうしてるよ」
貴腐寺院さんは驚愕の表情を浮かべながら、僕に顔を近づけて尋ねる。
「何回くらい?」
「もう何回かしてる……」
「セックスする時間は?」
「休みの日なら、ほぼ一日中してるかな……」
貴腐寺院さんは先を越されたとでも言わんばかりに、さらに尋問してくる。
「初体験はどれくらい痛かった?」
「ちょっとだけかな……相手がエレンくんだったから平気だったよ♡」
「なるほど、相手にもよるわけか。やっぱり、経験豊富な人にしてもらうのが一番だよね。相手がクラスの男子とかだったら、触っただけでもピュッて終わっちゃうだろうしwww」
貴腐寺院さんはそう言ってケラケラ笑った。
「私みたいな喪女でも、いつか経験することがあるのかなぁ~?」
悲観的になっている貴腐寺院さんを元気付けるために僕はコミュ障なりに励ましの言葉をかける。
「貴腐寺院さんは優しい人だから、きっとエレンくんよりも素敵なイケメンが現れてくれるはずだよ」
貴腐寺院さんは在り来たりな世辞を言う僕をしげしげと見た。
「奏くんでも、そういう気の利いたこと言えるなんてビックリだよ。彼氏が出来てから奏くんも人間的に成長したじゃん♡」
「そうかなぁ? 僕は正直に思ったことを言っただけだよ」
そう返すと、貴腐寺院さんは嬉しそうに言った。
「喪女に優しい言葉をかけれるだけでも立派だよ。ただのコミュ障ボッチなヤツだと思ってたけど、奏くんならエレンくんとの交際を認めてあげなくもないかな♡」
貴腐寺院さんは手を出すと小指を立てた。
「必ずエレンくんと一緒に幸せになりなよ。私、奏くんのこと応援してるから♡」
「ありがとう♡」
僕は微笑むと貴腐寺院さんの小指に自分の小指を絡めて指切りをした。
「なんだか奏くんと一緒にいると、自分は生まれてくる性別を間違えちゃったんじゃないかと思えるよ……。私がαの男だったら、今すぐ奏くんのことを押し倒してたかも♡」
「えぇ? なんで?」
「いや、こっちの話。気にしないで……」
貴腐寺院さんは切なげに流し目をこちらに送ってくると、足早に僕のもとから去っていくのであった。
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