13 / 46
【第13話:目指すもの】
しおりを挟む
フォレンティーヌさんに助けられたという事を知り、どういう経緯で僕を助ける事になったのかを教えて貰いました。
まず、フォレンティーヌさんはこの街の出身ではありませんでした。
その彼女がシグルスにやってきたのが約一年前。
遠くの城塞都市国家から護衛依頼を繰り返し、その日、この街にやってきたばかりだったそうです。
ただ、隣の城塞都市国家からこのシグルスには、タイミングが悪くて護衛依頼が無かったらしく、依頼抜きでシグルスに向かっていました。
どういった目的でこのシグルスを目指していたのかはわかりませんが、目的地はこの街だったようです。
そしてシグルスの街がようやく見えたその時、なにかの魔力の高まりを感じ取った彼女は、その感覚に従うままに街道から外れ……城壁の側で倒れていた僕を発見したという事でした。
「そうなんですね。前に僕を助けてくれた守護者の事を聞いた時に、本人の許可がないと教えれないと言って断られたので全く知りませんでした。そう言う話なら一度会ってお礼を言いたいのですが……って、あれ? どうしてその助けてくれた人が僕に実地訓練をって話になったんでしょう??」
そもそも僕が守護者を目指して守護者養成学校に入学するのを、何故フォレンティーヌさんは知っていたのでしょうか?
「うむ。フォレンティーヌは中々律儀な性格の子のようでな。助けた後も何かとお主の事を気にかけていたようなんじゃ」
「気にかけて貰っていたのはありがたいのですが、それでどうして僕の指導をしたいという話になるのでしょうか?」
「うむ。彼女が言うには『ダインの能力は私が指導した方が伸びるから私に任せて欲しい』という事なのじゃ」
どう言う事なんでしょう?
僕の能力って言っても、結局ギフトの事もよくわからないままだし、剣や魔法、魔銃については養成学校で普通に習えますし、フォレンティーヌさんは僕について何かを知っているのでしょうか? そして何を教えてくれるつもりなのでしょうか?
「ん~? どう言う事なんですかね? ちなみにフォレンティーヌさんは、どう言ったギフトの持ち主なのですか?」
「二つ名の通り『樹氷』と言うギフトを持っておるのぉ」
そう言われてもイマイチどういう能力のギフトなのかわからないですよね……。
僕がわかってないのが表情に出ていたのでしょう。
ワグナー校長は、もう少し詳しく話してくれました。
「彼女の樹氷と言うギフトは氷属性のギフトでな。任意の場所に氷の木を出現させる事が出来るのじゃ」
「フォレンティーヌさんの樹氷は凄い綺麗なのよ! キラキラ光り輝く氷の木が出現したかと思うと、その木を中心に凄い強力な氷の攻撃をいっぱい繰り出せるの!」
途中から興奮したセリアが割って入ってきたけど、校長を見る限り間違ってはいないようです。
この世界ではギフトなど関係なく、誰でも火水土風の基本4属性の魔法を扱う事ができます。
ただ、人によって属性に向き不向きがあり、それによって扱える魔法の種類が、魔法の才能と扱える魔力量によってその威力などに大きな差が生まれるのですが、それでもこの世界では魔法はとても身近な存在です。
ただ、他に光闇などの特殊属性と呼ばれる属性があるのですが、こちらは適正がないと全く使えないようで、その条件は未だに解明されていないようです。
フォレンティーヌさんのその氷の木がどう言った能力なのかの詳細はわかりませんが、普通では考えられないような氷属性の魔法を繰り出し、その威力もとても強力だという話でした。
「そんな凄いんですね。僕も一度見てみたいなぁ」
やはり魔法というものは何だかワクワクします。
でも、そんなフォレンティーヌさんが僕の指導をと言う事は、僕にも何か氷属性のギフトが備わっているという事でしょうか?
今日見た映像からは氷とは何も結びつかないですが……。
「でも、そうすると僕に氷属性のギフトがあると思ってるんですかね?」
僕が倒れていた時に何かそう言うものを感じ取ったのでしょうか?
「ん~詳しくは儂も聞いていないのじゃ。元々断るつもりじゃったしのぉ」
モンスターウェーブの発生が無ければ、僕の能力を見極めてから再度検討しようと思っていらしく、何でも今日の夕方にここを訪ねてきた時に、その時期を話し合う予定だったそうです。
「まぁそういう訳じゃから、その時にお主も直接会って色々聞いてみるといい。その時の話次第で決めようと思っておる」
そして悪いようにはせんから安心せいと言って、僕についての話は終わったのでした。
~
その後、校長室を出た僕らは、校長のはからいで施設案内をローズが受け持つことになり、守護者養成学校を歩いて回ることになりました。
最初に行った施設が食堂だったのは、もうお昼を過ぎていたのでさすがローズといったところです。
食堂のご飯がとてもとても美味しかったのは、きっと今日一番の収穫でしょう。
その後、いくつかの施設を回った後、
「うわっ! ローズ! あれは何やってるの!?」
セリアが指をさしたのは魔法訓練施設でした。
「ここは魔法訓練施設なんだけど……あそこで訓練してる人たちは、うちの訓練生じゃないわね」
「生徒以外も利用しているの?」
「たぶんだけど、あれは現役の守護者の人たちね。校長もそれならそうと教えてくれたらいいのに」
ローズの話では、守護者は普段はギルドにそういう施設があるので、そちらを使うそうです。
でも、今はモンスターウェーブが発生しており、作戦行動の練習をする為の場所が足りないから、貸し出しているのだろうという事でした。
「たしかに結構歳の人もいるし、魔法の威力も精度も高そうだね」
数人ごとにグループを作って隊列を組んで動いているし、指揮のもとに魔法の発動タイミングを合わせていたり、かなり実践的な訓練をしているようです。
「なんか色々あってすっかり忘れてたけど、モンスターウェーブがせまってるのよね……」
僕はぜんぜん忘れてなかったから同意を求められても困るけど、ここは話をあわせておかないと。
「そうだね。モンスターウェーブってどういうものかは教えて貰ったけど、何か実感がわかないよ」
モンスターウェーブが起こったからと言って、必ず大きな被害が出るとは限らないと聞いています。
必要以上に恐れる必要は無いと。
だからと言って楽観視できるものでもありません。
酷い時には多数の死傷者が出る事もまた事実であり、それこそ過去にはいくつもの都市国家が滅亡しています。
だけど……恐れるにしろ、平然と受け止めるにしろ、僕たちに出来る事は限られていました。
「まぁでも、今の僕らに出来る事はほとんどないし、守護者の人と街の衛兵さんに頑張ってもらうしかないよね」
「そうよね……普通の魔物の襲撃の時だって、私たちは警報が鳴ったら建物の中に避難するぐらいしか出来ないし」
「だと良いんだけど……。ダイン。これからまた校長室に戻るけど、安易に実践を経験させるって話に乗っちゃダメよ?」
ローズだけでなく、セリアもいつになく真面目な表情でこちらを心配そうに見ています。
「うん。その件だけど……僕は内容次第では実践を経験するって話を受けてみようと思ってるんだ」
まさか僕がその気になっているとは思っていなかったみたいで、二人とも驚きの声をあげました。
「え!? どうして!?」
セリアがちょっと怒り気味に、ローズは納得のいく説明をしなさいと鋭い視線を送ってきます。
「フォレンティーヌさんって凄く強い人なんでしょ? という事は、学べる事も多いと思うんだ。モンスターウェーブというのもそんなに経験できるものじゃないし、それを凄く強い人と一緒に経験出来るんなら、より役立つはずでしょ」
「そんな……」
「志が高いのは良いけど、どうしてそこまで? ダインって守護者にそんなに思い入れあった?」
たしかに僕はそこまで守護者というものに思い入れがあったわけでは無かった。
今日実際に魔物と戦うまでは……。
「僕はね。今日の襲撃を受けて思ったんだ。セリアが、ローズが、孤児院のみんながいなくなるのは嫌だって……」
孤児院のみんなは僕にとって家族だ。
昔の記憶がないからハッキリとはわからないけど、初めてできた本当の家族だと思っている。
「だから僕は、強い守護者になって……孤児院のみんなを守りたい」
この日、僕に始めて目指すものが出来たのでした。
まず、フォレンティーヌさんはこの街の出身ではありませんでした。
その彼女がシグルスにやってきたのが約一年前。
遠くの城塞都市国家から護衛依頼を繰り返し、その日、この街にやってきたばかりだったそうです。
ただ、隣の城塞都市国家からこのシグルスには、タイミングが悪くて護衛依頼が無かったらしく、依頼抜きでシグルスに向かっていました。
どういった目的でこのシグルスを目指していたのかはわかりませんが、目的地はこの街だったようです。
そしてシグルスの街がようやく見えたその時、なにかの魔力の高まりを感じ取った彼女は、その感覚に従うままに街道から外れ……城壁の側で倒れていた僕を発見したという事でした。
「そうなんですね。前に僕を助けてくれた守護者の事を聞いた時に、本人の許可がないと教えれないと言って断られたので全く知りませんでした。そう言う話なら一度会ってお礼を言いたいのですが……って、あれ? どうしてその助けてくれた人が僕に実地訓練をって話になったんでしょう??」
そもそも僕が守護者を目指して守護者養成学校に入学するのを、何故フォレンティーヌさんは知っていたのでしょうか?
「うむ。フォレンティーヌは中々律儀な性格の子のようでな。助けた後も何かとお主の事を気にかけていたようなんじゃ」
「気にかけて貰っていたのはありがたいのですが、それでどうして僕の指導をしたいという話になるのでしょうか?」
「うむ。彼女が言うには『ダインの能力は私が指導した方が伸びるから私に任せて欲しい』という事なのじゃ」
どう言う事なんでしょう?
僕の能力って言っても、結局ギフトの事もよくわからないままだし、剣や魔法、魔銃については養成学校で普通に習えますし、フォレンティーヌさんは僕について何かを知っているのでしょうか? そして何を教えてくれるつもりなのでしょうか?
「ん~? どう言う事なんですかね? ちなみにフォレンティーヌさんは、どう言ったギフトの持ち主なのですか?」
「二つ名の通り『樹氷』と言うギフトを持っておるのぉ」
そう言われてもイマイチどういう能力のギフトなのかわからないですよね……。
僕がわかってないのが表情に出ていたのでしょう。
ワグナー校長は、もう少し詳しく話してくれました。
「彼女の樹氷と言うギフトは氷属性のギフトでな。任意の場所に氷の木を出現させる事が出来るのじゃ」
「フォレンティーヌさんの樹氷は凄い綺麗なのよ! キラキラ光り輝く氷の木が出現したかと思うと、その木を中心に凄い強力な氷の攻撃をいっぱい繰り出せるの!」
途中から興奮したセリアが割って入ってきたけど、校長を見る限り間違ってはいないようです。
この世界ではギフトなど関係なく、誰でも火水土風の基本4属性の魔法を扱う事ができます。
ただ、人によって属性に向き不向きがあり、それによって扱える魔法の種類が、魔法の才能と扱える魔力量によってその威力などに大きな差が生まれるのですが、それでもこの世界では魔法はとても身近な存在です。
ただ、他に光闇などの特殊属性と呼ばれる属性があるのですが、こちらは適正がないと全く使えないようで、その条件は未だに解明されていないようです。
フォレンティーヌさんのその氷の木がどう言った能力なのかの詳細はわかりませんが、普通では考えられないような氷属性の魔法を繰り出し、その威力もとても強力だという話でした。
「そんな凄いんですね。僕も一度見てみたいなぁ」
やはり魔法というものは何だかワクワクします。
でも、そんなフォレンティーヌさんが僕の指導をと言う事は、僕にも何か氷属性のギフトが備わっているという事でしょうか?
今日見た映像からは氷とは何も結びつかないですが……。
「でも、そうすると僕に氷属性のギフトがあると思ってるんですかね?」
僕が倒れていた時に何かそう言うものを感じ取ったのでしょうか?
「ん~詳しくは儂も聞いていないのじゃ。元々断るつもりじゃったしのぉ」
モンスターウェーブの発生が無ければ、僕の能力を見極めてから再度検討しようと思っていらしく、何でも今日の夕方にここを訪ねてきた時に、その時期を話し合う予定だったそうです。
「まぁそういう訳じゃから、その時にお主も直接会って色々聞いてみるといい。その時の話次第で決めようと思っておる」
そして悪いようにはせんから安心せいと言って、僕についての話は終わったのでした。
~
その後、校長室を出た僕らは、校長のはからいで施設案内をローズが受け持つことになり、守護者養成学校を歩いて回ることになりました。
最初に行った施設が食堂だったのは、もうお昼を過ぎていたのでさすがローズといったところです。
食堂のご飯がとてもとても美味しかったのは、きっと今日一番の収穫でしょう。
その後、いくつかの施設を回った後、
「うわっ! ローズ! あれは何やってるの!?」
セリアが指をさしたのは魔法訓練施設でした。
「ここは魔法訓練施設なんだけど……あそこで訓練してる人たちは、うちの訓練生じゃないわね」
「生徒以外も利用しているの?」
「たぶんだけど、あれは現役の守護者の人たちね。校長もそれならそうと教えてくれたらいいのに」
ローズの話では、守護者は普段はギルドにそういう施設があるので、そちらを使うそうです。
でも、今はモンスターウェーブが発生しており、作戦行動の練習をする為の場所が足りないから、貸し出しているのだろうという事でした。
「たしかに結構歳の人もいるし、魔法の威力も精度も高そうだね」
数人ごとにグループを作って隊列を組んで動いているし、指揮のもとに魔法の発動タイミングを合わせていたり、かなり実践的な訓練をしているようです。
「なんか色々あってすっかり忘れてたけど、モンスターウェーブがせまってるのよね……」
僕はぜんぜん忘れてなかったから同意を求められても困るけど、ここは話をあわせておかないと。
「そうだね。モンスターウェーブってどういうものかは教えて貰ったけど、何か実感がわかないよ」
モンスターウェーブが起こったからと言って、必ず大きな被害が出るとは限らないと聞いています。
必要以上に恐れる必要は無いと。
だからと言って楽観視できるものでもありません。
酷い時には多数の死傷者が出る事もまた事実であり、それこそ過去にはいくつもの都市国家が滅亡しています。
だけど……恐れるにしろ、平然と受け止めるにしろ、僕たちに出来る事は限られていました。
「まぁでも、今の僕らに出来る事はほとんどないし、守護者の人と街の衛兵さんに頑張ってもらうしかないよね」
「そうよね……普通の魔物の襲撃の時だって、私たちは警報が鳴ったら建物の中に避難するぐらいしか出来ないし」
「だと良いんだけど……。ダイン。これからまた校長室に戻るけど、安易に実践を経験させるって話に乗っちゃダメよ?」
ローズだけでなく、セリアもいつになく真面目な表情でこちらを心配そうに見ています。
「うん。その件だけど……僕は内容次第では実践を経験するって話を受けてみようと思ってるんだ」
まさか僕がその気になっているとは思っていなかったみたいで、二人とも驚きの声をあげました。
「え!? どうして!?」
セリアがちょっと怒り気味に、ローズは納得のいく説明をしなさいと鋭い視線を送ってきます。
「フォレンティーヌさんって凄く強い人なんでしょ? という事は、学べる事も多いと思うんだ。モンスターウェーブというのもそんなに経験できるものじゃないし、それを凄く強い人と一緒に経験出来るんなら、より役立つはずでしょ」
「そんな……」
「志が高いのは良いけど、どうしてそこまで? ダインって守護者にそんなに思い入れあった?」
たしかに僕はそこまで守護者というものに思い入れがあったわけでは無かった。
今日実際に魔物と戦うまでは……。
「僕はね。今日の襲撃を受けて思ったんだ。セリアが、ローズが、孤児院のみんながいなくなるのは嫌だって……」
孤児院のみんなは僕にとって家族だ。
昔の記憶がないからハッキリとはわからないけど、初めてできた本当の家族だと思っている。
「だから僕は、強い守護者になって……孤児院のみんなを守りたい」
この日、僕に始めて目指すものが出来たのでした。
0
お気に入りに追加
412
あなたにおすすめの小説
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
チートも何も貰えなかったので、知力と努力だけで生き抜きたいと思います
あーる
ファンタジー
何の準備も無しに突然異世界に送り込まれてしまった山西シュウ。
チートスキルを貰えないどころか、異世界の言語さえも分からないところからのスタート。
さらに、次々と強大な敵が彼に襲い掛かる!
仕方ない、自前の知力の高さ一つで成り上がってやろうじゃないか!
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます
ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。
何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。
何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。
それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。
そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。
見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。
「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」
にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。
「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。
「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる