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Ⅱ ~勇者が暴走したので邪竜で蹴散らしておこうと思う~
【第12話:面白そうだ】
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ギルドマスター室に通されたオレは、ちょっとホッとしていた。
ギルドの中が、妖精の飾りつけで凄い事になっているんじゃないかと少し心配だったからだ。
しかし、ギルドの中はいたって普通で、他のギルドよりお洒落に飾り付けられており、とても素敵に思えた。
そしてそのまま3階のギルドマスター室にまで来て扉をあけると、
「あぁ……やっぱり妖精だらけだったな……」
思った通りの展開に何故かホッとした自分がいた。あれ?
しかしこの部屋凄いな……カリンの実家の『妖精の呼子亭』より凄いんじゃなかろうか?
「ん? コウガさん、入り口で立っていないで、どうぞそちらのソファに座ってください。すぐにお茶を淹れてもらいますから」
「あ、あぁ。すまない。じゃぁ、失礼するよ」
そう言ってソファーに座ったオレに飛び込んでくる影があった。
「コウガお兄ちゃん! お久しぶりです!!」
「え? カノンちゃん? 一緒に来ちゃったの?」
それは宿でいつもご飯を運んでくれた、カリンの妹のカノンちゃんだった。
「うん! お母さんがね、カリンお姉ちゃん一人だと色々心配だから、ついてってあげなさいって!」
宿でも思っていたが、やっぱり妹のカノンちゃんの方が数倍しっかりしているな……。
そして、それをちゃんと理解しているおばさんもさすがだ……。
「ちょっと!? そんな事コウガさんに言わないでいいの! それより早くお茶入れてきて!」
実家の宿の方は大丈夫かとちょっと心配したら、最近一人お手伝いさんを雇ったので大丈夫という事だった。
「それじゃぁ、前に手紙で話してた冒険者誘致の件について、少し話していけるかな?」
「はい! あ! えっと……」
「その話なんですけど、その前に今後の初心者講習とかの教官をお願いしている冒険者パーティーを紹介させてもらっても良いですか~? 昨日からこの街に来てもらっているの!」
と、カノンちゃんがこたえる……。
「ちょっとカノン!? もうここは良いから『紅い狐』さん達呼んできて!」
「は~い!」
元気よく返事するとカノンちゃんは部屋を出て呼びに走り去っていった。
「え!? ジョゼさん達が引き受けてくれたの!?」
A級冒険者パーティーの『紅い狐』と言えば、ドアラの街でトップクラスの冒険者パーティーである。
オレは初心者講習を受け持ってもらった縁から、たまにギルドで会えば話す仲にはなっていたが、まさか活動拠点をこのジルニトラの街に移してくれるとは思わなかった。
「はい。コウガさんの話をしたら面白そうだと二つ返事で了承してくれたんですよ! 何か後でパーティーメンバーの人とちょっと揉めはしたそうですけど……」
そりゃぁ、パーティーの将来がかかっている事を「面白そうだ」の一言で決めたら文句の一つも出るだろう……。
相変わらずの豪快さにちょっと苦笑いを浮かべていると、部屋にノックの音が響く。
「あ! 話をしてたらもう来てくれたみたいですね! どうぞ~!」
カリンがそう言うと、扉が開き、カノンちゃんを先頭に、ジョゼさんとクオーターエルフのテンテンさんが入ってきた。
「ジョゼさん、テンテンさんお久しぶりです! ジルニトラの街に来てくれて、本当にありがとうございます!!」
「おぅ! 面白そうだから出向いてきたぞ! しっかし、凄いな~出会った時はただの新人冒険者だったのに、いつの間にかS級冒険者で領地持ちの貴族様になってるんだからな~」
「こら! ジョゼっち! もうコウガっちは貴族様なんだから言葉遣い気を付けなよ!」
テンテンさんもオレの事を「コウガっち」って言ってる時点でどうかと思うが、そもそも二人に敬語を使ってもらうつもりはないので、それを伝えておく。
「ところでテンテンさん、他の方たちは?」
カリンが二人しかいいない事にそう尋ねると、
「あいつら俺らに話し合いは任せるからよろしく! だってよ! 今頃、この街の観光行ってるはずだ!」
「まぁ私は久しぶりにコウガっちに会って話したかったし、良いんだけどね~」
と、返ってきた。
『赤い狐』は他に3人いるのだが、まぁまた今度会った時にでも挨拶すれば良いだろう。
「しかし、こんな街いつの間に出来たんだ? もしかして遺跡か何か利用したのか?」
思わず一月で作ったと答えそうになったが、王様に口止めされていたのを寸での所で思い出す。
「えっと……とある伝説級の魔道具の力で隠れていたみたいで、元から存在していたみたいなんですよ~」
オレは高位妖精のセイルに用意しておいて貰った言い訳で何とか誤魔化すと、
「そうだ。後で美味しいご飯でもご馳走するんで、ちょっとカリンとの話し合いに相談役って事で協力してもらえないです?」
「いいじゃな~い♪ どうせこの後ジョゼっちと二人で寂しい昼飯食べにいく所だったから、喜んで引き受けちゃうよ?」
テンテンさんが食いついてくれた。
正直、カリンとオレだけだと不安だったので、凄く助かった。
こうしてオレたちは今後の冒険者誘致の案を纏めていき、その後はうちのパーティーも合流してちょっと豪華な食事会を開いたのだった。
ギルドの中が、妖精の飾りつけで凄い事になっているんじゃないかと少し心配だったからだ。
しかし、ギルドの中はいたって普通で、他のギルドよりお洒落に飾り付けられており、とても素敵に思えた。
そしてそのまま3階のギルドマスター室にまで来て扉をあけると、
「あぁ……やっぱり妖精だらけだったな……」
思った通りの展開に何故かホッとした自分がいた。あれ?
しかしこの部屋凄いな……カリンの実家の『妖精の呼子亭』より凄いんじゃなかろうか?
「ん? コウガさん、入り口で立っていないで、どうぞそちらのソファに座ってください。すぐにお茶を淹れてもらいますから」
「あ、あぁ。すまない。じゃぁ、失礼するよ」
そう言ってソファーに座ったオレに飛び込んでくる影があった。
「コウガお兄ちゃん! お久しぶりです!!」
「え? カノンちゃん? 一緒に来ちゃったの?」
それは宿でいつもご飯を運んでくれた、カリンの妹のカノンちゃんだった。
「うん! お母さんがね、カリンお姉ちゃん一人だと色々心配だから、ついてってあげなさいって!」
宿でも思っていたが、やっぱり妹のカノンちゃんの方が数倍しっかりしているな……。
そして、それをちゃんと理解しているおばさんもさすがだ……。
「ちょっと!? そんな事コウガさんに言わないでいいの! それより早くお茶入れてきて!」
実家の宿の方は大丈夫かとちょっと心配したら、最近一人お手伝いさんを雇ったので大丈夫という事だった。
「それじゃぁ、前に手紙で話してた冒険者誘致の件について、少し話していけるかな?」
「はい! あ! えっと……」
「その話なんですけど、その前に今後の初心者講習とかの教官をお願いしている冒険者パーティーを紹介させてもらっても良いですか~? 昨日からこの街に来てもらっているの!」
と、カノンちゃんがこたえる……。
「ちょっとカノン!? もうここは良いから『紅い狐』さん達呼んできて!」
「は~い!」
元気よく返事するとカノンちゃんは部屋を出て呼びに走り去っていった。
「え!? ジョゼさん達が引き受けてくれたの!?」
A級冒険者パーティーの『紅い狐』と言えば、ドアラの街でトップクラスの冒険者パーティーである。
オレは初心者講習を受け持ってもらった縁から、たまにギルドで会えば話す仲にはなっていたが、まさか活動拠点をこのジルニトラの街に移してくれるとは思わなかった。
「はい。コウガさんの話をしたら面白そうだと二つ返事で了承してくれたんですよ! 何か後でパーティーメンバーの人とちょっと揉めはしたそうですけど……」
そりゃぁ、パーティーの将来がかかっている事を「面白そうだ」の一言で決めたら文句の一つも出るだろう……。
相変わらずの豪快さにちょっと苦笑いを浮かべていると、部屋にノックの音が響く。
「あ! 話をしてたらもう来てくれたみたいですね! どうぞ~!」
カリンがそう言うと、扉が開き、カノンちゃんを先頭に、ジョゼさんとクオーターエルフのテンテンさんが入ってきた。
「ジョゼさん、テンテンさんお久しぶりです! ジルニトラの街に来てくれて、本当にありがとうございます!!」
「おぅ! 面白そうだから出向いてきたぞ! しっかし、凄いな~出会った時はただの新人冒険者だったのに、いつの間にかS級冒険者で領地持ちの貴族様になってるんだからな~」
「こら! ジョゼっち! もうコウガっちは貴族様なんだから言葉遣い気を付けなよ!」
テンテンさんもオレの事を「コウガっち」って言ってる時点でどうかと思うが、そもそも二人に敬語を使ってもらうつもりはないので、それを伝えておく。
「ところでテンテンさん、他の方たちは?」
カリンが二人しかいいない事にそう尋ねると、
「あいつら俺らに話し合いは任せるからよろしく! だってよ! 今頃、この街の観光行ってるはずだ!」
「まぁ私は久しぶりにコウガっちに会って話したかったし、良いんだけどね~」
と、返ってきた。
『赤い狐』は他に3人いるのだが、まぁまた今度会った時にでも挨拶すれば良いだろう。
「しかし、こんな街いつの間に出来たんだ? もしかして遺跡か何か利用したのか?」
思わず一月で作ったと答えそうになったが、王様に口止めされていたのを寸での所で思い出す。
「えっと……とある伝説級の魔道具の力で隠れていたみたいで、元から存在していたみたいなんですよ~」
オレは高位妖精のセイルに用意しておいて貰った言い訳で何とか誤魔化すと、
「そうだ。後で美味しいご飯でもご馳走するんで、ちょっとカリンとの話し合いに相談役って事で協力してもらえないです?」
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正直、カリンとオレだけだと不安だったので、凄く助かった。
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