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第二章 旅は道連れ
22 動物はお肉だけではないそうです
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シナトラが鳥を2羽と、ブルースがイノシシの様な動物を獲って来てくれたので、解体をしていると、アインから「待った」がかかりました。
「なぜそんなに無駄な解体なのですか?」
なぜと尋ねられても、何が無駄なのかわからないのですが?
どうやら動物の毛皮や牙や角、鳥の羽など、綺麗に解体できると【ギルド】と言う所で買取をしてくれるそうなのです。
それ以外でも、木の実によっては種が薬の材料になったり、色々有るらしいのですが、私の調理スキルは【どうすれば食材として使いやすいか】が最優先で、食べられない部分に関しては、ゴミと見做しているようなのです。
どうやら今まで勿体無い事をしていた様ですね。
「なぜ鑑定しなかったのですか?」
「調理スキルで食べられる部分が分かりますし、ナイフを当てるだけで勝手に切り分けてくれるので、いちいち鑑定はしていなかったですね」
「町や村に行くのならお金が必要となります。
換金できるものは無駄にしない方が良いのでは無いですか?」
アインの言う通りです。
何事も先立つものが必要ですよね。
「これからは初めて見る物を解体する時や食べる時などは、まず鑑定してみて下さい」
「わかりました」
アインのアドバイスはとてもためになります。
料理に関しても、作る私の隣で見ていたアインは、何か言いたげでしたけれど、あえて言葉を飲んだ様ですね。
いつもの様に適当に切って、ハーブを適当にまぶして、焼いて、煮て、『チーン』の音で出来上がり。
ソースもどきも、木の実や果物を潰して混ぜて掛けるだけ。
「調理スキルとはあんなものだったか?」
覗き見していたブルースの言葉に、首を振るアイン。
何か違うのでしょうか?
食事を済ませた後は、今日はこのままここでゆっくりさせていただき、明日ここから一番近い村へ向かう事になりました。
通された部屋で、ベッドへ横たわります。
硬いですけど、久しぶりのベッドは嬉しいですね。
食べ物では無いですけど、鑑定してみましょう。
【石のベッド
魔族の一般的な寝具
蔦を編んだ敷物の上に動物の毛皮を加工した上敷き、シーツは綿製 】
成る程、動物の毛皮はこう言う所に使われるのですね。
解体はアインが教えてくれるそうなので、次に解体する時にでも、効率の良い解体のやり方を教えてもらいましょう。
行儀が悪いですけど、寝転がったままタブレットを開きます。
おや、画面下の緑色の丸が光っています。
どうやらポイントが溜まった様ですね。
チャックが家族になった時と、シナトラが家族になった時にポイントが増えましたから、家族が増える度にポイントが貯まるのかと思いましたけれど、今回はブルースが仲間になっただけではポイントが増えませんでしたよね。
これが『ポイントが上がるとゲージが貯まりにくい』とかいうやつなのでしょうか。
でしたらこの先どんな大家族になれば妻と再会できる魔法が手に入るのでしょうか……。
幸先不安ですねえ。
ともあれ、交換はアインに相談してみましょうか。
これから先、いつ次のポイントが貯まるかわかりませんから、優先的に交換した方が良い物を伺いましょう。
色々有りましたから疲れていたのでしょうか、私はそのまま眠ってしまいました。
息苦しさに目を覚ますと、私を挟んでチャックとシナトラが、ベッドで眠っていました。
そのシナトラの腕と足が、私の胸と腹の上に乗っています。
だから息苦しかったのですね。
よいしょと、腕と足を下ろすと、背中をくっつける様にしていたチャックが目を覚ましました。
「おはよう、部屋で休んでたんじゃなかったの?」
それぞれ個室を用意してくれていたはずなのです。
パッと起きたチャックが、視線を逸らしながら言いました。
「だって、一人だと部屋が大きくて落ち着かないし、部屋に来たらシナトラと一緒に寝てるし。
仲間はずれはないんじゃ無いの?
何でシナトラだけ一緒なんだよ!」
喋っているうちにテンションが上がったのでしょうか、最後には怒り口調になっていました。
「シナトラが先にいたのですか?
眠ってて全然気が付きませんでした」
「………仲間はずれにしたんじゃないの?」
「まさか」
チャックも大事な家族です。
一人だけ仲間はずれにするわけないですよ。
喋っているうちに、シナトラも目を覚ましました。
「うーん、もうご飯?」
「おはよう、シナトラ。
ご飯はまた獲物を獲って来てもらわないとだめかな。
それより部屋を貸してもらったよね?
何でここで寝てたの?
一人の方がゆっくりできるんじゃないの?」
折角アインが部屋を整えてくれたのに、集まっていたら、無駄な事をさせた事になりませんかねえ。
「え?だって一人じゃ寂しいよ?
何で別々なの?
僕一人より一緒が良いよ」
そうですね、一緒が良いですよね。
シナトラは体は私より大きいですけれど、生まれて一年ですから、まだまだ甘えたい盛りの子供なのですね。
「チャックも寂しかったの?」
あ、そこは言ってはいけないのでは…。
「そ!そんな事ないし!
ちょっと落ち着かなかっただけだし!
仲間はずれが嫌なだけで、一人でも寂しくなんか無いですし⁈」
「分かってます、仲間はずれが嫌なんですよね?
大丈夫ですから落ち着いてください」
なぜチャックが怒っているのか分からず、キョトンとしているシナトラと、図星を指されて取り乱しているチャックを宥めて部屋を出ました。
アインは先程の会議室の様な部屋に居ますかねえ。
「なぜそんなに無駄な解体なのですか?」
なぜと尋ねられても、何が無駄なのかわからないのですが?
どうやら動物の毛皮や牙や角、鳥の羽など、綺麗に解体できると【ギルド】と言う所で買取をしてくれるそうなのです。
それ以外でも、木の実によっては種が薬の材料になったり、色々有るらしいのですが、私の調理スキルは【どうすれば食材として使いやすいか】が最優先で、食べられない部分に関しては、ゴミと見做しているようなのです。
どうやら今まで勿体無い事をしていた様ですね。
「なぜ鑑定しなかったのですか?」
「調理スキルで食べられる部分が分かりますし、ナイフを当てるだけで勝手に切り分けてくれるので、いちいち鑑定はしていなかったですね」
「町や村に行くのならお金が必要となります。
換金できるものは無駄にしない方が良いのでは無いですか?」
アインの言う通りです。
何事も先立つものが必要ですよね。
「これからは初めて見る物を解体する時や食べる時などは、まず鑑定してみて下さい」
「わかりました」
アインのアドバイスはとてもためになります。
料理に関しても、作る私の隣で見ていたアインは、何か言いたげでしたけれど、あえて言葉を飲んだ様ですね。
いつもの様に適当に切って、ハーブを適当にまぶして、焼いて、煮て、『チーン』の音で出来上がり。
ソースもどきも、木の実や果物を潰して混ぜて掛けるだけ。
「調理スキルとはあんなものだったか?」
覗き見していたブルースの言葉に、首を振るアイン。
何か違うのでしょうか?
食事を済ませた後は、今日はこのままここでゆっくりさせていただき、明日ここから一番近い村へ向かう事になりました。
通された部屋で、ベッドへ横たわります。
硬いですけど、久しぶりのベッドは嬉しいですね。
食べ物では無いですけど、鑑定してみましょう。
【石のベッド
魔族の一般的な寝具
蔦を編んだ敷物の上に動物の毛皮を加工した上敷き、シーツは綿製 】
成る程、動物の毛皮はこう言う所に使われるのですね。
解体はアインが教えてくれるそうなので、次に解体する時にでも、効率の良い解体のやり方を教えてもらいましょう。
行儀が悪いですけど、寝転がったままタブレットを開きます。
おや、画面下の緑色の丸が光っています。
どうやらポイントが溜まった様ですね。
チャックが家族になった時と、シナトラが家族になった時にポイントが増えましたから、家族が増える度にポイントが貯まるのかと思いましたけれど、今回はブルースが仲間になっただけではポイントが増えませんでしたよね。
これが『ポイントが上がるとゲージが貯まりにくい』とかいうやつなのでしょうか。
でしたらこの先どんな大家族になれば妻と再会できる魔法が手に入るのでしょうか……。
幸先不安ですねえ。
ともあれ、交換はアインに相談してみましょうか。
これから先、いつ次のポイントが貯まるかわかりませんから、優先的に交換した方が良い物を伺いましょう。
色々有りましたから疲れていたのでしょうか、私はそのまま眠ってしまいました。
息苦しさに目を覚ますと、私を挟んでチャックとシナトラが、ベッドで眠っていました。
そのシナトラの腕と足が、私の胸と腹の上に乗っています。
だから息苦しかったのですね。
よいしょと、腕と足を下ろすと、背中をくっつける様にしていたチャックが目を覚ましました。
「おはよう、部屋で休んでたんじゃなかったの?」
それぞれ個室を用意してくれていたはずなのです。
パッと起きたチャックが、視線を逸らしながら言いました。
「だって、一人だと部屋が大きくて落ち着かないし、部屋に来たらシナトラと一緒に寝てるし。
仲間はずれはないんじゃ無いの?
何でシナトラだけ一緒なんだよ!」
喋っているうちにテンションが上がったのでしょうか、最後には怒り口調になっていました。
「シナトラが先にいたのですか?
眠ってて全然気が付きませんでした」
「………仲間はずれにしたんじゃないの?」
「まさか」
チャックも大事な家族です。
一人だけ仲間はずれにするわけないですよ。
喋っているうちに、シナトラも目を覚ましました。
「うーん、もうご飯?」
「おはよう、シナトラ。
ご飯はまた獲物を獲って来てもらわないとだめかな。
それより部屋を貸してもらったよね?
何でここで寝てたの?
一人の方がゆっくりできるんじゃないの?」
折角アインが部屋を整えてくれたのに、集まっていたら、無駄な事をさせた事になりませんかねえ。
「え?だって一人じゃ寂しいよ?
何で別々なの?
僕一人より一緒が良いよ」
そうですね、一緒が良いですよね。
シナトラは体は私より大きいですけれど、生まれて一年ですから、まだまだ甘えたい盛りの子供なのですね。
「チャックも寂しかったの?」
あ、そこは言ってはいけないのでは…。
「そ!そんな事ないし!
ちょっと落ち着かなかっただけだし!
仲間はずれが嫌なだけで、一人でも寂しくなんか無いですし⁈」
「分かってます、仲間はずれが嫌なんですよね?
大丈夫ですから落ち着いてください」
なぜチャックが怒っているのか分からず、キョトンとしているシナトラと、図星を指されて取り乱しているチャックを宥めて部屋を出ました。
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