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攻略1*攻略対象者たちと仲良くしましょう*
楽しい?ティータイム
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かれこれ1時間は座ってティータイムしています。
会話は、これといってありません。
気まず過ぎて今史上最高に胃が痛いです。
紅茶なんて味しません。
対照的に目の前の九歳の少女は優雅に紅茶を楽しんでいます。
雰囲気といい、所作といい、話し方といい、本当に九歳児かよー。
…ヴィンセントの時も思ったなぁ。
あの時は五歳だった。絶対貴族の子供は中身アラサーを過ぎてるよ。
九歳の子供はあんなに優雅に紅茶飲まないよ。
そもそも会話する気あるのかなぁ。
ここは男性である私から話題を振るものかなぁ?
王子においそれ話しかけれない的な?
でも今日初めて会って数時間の人と、会話弾ませられるほどコミュ力高くないよー。
ここは無難に、最近のことを聞いた方がいいかな?
「…最近は何をして過ごしていたんだ?」
「最近は兄様たちの訓練を見させていただいたり、勉強が忙しいですね。そう言う殿下は何をして過ごされていたのですか?」
「私も似たようなものだな。ヴィンセントと共に訓練をし、王族や兵法、政治の勉強ばかりだな」
実は歴史の乙女ゲームにハマりすぎて歴女になってしまっていた私には、兵法の勉強は簡単すぎた。
ほぼほぼ教わるものはなかった。
「ヴィンセント様と仲がよろしいというお話は本当だったのですね。今度、殿下とヴィンセント様の訓練の様子、見にきてもよろしいですか?」
「かまわない。来る時は気をつけるように」
「……はい!」
少し何かに驚いたように目を見開いたが、ふわりと花が咲くような笑顔で返事をされ、顔が熱くなるのを感じる。
それをバレたくなくて急いで紅茶を口にした。
前世では女だったから、女の子に恋をすることができるか分からず、前世の記憶が強くて男性しか好きになれなかったらどうしようと不安だった。
でも今感じているこの胸の動悸が、何故か安心をもたらしてくれた。
これでも王子だし、一応外聞なんてのは気にするんですよ。
BLは存じてますし、沼にハマっておりましたが、攻略されるのが嫌なのと一緒で自分がそうなりたいわけではない。
その後は、いつ頃訓練を見に来るのかなどを話し、他愛ない会話をして面会は終わった。
夕食時、珍しく父上がいらした。
お母さまも嬉しそうだった。
「今日のシルビア嬢との面会、どうであった?」
「…物静かな方ですね。今度、私とヴィンセントの訓練を見に来られるそうです」
「そうか。それは面白くなりそうだ」
父上の笑顔の意味がちょっと、分からない。
楽しく食事をしているのは父上とお母さまだけだ。
私は父上に聞かれたシルビア嬢の印象について考えていた。
乙女ゲームの舞台は学園だ。学園へは十五歳から三年間通う。
そこからストーリーは始まるが、シルビア嬢はこの時点で凄く太っていて醜い姿をしていた。
今日会った彼女とはかけ離れた姿だ。
そしてディーンを、王族を嫌っていた。
今の年齢から六年の間に、何かある。
私が忘れてしまっている…何かが。
会話は、これといってありません。
気まず過ぎて今史上最高に胃が痛いです。
紅茶なんて味しません。
対照的に目の前の九歳の少女は優雅に紅茶を楽しんでいます。
雰囲気といい、所作といい、話し方といい、本当に九歳児かよー。
…ヴィンセントの時も思ったなぁ。
あの時は五歳だった。絶対貴族の子供は中身アラサーを過ぎてるよ。
九歳の子供はあんなに優雅に紅茶飲まないよ。
そもそも会話する気あるのかなぁ。
ここは男性である私から話題を振るものかなぁ?
王子においそれ話しかけれない的な?
でも今日初めて会って数時間の人と、会話弾ませられるほどコミュ力高くないよー。
ここは無難に、最近のことを聞いた方がいいかな?
「…最近は何をして過ごしていたんだ?」
「最近は兄様たちの訓練を見させていただいたり、勉強が忙しいですね。そう言う殿下は何をして過ごされていたのですか?」
「私も似たようなものだな。ヴィンセントと共に訓練をし、王族や兵法、政治の勉強ばかりだな」
実は歴史の乙女ゲームにハマりすぎて歴女になってしまっていた私には、兵法の勉強は簡単すぎた。
ほぼほぼ教わるものはなかった。
「ヴィンセント様と仲がよろしいというお話は本当だったのですね。今度、殿下とヴィンセント様の訓練の様子、見にきてもよろしいですか?」
「かまわない。来る時は気をつけるように」
「……はい!」
少し何かに驚いたように目を見開いたが、ふわりと花が咲くような笑顔で返事をされ、顔が熱くなるのを感じる。
それをバレたくなくて急いで紅茶を口にした。
前世では女だったから、女の子に恋をすることができるか分からず、前世の記憶が強くて男性しか好きになれなかったらどうしようと不安だった。
でも今感じているこの胸の動悸が、何故か安心をもたらしてくれた。
これでも王子だし、一応外聞なんてのは気にするんですよ。
BLは存じてますし、沼にハマっておりましたが、攻略されるのが嫌なのと一緒で自分がそうなりたいわけではない。
その後は、いつ頃訓練を見に来るのかなどを話し、他愛ない会話をして面会は終わった。
夕食時、珍しく父上がいらした。
お母さまも嬉しそうだった。
「今日のシルビア嬢との面会、どうであった?」
「…物静かな方ですね。今度、私とヴィンセントの訓練を見に来られるそうです」
「そうか。それは面白くなりそうだ」
父上の笑顔の意味がちょっと、分からない。
楽しく食事をしているのは父上とお母さまだけだ。
私は父上に聞かれたシルビア嬢の印象について考えていた。
乙女ゲームの舞台は学園だ。学園へは十五歳から三年間通う。
そこからストーリーは始まるが、シルビア嬢はこの時点で凄く太っていて醜い姿をしていた。
今日会った彼女とはかけ離れた姿だ。
そしてディーンを、王族を嫌っていた。
今の年齢から六年の間に、何かある。
私が忘れてしまっている…何かが。
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