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第二章 旅は道連れ
67 ランクアップを目指しましょう
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この国で仕入れた情報はいくつかあります。
一つは北がきな臭い。
渓谷の対岸からこちら側を監視している人影の情報が増えたそうで、北側の国々も警戒体制をとっているそうです。
北には近づかないようにしましょう。
一つは南の海の沿岸に、見たことのない大型の黒い魚が複数打ち上げられていたそうです。
くじらですかね?
一つは東の方の国で、農家の息子が上位の位を賜ったとか。
農家の方なら営位ですよね?
なのにいきなり上位になどなれるのですかね?
何があったのでしょう。
最後の一つが、ブルースの元家族(名付け主)、お目当ての無性の人が3つ程隣の国に居ると。
なぜ分かったかと言うと、最近冒険者としての活動を再開して、ランク3になったそうなのです。
なんでも凶悪な動物の群れを倒して、本来ならランク2でもおかしくない活躍だったとか。
「我らもランク3になるぞ!」
「え?無理でしょ」
ブルースの言葉に、チャックが咄嗟に答えて、やっちまったとばかりに口を押さえています。
「ブルース…いくらなんでも無茶振りが過ぎますよ。
まだ生まれて間もない二人と、こちらの世界に来たばかりのジョニーですよ?
これでも随分と速いランクアップをしているのに、無理を言わないでください」
魔王や王様トカゲの二人から見ると、生まれて5年のチャックでも生まれて間もないの括りになるのでしょうね。
チャックがしょっぱい顔をしています。
「いや、だがな、久しぶりに会うのに、あいつのパーティはランク3なのに、我のパーティがランク6なのは、面子が」
「貴方の面子など知ったことではありません」
ズバッとおっしゃるアインは強いですよね。
パーティランクは平均値なのだそうですけど、私達皆ランク6なので、パーティランクもそのまま6なのです。
ランク5になるには、パーティで受けた依頼を達成する必要もあるそうなので、ブルースもランク6のままです。
「せ、せめて一つでもランクを上げないか?」
アインを視界に入れないようにしながら、私達に聞いてくるブルースに、私は頷きました。
「面子は大事ですよね、同じ男として協力しますよ」
「父ちゃんがそう言うなら僕も協力するよ」
「オレも別に…気持ちはわからなくないし」
チャック達も異論はない様です。
「おお、ありがたい!
よろしく頼むぞ」
笑顔のブルースと、呆れ顔のアインの対比がなんとも言えませんね。
ランク5になるには、パーティで依頼を規定数こなして、パーティでのポイントを一定数と、ダンジョンを経験している事だそうです。
ソロで活躍している方は、助っ人としてパーティに入れてもらい、そこでパーティポイントを稼ぐのだとか。
ブルースはソロではなく、私達のパーティの一員ですから、他のパーティの依頼に助っ人として参加しても、ポイントは付かないのだそうです。
あくまでもソロの方の救済処置なので、裏技として一旦抜けて、ブルースだけランク3まで上げ、パーティに戻ると、パーティランクが5になるそうなのですけど、さすがにそこまではしたくないとのこと。
私としても、そんなカッコ悪い事はして欲しくないですね。
「パーティでのポイント以外の条件のダンジョンとはどんな物なのでしょう?」
「ん?ダンジョンを知らないのか?」
ダンジョンとは、規模や形状はそれぞれですけど、迷路の様になっている不思議空間だそうです。
途中にモンスターが出て来て、それを倒しながら進み、最奥のお宝を目指したり、モンスターとの戦闘で、経験を積んだりする場所だそうです。
モンスターは、ダンジョン内のみに棲息?していて、倒すと消えてしまうとか。
稀に魔石を落とすそうです。
魔獣と違い、素材や肉(死骸)を残さない生き物?で、外では見ない姿形のモンスターも居るとか。
落とす魔石は魔獣の物より純度が高く、威力もあるそうで、高値で取り引きされるそうです。
ダンジョンによって属性があり、落ちる魔石の属性も決まっているのだとか。
最奥のお宝が特殊な魔石だと言うことを合わせると、魔素が何やらしてできた物なのでは無いかと言われているそうです。
立ち入りにはギルドの許可が必要で、個人で入る事は禁止されています。
不測の事態が起こらないとも言えませんからね。
普段は魔石目当てや、戦いの訓練場所として利用されているそうです。
ギルドでたまに特定の魔石を持ってくる依頼があるそうなので、立ち入りの許可と共に、依頼のチェックもするのが普通なのだそうです。
ダンジョン…迷路ですか。
若い頃流行りましたね、巨大迷路。
妻とも何度か挑みに行きました。
板で区切られた通路を、出口を目指して進むだけ……。
今思えば何が楽しかったのかわかりませんけど、当時はワクワクしていましたねぇ。
今回は戦闘も有るし、お宝もあるそうなので、楽しみです。
鉄パイプでも磨いておきましょうかね。
そして翌日、相変わらずアインは別行動で、私達は4人で冒険者ギルドへ向かいました。
依頼ボードを見てみると、ここから近い場所に有るのは、土属性の魔石が手に入るダンジョンと、水属性のダンジョンがあるようです。
他の属性の依頼がないと言うことは、近くにないのだとブルースが教えてくれました。
「土属性はこの国では使い所が無いだろうな。
主に土を豊かにしたり、土の質を変えたり、石や岩を加工しやすくするのに使う物だ。
特定の職業の者が必要とするゆえ需要も少なかろう」
成る程、依頼の用紙も少ないです。
「ランクを上げるためだからな、報酬などより、数をこなさねばならぬ。
【アメーバー】は剣で斬れぬから、【モ】の魔石10個にするか」
ブルースは一枚の依頼書を剥ぎ取り、依頼受付カウンターへ向かいます。
私達も後をついてカウンターへ移動しました。
一つは北がきな臭い。
渓谷の対岸からこちら側を監視している人影の情報が増えたそうで、北側の国々も警戒体制をとっているそうです。
北には近づかないようにしましょう。
一つは南の海の沿岸に、見たことのない大型の黒い魚が複数打ち上げられていたそうです。
くじらですかね?
一つは東の方の国で、農家の息子が上位の位を賜ったとか。
農家の方なら営位ですよね?
なのにいきなり上位になどなれるのですかね?
何があったのでしょう。
最後の一つが、ブルースの元家族(名付け主)、お目当ての無性の人が3つ程隣の国に居ると。
なぜ分かったかと言うと、最近冒険者としての活動を再開して、ランク3になったそうなのです。
なんでも凶悪な動物の群れを倒して、本来ならランク2でもおかしくない活躍だったとか。
「我らもランク3になるぞ!」
「え?無理でしょ」
ブルースの言葉に、チャックが咄嗟に答えて、やっちまったとばかりに口を押さえています。
「ブルース…いくらなんでも無茶振りが過ぎますよ。
まだ生まれて間もない二人と、こちらの世界に来たばかりのジョニーですよ?
これでも随分と速いランクアップをしているのに、無理を言わないでください」
魔王や王様トカゲの二人から見ると、生まれて5年のチャックでも生まれて間もないの括りになるのでしょうね。
チャックがしょっぱい顔をしています。
「いや、だがな、久しぶりに会うのに、あいつのパーティはランク3なのに、我のパーティがランク6なのは、面子が」
「貴方の面子など知ったことではありません」
ズバッとおっしゃるアインは強いですよね。
パーティランクは平均値なのだそうですけど、私達皆ランク6なので、パーティランクもそのまま6なのです。
ランク5になるには、パーティで受けた依頼を達成する必要もあるそうなので、ブルースもランク6のままです。
「せ、せめて一つでもランクを上げないか?」
アインを視界に入れないようにしながら、私達に聞いてくるブルースに、私は頷きました。
「面子は大事ですよね、同じ男として協力しますよ」
「父ちゃんがそう言うなら僕も協力するよ」
「オレも別に…気持ちはわからなくないし」
チャック達も異論はない様です。
「おお、ありがたい!
よろしく頼むぞ」
笑顔のブルースと、呆れ顔のアインの対比がなんとも言えませんね。
ランク5になるには、パーティで依頼を規定数こなして、パーティでのポイントを一定数と、ダンジョンを経験している事だそうです。
ソロで活躍している方は、助っ人としてパーティに入れてもらい、そこでパーティポイントを稼ぐのだとか。
ブルースはソロではなく、私達のパーティの一員ですから、他のパーティの依頼に助っ人として参加しても、ポイントは付かないのだそうです。
あくまでもソロの方の救済処置なので、裏技として一旦抜けて、ブルースだけランク3まで上げ、パーティに戻ると、パーティランクが5になるそうなのですけど、さすがにそこまではしたくないとのこと。
私としても、そんなカッコ悪い事はして欲しくないですね。
「パーティでのポイント以外の条件のダンジョンとはどんな物なのでしょう?」
「ん?ダンジョンを知らないのか?」
ダンジョンとは、規模や形状はそれぞれですけど、迷路の様になっている不思議空間だそうです。
途中にモンスターが出て来て、それを倒しながら進み、最奥のお宝を目指したり、モンスターとの戦闘で、経験を積んだりする場所だそうです。
モンスターは、ダンジョン内のみに棲息?していて、倒すと消えてしまうとか。
稀に魔石を落とすそうです。
魔獣と違い、素材や肉(死骸)を残さない生き物?で、外では見ない姿形のモンスターも居るとか。
落とす魔石は魔獣の物より純度が高く、威力もあるそうで、高値で取り引きされるそうです。
ダンジョンによって属性があり、落ちる魔石の属性も決まっているのだとか。
最奥のお宝が特殊な魔石だと言うことを合わせると、魔素が何やらしてできた物なのでは無いかと言われているそうです。
立ち入りにはギルドの許可が必要で、個人で入る事は禁止されています。
不測の事態が起こらないとも言えませんからね。
普段は魔石目当てや、戦いの訓練場所として利用されているそうです。
ギルドでたまに特定の魔石を持ってくる依頼があるそうなので、立ち入りの許可と共に、依頼のチェックもするのが普通なのだそうです。
ダンジョン…迷路ですか。
若い頃流行りましたね、巨大迷路。
妻とも何度か挑みに行きました。
板で区切られた通路を、出口を目指して進むだけ……。
今思えば何が楽しかったのかわかりませんけど、当時はワクワクしていましたねぇ。
今回は戦闘も有るし、お宝もあるそうなので、楽しみです。
鉄パイプでも磨いておきましょうかね。
そして翌日、相変わらずアインは別行動で、私達は4人で冒険者ギルドへ向かいました。
依頼ボードを見てみると、ここから近い場所に有るのは、土属性の魔石が手に入るダンジョンと、水属性のダンジョンがあるようです。
他の属性の依頼がないと言うことは、近くにないのだとブルースが教えてくれました。
「土属性はこの国では使い所が無いだろうな。
主に土を豊かにしたり、土の質を変えたり、石や岩を加工しやすくするのに使う物だ。
特定の職業の者が必要とするゆえ需要も少なかろう」
成る程、依頼の用紙も少ないです。
「ランクを上げるためだからな、報酬などより、数をこなさねばならぬ。
【アメーバー】は剣で斬れぬから、【モ】の魔石10個にするか」
ブルースは一枚の依頼書を剥ぎ取り、依頼受付カウンターへ向かいます。
私達も後をついてカウンターへ移動しました。
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