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Ⅰ ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~
【第27話:美味いのか?】
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~時は少し遡る~
オレは邪竜『ジルニトラ』とハイエルフの『リルラ』と少しこれからについて話し合っていた。
「ジルニトラはこれから長い付き合いになるだろうし今後の事はゆっくり話すとして、リルラはどうするんだ?ハイエルフの里……ってのがあるかどうかはわからないけど、そういう所に帰るのか?」
ジルニトラはテイムしてオレの従魔になったのだから、これからの事をしっかり話し合わなければいけない。
この巨体だから街には連れていけないだろうし、この巨体だから食事の事も考えないといけない。
そもそもドラゴンテイマーの冒険者なんて前代未聞だ。
英雄譚に登場する冒険者が小型の竜を従えているが、あれは御伽噺だ。
現在、この世界で唯一竜を保有しているのは『リシュテイン公国』だ。
この小さな公国が帝国に隣接しているにもかかわらず、現在も独立を保てているのは竜が守護獣として守っているのが大きな理由だと言われている。噂では国を治める公爵家は竜の血をひいているそうだ。
また、守護獣のドラゴン以外にも小型の飛竜(ワイバーンではなく竜種)を駆る竜騎士団を所持しており、普通の小国とはかけ離れた戦力を保持していた。
ちなみに、この竜騎士団と聖エリス神国の聖騎士団、帝国の機甲兵団が人類の3大戦力らしい。
「いいえ。帰りません。私はコウガ様に救っていただきました。これから永い付き合いをさせて頂くつもりです」
前世でも女の子の気持ちはわからなかったが、この世界の女の子は更に輪をかけてわからん……。
「助けたってそんな大層な事してないぞ?」
「それこそ いいえ です。コウガ様がいなければ大精霊と契約して自惚れていた私はジルニトラ様に挑んで死んでいたのですから。そもそもハイエルフは普通のエルフと違ってどこか特定の土地に住み着く事はありません。その生の大半を精霊界で過ごす者が大半ですが、精霊界は退屈なので……」
こちらを上目遣いで見上げてくるリルラの瞳は凄く可愛らしいはずなのだが、その眼力に軽い畏怖を感じるのは何故だろう……。
「そ、そうか?それなら良いか」
あ。思わず納得してしまった。
「はい!では決まりですね!不束者ですがよろしくお願いします!」
「あ。はい。こちらこそ……って、旅の仲間としてだからな!?そう言うのじゃないからな!?」
「はい。わかっております」
オレが決まづくなってリルラから視線を逸らすと、今度は生暖かい眼でみていたジルニトラと目が合う。
≪ところで我はどうすれば良い?一応、主に付き従っていくつもりだが?≫
オレは若干ジルニトラに感謝しつつも話の方向を軌道修正する。
「ジルニトラはその巨体だしなぁ。残念だけど普段オレが街にいる間はどこかこの森の中とかで暮らして……」
オレがまだ話している途中だったが、ジルニトラは
≪ん?この大きさが問題なら、体はある程度小さく出来るぞ≫
と言ってオレの思い込みを訂正してくれる。
「おぉ!そうなのか!どの程度まで小さくなれるんだ?」
≪ふむ。説明するより見てもらった方が早いか≫
ジルニトラはそう言うと、何か言葉にならない言葉を発する。
すると足元に巨大な魔法陣があらわれ、みるみる小さくなっていく。
「わぁ!凄いですね!」
「あぁ、凄いな!これなら一緒に行動出来る!」
目の前に現れたのはフェアリードラゴンほどの大きさ、1mに満たない小さドラゴンの姿になったジルニトラだった。
≪この辺りが限界か。どうだろう?これなら一緒に街に入れるか?我も今の世界がどうなっておるか興味があるので、出来れば共に過ごしたい≫
もう少し詳しく話を聞いてみると、今の世の中がどうなっているのか知りたいらしく、ジルニトラ自身も一緒に街に入ったり、冒険したりしたいようだ。
「コウガ様。私もさっき教えて頂いた冒険者になる事は可能でしょうか?」
ハイエルフだが見た目は10歳ぐらいの美少女なので、登録は出来るだろう。
「大丈夫だと思う。それじゃぁジルニトラにリルラ。これから二人は共に生きていく仲間だ。パーティー『恒久の転生竜』の仲間だ!」
「はい!」
≪承知した!≫
これからオレ達の冒険が始まる!
「ところでコウガ様?それで冒険者と言うのは何なのですか?」
≪うむ。我も知らぬ。あと、ぱーてぃいと言うのは美味いのか?≫
「……え?……」
オレはこの後2時間かけて、2人に冒険者の事、この世界の常識などを説明するはめになるのだった。
オレは邪竜『ジルニトラ』とハイエルフの『リルラ』と少しこれからについて話し合っていた。
「ジルニトラはこれから長い付き合いになるだろうし今後の事はゆっくり話すとして、リルラはどうするんだ?ハイエルフの里……ってのがあるかどうかはわからないけど、そういう所に帰るのか?」
ジルニトラはテイムしてオレの従魔になったのだから、これからの事をしっかり話し合わなければいけない。
この巨体だから街には連れていけないだろうし、この巨体だから食事の事も考えないといけない。
そもそもドラゴンテイマーの冒険者なんて前代未聞だ。
英雄譚に登場する冒険者が小型の竜を従えているが、あれは御伽噺だ。
現在、この世界で唯一竜を保有しているのは『リシュテイン公国』だ。
この小さな公国が帝国に隣接しているにもかかわらず、現在も独立を保てているのは竜が守護獣として守っているのが大きな理由だと言われている。噂では国を治める公爵家は竜の血をひいているそうだ。
また、守護獣のドラゴン以外にも小型の飛竜(ワイバーンではなく竜種)を駆る竜騎士団を所持しており、普通の小国とはかけ離れた戦力を保持していた。
ちなみに、この竜騎士団と聖エリス神国の聖騎士団、帝国の機甲兵団が人類の3大戦力らしい。
「いいえ。帰りません。私はコウガ様に救っていただきました。これから永い付き合いをさせて頂くつもりです」
前世でも女の子の気持ちはわからなかったが、この世界の女の子は更に輪をかけてわからん……。
「助けたってそんな大層な事してないぞ?」
「それこそ いいえ です。コウガ様がいなければ大精霊と契約して自惚れていた私はジルニトラ様に挑んで死んでいたのですから。そもそもハイエルフは普通のエルフと違ってどこか特定の土地に住み着く事はありません。その生の大半を精霊界で過ごす者が大半ですが、精霊界は退屈なので……」
こちらを上目遣いで見上げてくるリルラの瞳は凄く可愛らしいはずなのだが、その眼力に軽い畏怖を感じるのは何故だろう……。
「そ、そうか?それなら良いか」
あ。思わず納得してしまった。
「はい!では決まりですね!不束者ですがよろしくお願いします!」
「あ。はい。こちらこそ……って、旅の仲間としてだからな!?そう言うのじゃないからな!?」
「はい。わかっております」
オレが決まづくなってリルラから視線を逸らすと、今度は生暖かい眼でみていたジルニトラと目が合う。
≪ところで我はどうすれば良い?一応、主に付き従っていくつもりだが?≫
オレは若干ジルニトラに感謝しつつも話の方向を軌道修正する。
「ジルニトラはその巨体だしなぁ。残念だけど普段オレが街にいる間はどこかこの森の中とかで暮らして……」
オレがまだ話している途中だったが、ジルニトラは
≪ん?この大きさが問題なら、体はある程度小さく出来るぞ≫
と言ってオレの思い込みを訂正してくれる。
「おぉ!そうなのか!どの程度まで小さくなれるんだ?」
≪ふむ。説明するより見てもらった方が早いか≫
ジルニトラはそう言うと、何か言葉にならない言葉を発する。
すると足元に巨大な魔法陣があらわれ、みるみる小さくなっていく。
「わぁ!凄いですね!」
「あぁ、凄いな!これなら一緒に行動出来る!」
目の前に現れたのはフェアリードラゴンほどの大きさ、1mに満たない小さドラゴンの姿になったジルニトラだった。
≪この辺りが限界か。どうだろう?これなら一緒に街に入れるか?我も今の世界がどうなっておるか興味があるので、出来れば共に過ごしたい≫
もう少し詳しく話を聞いてみると、今の世の中がどうなっているのか知りたいらしく、ジルニトラ自身も一緒に街に入ったり、冒険したりしたいようだ。
「コウガ様。私もさっき教えて頂いた冒険者になる事は可能でしょうか?」
ハイエルフだが見た目は10歳ぐらいの美少女なので、登録は出来るだろう。
「大丈夫だと思う。それじゃぁジルニトラにリルラ。これから二人は共に生きていく仲間だ。パーティー『恒久の転生竜』の仲間だ!」
「はい!」
≪承知した!≫
これからオレ達の冒険が始まる!
「ところでコウガ様?それで冒険者と言うのは何なのですか?」
≪うむ。我も知らぬ。あと、ぱーてぃいと言うのは美味いのか?≫
「……え?……」
オレはこの後2時間かけて、2人に冒険者の事、この世界の常識などを説明するはめになるのだった。
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